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放置された看板の撤去は誰がする?前のテナント・持ち主の分からない看板の確かめ方と進め方

退去したテナントの看板が残っている、契約の終わった土地の看板が撤去されない、持ち主の分からない古い看板がある。どの場合も、危なくないかを見たうえで、誰の看板かを契約書と許可の記録で確かめ、持ち主と外す時期と負担を決めるのが基本です。持ち主が分からないときは、勝手に処分せず、自治体の窓口や弁護士に相談します。現地の確認と写真の記録、撤去・処分・補修のお見積りは、全国でひとつの窓口のグリーンクロスにご相談いただけます。

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GREEN MEDIA(グリーンクロス)
住宅街の砂利を敷いた空き地に、2本の支柱で立てた、少し色あせた売地の看板
住宅街の空き地に、2本の支柱で立てた看板。土地に看板が残っているときは、誰の看板で、土地をどんな契約で貸していたかを確かめるところから始めます。

この記事のポイント

  • 01残された看板も、持ち主の物です。危なくないかを見たうえで、誰の看板かを、契約書・許可の記録・自治体の窓口で確かめます
  • 02前のテナントの看板は、民法の原則(借りた人が付けた物は外し、借りたあとの損傷は元に戻す。通常の損耗と経年変化は除く)と、契約の特約で扱いが決まります
  • 03持ち主が分からない看板は、勝手に処分しません。条例に違反した看板で持ち主が分からないときは、自治体が公告をしてから取り除くことがあります
  • 04古い看板は、さびや腐食で落ちるおそれがあります。危ないときは立入禁止にして、専門の業者に連絡します。人通りの多い場所なら警察に、持ち主が分からなければ自治体の窓口にも知らせます
  • 05現地の確認と写真の記録、撤去・処分・補修の範囲を明記したお見積りまで、全国の物件を、ひとつの窓口でお受けしています

残された看板は、安全・持ち主・契約の順に確かめて外します

残された看板(放置看板)とは、店の退去や廃業、土地の契約の終わりのあとも、外されずに残っている看板のことです。看板は残っていても持ち主の物なので、建物や土地の持ち主でも、すぐに処分できるとは限りません。危なくないか、誰の看板か、契約でどう決まっているかの順に確かめます。

空き店舗の入口の上に、前の店の看板が残っている。土地を貸していた看板の契約が終わったのに、撤去されない。空きビルの屋上に、表示のない骨組みだけが立っている。どれも「残された看板」ですが、確かめる相手と書類は、場面ごとに違います。

図1残された看板が見つかる場所
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  1. 空き店舗に残った壁面看板退去した店の看板です。賃貸借の契約で、外す人と、壁を元に戻す範囲を決めます(3章)。
  2. 屋上に残った骨組み表示のない骨組みも、さびが進むと落ちるおそれがあります。長く残すと、撤去の工事に危険が伴い、費用がかさむことがあります(5章)。
  3. 道路に突き出した袖看板道路の占用の許可を受けて道路の上に出した看板は、占用の期間が満了したり占用をやめたりしたら、占用した人(道路占用者)が看板を外し、道路を元に戻すのが道路法の原則です(第40条)。
  4. 空き地に残った看板土地を貸した契約で、撤去の期限と、基礎まで外して土地を戻すかを決めます(3章)。

場面を説明するための模式図です。表示が薄れた灰色の看板は、使われなくなった看板を表しています。

表1残された看板の場面と、まず確かめること
  • 前のテナントの看板が残っている

    まず確かめること
    退去のときの取り決めと、看板の持ち主
    決め手になるもの
    賃貸借の契約書(原状回復と看板の項目)、退去の合意
  • 閉店・廃業した店の看板がそのまま

    まず確かめること
    持ち主に連絡がつくか、危なくないか
    決め手になるもの
    契約書、許可の記録、看板に出ている店名や連絡先
  • 土地に看板が残っている

    まず確かめること
    土地を貸した契約と、撤去の期限と範囲
    決め手になるもの
    土地の契約書(撤去と原状回復の項目)
  • 空き家・空きビルの古い看板や骨組み

    まず確かめること
    落ちるおそれがないか、看板の持ち主
    決め手になるもの
    看板の傷みの状態、建物の持ち主の書類
  • 持ち主が分からない看板

    まず確かめること
    危なくないか、持ち主の手がかりがあるか
    決め手になるもの
    許可済シール、自治体の窓口への照会

一般的な例です。実際の扱いは、契約の中身と、看板の持ち主との話し合いで決まります。

補足:道ばたのはり紙や立て看板とは、扱いが違います

条例に明らかに違反したはり紙・はり札・広告旗・立て看板(いわゆる捨て看板)は、自治体が自ら取り除けます。はり紙のほかは、管理されずに放置されていることが明らかなことも条件です(屋外広告物法 第7条第4項)。この記事は、建物や土地に残った看板を扱います。違反した看板への措置は、看板の許可がない・期限切れと言われたらで説明しています。

誰の看板かは、契約書・許可の記録・窓口への照会で確かめます

看板の持ち主は、建物や土地の持ち主(大家・地主)と同じとは限りません。賃貸借や土地の契約書、看板に貼られた許可済シール、自治体の窓口への照会、管理会社や前の入居者への問い合わせで、誰が出して誰が管理している看板かを確かめます。

屋外広告物の条例では、看板を出す人(表示者)、設置する人(設置者)、管理する人(管理者)を分けて扱う例があります。横浜市は、申請者や管理者が変わったときは、継続許可申請書とあわせて、表示者・設置者・管理者・維持管理主任者の変更届出書(第4号様式)を出すよう案内しています。許可の書類が見つかれば、誰の看板かの大きな手がかりになります。

図2誰の看板かを確かめる5つの手がかり
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  1. 契約書などの書類賃貸借の契約書、看板の設置の承諾書、土地の契約書です。看板を付けた人と、外す決まりが分かります。
  2. 許可済シール東京都では、許可を受けた看板に、許可期間などを書いたシールを貼ります。看板の表示面や建物の出入口の近くを探します。
  3. 自治体の窓口看板がある場所の、看板の許可の窓口に、許可の有無と期限を照会します。答える範囲は地域で違います。
  4. 管理会社・前の入居者管理会社や仲介した不動産会社に、退去した店の連絡先と、退去のときに決めたことを聞きます。
  5. 看板の表示看板に出ている店名・会社名・電話番号から、持ち主に連絡がつくことがあります。

中央の下の人が、建物や土地の持ち主です。点線の矢印は、手がかりを確かめる向きを表しています。

表2持ち主の手がかりと、分かること
  • 賃貸借の契約書

    分かること
    看板を付けてよいか、退去のときに外すか、元に戻す範囲
    どこにあるか
    建物の持ち主や管理会社
  • 看板の設置の承諾書・図面

    分かること
    誰が、いつ、どの金具で付けたか
    どこにあるか
    管理会社の書類や、工事をした会社の記録
  • 土地の契約書

    分かること
    看板の持ち主、期間、撤去と原状回復の範囲と期限
    どこにあるか
    地主の書類
  • 許可済シール(標識票)

    分かること
    許可期間など(東京都)
    どこにあるか
    表示面、建物の出入口の近く、看板の真下など
  • 自治体の窓口

    分かること
    照会した時点の許可の有無と期限(横浜市)
    どこにあるか
    看板がある場所の、看板の許可の窓口

許可済シールの書き方と貼る場所、窓口で答える範囲は、地域で違います。

東京都では、許可年月日が2009年1月18日以前の看板には、許可済シールを貼る必要がありません。シールが見当たらなくても、許可がないとは限らないため、窓口で確かめます。

法令・ルール:横浜市の例:窓口は、照会した時点の許可の有無と期限に答えます

横浜市は、看板を特定すれば、照会した時点の許可の有無と、許可がある場合の許可期限に限って答えるとしています。そのほかの情報は、看板や、看板のある土地・建物の所有者・管理者などであることを確かめられた場合に、答えられることがあるとしています。照会のしかたと答える範囲は、地域で違います。

前のテナントや土地を借りた人の看板は、契約と民法の原則で決めます

借りた人が付けた看板は、契約が終わったら借りた人が外し、借りたあとに生じた損傷を元に戻すのが民法の原則です(第622条で準用する第599条第1項、第621条)。通常の損耗と経年変化は除かれ、実際の扱いは、契約の特約と退去のときの取り決めで決まります。

表3残された看板に関わる、民法の決まり
  • 第599条・第622条

    決まりの中身
    借りた人は、借りたあとに付けた物を、契約が終わったら外す義務を負う(第599条第1項を、第622条で賃貸借に準用)。分けられない物と、分けるのに過分の費用がかかる物は除く
    看板では
    看板と取付金具を外すか残すかを決めるもとになる
  • 第621条

    決まりの中身
    借りた人は、借りたあとに生じた損傷を、契約が終わったら元に戻す義務を負う。通常の損耗と経年変化、借りた人の責任でない損傷は除く
    看板では
    アンカーの穴などを、どこまで補修するかを決めるもとになる
  • 第622条の2

    決まりの中身
    敷金は、賃料など賃貸借から生じる借りた人の債務を担保するお金。契約が終わり物件が返されたら、債務の額を差し引いた残りを返す
    看板では
    撤去や補修の費用の扱いは、契約と退去のときの話し合いで決まる
  • 第717条

    決まりの中身
    土地の工作物の設置や保存の欠陥で他人に損害を与えたら、まず占有者、占有者が必要な注意をしていたときは所有者が賠償の責任を負う
    看板では
    残った看板が落ちたときの責任に関わる(5章)

e-Govの条文をもとにまとめました。個別の事案で誰が何を負うかは、契約と事情で変わります。

原状回復の範囲と敷金の決まりは、2020年4月1日施行の民法の改正で条文になりました。法務省は、施行日より前に結んだ契約には原則として改正前の民法が、施行日のあとに合意で更新した契約には改正後の民法が適用されると説明しています。長く続いた契約の物件では、契約を結んだ時期と、更新した時期も確かめておきます。

退去したテナントの看板で、契約書から確かめること

  • 看板の場所と大きさ
  • 退去のときに外すかどうか
  • 元に戻す範囲(穴・塗装)
  • 原状回復の特約の中身
  • 敷金の額と、差し引く項目
  • 退去の立ち会いの記録
  • 契約と更新の日付

契約書に書かれていないことや、読み方で迷うことは、弁護士などに確かめます。

オフィスビルのエントランスの壁に付いた、階の数字とテナント名を入れたプレートが8枚並ぶ案内板
オフィスビルのエントランスの壁に付いた、テナント名を入れたプレートが並ぶ案内板。退去したテナントのプレートを外すか、無地の板に替えるかも、契約とビルの決まりで決めておきます。

土地を貸していた看板(野立て看板・広告塔)

看板のために土地を貸していたときは、土地の契約書が出発点です。撤去の期限と、基礎のコンクリートまで外して土地を戻すかを確かめ、看板の持ち主に、書面で撤去の時期を確かめます。応じてもらえないときや連絡がつかないときは、弁護士などに相談します。看板を外したあとの土地に、管理者の連絡先や立入禁止を示す看板を立てるときの決まりは、空き地・土地の看板にまとめています。

許可を受けていた看板は、許可の期間が満了したら、原則として除却します(日数は地域で違います)。広島市は、許可期間を過ぎても除却しない看板に、市長が除却などを命じられるとしています。土地の契約の決め方は野立て看板の出し方、除却の届出は看板の撤去の34地域の表にまとめています。

補足:誰が外し、誰が払うかの個別の判断は、弁護士などの専門家に

この記事は、条文と公的な資料にもとづく一般的な説明です。誰が外し、誰が費用を負担するかは、契約の中身とそれぞれの事情で変わります。話し合いがまとまらないときや、契約の読み方で迷うときは、弁護士などの専門家に相談してください。

持ち主が分からない看板は、勝手に処分せず、窓口と専門家に相談します

持ち主(所有者)の分からない看板も、誰かの持ち物です。危ない状態なら近づかないようにして、自治体の屋外広告物の窓口に知らせ、外し方は弁護士などに相談します。条例に違反した看板で、命じる相手が分からないときは、自治体が公告をしてから取り除くしくみもあります(屋外広告物法 第7条第2項)。

図3持ち主が分からない看板の進め方
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  1. 危ない状態かを見る傾き、さび、表示面の割れ、部材の欠落がないかを、離れたところから見ます(5章のチェックリスト)。
  2. 立入禁止にして見張る危ないときは、まず看板の下に人が入らないよう立入禁止にして、見張りを置きます。
  3. 専門の業者と窓口に連絡専門の業者に連絡し、人通りの多い場所では警察にも知らせます。持ち主の分からない看板は、自治体の看板の許可の窓口にも知らせます。
  4. 手がかりを集めて記録する契約書や許可済シール、看板の表示を確かめ、看板と周りの写真を日付とともに残します。
  5. 窓口で照会し、相談する許可の有無と期限を照会し、看板の状態を伝えて、進め方を相談します。
  6. 弁護士などに相談する持ち主に連絡がつかない、店や会社がなくなっているなど、外し方に法律の判断が要るときに相談します。
  7. 手続きを踏んで外す持ち主の承諾や、法律の手続きを確かめてから外し、撤去の前と後の写真を残します(7章)。

上の段は危ないときの動き方、下の段は持ち主を探して外すまでの流れです。緑の矢印は危ないとき、灰色の点線の矢印は危なくないときの道です。上の段は、看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)の初動処置をもとにしています。

自治体は、条例に違反した看板を出す人や管理する人に、除却や、公衆に対する危害を防止するために必要な措置を命じられます(屋外広告物法 第7条第1項)。命じる相手を、過失がなくて確知できないときは、自治体が自ら除却などを行えます(同第2項)。広告を掲げる板や骨組み(掲出物件)を除却するときは、期限を決めて、その期限までに除却されなければ自治体が除却することを、前もって公告します。広島市や札幌市の案内では、このしくみを「略式の代執行」と呼んでいます。

取り除いた看板は、自治体が保管して公示し、持ち主の申し出があれば返します。公示の日から6か月たっても返せないときは、所有権は保管している自治体(都道府県など)に移ります(同法 第8条)。除却や保管にかかった費用は、持ち主などに負担させることができます。広島市は、広告板や広告塔などを除却するとき、5日以上の期限を決めて公告するとしています。

法令・ルール:静岡県の例:持ち主の分からない違反広告物を、県が取り除きました

静岡県(沼津土木事務所)は、調べても持ち主が分からず、腐食や老朽化が進んで、車や通行する人の安全が確保されていない、条例に違反した看板(違反広告物)1件を、2020年9月30日に略式代執行で取り除きました。県道沿いの、広告板のない金属製の看板(高さ2.5m)です。8月6日に警告書を貼り、8月28日に県の公報で公告してから除却し、保管したあと、2021年3月末に所有権が県に移り、廃棄へ進むとしています。

自治体がこのしくみを使うかは、条例と看板の状態から自治体が判断します。建物や土地の持ち主が、自治体に取り除いてもらえると決まっているわけではありません。持ち主が分からないときは、窓口に看板の状態を伝え、どう進めるかを相談します。

持ち主に連絡がつかなくても、看板は持ち主の物です。法務省は、賃貸住宅で借りた人が亡くなったとき、部屋に残った家財の所有権は相続人に引き継がれ、相続人の有無や所在が分からないと処理が難しくなることがある、と説明しています。看板も、勝手に外して処分すると、あとで持ち主との間で争いになるおそれがあります。外す前に、窓口と弁護士などに相談します。

古い看板はさびと腐食で落ちるおそれ。危ないときはまず立入禁止に

看板の安全管理ガイドブックは、利益を生まない看板は放置されがちで、長年放置された屋上看板はさびで腐食し、撤去工事に危険が伴い多額の費用がかかる場合がある、としています。看板が落ちて人にけがをさせると、占有者や所有者が責任を問われることがあります(民法 第717条)。

ガイドブックは、増えている空きビルでは、広告の表示がなく、骨組みだけが残されているケースが多く見られるとしています。管理されずに放置された大きな看板にも、思わぬ危険が潜んでいるかもしれない、とも注意しています。看板の安全を放っておくと、思わぬときに取り替えや大きな補修が要り、多額の費用がかかることになる、という指摘もあります。

古い看板で、外から見て確かめること

  • 支柱の根元のさび
  • 看板の傾き
  • 袖看板の金具のさび
  • 袖看板の、壁からの傾き
  • 表示面のひび・外れかけ
  • パネルのがたつき
  • 照明器具の傾き・外れかけ
  • 部材の欠落

看板の安全管理ガイドブックにある、看板の所有者の日常点検の項目から選びました。

危ないと思ったら、まず立入禁止の処置をして見張りを置き、次に専門の業者に連絡します。人通りの多い場所では、警察にも連絡します(ガイドブックの初動処置)。残された看板で持ち主が分からないときは、自治体の屋外広告物の窓口にも知らせます。ガイドブックは、震度5強以上の地震や大型台風のあとは、専門の業者に臨時点検を頼むよう呼びかけています。

民法第717条は、土地の工作物の設置や保存に欠陥があって他人に損害を与えたとき、まず占有者が、占有者が損害を防ぐのに必要な注意をしていたときは所有者が、賠償の責任を負うとしています。残された看板で、誰が占有者や所有者に当たるかは、個別の事情で判断されます。責任のしくみは、看板の落下事故で図にしています。

法令・ルール:東京都や広島市の条例でも、看板を良い状態に保つ義務があります

東京都は、看板の広告主や所有者などに、補修などの管理をして良い状態に保つ義務があるとし、落下や倒壊のおそれのある看板の管理を怠ることを条例で禁じています。広島市も、看板を出す人や設置する人、管理する人に、必要な管理を求めています(条例第13条)。劣化に対して良い状態に保っていない看板には、市長が除却などを命じられるとしています。管理の決まりは、地域で違います。

高所作業車のバケットで、ビルの壁面の看板を取り付ける2名の作業員
高所作業車のバケットで、ビルの壁面の看板を取り付ける2名の作業員(グリーンクロスグループの施工の現場)。高い所の看板の傷みは、近づいて確かめます。撤去も、高所作業車やクレーンを使って行います。

長く使われていない空き家・空きビルの看板は、空家法の管理不全空家の例にも入っています

空家法の「空家等」には、建物に附属する工作物も含まれます(第2条)。国土交通省の資料「管理指針、管理不全空家の参考基準」(ガイドラインの概要資料)は、看板などの破損や、支える部材の腐食を、管理不全空家の状態の例に挙げています。2023年12月13日施行の改正で、市区町村長は管理不全空家の持ち主などに、指導と勧告ができるようになりました。

空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)は、使われていないことが常態の建物と、それに附属する工作物、その敷地を「空家等」としています。国の基本指針は、附属する工作物の例にネオン看板を挙げ、おおむね1年を通して使われていないことを「常態」の1つの基準としています。ビルの一部の区画だけが空いているときに当たるかは、市区町村の空き家の窓口で確かめます。

表4空家法の区分と、看板の状態の例
  • 管理不全空家等

    どんな空き家か
    そのまま放置すると特定空家等になるおそれのある空家等(第13条)。市区町村長が指導し、なお改善されず、そのおそれが大きいときは勧告できる
    看板の状態の例
    看板などの破損、支える部材の破損や腐食。看板などの色褪せ・破損・汚損
  • 特定空家等

    どんな空き家か
    そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態などの空家等(第2条第2項)
    看板の状態の例
    看板などの剥落や脱落。看板などの著しい色褪せ・破損・汚損

空家法の条文と、国土交通省のガイドラインの概要資料をもとにまとめました。どの区分に当たるかは、市区町村が判断します。

国土交通省の改正の概要によると、勧告を受けた管理不全空家は、固定資産税の住宅用地特例が解除されます。空き家の看板の傷みが気になるときは、市区町村の空き家の担当の窓口に、扱いを確かめておきます。

ポイント:空き家の看板も、外す前に持ち主を確かめます

空き家に付いた看板が、前に入っていた店や、看板の会社の物ということもあります。外す前に、2章の手がかりで誰の看板かを確かめ、持ち主が分からないときは4章の流れで進めます。傷みが進んでいるときは、先に立入禁止にして、安全を確かめます。

撤去は、確認・見積り・工事・補修・届出の順に。費用は条件と契約で決まります

撤去は、持ち主と契約の確認、写真と見積り、工事の前の手続き、電気の切り離しと取り外し、処分、補修、届出と記録の順に進めます。費用は、看板の大きさと高さ、取り付け方、処分と補修の範囲などで決まり、誰が負担するかは契約と話し合いで決まります。

残された看板を撤去するまで

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    持ち主・許可・契約を確かめる

    誰の看板か、許可を受けているか、契約で外す人と元に戻す範囲がどう決まっているかを確かめます。持ち主と、外す時期と費用の負担を話し合います。

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    写真を撮り、見積りを取る

    看板の全体、取り付けているところ、建物や土地の全体を撮ります。写真から概算を出し、現地を確かめてから正式に見積もります。

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    工事の前の手続き

    作業車を道路に止めて作業するときは、原則として、警察署長の道路使用の許可を受けます(道路交通法 第77条)。道路の上に突き出した看板は、道路の占用の手続きも確かめます。

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    電気を切り離して外す

    照明の配線を外す作業は、原則として電気工事士の資格をもつ人が行います(電気工事士法 第3条)。高い所は、高所作業車やクレーンを使います。

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    外した看板を処分する

    処分の方法と範囲を決めて、外した看板を処分します。処分の決まりは看板の撤去にまとめています。

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    壁や土地を補修する

    アンカーの穴や配線の穴をふさぎます。自立看板は、基礎をどこまで外すかに合わせて、地面を戻します。

  7. 7

    届出と記録

    許可を受けていた看板は、外したら除却の届出をするのが原則です(様式と期限は地域で違います)。持ち主の代わりに外すときは、届出のしかたを先に窓口で確かめます。撤去の前と後の写真を、契約の書類と一緒に残します。

表5撤去の費用が変わる条件
  • 大きさと高さ

    変わる理由
    使う作業車(高所作業車・クレーン)と、作業の人数が変わる
    伝えてほしいこと
    看板の大まかな寸法と、地面からの高さ
  • 基礎と取り付け方

    変わる理由
    ボルトや溶接、地中の基礎まで外すかで、手間が変わる
    伝えてほしいこと
    取り付けているところの写真。自立看板は根元
  • 電気の切り離し

    変わる理由
    照明のある看板は、配線を外して線の端を処理する
    伝えてほしいこと
    照明の有無と、電気が来ているか
  • 傷みの程度

    変わる理由
    さびや腐食が進んだ看板は、外す途中で崩れないよう段取りが増える
    伝えてほしいこと
    さびや傾きの写真
  • 処分する量と材質

    変わる理由
    看板の大きさと材料、照明の種類で、処分の手間が変わる
    伝えてほしいこと
    看板の種類と、照明の種類
  • 補修の範囲

    変わる理由
    穴をふさぐのか、塗装まで仕上げるのか、地面を戻すのか
    伝えてほしいこと
    契約や管理会社が決めた仕上げ
  • 時間帯と道路

    変わる理由
    夜間や休日の作業、作業車を道路に止めるときの許可と安全の段取り
    伝えてほしいこと
    作業できる時間帯と、前の道路の様子

金額は、条件を確かめてからお見積りします。

費用を誰が負担するかは、契約と話し合いで決まります。テナントの看板なら賃貸借の契約、土地の看板なら土地の契約が出発点です。持ち主が分からないまま、建物や土地の持ち主が先に費用を出して外すときは、あとで持ち主に求められるかどうかも含めて、弁護士などに確かめてから進めます。

迷いやすいのは、連絡しないまま外す・白い板にする・枠を残すとき

迷いやすいのは、持ち主に連絡しないまま外すこと、敷金で足りると思い込むこと、表示を消して白い板にすること、枠を次の入居者に残すときです。白い板の扱いは地域で違い、静岡市では除却にならず、堺市では除却届を出したうえで許可を受け続けます。

表6迷いやすい場面と、確かめること
  • 持ち主に連絡しないまま外す

    起きやすいこと
    あとで持ち主から、看板の扱いを問われるおそれがある
    確かめること
    契約と持ち主の承諾。迷うときは弁護士に
  • 敷金で足りると思っていた

    起きやすいこと
    撤去と補修の費用の扱いで、話し合いが長引く
    確かめること
    契約書の原状回復と敷金の項目
  • 表示を消して白い板にする

    起きやすいこと
    除却にならない地域(静岡市)。除却届を出して許可を受け続ける地域(堺市)
    確かめること
    地域の除却の決まり
  • 枠を次の入居者に残す

    起きやすいこと
    枠の持ち主と、さびや傷みを見る人があいまいになる
    確かめること
    持ち主と管理する人を書面で決める
  • 許可の名義が前のテナントのまま

    起きやすいこと
    名義を変える手続きをしないまま、使い続けてしまう
    確かめること
    窓口での照会と、名義を変える手続き(地域で違う)
  • 屋上の骨組みを後回しにする

    起きやすいこと
    腐食が進むと、撤去の工事に危険が伴う場合があり、費用もかさむ
    確かめること
    骨組みの点検と、撤去の時期

静岡市の除却届の案内、堺市と横浜市のQ&A、看板の安全管理ガイドブックをもとにまとめました。

次の入居者が決まっていないあいだ、看板の枠を残すか外すかも決めておきます。枠を残せば、次の入居者は表示面を替えるだけで使えることがあります。ただし、新しい表示を入れるときは、許可の手続きが要ることがあります。堺市は、白板から意匠を変えるときは、変更許可の申請が要るとしています(手続きは地域で違います)。

残した枠の持ち主と点検する人を決めておかないと、さびが進んでも気づく人がいません。テナントの看板の決まりと、退去のときの戻し方はテナント看板の出し方にまとめています。

駐車場のメッシュフェンスに、結束バンドで留めた、契約者以外の駐車を断る小さな看板
駐車場のメッシュフェンスに、結束バンドで留めた小さな看板。手で外せそうな小さな看板でも、外す前に、誰が出したものかを確かめます。

現地の確認と記録から、撤去・処分・補修まで、ひとつの窓口でお受けします

グリーンクロスは、残された看板の現地の確認と写真の記録、撤去・処分・補修の範囲を明記したお見積り、工事までお受けします。全国61拠点のネットワークと47都道府県での屋外広告業の登録で、各地の物件の看板も窓口ひとつで進められます。

建物や土地のオーナー、管理会社、不動産会社からのご相談もお受けしています。空きテナントの看板や、使わなくなった自立看板の撤去、他の会社が設置した看板の撤去もご相談いただけます。図面がないときも、現地で取り付け方を確かめて、進め方をご提案します。全国に店舗を展開する企業にも、この規模から選ばれています。

ご相談からの進み方

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    写真と住所を送る

    残っている看板の全体と取り付けているところ、建物や土地の全体の写真、住所をお送りください。契約書や許可の書類があれば、あわせてお送りください。写真から概算もお出しできます。

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    現地を確かめる

    看板の大きさ・高さ・取り付け方・傷み・電気の配線を確かめ、写真と寸法を記録に残します。持ち主との話し合いの資料にもお使いいただけます。

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    お見積り

    撤去・処分・補修・届出のご案内のどこまでを含むかを明記して、お見積りします。費用の負担は、契約と話し合いで決めていただきます。ご相談・お見積りは無料です。

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    撤去の工事

    電気の切り離しと、看板・金具の取り外しを行います。高い所は高所作業車やクレーンを使います。夜間や土日祝の工事もできます。

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    処分と補修

    外した看板の処分と、壁や地面の補修もご相談いただけます。どこまで含むかは、お見積りに明記します。

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    届出のご案内と完了のご報告

    許可を受けていた看板は、除却の届出のしかたをご案内します。撤去の前と後の写真で、行った作業をご報告します。

クレイン歯科クリニックの壁面看板。上が面板交換前、下が交換後
グリーンクロスグループが点検・修繕した看板(クレイン歯科クリニック)。上が面板を交換する前、下が交換したあとです。残っている枠を次の入居者が使うときも、点検と表示面の交換をまとめてお受けします。

よくあるご質問

前のテナントが残した看板は、誰が撤去し、誰が費用を払うのですか?

まず賃貸借の契約で決まります。民法では、借りた人が付けた物は、契約が終わったら借りた人が外し、借りたあとに生じた損傷を元に戻すのが原則です(通常の損耗と経年変化は除く)。撤去の費用の負担も、契約書の原状回復と看板の項目、退去のときの取り決めで決まります。迷うときは弁護士などに相談します。

持ち主(所有者)の分からない看板を、勝手に撤去してもいいですか?

勝手に外して処分するのは避けてください。持ち主に連絡がつかなくても看板は持ち主の物で、あとで争いになるおそれがあります。危ないときは近づかないようにして自治体の窓口に知らせ、外し方は弁護士などに相談します。条例に違反した看板で命じる相手が分からないときは、自治体が公告をしてから取り除くしくみもあります。

看板が許可を受けているかは、どこで確かめられますか?

看板がある場所の、屋外広告物の窓口で確かめられることがあります。横浜市は、看板を特定すれば、照会した時点の許可の有無と許可の期限に限って答えるとしています。東京都では、許可を受けた看板に、許可期間などを書いた許可済シールを貼ります(許可年月日が2009年1月19日以降の看板)。

古い看板が落ちそうなときは、まず何をしますか?

まず看板の下に人が入らないよう立入禁止にして、見張りを置きます。看板の安全管理ガイドブックは、そのあと専門の業者に連絡し、人通りの多い場所では警察にも連絡するとしています。持ち主の分からない看板は、自治体の屋外広告物の窓口にも知らせます。

看板の撤去の費用を、敷金から差し引けますか?

契約と、退去のときの話し合いによります。民法は、敷金を、賃料など賃貸借から生じる借りた人の債務を担保するお金とし、契約が終わり物件が返されたら、その債務の額を差し引いた残りを返すとしています(第622条の2)。撤去や補修の費用の扱いは契約書で確かめ、迷うときは弁護士などに相談します。

空き家に残った古い看板も、空家法の対象になりますか?

空家法の「空家等」には、建物に附属する工作物も含まれます(第2条)。国の基本指針は、附属する工作物の例にネオン看板を挙げています。国土交通省のガイドラインの概要資料は、看板などの破損や、支える部材の腐食を、管理不全空家の状態の例に挙げています。当てはまるかどうかは市区町村が判断するため、空き家の担当の窓口に確かめます。

表示を消して枠だけ残せば、撤去したことになりますか?

地域によって違います。静岡市は、表示を消しただけ(白い板にする)では除却の扱いにならず、板面と骨組みを撤去するよう案内しています。堺市は、テナントが出ていくなどで白い板にしたときは除却届を出し、枠が残るため許可は受け続ける必要があるとしています。

土地を貸していた看板が、契約が終わっても撤去されません。

まず土地の契約書で、撤去の期限と、基礎まで外して土地を戻すかを確かめ、看板の持ち主に書面で撤去の時期を確かめます。応じてもらえないときや連絡がつかないときは、弁護士などに相談します。広島市のように、許可期間を過ぎても除却しない看板に、自治体が除却などを命じられるとしている例もあるため、窓口にも相談できます。

参考にした資料

この記事について

全国看板施工・点検ナビ

運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)

監修:横田悠介(屋外広告士)

看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。

残された看板の撤去は、写真と住所からご相談ください。

残っている看板の全体と取り付けているところの写真、建物や土地の住所、分かれば契約書や許可の書類をお送りください。現地の確認と写真の記録、撤去・処分・補修の範囲を明記したお見積りまで、全国の物件をひとつの窓口でお受けします。ご相談・お見積りは無料です。

お電話でのご相談はこちら

0120-418-963

受付時間 9:00〜17:30(土日祝・年末年始除く)

設置場所の写真・ロゴデータの添付も可能です。もちろん、なくてもご相談いただけます。