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業種・場所ごとの看板

野立て看板の出し方。場所の選び方と許可、土地の契約・費用の決まり方

店から少し離れた国道沿いに、「この先を左」と知らせる看板を出したいとき。野立て看板は自分の店の敷地の外に出すため、屋外広告物の条例では原則として許可が要り、大きさや道路からの距離にも地域の基準があります。土地は地主と契約して借り、田んぼや畑なら農地転用の手続きも確かめます。場所の下見から許可のご案内、製作・基礎工事・取り付け・撤去まで、全国の現場をひとつの窓口でご相談いただけます。

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GREEN MEDIA(グリーンクロス)
郊外の道路沿い、田んぼの脇に2本の支柱で立てた、医院の名前と道順を入れた野立て看板
郊外の道路沿い、田んぼの脇に2本の支柱で立てた野立て看板。前の道を通らない人にも、手前の道路で名前と行き方を知らせます。

この記事のポイント

  • 01野立て看板は、店や施設から離れた道路沿いの土地に、支柱と基礎で建てる案内・広告の看板です
  • 02店の敷地の外に出す看板は、原則として「自家用」にあたらず、小さくても屋外広告物の許可が要ります
  • 03大きさと高さ、国道や鉄道・ほかの看板からの距離、高速道路の沿線の禁止地域は、地域の基準で決まります
  • 04土地の契約では、期間と地代、解約の予告、撤去と原状回復、草刈りや保険の分担を決めます。田んぼや畑なら、農地転用の手続きも確かめます
  • 05場所の下見から許可のご案内、製作・基礎工事・取り付け・点検・撤去まで、全国の現場をひとつの窓口で頼めます

野立て看板は、店から離れた道路沿いに建てる看板です

野立て看板とは、店や施設から離れた道路沿いの土地に、支柱と基礎で建てる案内・広告の看板のことです。田畑や空き地の一角を借りて建て、手前の道路を走る車に、店の名前と行き方を知らせます。店の敷地に建てる看板とは、許可の扱いと土地の使い方が変わります。

郊外の店や病院、工場、観光施設へ向かう道で、「この先2km」「次の信号を左」と知らせる看板を見かけます。店の前の道を通らない人にも、手前の幹線道路で店の名前と行き方を伝えられるのが、野立て看板の役割です。ロードサインや、ロードサイドの看板と呼ぶこともあります。

つくりは、敷地に建てる自立看板と同じです。地面に基礎をつくり、支柱で表示面を支えます。島根県の屋外広告物条例施行規則も、野立広告物を「支柱又は2以上の足をもって地上に設置するもの」としています。違うのは、建てる場所が自分の店の敷地ではないことです。

表1店の敷地に建てる看板と、野立て看板の違い
  • 建てる場所

    店の敷地に建てる看板
    自分の店や事業所の敷地
    野立て看板
    店から離れた、道路沿いの田畑や空き地
  • 主に見る人

    店の敷地に建てる看板
    店の前を通る人と、店に来た人
    野立て看板
    手前の道路を走る車
  • 許可の扱い

    店の敷地に建てる看板
    自家用の看板。決まった大きさまでは、許可がいらない地域もある
    野立て看板
    原則として自家用にあたらず、小さくても許可が要る
  • 土地

    店の敷地に建てる看板
    自分の敷地か、借りている店舗の敷地
    野立て看板
    地主と契約して借りる
  • 書くこと

    店の敷地に建てる看板
    店の名前、営業の内容、営業時間など
    野立て看板
    店の名前、矢印、距離、目印

一般的な違いをまとめました。自家用の範囲と許可の基準は、地域で違います。

場所は、車の速さと見える距離、曲がる場所から選びます

野立て看板の場所は、看板を見せたい車の向きと速さ、看板が見え始める距離、店へ曲がる場所までの距離で選びます。手前の木や建物で隠れないか、夜にも読めるかを、候補地の下見で確かめます。

まず、どちらから来る車に見せたいかを決めます。店へ向かう車の多い方向と、店へ曲がる交差点が分かれば、その手前に、走ってくる車へ表示面を向けて建てます。日本の道路は左側を通るため、見せたい車から見て左側の土地なら、対向の車線をはさまずに見せられます。上りと下りの両方に見せたいときは、両面の看板にするか、2か所に分けます。

図1運転する人から見た、看板と曲がる場所(上から見た図)
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  1. 看板が見え始める位置運転する人から、看板の表示面が見え始めるところです。下見では、この位置まで戻って確かめます。
  2. 野立て看板道路沿いの土地に、走ってくる車へ表示面を向けて建てます。
  3. 店へ曲がる場所店へ入る交差点や脇道です。看板は、ここより手前で読み終わる位置に置きます。
  4. 手前の木や建物看板が隠れないかを確かめます。木は年ごとに伸び、季節で葉の量も変わります。
  5. 見える距離看板が見え始めてから、看板の横を通るまでの距離です。
  6. 曲がる場所までの距離看板を読んでから、速度を落として曲がる準備をするための距離です。

考え方を示す模式図です。車が道路の左側を通る形で描いています。

表2車の速さと、進む距離・かかる時間
  • 時速40km

    1秒に進む距離
    約11m
    100mを走る時間
    約9秒
  • 時速50km

    1秒に進む距離
    約14m
    100mを走る時間
    約7秒
  • 時速60km

    1秒に進む距離
    約17m
    100mを走る時間
    約6秒
  • 時速80km

    1秒に進む距離
    約22m
    100mを走る時間
    約4.5秒
  • 時速100km

    1秒に進む距離
    約28m
    100mを走る時間
    約3.6秒

時速を秒速に直した計算です(時速60kmなら、60,000m÷3,600秒で約17m)。看板が見え始めてから横を通るまでの時間は、見える距離を1秒に進む距離で割ると出せます。

たとえば時速60kmの道で、150m手前から看板が見えるなら、横を通るまでは約9秒です。運転する人は前の車や信号を見ながら走るため、看板に目を向けられるのは、そのうちの短いあいだです。表示は、店の名前と矢印、距離くらいに絞ると、読み取りやすくなります。

候補地の下見で確かめること

  • 見せたい車の向き(上り・下り)と、道路のどちら側に建てるか
  • 道路の速さ(制限速度)と、車線の数
  • 看板が見え始める位置と、手前の木・建物・カーブ・ほかの看板
  • 店へ曲がる場所までの距離と、曲がる前に速度を落とせる余裕
  • 夜の明るさ(街灯の有無)と、電気を引ける電柱の近さ
  • 地面の傾きと水はけ、工事の車が入れる道

下見の写真は、運転席の高さから、看板を見せたい向きに撮っておくと、看板の向きと高さを決めやすくなります。

店の敷地の外に出す看板は、原則として小さくても許可が要ります

屋外広告物の条例は、自分の店や事業所の敷地に出す看板を「自家用」とし、決められた大きさまでは許可がいらないとする地域があります。店から離れた土地に出す野立て看板は、原則として自家用にあたらず、小さな案内の看板でも許可が要ります。

看板の決まりは、都道府県や市の屋外広告物条例で決まっています。同じ県の中でも、市や町が自分の条例を持っていることがあります。栃木県の案内は、宇都宮市・日光市・那須塩原市・那須町では、それぞれの市町の基準が適用されるとしています。まず、看板を建てる土地がどの条例の区域かを確かめます。

自家用の範囲は、条例ごとに書き方があります。福岡市は、自家用広告物を「自己の店舗などの建物やその敷地内に、自己の店舗名称や事業内容などを表示する広告物」と説明しています。店から離れた土地に建てる野立て看板は、自分の店の名前を書いても、この「敷地内」にはあたりません。

法令・ルール:他人の敷地を借りて出す案内の看板も、原則として許可が要ります

新座市のQ&Aは、自家用にあたらない看板を一般広告物とし、許可を受けなければ出せず、禁止地域には出せないとしています。例に挙げているのは、A社がB氏の住宅の敷地を借りて出す、「A社 この先200m先左折」と書いた広告板です。店の案内の野立て看板は、この形にあたります。

許可を受けて、出し続けるまで

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    建てる土地の条例を確かめる

    看板を建てる土地の条例と、禁止地域かどうかを、地域の窓口で確かめます。

  2. 2

    地主の承諾書をもらう

    札幌市の案内は、他人が所有・管理する場所に看板を出すときは、許可の申請に、その承諾書か許可書などを添えるとしています。

  3. 3

    許可を申請する

    申請するのは看板を出す側です。そろえる書類は、地域の窓口で確かめます。看板の工事は、その地域に屋外広告業の登録(届出)をしている業者に頼みます(栃木県・堺市の案内)。

  4. 4

    許可証票を貼る

    新座市は、許可の期限を書いた「許可証票」を、看板に貼っておくよう案内しています。

  5. 5

    期限の前に更新する

    札幌市は広告板・広告塔の許可の期間を3年以内とし、継続の申請に安全点検報告書を求めています。青森県は、木製の看板で1年以内、木製以外で3年以内です。新座市は、市から期限の案内はないとしています。

見落としやすいところ

  • 自分の土地でも:店の敷地とは別の土地なら、自分の店の名前を出しても、自家用にあたらないことがあります。
  • 小さな案内の看板でも:「この大きさまでは許可がいらない」という決まりは、自家用の看板のためのものです。堺市は、申請が要らないのは「1敷地につき合計面積が7平方メートル以下の自家用広告物のみ」としています。
  • 許可の期限:札幌市の案内は、許可の期限が切れたら速やかに除去する流れを示しています。期限は自分で控えておきます。
  • 道路の上:名古屋市は、道路の上(上空)に出す突出看板には、屋外広告物の許可とは別に、道路占用の許可の申請が必要と案内しています。横浜市は、地面に置く看板は道路を占用できないとしています。野立て看板の基礎と支柱、表示面は、借りた土地の中に収めます。
  • 信号や標識に似た形と色:横浜市は、突出看板の道路占用の基準に「信号機や道路標識と類似しないこと」を挙げています。野立て看板でも、矢印や色づかいが道路標識とまぎらわしくならないようにします。

大きさ・高さ・道路からの距離は、地域の基準で決まります

野立て看板の大きさと高さ、国道や鉄道・ほかの看板からの距離は、地域の条例の基準で決まります。たとえば島根県では、自家用でない野立広告物は表示面積30㎡以内、広告板の高さは地表から6m以内で、国道と鉄道から原則100m以上離します。高速道路や新幹線から見える範囲を、禁止地域にしている県もあります。

表3地域ごとの、野立て看板の基準の例
  • 島根県(自家用でない野立広告物)

    表示面積
    30㎡以内
    高さ
    広告板は地表から6m以内、広告塔は10m以内
    距離などの決まり
    国道・鉄道から原則100m以上。看板どうしも100m以上
  • 島根県(名称・距離・方向だけの案内)

    表示面積
    1面1㎡以内
    高さ
    地表から3m以内
    距離などの決まり
    1事業所等につき4個以内
  • 青森県(広告板・広告塔)

    表示面積
    30㎡以下(自然景観型許可地域は15㎡以下)
    高さ
    自然景観型許可地域は10m以下
    距離などの決まり
    条例第6条第1号〜第5号の地域では、同じ内容の広告物(自家用を除く)どうしを100m以上
  • 愛知県(広告板)

    表示面積
    片面35㎡以下
    高さ
    10m以下
    距離などの決まり
    地色に黒や原色は、原則として使えない

島根県「許可の基準」と島根県屋外広告物条例施行規則 別表第3、青森県「屋外広告物規制 ~許可の期間および基準~」(2026年4月22日更新)、愛知県屋外広告物条例の概要(2019年12月。安城市の掲載)をもとにしています。島根県の国道・鉄道からの距離は、市街化区域・用途地域・家屋が概ね10以上連なる地域では適用しません。名称・距離・方向だけの案内の4個は、特認案内用広告物と合わせた数です。愛知県の資料は、名古屋市・豊橋市・岡崎市・豊田市を除く県内の市町が許可の事務を行うとしています。

島根県の基準には、自分の住所や事業所の名前と、距離か方向だけを書く、小さな案内の看板(特定案内用広告物)の区分もあります。広告の看板より小さく低い代わりに、1つの事業所で出せる数に上限があります。店の名前と「この先1km」だけの案内なら、こうした区分が使えるかも確かめます。

図2距離の決まりの考え方(上から見た図)
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  1. 国道や鉄道からの距離島根県の例では、自家用でない野立広告物を、国道と鉄道から原則100m以上離します。
  2. ほかの野立て看板との間隔島根県の例では100m以上です。青森県は、条例で決めた一部の地域で、同じ内容の広告物(自家用を除く)どうしを100m以上離します。
  3. 高速道路から見える範囲愛知県の条例の、安城市内の例です。高速自動車道の路端から500m未満の区域のうち、道路から見える地域が禁止地域です。
  4. 林や山の陰同じ例では、地形や障害物で道路から見えない場所は、禁止地域から除かれます。

考え方を示す模式図で、距離は縮めて描いています。距離の決まりがあるかどうかと、その数字は、地域で違います。

高速道路や新幹線の沿線は、とくに決まりが厳しいところです。安城市が載せている愛知県屋外広告物条例の概要は、安城市内の禁止地域を挙げています。高速自動車道(第二東海自動車道横浜名古屋線)と東海道新幹線は路端から500m未満、国道1号の一部の区間と国道23号などは路端から100m未満です。どれも、道路などから見える地域が対象です。三重県の桑名市の告示も、高速自動車国道の両側500m以内で、道路から見える地域を禁止区域にしています。

法令・ルール:住宅地や風致地区にも、出せない場所があります

札幌市の禁止地域は、第1種・第2種低層住居専用地域(道路の敷地を除く)や、道路・鉄道沿線の区域などです。風致地区も全域が禁止地域で、地区によって、出せる区域や基準があります。福岡市は、福岡市都市高速道路と西九州自動車道から一定の範囲に出す看板は、自家用でも、面積にかかわらず許可が要るとしています。地図の上で同じように見える土地でも、許可が要るかどうかや、建てられるかどうかは、地域の指定で変わります。

土地の契約では、期間と地代、終わり方を書面で決めます

野立て看板の土地は、地主と契約を結んで借ります。期間と地代の払い方、更新と解約の予告、契約が終わるときの撤去と原状回復、草刈りや事故の責任と保険を、契約書に書いておきます。看板用に土地を貸す側も、同じ項目を確かめます。

看板の土地の契約は、建てたあと何年も続きます。そのあいだに店が移ったり、地主が土地を売ったり、相続で持ち主が変わったりすることもあります。始めるときだけでなく、終わるときの撤去の範囲と期限まで書面で決めておくと、あとで困りません。

図3借りる土地の中で決めておくところ(上から見た図)
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  1. 借りる範囲看板と基礎、作業の場所を含めた範囲を、図面と境界の杭で決めます。
  2. 看板と基礎表示面の大きさと面数、基礎の大きさを、契約の前に決めます。
  3. 道路との境界表示面や基礎を、道路の区域に出さないようにします。
  4. 工事と点検の作業の場所クレーン付きの車や高所作業車を止める場所と、草刈りの通り道です。
  5. 電源照明を付けるなら、近くの電柱から電気を引くか、配線のいらない器具にするかを決めます。
  6. 道路からの距離地域の基準で、道路から離す距離が決まっていることがあります。

考え方を示す模式図です。田んぼの脇の、道路に面した土地を借りる形で描いています。

公の用地を野立て看板の土地として貸す契約は、決めておく項目の参考になります。川崎市上下水道局が、看板の用地を貸し付けるときの入札の説明書は、期間や解約、原状回復、管理と保険を、次のように定めています。

表4公の用地を、野立て看板に貸す契約の例
  • 期間

    川崎市の例
    5年。看板の設置と撤去にかかる期間も含む
  • 使用料

    川崎市の例
    落札した金額を5年で割り、年度ごとに納める
  • 解約

    川崎市の例
    やむを得ない事情があるときに限り、借りる側から、理由を書いた書面で申し入れる
  • 解約の時期

    川崎市の例
    解除する日は、始まってから1年6か月を過ぎた日以降の月末。その9か月前までに申し入れる
  • 原状回復

    川崎市の例
    期間が終わったら、引き渡しを受けたときの状態に戻して返す
  • 管理

    川崎市の例
    除草などは借りる側が行う。除草剤などの薬品は使わない
  • 保険と事故

    川崎市の例
    施設賠償保険などに入る。第三者に与えた損害は、借りる側が賠償する
  • 許可と工事

    川崎市の例
    設置の前に、屋外広告物の許可を申請する。工事は、屋外広告業の届出済証の交付を受けた者が行う
  • 法律の扱い

    川崎市の例
    入札説明書に付けた契約書(案)の前文に「本契約は、借地借家法(平成3年法律第90号)の適用はないものとする」と書いている

川崎市上下水道局「令和6年度 一般競争入札による上下水道局用地(野立て看板設置)一時貸付けの入札説明書」(令和6年11月)をもとにしています。民有地の契約の中身は、地主との話し合いで決めます。

契約書で決めておくこと

  • 借りる範囲(図面と境界)と、看板の大きさ・面数・高さ
  • 期間と始まる日、更新するかどうかと、その手続き
  • 地代の額と払い方(年払い・月払い)、見直すときの決め方
  • 解約の申し入れの期限(何か月前か)と、途中で解約するときの扱い
  • 撤去と原状回復の範囲(基礎をどこまで撤去するか)と期限
  • 許可の申請と、地主の承諾書
  • 草刈り・清掃・照明の電気の分担と費用
  • 事故のときの責任と、保険
  • 土地を売ったときや、相続で持ち主が変わったときの扱い

個別の契約の中身や、どの法律の決まりが当てはまるかは、弁護士などの専門家に確かめます。

土地を貸す側が、確かめておくこと

看板用に土地を貸すときは、看板を出す会社が、自治体に相談しているかを確かめます。久留米市は、土地の持ち主に呼びかけています。屋外広告業者と看板用地の貸付契約をするときは、業者が市に相談しているかを確かめ、基準を超える看板が建たないよう協力してほしい、という内容です。

住宅街の砂利を敷いた空き地に、2本の支柱で立てた、少し色あせた売地の看板
住宅街の空き地に、2本の支柱で立てた看板。看板用に土地を貸すときは、看板の大きさと位置、撤去のときの戻し方まで、書面で確かめます。

地代は毎年の収入になる一方で、契約の期間は、その部分を自由に使えなくなります。地代の税金の扱いや、相続のときの扱いは、税務署や税理士に確かめます。貸す土地が田んぼや畑なら、次の章の農地転用の手続きも確かめます。

田んぼや畑に建てるときは、農地転用の許可か届出を確かめます

田んぼや畑を、耕作以外のことに使うことを農地転用といい、原則として農地法の許可か届出が要ります。自分の農地なら第4条、農地を借りて看板を建てるなら第5条の手続きで、申請の窓口は、農地のある市町村の農業委員会です。看板を建てる前に、転用にあたるかを相談します。

北海道は、農地転用を「人為的に農地(採草放牧地)を農地(採草放牧地)以外のものにすること」と説明しています。田んぼの脇に看板を建てると、その部分は耕作に使えなくなります。看板の土地が農地なら、建てる前に、転用の手続きが要るかを確かめます。

表5農地に看板を建てるときの、手続きの区分
  • 自分の農地に、自分で建てる

    手続き
    転用の許可。市街化区域の農地は、農業委員会への届出
    決まりのもと
    農地法 第4条
  • 農地を借りて、看板を建てる

    手続き
    転用のための権利の設定の許可。市街化区域の農地は届出
    決まりのもと
    農地法 第5条
  • 工事の間だけ使う

    手続き
    一時的な使用も、許可が要ることがある
    決まりのもと
    農地法 第4条・第5条

北海道「農地を転用するには」(2025年9月16日)、千葉県 安房農業事務所「農地の保全確保」(2025年6月16日更新)、群馬県「農地法に基づく農地転用許可制度」(2025年4月1日更新)、鹿児島市「農地の転用」(2026年10月9日更新)、呉市の案内をもとにしています。許可をするのは、原則として都道府県知事などです。

看板の工事のために、隣の田んぼに資材を置いたり、重機を入れたりするときも気をつけます。北海道は、イベント会場などで農地を一時的に使うときも許可が要るとしています。呉市の案内も、一時的な利用を転用に含めています。

法令・ルール:許可を受けずに転用すると、売買などが無効になります

北海道は、許可や届出をせずに農地を転用すると、売買などの法律上の行為が無効になり、所有権の移転の登記もできないと案内しています。罰せられることもあるとしています。市街化区域かどうかで手続きが変わるため、鹿児島市は、区域を市の都市計画課で確かめるよう案内しています。

農地の転用は、許可が出るまでに時間がかかることがあります。鹿児島市では、市街化区域の外の許可の申請は毎月10日が受付の締め切りで、県の農業会議の答申を経て許可書が出ます。看板を出したい時期が決まっているときは、早めに農業委員会に相談します。

つくりは風に耐える基礎と支柱、表示は走りながら読める量に

野立て看板は、地面に基礎をつくり、鉄骨の支柱で表示面を支えます。高さが4mを超える広告塔・広告板は、看板の許可とは別に、原則として建築基準法の工作物の確認申請が要ります。表示は、店の名前と矢印、距離のように、走りながら読める量に絞ります。

  • 店舗の駐車場に立つ、GooDayのポールサイン
    店舗の駐車場に立つポールサイン(GooDay)
  • 敷地の入口に立つ、三和ホームの自立看板
    敷地の入口に立つ縦長の自立看板(三和ホーム)

いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。野立て看板も、同じように基礎をつくり、支柱で建てます。

田畑の脇は、まわりに風をさえぎる建物が少なく、表示面は強い風を受けます。基礎の大きさは、看板の大きさと高さ、地盤の固さで決めます。地中に水道管などの埋設物がないか、水はけはどうかも、工事の前に確かめます。グリーンクロスでは、基礎の大きさ、地中の埋設物、高さが4mを超えるかを、設置場所から確かめます。

法令・ルール:高さが4mを超えるときは、工作物の確認申請も確かめます

札幌市と船橋市は、高さが4mを超える広告塔や広告板などは、建築確認申請が必要と案内しています。札幌市では、屋外広告物の許可の申請にも、工作物の確認書の写しが要ることがあります。愛知県の条例の概要も、建築確認や道路占用の許可が要る場合があるとしています。高さと構造の決まりは、自立看板・ポールサインの記事で紹介しています。

表示は、店の名前と矢印と距離に絞ります

図4走りながら読める、表示の組み立て方
  • 店の名前を大きく

    遠くから読ませたいのは、店の名前とロゴです。文字の数を減らすほど、1文字を大きくできます。

  • 矢印と距離を添える

    「この先1km」のような距離と、曲がる向きを示す矢印があると、曲がる場所の手前で準備ができます。

  • 詰め込みすぎない

    電話番号や営業時間、商品の一覧まで入れると、1つずつの文字が小さくなり、走りながらは読めません。

表示の量の考え方を示す模式図です。帯は文字、丸はロゴを表しています。

文字の大きさは、読ませたい距離で決めます。夜も見せたいなら照明を付けますが、田畑の脇で電気を引きにくいときは、配線のいらないソーラーライトも選べます。ただし、日当たりで充電の量が変わります。照明は、まわりの家や田畑への光にも気を配ります。川崎市の看板用地の貸付けの条件も、照明装置などは、景観や近隣の住民に十分配慮して設けるとしています。

費用は、地代と製作・工事・申請、点検と撤去で決まります

野立て看板の費用は、地代のほかに、看板の製作、基礎と取り付けの工事、許可の申請の手数料、更新のたびの点検、契約が終わるときの撤去と原状回復で決まります。最初の工事だけでなく、契約の期間全体で見積もります。

表6野立て看板の費用の内訳と決まり方
  • 地代

    決まり方
    借りる広さ、場所、期間、払い方を地主と決める。公の用地では、入札で決める例もある(川崎市)
  • 看板の製作

    決まり方
    表示面の大きさ、片面か両面か、素材、照明を付けるか
  • 基礎と取り付け

    決まり方
    地盤と基礎の大きさ、支柱の高さ、重機が入れるか、掘った土の処分
  • 照明と電気

    決まり方
    電気を引く工事か、配線のいらない器具か。点ける時間と電気代
  • 許可の手数料

    決まり方
    条例で決まる。札幌市は、表示面積と照明の有無などで計算する
  • 点検と更新

    決まり方
    許可の期間ごとの更新と、地域によっては点検の報告
  • 撤去と原状回復

    決まり方
    表示面と支柱、基礎をどこまで撤去するか、土地をどう戻すか

金額は、場所と看板の大きさ・つくりで変わるため、ここでは決まり方だけを挙げています。

ポイント:費用を抑えたいときは、表示面の大きさを読ませたい距離に合わせます

大きすぎる看板は、製作費だけでなく、基礎の工事や許可の手数料にもかかわります。片面か両面か、照明を付けるかも、見せたい車の向きと時間帯で決めます。

契約が終わるときは、撤去と届出まで

契約が終わったら、看板を撤去して、土地を契約どおりの状態に戻します。基礎のコンクリートをどこまで取るかで、工事の量が変わります。許可を受けた看板を撤去したら、届出を求める地域があります。新座市は、許可を受けた屋外広告物を除却したら除却の届出が要り、手数料はかからないとしています。大田区も、屋外広告物除却届の様式を載せています。

契約が終わるときの流れ

  1. 1

    撤去の日と範囲を決める

    地主と、撤去する日と、基礎をどこまで撤去するかを、契約書と照らして決めます。

  2. 2

    表示面と支柱を撤去する

    クレーン付きの車などで表示面を下ろし、支柱を切り離して運び出します。

  3. 3

    基礎を撤去し、土地を戻す

    基礎を掘り出して埋め戻し、契約で決めた状態に整えます。

  4. 4

    地主と確かめる

    土地の戻り方を、地主の立ち会いで確かめます。

  5. 5

    除却の届出

    許可を受けていた看板なら、地域の決まりに沿って除却の届出をします。届け出る人と様式は、地域の窓口で確かめます。

場所の下見から撤去まで、全国の現場をひとつの窓口で頼めます

場所の下見、許可のご案内、看板の製作、基礎工事と取り付け、点検、契約が終わるときの撤去まで、まとめてお受けします。全国61拠点のネットワークと47都道府県での屋外広告業の登録で、各地の野立て看板も、窓口はひとつのまま進められます。

野立て看板は、場所の見え方、地域の基準、土地の条件、基礎の工事がかみ合って、はじめて店へ人を連れてくる看板です。グリーンクロスは47都道府県で屋外広告業の登録をしていて、看板の製作・施工・点検では、全国に店舗を展開する企業にも、この規模から選ばれています。

頼んだときの進み方

  1. 1

    候補地の地図と写真を送る

    候補地の住所か地図と、看板を見せたい道路・車の向き、看板の大きさの希望をお送りください。写真1枚からでも始められます。

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    場所の下見

    候補地に近い拠点の担当が伺い、見え方、地盤と水はけ、工事の車が入れるか、電源の取り方を確かめます。

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    許可のご案内とお見積り

    その地域の基準と、許可の申請や農地の手続きが要るかをご案内し、お見積りをお出しします。最後の確認は、地域の窓口でお願いします。ご相談・お見積りは無料です。

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    製作と基礎工事・取り付け

    表示面と支柱は、内容に応じてグループの工場か協力会社で製作し、基礎をつくって建てます。夜間や土日祝の工事もできます。

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    点検と、契約が終わるときの撤去

    許可の更新のときの点検は、屋外広告士が行い、自治体の様式に沿って報告書を作成します。撤去や基礎の撤去、土地の戻し方も、範囲を確かめて見積書に明記します。

店舗や施設が多い会社なら、各地の看板の許可の期限と点検の記録を、看板ごとにまとめておくと、更新の見落としを防げます。まとめ方は、多店舗の看板管理で紹介しています。

ご相談のときにあると話が進むもの

  • 候補地の住所か地図(地図アプリの位置でも)
  • 見せたい道路と、車の向き
  • 候補地の写真(運転席の高さから、看板を見せたい向きに撮ったもの)
  • 看板に入れたい内容(店の名前・矢印・距離)
  • 土地が農地かどうかと、地主との話の進み具合
  • 建てたい時期と、契約の期間の見込み

よくあるご質問

野立て看板とは何ですか?

店や施設から離れた道路沿いの土地に、支柱と基礎で建てる案内・広告の看板です。手前の道路を走る車に、店の名前と行き方を知らせます。ロードサインとも呼ばれ、田畑や空き地の一角を地主から借りて建てます。

野立て看板に許可は要りますか?

原則として要ります。店の敷地の外に出す看板は、屋外広告物の条例の「自家用」にあたらないのが原則で、小さくても許可が要ります。新座市のQ&Aは、他人の敷地を借りて出す案内の広告板を、許可が要る一般広告物の例に挙げています。基準は地域で違うため、建てる場所の窓口で確かめます。

野立て看板の地代は、どう決まりますか?

地主との契約で決まります。借りる広さと場所、期間、払い方(年払い・月払い)などで変わります。公の用地では、川崎市上下水道局のように、入札で使用料を決める例もあります。地代の額だけでなく、解約の予告や撤去の範囲も一緒に決めておきます。

田んぼや畑に、看板を立ててもいいですか?

建てる前に、農地転用の手続きが要るかを確かめます。田んぼや畑を耕作以外のことに使うのは農地転用にあたり、原則として、自分の農地なら農地法第4条、借りるなら第5条の許可か届出が要ります。窓口は、農地のある市町村の農業委員会です。

野立て看板の大きさに、決まりはありますか?

地域の条例の基準で決まっています。たとえば島根県では、自家用でない野立広告物の表示面積は30㎡以内、広告板の高さは地表から6m以内です。青森県は、広告板・広告塔の表示面積を30㎡以下(自然景観型許可地域は15㎡以下)としています。建てる地域の基準で確かめます。

自分の土地に建てるなら、許可はいりませんか?

店の敷地とは別の土地なら、自分の土地でも許可が要ることがあります。福岡市は、自家用広告物を「自己の店舗などの建物やその敷地内」に出すものと説明しています。店から離れた自分の土地は、この敷地内にあたらないことがあるため、窓口で確かめます。

契約が終わったら、看板はどうなりますか?

契約で決めた期限までに看板を撤去し、土地を元の状態に戻すのが一般的です。基礎をどこまで撤去するかは、契約書で決めておきます。許可を受けた看板を撤去したら、除却の届出を求める地域があります(新座市など)。

看板用に土地を貸すとき、何を確かめればいいですか?

看板を出す会社が自治体に相談しているかと、契約で期間と地代、解約の予告、撤去と原状回復、管理と事故の責任・保険が決まっているかを確かめます。久留米市は、業者が市に相談しているかを確かめるよう、土地の持ち主に呼びかけています。地代の税金の扱いは、税務署や税理士に確かめます。

参考にした資料

この記事について

全国看板施工・点検ナビ

運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)

監修:横田悠介(屋外広告士)

看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。

野立て看板は、候補地の写真から無料でご相談ください。

候補地の住所か写真と、見せたい道路が分かれば、見え方と地域の基準、土地と許可で確かめることをご案内し、製作から基礎工事・取り付けまでお受けします。全国61拠点のネットワークで全国の現場に対応し、夜間や土日祝の工事もできます。ご相談・お見積りは無料です。

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0120-418-963

受付時間 9:00〜17:30(土日祝・年末年始除く)

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