看板の耐用年数は?種類ごとの年数と、減価償却の考え方
税法上の看板の耐用年数は、ひとつではありません。ネオンサインのように器具及び備品の「看板、ネオンサイン及び気球」に当たるものは3年、野立看板や広告塔のように構築物の「広告用のもの」に当たるものは、金属造なら20年、その他なら10年です(2026年10月時点の法令)。どちらに当たるかは、看板のつくりと設置の仕方で考えます。
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この記事のポイント
- 01看板の耐用年数は、区分によって3年・10年・20年などに分かれます
- 02野立看板・広告塔は「構築物」、ネオンサインは「器具及び備品」と通達にあります
- 03壁面看板や袖看板の区分は通達に直接の記述がなく、判断が分かれます
- 042026年4月以後の取得から、中小企業者等の少額の特例は40万円未満に
看板の耐用年数は、区分ごとに決まっています
法定耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表で決まっています。看板に関係するのは、主に「器具及び備品」の看板及び広告器具と、「構築物」の広告用のものです。
看板、ネオンサイン及び気球
- 区分
- 器具及び備品(看板及び広告器具)
- 耐用年数
- 3年
マネキン人形及び模型
- 区分
- 器具及び備品(看板及び広告器具)
- 耐用年数
- 2年
その他のもの(主として金属製のもの)
- 区分
- 器具及び備品(看板及び広告器具)
- 耐用年数
- 10年
その他のもの(その他のもの)
- 区分
- 器具及び備品(看板及び広告器具)
- 耐用年数
- 5年
広告用のもの(金属造のもの)
- 区分
- 構築物
- 耐用年数
- 20年
広告用のもの(その他のもの)
- 区分
- 構築物
- 耐用年数
- 10年
出典:減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一(e-Gov の法令データ)、国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数(器具・備品)」。確認日:2026年10月18日。
同じ「看板」という言葉でも、税法の区分が違えば耐用年数は大きく変わります。「看板の耐用年数は3年」と一言で言われることがありますが、それは器具及び備品の「看板、ネオンサイン及び気球」に当たる場合の年数です。
器具及び備品が「主として金属製」かどうかは、表面の素材ではなく、フレームなど耐用年数に最も影響がある主要な構造部分の材質で判定します(耐用年数通達 2-7-2)。また、構築物の細目は「金属造のもの」、器具及び備品の細目は「主として金属製のもの」と、言葉が違います。
補足:このページについて
2026年10月18日時点の法令と、国税庁・中小企業庁の資料をもとに、看板に関係する税法の決まりをまとめています。私たちは税理士ではないため、実際の処理は、顧問の税理士や税務署に確かめてください。
どの区分に当たるかを、通達から考えます
国税庁の耐用年数通達がはっきり書いているのは、野立看板・広告塔などは構築物、ネオンサインは器具及び備品、ネオン管を支える鉄塔などは構築物、という3つです。
その看板は、どれに当たる?
広告のために構築された工作物か
いわゆる野立看板・広告塔など。建物の屋上や、ほかの構築物に特別に設けたものも含む
構築物「広告用のもの」
- 金属造のもの 20年
- その他のもの 10年
ネオンサインか
ネオン放電管と、それに付いている変圧器などの電気施設
器具及び備品「看板、ネオンサイン及び気球」
- 3年
ネオン管を取り付けている鉄塔・木塔などは、構築物「広告用のもの」の年数を使う
建物に付ける看板・テント看板・デジタルサイネージなど
建物の壁面や店先の看板、袖看板、テント看板、デジタルサイネージなど
つくりや設置の仕方で判断が分かれる
- 税理士・税務署に確認
- 国税庁の耐用年数通達に記述があるもの
- 通達に直接の記述がないもの
耐用年数通達 2-3-5・2-7-10 の書き方をもとにした図です。実際の判断は、看板のつくりと設置の仕方を確かめて行います。
耐用年数通達 2-3-5 は、構築物の「広告用のもの」を「いわゆる野立看板、広告塔等のように広告のために構築された工作物」としています。建物の屋上や、ほかの構築物に特別に設けたものも含まれます。同じ通達の注で、広告用のネオンサインは器具及び備品の「看板及び広告器具」に当たるとしています。
一方、建物の壁面や店先に取り付けた看板、袖看板、テント看板、デジタルサイネージなどについて、区分を直接定めた国税庁の記述は見当たりません。看板のつくりや設置の仕方によって判断が分かれることがあるため、決める前に税理士や税務署に確かめてください。

駐車場に立つポールサイン(GooDay) 
夜に光る、照明の入った文字の看板(福岡銀行) 
店舗の正面の壁面看板(ニトリ)
地面に建てる看板、照明の入った看板、建物の壁面の看板。同じ看板でも、つくりと設置の仕方で税法の区分を考えます(いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板)。
法令・ルール:看板を「建物附属設備」とする記述はありません
建物附属設備には、電気設備(照明設備を含む)、アーケード又は日よけ設備、店用簡易装備などの区分があります。ただし、国税庁の通達に看板を建物附属設備とする記述は見当たりません。看板と一緒に工事する照明の配線などの扱いも含めて、税理士に確かめてください。
少額の看板は、一度に経費にできる場合があります
取得価額が10万円未満の看板は、事業に使った年に全額を経費(損金)にできます。20万円未満なら3年で均等に償却する方法を選べ、中小企業者等には40万円未満の特例があります。
少額の減価償却資産
- 対象になる取得価額
- 10万円未満(または使用可能期間が1年未満)
- 主な条件
- 事業に使った年(事業年度)に、全額を経費(損金)にする
一括償却資産
- 対象になる取得価額
- 20万円未満(個人事業者は10万円以上20万円未満)
- 主な条件
- 3年間で均等に償却する方法を選べる
中小企業者等の少額減価償却資産の特例
- 対象になる取得価額
- 40万円未満(令和8年4月1日以後の取得。それより前の取得は30万円未満)
- 主な条件
- 青色申告の中小企業者等(法人は常時使用する従業員400人以下など)。1年の合計300万円まで。令和11年3月31日までに取得して事業に使ったもの
令和4年4月1日以後に取得して貸付け(主要な事業として行うものを除く)に使う資産は、いずれも対象外です。法人の特例は、確定申告書等に明細書(別表16(7))を付けて申告します。出典:国税庁 タックスアンサー No.5403・No.5408・No.2100(令和8年4月1日現在法令等)。
ポイント:2026年度の改正で、特例の上限が40万円未満に
令和8年度の税制改正で、中小企業者等の少額減価償却資産の特例の上限が「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられ、適用期限は令和11年3月31日まで延びました。法人の対象になる従業員数の基準は、500人以下から400人以下に変わっています。令和8年3月31日までに取得したものは、これまでどおり30万円未満が基準です。
金額は、看板1個(1組・1そろい)ごとに判定します(法人税基本通達 7-1-11)。消費税を含めた金額で判定するかどうかは、会社の経理の方式で決まり、税抜経理なら税抜の金額、税込経理なら税込の金額です。
帳簿の勘定科目は、区分に合わせると分かりやすい
勘定科目の名前は、会社の経理のルールで決めるものです。法人税法施行令では、減価償却資産を「構築物」や「工具、器具及び備品」などに分けているため、看板もこの区分に合わせて管理すると、耐用年数との対応が分かりやすくなります。
修理・交換の費用は、修繕費か資本的支出か
看板の修理の費用は、元の状態に戻すための部分なら修繕費、価値を高めたり耐久性を増したりする部分なら資本的支出(資産として償却)、が基本の考え方です。
法人税基本通達では、固定資産の修理・改良のための支出のうち、資産の価値を高め、または耐久性を増す部分を資本的支出(7-8-1)、通常の維持管理や、壊れたものを元の状態に戻すための部分を修繕費(7-8-2)としています。看板の修理も、この考え方で区別します。
20万円未満
- 内容
- 1つの修理・改良などの費用が20万円に満たない
おおむね3年以内の周期
- 内容
- おおむね3年以内の期間を周期として行うことが、過去の実績などから明らか
60万円未満・10%以下
- 内容
- 資本的支出か修繕費か明らかでない金額が、60万円に満たないか、前期末の取得価額のおおむね10%以下
法人税基本通達 7-8-3・7-8-4。個人事業者にも同じような目安があります(国税庁 タックスアンサー No.1379)。修繕費として処理してよい場合の目安で、これを超えると必ず資本的支出になる、という意味ではありません。
看板の照明をLEDに替えたときや、表示面を張り替えたときの扱いについて、国税庁が看板に限って示した記述は見当たりません。部品を品質や性能の高いものに替えた場合、通常の取替えの費用を超える部分は資本的支出とする例示があるため(法人税基本通達 7-8-1)、工事の内容を伝えて専門家に確かめてください。
撤去・処分したときの扱い
使わなくなった看板を処分したときの扱いは、取り壊したか、使うのをやめたか、どの方法で償却していたかで変わります。
- まだ使える構築物(広告塔など)を取り壊して新しいものに替えたとき:取り壊した資産の取壊し直前の帳簿価額(廃材などの見積額を除く)を、取り壊した事業年度の損金に算入します(法人税基本通達 7-7-1)
- 使うのをやめ、今後も事業に使う見込みがないとき:解体や廃棄をしていなくても、帳簿価額から処分見込価額を引いた金額を除却損にできる場合があります(有姿除却。法人税基本通達 7-7-2、個人事業者は所得税基本通達 51-2の2)
- 一括償却資産として処理していた看板:撤去しても残りを一度に費用にはできず、当初どおり3年に分けて償却を続けます(法人税基本通達 7-1-13、所得税基本通達 49-40の2)
撤去工事にかかる費用の扱いも含めて、処理の方法は税理士に確かめてください。閉店・移転のときは、看板の除却の届出や外壁の補修が必要になることもあります。

税法の年数と、実際に使える年数は別のものです
法定耐用年数は、減価償却の期間を決めるための年数です。看板が実際に何年使えるかは、素材・設置の環境・手入れで変わるため、点検で状態を確かめて判断します。
帳簿の上:減価償却
年数は税法の区分で決まる。看板の状態とは関係なく進む。
看板そのもの:安全と見た目
取付部のさびやゆるみ、照明の不具合を点検で確かめ、修理・交換・撤去の時期を決める。
税法の年数と、看板の状態を確かめる点検の関係を示した模式図です。点検の間隔を表したものではありません。
耐用年数を過ぎた看板が、すぐに危険になるわけではありません。反対に、耐用年数の内でも、取付部のさびやボルトのゆるみが進んでいることがあります。帳簿の上で償却が終わったかどうかではなく、看板そのものの状態を見て、修理・交換・撤去の時期を決めることが大切です。
地域によっては、看板の安全点検と、その結果の報告が条例で決められています。グリーンクロスでは、屋外広告士が点検し、自治体の様式に沿って報告書を作ります。点検の決まりは、地域ごとの看板のルールで確かめられます。

よくあるご質問
看板の耐用年数は何年ですか?
税法上の区分によって違います。器具及び備品の「看板、ネオンサイン及び気球」に当たるものは3年、野立看板・広告塔のように構築物の「広告用のもの」に当たるものは、金属造20年・その他10年です。
野立看板の耐用年数は何年ですか?
野立看板や広告塔など、広告のために構築された工作物は、構築物の「広告用のもの」に当たります(耐用年数通達 2-3-5)。金属造のものは20年、その他のものは10年です。
ネオンサインの耐用年数は何年ですか?
ネオン放電管と、それに付いている変圧器などの電気施設は、器具及び備品の「看板、ネオンサイン及び気球」に当たり3年です。ネオン管を取り付けている鉄塔や木塔などは、構築物の「広告用のもの」の耐用年数を使います(耐用年数通達 2-7-10)。
LED看板やデジタルサイネージの耐用年数は?
LED看板・デジタルサイネージ・壁面看板・袖看板などの区分を直接定めた国税庁の記述は見当たりません。つくりや設置の仕方によって判断が分かれることがあるため、税理士や税務署に確かめてください。
30万円の看板を買いました。一度に経費にできますか?
青色申告をしている中小企業者等なら、少額減価償却資産の特例を使える場合があります。令和8年4月1日以後に取得したものは40万円未満が対象です(令和8年3月31日までに取得したものは30万円未満が基準のため、ちょうど30万円の看板は対象になりません)。1年の合計は300万円までで、法人は常時使用する従業員が400人以下などの条件があり、貸付け(主要な事業として行うものを除く)に使う資産は対象外です。
耐用年数が過ぎたら、看板は交換しないといけませんか?
法定耐用年数は減価償却の期間を決める年数で、交換の時期を決めるものではありません。看板の状態は点検で確かめ、取付部のさびやゆるみ、照明の不具合などに応じて、修理・交換・撤去を判断します。
参考にした資料
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)別表第一
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数(器具・備品)(その1)」(別のタブで開きます)
- 国税庁 耐用年数の適用等に関する取扱通達 第2章第3節(2-3-5)(別のタブで開きます)
- 国税庁 耐用年数の適用等に関する取扱通達 第2章第7節(2-7-2・2-7-10)(別のタブで開きます)
- 国税庁 タックスアンサー No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定(別のタブで開きます)
- 国税庁 タックスアンサー No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(別のタブで開きます)
- 国税庁 タックスアンサー No.2100 減価償却のあらまし(別のタブで開きます)
- 国税庁 タックスアンサー No.5403 Q&A 消費税等の経理処理方式の違いによる少額の減価償却資産の判定(別のタブで開きます)
- 国税庁 タックスアンサー No.5402 修繕費とならないものの判定(別のタブで開きます)
- 国税庁 タックスアンサー No.1379 修繕費とならないものの判定(個人)(別のタブで開きます)
- 国税庁 法人税基本通達 第7章第1節(7-1-11・7-1-13)(別のタブで開きます)
- 国税庁 法人税基本通達 第7章第7節(7-7-1・7-7-2)(別のタブで開きます)
- 国税庁 所得税基本通達(49-39・49-40の2)(別のタブで開きます)
- 国税庁 所得税基本通達(51-2の2)(別のタブで開きます)
- 国税庁 法人税基本通達 第7章第8節(資本的支出と修繕費)(別のタブで開きます)
- 中小企業庁「少額減価償却資産の特例を拡充しました」(別のタブで開きます)令和8年5月
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




