多店舗の看板管理。台帳で、許可の期限と点検をまとめて管理する
多店舗の看板は、店舗ごとに許可の期間や更新の締め切り、点検の決まりが違います。看板ごとに、場所・種類・大きさ・写真・許可の期限・点検と修理の記録を1つの台帳にまとめておくと、期限の見落としを防ぎ、点検や修理の計画を立てやすくなります。
- 更新日
- 公開日
- 運営
- GREEN MEDIA(グリーンクロス)

この記事のポイント
- 01看板ごとに、場所・種類・大きさ・写真・許可・点検・修理の記録を1つの台帳にまとめます
- 02許可の期間は地域で違い、最長1年の地域も3年の地域もあります。更新の締め切りも地域ごとに違います
- 03点検の決まりも地域で違います。毎年の点検や、3年以内ごとの点検を求める地域もあります
- 04店舗が増えたら、窓口と記録の置き場所をひとつにまとめると、担当が替わっても経緯が残ります
店舗が増えると、期限と記録がばらばらになります
屋外広告物の許可には期間があり、続けて出すには更新の手続きが要ります。許可の期間・更新の締め切り・点検の決まりは地域ごとに違うため、店舗が増えるほど、看板ごとの期限を一覧で把握しておくことが大切になります。
東京都は、看板の広告主や所有者などには、補修その他必要な管理を行い、良好な状態に保つ義務があるとしています。許可がいらない大きさの看板でも、定期的な自己点検を行うよう求めています。許可の有無にかかわらず、どの店舗にどんな看板があるかを把握しておくことが、管理の出発点です。
東京都
- 許可の期間
- 最長2年
- 更新の締め切り
- 満了の10日前までに継続の手続き(しおりの案内)
- 点検の決まり
- 広告塔・広告板などは、継続・変更のたびに安全点検報告書
大阪市
- 許可の期間
- 最長3年(有資格の管理者がいないときは2年)
- 更新の締め切り
- 満了の日の7日前までに継続の許可を受ける(許可まで3週間程度)
- 点検の決まり
- 継続のたびに、点検報告書と現況写真
名古屋市
- 許可の期間
- 原則3年(1年も選べる)
- 更新の締め切り
- 満了の日の10日前までに継続の申請
- 点検の決まり
- すべての看板(1年以内に外すものを除く)で毎年1回の点検。継続の申請のときに結果を報告
福岡市
- 許可の期間
- 最長1年
- 更新の締め切り
- 満了の日の7日前までに更新の申請
- 点検の決まり
- 設置から5年以上で市長が必要と認める看板は、更新のときに安全点検確認書
仙台市
- 許可の期間
- 最長3年
- 更新の締め切り
- 満了する日の10日前までに継続の申請
- 点検の決まり
- 許可の要・不要に関わらず、3年以内ごとに1回、資格者が点検
各都市の公表資料をもとにした要点です(2026年10月時点)。看板の種類や大きさによる違いがあるため、くわしい条件は地域ごとのページで確かめてください。
地域ごとの看板のルールでは、34の地域の決まりを比べられます。地域のページでは、許可の満了日を入れると、更新の申請の締め切りと点検の時期の目安を計算できます(締め切りの日数が公表されていない地域を除く)。
看板台帳には、場所・看板・許可・点検・修理を残します
看板台帳は、店舗ごとではなく看板ごとに1行(1枚)を作ると、同じ店舗に看板がいくつもあっても管理しやすくなります。許可の満了日と点検の記録を同じ行にそろえておくと、次にやることが見えてきます。
看板の安全管理ガイドブック(屋外広告物適正化推進委員会、2024年6月 第4版)も、行ったことを記録に残し、記憶に頼らずに安全を保つしくみをつくるよう勧めています。専門の会社の定期点検で頼める項目の一つ(通常の点検以外のオプション)として、看板ごとの管理台帳(看板カルテ)の作成を挙げています。
- 場所店舗名・住所と、看板の位置(建物のどの面か)。地図や配置図があると、現地で看板を特定しやすくなります。
- 看板種類(壁面・袖・自立など)、大きさ、照明の有無と種類、取り付けた年。
- 写真正面・横・取付部の写真と、撮った日。前の写真と比べると、傷みの進み方が分かります。
- 許可許可番号・許可の期間(満了日)・申請先。道路にはみ出す看板は、道路の占用の期間も。
- 点検点検した日・点検した人・結果と報告書。次の点検の予定。
- 修理・費用修理や交換の内容・日付・費用・依頼先。
台帳の項目の例を示した模式図です。表計算ソフトでも、看板管理のシステムでも、同じ項目をそろえます。
場所
- 書いておくこと
- 店舗名、住所、看板の位置
- あとで役に立つ場面
- 点検や修理を頼むとき、現地で看板を特定する
看板の基本
- 書いておくこと
- 種類、大きさ、照明の種類、取り付けた年
- あとで役に立つ場面
- 見積もり、LED化の計画、許可の申請と点検報告書
許可
- 書いておくこと
- 許可番号、満了日、申請先
- あとで役に立つ場面
- 更新の申請の締め切りを逃さない
道路の占用
- 書いておくこと
- 占用の期間(道路にはみ出す看板)
- あとで役に立つ場面
- 占用の期間の更新と、安全性の確認の報告
点検
- 書いておくこと
- 点検日、結果、報告書
- あとで役に立つ場面
- 更新の申請、修理の計画
修理・交換
- 書いておくこと
- 内容、日付、費用、依頼先
- あとで役に立つ場面
- 次の修理の判断、予算の見通し
写真
- 書いておくこと
- 正面・横・取付部、撮った日
- あとで役に立つ場面
- 傷みの進み方を比べる
自治体の様式ではなく、残しておくと役に立つ項目の例です。東京都の安全点検報告書の様式には看板の設置年月日の欄があり、分からないときは最初の許可の年月日を書きます。
法令・ルール:道路にはみ出す看板は、占用の期間も管理します
道路の上に突き出す袖看板などは、屋外広告物の許可とは別に、原則として道路管理者の占用許可が必要です。2026年4月1日からは、占用の期間を更新するときに、看板の安全性を確認したことを道路管理者へ報告することになりました(道路法施行規則の改正)。
台帳を作るときに集めるもの
- 許可書と、看板に貼った許可の標識票の写真
- これまでの点検報告書
- 看板の図面や、見積書・請求書
- 店舗の賃貸借契約書(看板の取り付けと撤去の決まり)
- 道路の占用許可書(道路にはみ出す看板)
- 看板の全体と取付部の写真
そろわないものは、空欄のままで構いません。現地で確かめながら埋めていきます。東京都では、許可を受けた看板に、許可期間・許可番号などを書いた標識票を貼ることになっています。
点検と更新は、1年の予定に落とし込みます
許可の満了日と点検の決まりを台帳にそろえると、いつ・どの店舗の点検と更新が重なるかが見えてきます。近い地域の店舗をまとめて点検すると、移動と手配の重なりを減らせます。
- 日ごろの目視店舗のスタッフが、表示面の割れ・照明の不点灯・ぐらつきがないかを、地上から見ます。
- 定期の点検地域の決まりに合わせて点検します。看板の大きさによっては、資格のある人の点検が求められます。
- 補修点検で見つかった傷みを、更新の申請の前に直します。
- 更新の申請満了日から逆算して、地域の締め切りまでに申請します。
- 台帳の更新新しい許可の期間、点検の結果、修理の記録を台帳に書き足します。
考え方を示した模式図です。点検の時期と回数は、地域の決まりと看板の大きさで変わります。
ポイント:点検の予定は、許可の更新の時期を軸に組み立てます
看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)は、許可の更新の申請の時期を基本に総合的な定期点検を行い、補修が必要な箇所は計画を立てて直すよう勧めています。急ぐ場合は、すぐに補修します。条例で決まった点検に加えて、立地の条件も考えた点検の計画を立てることも勧めています。
- 点検と申請の時期をそろえる:更新の申請に点検の報告が要る地域では、申請の前の決まった期間に点検します。たとえば東京都の安全点検報告書は、申請の前3か月以内に行った点検の結果で作ります
- 近い店舗をまとめる:同じ地域の店舗の点検をまとめて回ると、移動と手配の重なりを減らせます
- 強い風のあと:台風などのあとは、まず地上から、看板のぐらつき・ゆがみ・部材の外れがないかを確かめます

予算は、点検・修理・作り替えを分けて見込みます
看板の費用は、地域の決まりに合わせて出る点検の費用、傷みに合わせて出る修理の費用、何年かに一度の作り替えや撤去の費用に分けて見込むと、計画を立てやすくなります。
点検
- 出る時期
- 地域の決まりと、許可の更新に合わせて
- 台帳で見ておくこと
- 点検の予定日と、更新が重なる店舗
許可の手数料
- 出る時期
- 許可・更新・変更のとき
- 台帳で見ておくこと
- 許可の期間と申請先(手数料は自治体が決める)
修理・LED化
- 出る時期
- 点検で傷みが見つかったとき
- 台帳で見ておくこと
- 傷みの記録、照明の種類と本数
撤去・作り替え
- 出る時期
- 閉店・社名の変更・大きな傷みのとき
- 台帳で見ておくこと
- 取り付けた年と、店舗の予定
金額は、看板の大きさや設置場所で変わります。
修理や作り替えの費用を税法上どう扱うか(修繕費として経費にするか、資産に計上するか)は、看板の耐用年数と減価償却で解説しています。判断は税理士に確かめてください。
店舗が増えたら、窓口と記録の置き場所をひとつにします
地域ごとに別の会社へ頼んでいると、報告書の書き方も記録の置き場所もばらばらになります。窓口と記録の置き場所をひとつにまとめると、担当が替わっても経緯が残ります。
グリーンクロスでは、全国の店舗の看板を、ひとつの窓口でご相談いただけます。店舗の所在地に近い拠点が現地を担当します。看板の情報が社内に残っていない場合は、現地調査から始め、看板の種類・寸法・設置状況・許可の有無を店舗ごとに確かめて、管理台帳として使える形に整理します。
看板の情報・点検・修繕を一つの画面で管理する看板管理システム ONE SIGN VIEWもあります。

事務所で仕事をするスタッフ 
ロビーに集まったスタッフ
いずれもグリーンクロスのスタッフです。店舗の所在地に近い拠点が、現地を担当します。
よくあるご質問
看板台帳は、どんな形で作ればよいですか?
表計算ソフトで、看板1つを1行にまとめる形が始めやすい方法です。場所・種類・大きさ・許可の満了日・点検日・修理の記録と、写真の保存先を同じ行にそろえます。店舗が増えたら、看板管理のシステムを使う方法もあります。
許可の期限は、どこで確かめられますか?
許可書のほか、看板に貼る許可の標識票に、許可期間や許可番号が書かれています(東京都の例)。見当たらないときは、申請先の自治体の窓口で確かめます。
店舗の一覧しかありませんが、相談できますか?
店舗の一覧だけでご相談いただけます。店舗のリストをお預かりし、所在地と看板の状況を調べたうえで、対応の範囲と進め方をご提案します。
許可がいらない小さな看板も、台帳に入れたほうがよいですか?
入れておくと安心です。東京都は、許可がいらない大きさの看板でも、定期的な自己点検を行うよう求めています。場所と状態を記録しておくと、点検や修理を頼むときにも役に立ちます。
許可の更新の準備は、いつごろ始めればよいですか?
更新の締め切りは地域ごとに違い、満了の日の7日前や10日前までに手続きが要る地域があります。大阪市のように申請から許可が出るまでに3週間程度かかる地域や、東京都のように申請の前3か月以内に行った点検の結果で報告書を作る地域もあります。満了日から逆算して、点検と申請の予定を台帳に入れておきます。
地域ごとに違う会社へ頼んでいても、窓口を一つにできますか?
できます。いまの看板の状態と契約の状況を確かめ、切り替えられる店舗から段階的に移す進め方をご提案します。一度にすべてを切り替える必要はありません。
参考にした資料
- 東京都都市整備局「屋外広告物の安全管理義務」(別のタブで開きます)管理の義務と、許可がいらない看板の自己点検
- 屋外広告物適正化推進委員会「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)(別のタブで開きます)東京都都市整備局のサイトに掲載。p.14・p.16
- 東京都都市整備局「屋外広告物安全点検報告書(第2号様式)」(別のタブで開きます)令和8年4月1日から使用。申請前3か月以内の点検と、設置年月日の欄
- 東京都都市整備局「屋外広告物のしおり等」(令和8年7月)(別のタブで開きます)許可の期間、継続の手続きの時期、安全点検報告書が必要な広告物
- 大阪市「屋外広告物の許可について(屋外広告物のしおり、屋外広告物条例等)」(別のタブで開きます)
- 大阪市「屋外広告物のしおり」(令和8年1月発行)(別のタブで開きます)許可の期間、継続の許可の時期、点検報告書と現況写真
- 名古屋市「屋外広告物の継続許可申請」(別のタブで開きます)継続許可の申請と、安全点検報告書
- 名古屋市「屋外広告物の安全点検強化の内容」(別のタブで開きます)点検の対象と頻度
- 福岡市「屋外広告物の許可申請について」(別のタブで開きます)
- 福岡市屋外広告物条例施行規則(福岡市例規集)(別のタブで開きます)更新の申請の時期、安全点検確認書の対象
- 仙台市「屋外広告物の安全点検制度について」(別のタブで開きます)3年以内ごとの点検
- 仙台市屋外広告物条例(別のタブで開きます)許可の期間、継続の申請の時期、資格者による点検
- 国土交通省「道路法施行規則の一部を改正する省令」の公布について(令和7年7月)(別のタブで開きます)占用の期間の更新のときの安全性の確認の報告
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




