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業種・場所ごとの看板

工事現場に掲げる法定看板の一覧。許可票と労災保険関係成立票の大きさと書くこと

着工が近づいて、仮囲いに何を掲げればよいかを確かめたいとき。工事現場の看板は、建設業法・労災保険の法令・建築基準法などが、それぞれ掲げる人と大きさ、書くことを決めています。許可票と労災保険関係成立票は縦25cm・横35cm以上、石綿の事前調査の結果はA3以上です。まず工事の内容から必要な看板を拾い出し、法令の大きさを満たして作ります。

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工事現場の仮囲いの出入口の横に、目の高さにそろえて並べた掲示板と、仮囲いに入れた施工会社の社名
工事現場の出入口の横の仮囲いに並ぶ、掲示板。許可票などは、道を通る人から見やすい場所に掲げます。

この記事のポイント

  • 01法定看板は一つの法律ではなく、建設業法・労災保険の法令・建築基準法・建設リサイクル法・大気汚染防止法などが、それぞれ決めています
  • 02建設業の許可票は、発注者から直接請け負った元請が現場ごとに掲げます。現場用は縦25cm・横35cm以上、店舗用は縦35cm・横40cm以上です
  • 03労災保険関係成立票と建築基準法による確認の表示も縦25cm・横35cm以上。石綿の事前調査の結果は、石綿がなくてもA3以上で掲示します
  • 04許可票と施工体系図は、2022年1月の国の通知で、条件を満たせばデジタルサイネージでも掲示できるようになりました
  • 05法定看板は、掲げる義務のある会社が、決まった大きさと記載事項で用意します。雨や日差しで読めなくならない素材で作り、内容が変わったら書き換えます

工事現場の看板は、法令ごとに掲げる人と大きさが決まっています

工事現場に掲げることが法令で決まっている看板は、まとめて法定看板と呼ばれます。一つの法律でまとめて決まっているのではなく、法令ごとに、掲げる人、大きさ、書くことが違います。まずは自分の工事に当てはまるものを拾い出します。

工事現場の仮囲いの出入口のあたりに、白い板が何枚も並んでいるのを見たことがあると思います。あれは、工事をしている会社や、許可と保険の状況を、道を通る人に知らせるための看板です。建設業の許可、労災保険、建築確認、解体工事業の登録、石綿の調査と、それぞれ別の法令が掲示を求めています。

図1仮囲いに並べた、法定看板の例
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  1. 建設業の許可票建設業法の標識です。発注者から直接請け負った元請が、工事の現場ごとに掲げます。
  2. 労災保険関係成立票労働保険の法令による看板です。建設の事業の事業主が、見やすい場所に掲げます。
  3. 建築基準法による確認の表示建築確認を受けた建物や工作物の工事で、施工者が表示します。
  4. 解体工事業者の標識建設リサイクル法の登録を受けた解体工事業者が、営業所と解体工事の現場に掲げます。
  5. 石綿の事前調査結果の掲示建物の解体や改修の工事で、元請業者などが、石綿の有無にかかわらず掲示します。
  6. 施工体系図下請の会社の分担を示す図です。公共工事では、工事関係者だけでなく、公衆が見やすい場所にも掲げます。

仮囲いを正面から見た模式図で、看板の大きさの比率は実際とは違います。破線の4枚は、工事の種類によって掲げるものです。

表1道を通る人に向けて掲げる、主な法定看板
  • 建設業の許可票(現場)

    決まりのもと
    建設業法 第40条、施行規則 第25条(様式第29号)
    掲げる人・工事・場所
    発注者から直接請け負った建設業者(元請)が、工事の現場ごとに。公衆の見やすい場所に
    大きさ(縦×横)
    25cm以上×35cm以上
  • 労災保険関係成立票

    決まりのもと
    労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 第77条(様式第4号)
    掲げる人・工事・場所
    労災保険の保険関係が成立している、建設の事業の事業主。見やすい場所に
    大きさ(縦×横)
    25cm以上×35cm以上(地は白、文字は黒)
  • 建築基準法による確認の表示

    決まりのもと
    建築基準法 第89条、施行規則 第11条(第68号様式)
    掲げる人・工事・場所
    建築確認を受けた建築・大規模の修繕・大規模の模様替の工事(確認を受けた広告塔などの工作物も同じ)の施工者。工事現場の見やすい場所に、確認済証の交付から完成まで
    大きさ(縦×横)
    25cm以上×35cm以上
  • 解体工事業者の標識

    決まりのもと
    建設リサイクル法 第33条、省令 第8条(様式第7号)
    掲げる人・工事・場所
    解体工事業の登録を受けた業者が、営業所と解体工事の現場ごとに。公衆の見やすい場所に
    大きさ(縦×横)
    25cm以上×35cm以上
  • 石綿の事前調査結果の掲示

    決まりのもと
    大気汚染防止法 第18条の15第5項、施行規則 第16条の9・第16条の10
    掲げる人・工事・場所
    建物などの解体・改修の工事の元請業者か、請負によらず自分で工事をする人(自主施工者)。公衆に見やすいように、解体等工事が終わるまで
    大きさ(縦×横)
    A3(29.7cm×42cm)以上。縦と横はどちら向きでもよい
  • 施工体系図(公共工事)

    決まりのもと
    建設業法 第24条の8第4項、入札契約適正化法 第15条
    掲げる人・工事・場所
    下請契約を結んだ公共工事の建設業者。工事関係者が見やすい場所と、公衆が見やすい場所に
    大きさ(縦×横)
    決まりはない(読みやすい大きさ)

法令の条文と、浜松市「工事現場に掲げる標識類について」(2026年10月)・栃木県「建設工事現場に掲げる標識類について」(2024年4月)・文京区と奈良県の案内をもとにしています。大きさの決まりがあるものは、どれも「以上」の決まりです。

この表のほかにも、施工体系図や再下請負通知を求める掲示、建設副産物の計画など、現場に掲げるものがあります。電気工事業者の標識(営業所と電気工事の施工場所ごと)のように、工事の種類によって掲げる標識もあります。道路を使う工事では、道路を管理する国や自治体の基準で、工事中の看板も立てます。

自治体の条例で、工事の前に建築計画を知らせる看板を求めるものもあります。たとえば東京都は、原則として高さ10mを超える建物などで、条例にもとづく標識を設けるよう案内しています。決まりは自治体ごとに違うため、建てる場所の自治体の窓口で確かめます。

建設業の許可票は、元請が工事の現場ごとに掲げます

建設業の許可票(建設業法の標識)は、店舗と、発注者から直接請け負った工事の現場ごとに掲げます。現場用は縦25cm以上・横35cm以上で、許可の内容に加えて、現場に置く主任技術者か監理技術者の氏名を書きます。

建設業法第40条は、建設業者に、店舗と工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所へ標識を掲げるよう求めています。現場の標識は、条文で「発注者から直接請け負つたものに限る」とされています。現場に許可票を掲げるのは元請で、下請の会社が自社の許可票を現場ごとに掲げる決まりではありません。

表2工事現場の許可票に書くことと、記載の例
  • 一般建設業か特定建設業か

    記載の例
    一般建設業
  • 許可を受けた建設業

    記載の例
    その現場の工事に関わる許可の業種(〇〇工事業)
  • 許可番号

    記載の例
    〇〇県知事 許可(般-〇)第〇〇〇〇〇号
  • 許可年月日

    記載の例
    〇〇〇〇年〇月〇日
  • 商号又は名称

    記載の例
    〇〇建設株式会社
  • 代表者の氏名

    記載の例
    代表取締役 〇〇 〇〇
  • 主任技術者の氏名

    記載の例
    〇〇 〇〇(監理技術者を置くときは、監理技術者の氏名)
  • 専任の有無

    記載の例
    専任を要するときは「専任」、例外にあたるときは「非専任(監理技術者を補佐する者を配置)」
  • 資格名・資格者証交付番号

    記載の例
    資格で要件を満たす技術者は、その資格名。専任の監理技術者などを置くときは、資格者証の交付番号

建設業法施行規則 第25条・様式第29号と、中部地方整備局「建設業法で定める標識の掲示とは」の記載要領をもとにしています。例の名前と番号は伏せ字です。様式と書き方は改正で変わることがあるため、作る前に、許可を受けた地方整備局や都道府県の最新の手引きで確かめます。

許可番号のかっこの中は、一般建設業なら「般」、特定建設業なら「特」と、許可を受けた年度の数字です。岡山県の案内では、建設業の許可の有効期間は5年で、更新するたびに年度の数字が変わります。更新したのに許可票の数字が古いまま、ということがないよう、更新の手続きと一緒に書き換えます。

図2工事現場の看板の大きさの比べ方
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  1. A3(縦29.7cm・横42cm)石綿の事前調査結果の掲示に求められる大きさです。②の大きさも満たします。
  2. 縦25cm・横35cm工事現場の許可票、労災保険関係成立票、建築基準法による確認の表示、解体工事業者の標識の、いちばん小さい大きさです。
  3. A4(縦21cm・横29.7cm)縦も横も②に足りません。A4の紙1枚では、これらの看板の大きさになりません。
  4. 店舗の許可票(縦35cm・横40cm)本店や支店に掲げる許可票は、現場用よりひとまわり大きい決まりです。

縦と横の比率を実際の寸法に合わせた模式図です。左の3つは左下をそろえて重ね、右に店舗の許可票を同じ縮尺で並べています。

法令・ルール:許可票を掲げないと、10万円以下の過料の対象になります

建設業法第55条は、第40条の標識を掲げない者を10万円以下の過料に処するとしています。また第40条の2は、許可を受けていない業種を受けているように見せる表示などを禁じています。許可票に書く業種は、許可通知書と照らし合わせて確かめます。

本店や支店などの店舗に掲げる許可票は、様式第28号で、縦35cm以上・横40cm以上です。技術者の氏名は書かず、その店舗で営業している建設業を書きます。事務所に掲げる許可票は、許可票・標識の大きさと書くことでくわしく紹介しています。

労災保険関係成立票と建築確認の表示も、縦25cm・横35cm以上

建設の事業では、労災保険の保険関係が成立していることを示す成立票を、見やすい場所に掲げます。建築確認を受けた建物などの工事では、施工者が「建築基準法による確認済」の表示をします。どちらも縦25cm以上・横35cm以上です。

労災保険関係成立票は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第77条が求める看板です。労災保険の保険関係が成立している事業のうち、建設の事業の事業主が、成立票(様式第4号)を見やすい場所に掲げます。浜松市と栃木県の資料は、地を白、文字を黒としています。

表3労災保険関係成立票に書くこと
  • 保険関係成立年月日

    書く内容
    保険関係の成立届を出した日。複数の工事をまとめる一括有期事業か、その工事だけの単独有期事業かで変わる
  • 労働保険番号

    書く内容
    その事業の労働保険の番号
  • 事業の期間

    書く内容
    着工の日から、工事が終わる予定の日まで。作業員が作業する期間で、工期と同じとは限らない
  • 事業主の住所・氏名

    書く内容
    工事を受注した会社の住所と、代表者の名前
  • 注文者の氏名

    書く内容
    工事の請負契約書に書かれた、契約の相手
  • 事業主代理人の氏名

    書く内容
    労災保険の代理人を選んで届け出たときの、その人の名前。現場代理人と同じとは限らない。代理人がいないときの書き方は資料で違う(山口県は空欄、栃木県は事業主の氏名)

労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 第77条と、山口県「工事現場に掲げる標識類について」(2025年2月版)・栃木県の資料(2024年4月)の記載例・注意書きをもとにしています。書き方は、発注者や労働局の案内で確かめます。

建築確認を受けた建物の工事では、建築基準法第89条により、施工者が工事現場の見やすい場所に、確認を受けたことを表示します。様式は施行規則の第68号様式で、横35cm以上・縦25cm以上、材質は木の板やプラスチックの板などとされています。確認を受けた広告塔などの工作物の工事でも、同じ表示をします(施行規則第11条)。広告塔などの工作物の確認申請は、自立看板・ポールサインとはで紹介しています。

「建築基準法による確認済」の表示に書くこと

  • 確認の年月日と番号
  • 確認済証を交付した機関
  • 建築主(工作物なら築造主)の氏名
  • 設計者の氏名(一級建築士などの別も)
  • 工事監理者の氏名
  • 工事施工者の氏名
  • 工事現場管理者の氏名
  • そのほか、建築確認に関わること

建築基準法施行規則の第68号様式(文京区の掲載)の項目です。設計者や工事監理者が建築士のときは一級・二級・木造の別を、建築士事務所に属しているときは事務所の名称と一級・二級・木造の別も書きます。文京区は、確認済証の交付を受けてから完成までの間掲げること、氏名は略さずに書くことを案内しています。

解体・改修の工事では、石綿の調査結果を掲示し、解体工事業者は標識も掲げます

建物の解体や改修の工事では、石綿(アスベスト)の事前調査の結果を、石綿があってもなくても、A3以上の大きさで掲示します。解体工事業の登録を受けた業者は、営業所と解体工事の現場に、登録の標識を掲げます。

解体や改修の前には、石綿が使われていないかを調べる事前調査をします。大気汚染防止法第18条の15第5項は、調査の結果などを、解体等工事の現場で公衆に見やすいように掲示するよう求めています。掲示するのは、元請業者か、請負によらず自分で工事をする人(自主施工者)です。奈良県は、石綿の有無にかかわらず、すべての解体等工事の現場で掲示が必要だと案内しています。

石綿の事前調査結果の掲示に書くこと

  • 元請業者(または自主施工者)の情報
  • 調査の方法
  • 調査が終わった年月日
  • 石綿が使われているかどうか
  • 使われているときは、使われている部分と石綿の種類
  • 調査をした部分
  • 材料ごとの石綿の有無と、使われていないと判断した材料はその根拠

奈良県の案内をもとに、大気汚染防止法(第18条の15第5項、施行規則第16条の10)と石綿障害予防規則(第3条第8項)の掲示事項を合わせた項目です。大きさは大気汚染防止法施行規則第16条の9で、縦29.7cm・横42cm以上か、縦42cm・横29.7cm以上です。掲示する期間は、解体等工事が終わるまでです。

働く人に向けた掲示もあります。石綿障害予防規則第3条第8項は、解体等の作業を行う作業場に、調査が終わった日や、材料ごとの石綿の有無などの概要を掲示するよう求めています。奈良県は、記載事項を満たしていれば、二つの掲示を一つにまとめられると案内しています。

石綿が使われていて、除去などの作業(特定粉じん排出等作業)をするときは、これとは別に、その作業についての掲示板(A3以上)を公衆の見やすい場所に設けます(大気汚染防止法施行規則第16条の4)。発注者と元請業者の名前や住所、届出が要る工事では届出の年月日などを書きます。

解体工事業者の標識は、建設リサイクル法第33条によるものです。解体工事業を営むには、原則として都道府県知事の登録が要ります。ただし、建設業法の土木工事業・建築工事業・解体工事業の許可を持つ会社は、この登録の対象から外れます(第21条)。登録を受けた解体工事業者は、営業所と解体工事の現場ごとに、商号や登録番号、技術管理者の氏名などを書いた標識(様式第7号)を掲げます。

ポイント:建設業の許可か、解体工事業の登録かで、掲げる標識が変わります

解体工事を請け負う会社が、建設業の許可で工事をするのか、解体工事業の登録で工事をするのかで、現場に掲げる標識が変わります。建設業の許可で元請として請け負うなら、建設業の許可票です。登録の解体工事業者は、元請か下請かにかかわらず、解体工事の現場ごとに登録の標識を掲げます。自社の許可通知書や登録の書類で確かめてから作ります。

施工体系図や再下請負通知など、現場にはほかにも掲示があります

現場には、工事に関わる人に向けた掲示もあります。下請の分担を示す施工体系図や、再下請負通知を求める掲示などです。建設副産物の計画や建退共の標識、公共工事の施工体系図のように、道を通る人からも見える場所に掲げるものもあります。

表4施工体系図など、現場に掲げるそのほかの掲示
  • 施工体系図

    決まりのもと
    建設業法 第24条の8第4項
    掲げる工事・人・場所
    特定建設業者が元請で、下請契約の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)の工事。工事現場の見やすい場所に
    大きさ(縦×横)
    決まりはない
  • 施工体系図(公共工事)

    決まりのもと
    入札契約適正化法 第15条
    掲げる工事・人・場所
    下請契約を結んだ公共工事は、金額にかかわらず。公衆が見やすい場所にも
    大きさ(縦×横)
    決まりはない
  • 再下請負通知を求める掲示

    決まりのもと
    建設業法施行規則 第14条の3
    掲げる工事・人・場所
    施工体制台帳を作る元請。商号、再下請負通知をしなければならないこと、書類を出す場所を、工事現場の見やすい場所に示す
    大きさ(縦×横)
    決まりはない
  • 再生資源利用(促進)計画

    決まりのもと
    建設業に属する事業を行う者の再生資源の利用に関する判断の基準となるべき事項を定める省令 第9条第4項 など
    掲げる工事・人・場所
    対象になる工事の元請が、公衆の見やすい場所に(画面での表示も可)
    大きさ(縦×横)
    決まりはない(浜松市の一覧はA3程度)
  • 産業廃棄物の保管場所の掲示

    決まりのもと
    廃棄物処理法施行規則 第8条 など
    掲げる工事・人・場所
    現場で産業廃棄物を保管するとき。保管場所の出入口など、見やすい場所に
    大きさ(縦×横)
    60cm以上×60cm以上
  • 建退共の現場標識

    決まりのもと
    建退共制度の改善方策、公共工事の指針(法令ではない)
    掲げる工事・人・場所
    建設業退職金共済制度の事業主。公衆の見やすい場所に(浜松市の一覧)
    大きさ(縦×横)
    A3かA4のシール

建設業法・建設業法施行令(第7条の4)・入札契約適正化法・再生資源の利用の省令の条文と、浜松市「工事現場に掲げる標識類について」(2026年10月)・栃木県の資料、国土交通省建設業課の事務連絡(2022年3月31日)をもとにしています。対象になる工事の細かな条件は、それぞれの決まりと発注者の指示で確かめます。

施工体系図は、下請の会社がどこを担当しているかを一目で分かるようにした図です。民間の工事では、特定建設業の許可を持つ元請が、下請契約の合計が一定の額以上になる工事で作り、工事現場の見やすい場所に掲げます。公共工事では、入札契約適正化法(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)第15条により、下請契約を結べば金額にかかわらず施工体系図を作ります。掲げる場所も「工事関係者が見やすい場所及び公衆が見やすい場所」になります。

再下請負通知を求める掲示は、2022年3月31日の建設業法施行規則の改正で、書面のほか、デジタルサイネージなどの画面に表示する方法も認められました。建退共(建設業退職金共済制度)の現場標識は、法令ではなく、制度の改善方策や公共工事の指針で掲示を求められているものです。

許可票と施工体系図は、条件を満たせばデジタルサイネージでも

国土交通省は2022年1月の通知で、建設業の許可票と施工体系図を、条件を満たせばデジタルサイネージなどの画面で掲示できるとしました。解体工事業者の標識と浄化槽工事業者の標識も、同じ日の通知で同じ扱いになっています。

仮囲いに大きな画面を付けて、工事のお知らせを流している現場もあります。2022年1月27日、国土交通省の建設業課長が、通知「施工体系図及び標識の掲示におけるデジタルサイネージ等の活用について」を出しました。建設業法の許可票と施工体系図を、紙や板の代わりに画面で掲示するときの条件を示したものです。

許可票をデジタルサイネージで掲示するときの条件

  • 公衆が、必要なときに許可票の内容を確かめられること
  • 許可票を確かめられることが、画面の中か外に、いつも示されていること
  • 工事をしていない時間も、人感センサーや画面に触れる操作で表示できること
  • 住宅地などで、周りへの配慮から施工時間外に画面を消す必要があるときは、インターネットで見られることを機器の周りに掲示すれば、その時間はインターネットでの閲覧に代えられること
  • 表示する許可票は、建設業法施行規則の様式(店舗は第28号、現場は第29号)によること

国土交通省の通知(2022年1月27日)の内容です。施工体系図は、工事関係者が必要なときに確かめられることと、確かめられることをいつも示すことが条件です。画面の大きさ・明るさ・文字の大きさは分担が簡明に分かるものにし、スライドで流すときは、全体を確かめるのに長い時間がかからないようにします。公共工事で公衆にも見せるときは、公衆が必要なときに確かめられることと、施工時間外も表示できることが加わります。

この通知が扱っているのは、建設業法の許可票と施工体系図です。同じ日に、建設リサイクル法の解体工事業者の標識と、浄化槽法の浄化槽工事業者の標識についても、同じ考え方の通知が出ています。労災保険関係成立票や建築基準法の確認の表示など、ほかの法令の看板を画面で表示してよいかは、それぞれの窓口で確かめます。

法定看板は、工事の期間中に読めなくならない素材で作ります

法定看板は、掲げる義務のある会社が、決まった大きさと記載事項で用意します。建設業の許可票は材質の決まりがなく、岡山県によれば、雨などで読めなくならなければ問題ありません。工事の長さと、書き換える頻度に合わせて素材を選び、仮囲いにしっかり留めます。

建設業の許可票について岡山県は、県が交付するものではなく業者が自ら作るもので、材質の決まりはなく、雨などで読めなくならなければ問題ないと案内しています。建築基準法の確認の表示は、様式に「木板、プラスチック板その他これらに類するもの」と書かれています。どれも工事の期間中、屋外に掲げるものなので、雨と日差しに耐える作りにします。

表5法定看板によく使う素材と、選び方
  • アルミ複合板に、印刷やシート

    向いている使い方
    期間の長い工事。次の現場でも使う板
    気をつけること
    技術者の氏名や期間など、書き換える欄を貼り替えやすくしておく
  • 樹脂の板(プラスチック)

    向いている使い方
    軽くしたいとき。仮囲いに留めやすい
    気をつけること
    表面の印刷やシートの色あせには、屋外向けのシートやラミネートで備える。風で外れないように留める
  • 紙に出力して、ラミネートや板に貼る

    向いている使い方
    期間の短い工事。すぐに用意したいとき
    気をつけること
    雨で端がはがれないように、板にしっかり貼る。建築基準法の確認の表示は、木の板やプラスチックの板などで作る
  • デジタルサイネージ

    向いている使い方
    許可票・施工体系図・解体工事業者の標識など(条件つき)
    気をつけること
    電源と、工事をしていない時間の表示のしかたを決めておく

素材の向き不向きは一般的な目安です。掲げる期間と場所の条件で変わります。

  • 板材を切るフラットベッドカッター
    板材を切るフラットベッドカッター。データの形に合わせて、板を切り出します。
  • 工場で大判プリンターから出力した面材を確認するスタッフ
    大判プリンターから出力した面材を確かめるスタッフ。文字や枠を出力したシートを、板に貼って仕上げることもあります。

グリーンクロスグループの工場で撮影した写真です。

仮囲いに掲げるまでの流れ

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    必要な看板を拾い出す

    建設業の許可で元請として請け負うか、建築確認を受けた工事か、解体や改修があるか、公共工事か。工事の内容から、掲げる看板を一覧の表で拾い出します。

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    書く内容を書類で確かめる

    許可通知書、労働保険の成立届の控え、確認済証、石綿の調査の記録など、もとの書類と照らし合わせて名前と番号を写します。名前は略さずに書きます。

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    大きさと並べ方を決める

    看板ごとに法令の大きさを満たすように、板の大きさと並べ方を決めます。書き換える欄があるものは、差し替えやすい作りにします。

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    見やすい場所に留める

    出入口の近くなど、道を通る人から見やすい高さに、風で外れないように留めます。通る人の邪魔にならない位置にします。

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    変わったら書き換え、終わったら外す

    技術者の交代や工期の延長で内容が変わったら書き換えます。工事が終わったら外し、次の現場で使う板は内容を改めてから使います。

グループの通販サイト「看板通販サインシティ(別のタブで開きます)」では、建設業の許可票や解体工事業者登録票などの許可票・登録票(アクリル製、ステンレス調のアルミ複合板など)を1枚からオーダーで作れます。現場用の許可票なら、現場用の大きさ(縦25cm以上・横35cm以上)と記載事項を伝えれば、その内容で作れます。一覧にない標識や、何枚かをまとめて掲げる板も、必要なものと書く内容が分かればデザインから作れます。反射材を使った工事用の立て看板も扱っています。

道路で工事をするときは、基準に沿った工事の看板も立てます

道路を使う工事の看板は、法令の様式ではなく、国の「道路工事現場における標示施設等の設置基準」と、道路を管理する国や自治体の基準で決まります。工事の内容と期間を知らせる看板や、迂回路の案内などを、基準の色と大きさで設けます。

道路工事の現場で、バリケードとカラーコーンの手前に立てた、工事の内容と期間を書いた青い枠の工事用の看板
住宅街の道路工事で、カラーコーンとバリケードの手前に立てた工事用の看板。内容と色は、道路を管理する国や自治体の基準に合わせます。

道路の工事の看板には、国の基準があります。もとになるのは、1962年(昭和37年)の建設省道路局長の通達「道路工事現場における標示施設等の設置基準」です。2006年(平成18年)には、その一部改正と、工事情報板・工事説明看板についての通知が出ています。道路を管理する自治体は、これをもとに自分たちの基準を決めています。

表6道路工事の看板の例(川崎市の基準)
  • 工事中の看板

    大きさ
    1,140×1,400mm
    決まりの例
    高輝度の反射式。工事の種類は青地に白抜きの文字、工事の内容と期間は青い文字、地は白。工事の終わる日と時間帯を示す
  • 迂回路の案内

    大きさ
    550×1,400〜2,200mm
    決まりの例
    矢印は赤、そのほかの文字は青、地は白。高輝度の反射式
  • 工事情報看板

    大きさ
    550×1,400mm
    決まりの例
    工事が始まる約1週間前から始まるまで。運転する人から内容が見えないように設ける
  • 工事説明看板

    大きさ
    550×1,400mm
    決まりの例
    いま行っている工事を知らせる看板。あいさつの文は青地に白抜き。運転する人から内容が見えないように設ける

川崎市建設緑政局「道路工事保安施設設置基準」(2023年6月)から抜き出した例です。工事説明看板の役割は、国土交通省の2006年3月の資料によります。道路を管理する自治体や国の事務所ごとに基準があるため、工事の前に、道路の占用や使用の許可とあわせて確かめます。

道路で工事や作業をするときは、原則として、警察署長の道路使用の許可も要ります(道路交通法第77条)。浜松市の一覧では、許可の番号などを工事の看板に示し、許可証は現場代理人などが持つとしています。

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法定看板で、迷いやすいところ

迷いやすいのは、元請と下請の違い、店舗用と現場用の違い、更新や交代で書き換える欄、工事が終わったあとの扱いです。A4の紙で済ませてしまうことや、石綿がなかった工事の掲示も、見落としやすいところです。

  • 下請の会社の許可票:現場の許可票は元請だけが掲げます(建設業法第40条)。登録の解体工事業者は、下請でも解体工事の現場に標識を掲げます。
  • 店舗の許可票を現場で使う:大きさは足りていても、現場用には主任技術者などの欄があり、書くことが違います。現場には現場用の様式で作ります。
  • A4の紙で済ませる:A4(縦21cm・横29.7cm)は、縦25cm・横35cm以上という大きさに足りません。紙で作るならA3以上を横向きに使い、板に貼るなどして、雨で読めなくならないようにします。建築基準法の確認の表示は、様式で木の板やプラスチックの板などとされています。
  • 更新や交代のあと:許可の更新で許可番号の年度が変わり、技術者の交代や工期の延長で中身が変わります。古いままにせず書き換えます。
  • 石綿がなかった工事:事前調査で石綿が見つからなくても、調査の結果は掲示します。
  • 工事が終わったあと:確認の表示は完成まで、石綿の掲示は解体等工事が終わるまで掲げます。終わったら外して、仮囲いと一緒に片づけます。

補足:迷ったら、もとの書類と窓口で確かめます

どの看板が要るか迷うときは、許可を受けた地方整備局や都道府県、労働保険の窓口、建築確認をした機関で確かめます。石綿の掲示は、都道府県などの大気汚染の担当と、労働基準監督署が相談先です。公共工事なら、発注者の仕様書や指示も判断の材料になります。

よくあるご質問

工事現場の許可票の大きさは、どのくらいですか?

縦25cm以上・横35cm以上です(建設業法施行規則の様式第29号)。本店や支店に掲げる店舗用は縦35cm以上・横40cm以上で、現場用よりひとまわり大きい決まりです。

下請の会社も、現場に許可票を掲げますか?

建設業法の現場の許可票は、発注者から直接請け負った工事に限られるため、掲げるのは元請です。下請の会社が自社の許可票を現場ごとに掲げる決まりはありません。

法定看板は、どこで手に入れますか?

掲げる義務のある会社が、決まった大きさと記載事項で用意します。建設業の許可票も、県が交付するものではありません(岡山県の案内)。通販の既製品を使うか、看板会社に作ってもらうか、自社で作ります。大きさと書く内容が決まりに合っているかを確かめてください。

A3の紙に印刷して掲示してもいいですか?

A3(縦29.7cm・横42cm)を横向きに使えば、許可票や労災保険関係成立票の縦25cm・横35cm以上という大きさは満たします。建設業の許可票は材質の決まりがなく、雨などで読めなくならなければよいとされているため(岡山県の案内)、ラミネートや板に貼るなどして、工事の間読める状態にします。建築基準法の確認の表示は、様式で「木板、プラスチック板その他これらに類するもの」とされているため、紙で作りたいときは、建築確認をした機関に確かめてください。

石綿が使われていなかった工事でも、掲示は必要ですか?

必要です。奈良県は、石綿の有無にかかわらず、すべての解体等工事の現場で事前調査の結果の掲示が要ると案内しています。大きさはA3以上で、工事が終わるまで掲げます。

許可票をデジタルサイネージで表示してもいいですか?

条件を満たせば表示できます。公衆が必要なときに確かめられること、確かめられることをいつも示すこと、工事をしていない時間も操作で表示できることなどです(国土交通省の2022年1月の通知)。

許可票を掲げていないと、罰則はありますか?

建設業法第55条で、第40条の標識を掲げない者は10万円以下の過料の対象になります。ほかの法定看板も、それぞれの法令で掲示が義務づけられています。

法定看板は、工事が終わったら外していいですか?

外して構いません。建築基準法の確認の表示は確認済証の交付から完成まで、石綿の掲示は解体等工事が終わるまでが掲げる期間です。外した板を次の現場で使うときは、書く内容を新しい工事に合わせて改めます。

参考にした資料

この記事について

全国看板施工・点検ナビ

運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)

監修:横田悠介(屋外広告士)

看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。

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