看板の劣化と交換の時期。傷みのサインと、修理か作り替えかの判断
看板には「何年たったら交換」という決まった年数はありません。表示面の色あせやはがれ、本体のさび、取付部のゆるみ、照明の不点灯といった傷みのサインを見て、修理で直すか、看板ごと作り替えるかを決めます。
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- GREEN MEDIA(グリーンクロス)

この記事のポイント
- 01看板を交換する年数に、決まりはありません。傷みのサインで判断します
- 02表示面・本体・取付部・照明で、傷みの出方が違います
- 03さびは、手当てをしないと進み続けます。気づいたら早めに相談します
- 04直し方は、部品の修理・表示面の交換・看板ごとの作り替えの3つから選びます
看板の交換の時期に、決まった年数はありません
看板が使える年数は、素材やつくり、設置場所の日差し・雨・風の当たり方、手入れで変わります。税法の耐用年数は減価償却のための年数で、交換の時期を決めるものではありません。
同じ看板でも、日当たりの強い面や雨のかかりやすい場所では傷みが早く進みます。「看板の寿命は何年」と一つの数字で言うことはできないため、看板の状態を見て、直すか作り替えるかを決めます。看板に関わる年数には、次のように目的の違うものがあります。
税法の耐用年数
- 何のための年数か
- 減価償却で費用にする期間を決める年数。交換の時期を決めるものではない(看板の耐用年数)
シートの耐候性の目安
- 何のための年数か
- メーカーの資料(例:3M)で、設置の条件をつけて示される目安。保証の年数ではない(看板の素材の種類と選び方)
屋外広告物の許可の期間
- 何のための年数か
- 看板を出してよい期間。地域によっては、更新のときに点検の結果を出す(看板の点検の決まりと頻度)
どの年数も、看板が安全に使えるかどうかを保証するものではありません。安全かどうかは、点検で看板の状態を確かめて判断します。
傷みのサインは、場所ごとに違います
表示面は色あせ・はがれ・割れ、本体は塗装のはがれ・さび、取付部はゆるみ・傾き、照明は不点灯・ちらつきが、主な傷みのサインです。
表示面の色あせ
日差しや雨で、表示面のシートやインクの色が薄くなります。文字やロゴが読みにくくなります。
シートの浮き・はがれ
シートの端が浮いたり、たわんだり、面板の継ぎ目が開いたりします。
面板の割れ
アクリル板などの面板は、長く使うと紫外線などの影響でもろくなり、割れて落ちることがあります。
本体のさび
鉄の部分のさびや、塗装のはがれ。さびは、手当てをしないと進み続けます。
取付部のゆるみ・傾き
取付金具やボルトのゆるみ・さびで、看板が傾いたり、風でぐらついたりします。
照明の不点灯・ちらつき
ランプの寿命や、電源装置・配線の傷みで、一部が点かない、ちらつく、暗く見えるといったことが起きます。
劣化のサインを説明するための模式図です。

補足:取付部の傾きや部品の落下は、すぐに相談します
看板の傾き、ぐらつき、ボルトやビスなどの部品の落下は、看板が落ちる前ぶれのことがあります。高い所に上がって確かめず、地上から写真を撮って専門の業者に相談します。落ちるおそれがあるときは、まず看板の下に人が近づかないようにします。
傷みは、日差し・雨・熱・揺れで進みます
看板の安全管理ガイドブックは、紫外線・熱・雨(酸性雨)による劣化と腐食、極端な高温による電気の部品の劣化、地震の揺れによるアンカーの強度の低下などを、看板の安全を脅かすものとして挙げています。
紫外線・熱
- 起きやすい傷み
- アクリル板がもろくなる、塗装の劣化
- 気をつける場所
- 表示面の面板、塗装した本体
雨(酸性雨)
- 起きやすい傷み
- 金属の腐食、さび
- 気をつける場所
- 取付金具、内部の鉄骨、支柱の根元
極端な高温
- 起きやすい傷み
- 電気の部品の劣化
- 気をつける場所
- 照明の電源装置、配線
地震の揺れ
- 起きやすい傷み
- 壁のひび、アンカーの強度の低下
- 気をつける場所
- 取付部、取り付けている壁
強い風
- 起きやすい傷み
- 接合部の破損
- 気をつける場所
- 取付部、表示面の留め具
看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)p.12〜13 の内容をもとにまとめたものです。
傷みは、外から見えにくいところで進むこともあります。取付金具や内部の鉄骨にさびが進むと、強度を保てなくなるおそれがあり、地面に建てる看板では、年月が経つと支柱の根元の腐食(根腐れ)で根元から倒れるおそれがあります。地上から見える表示面がきれいでも、取付部や内部は、点検で近づいて確かめます。
直すか作り替えるかは、傷んでいる場所と範囲で決めます
直し方は、部品の修理・交換、表示面の交換、看板ごとの作り替えの3つです。傷みが一部にとどまっていれば部品や表示面で直し、本体や取付部の傷みが広がっていれば作り替えも考えます。
部品の修理・交換
ボルトの締め直しや交換、さびを落としての塗り直し、照明の部品の交換など、傷んだところだけを直します。
表示面の交換
枠や照明、取付部が使えるときは、表示面のシートや面板だけを替えます。色あせのほか、社名やロゴを変えるときにも使う方法です。
看板ごとの作り替え
本体の腐食や、取付部・支柱の傷みが進んでいるときは、看板ごと作り替えます。照明をLEDにするなど、つくりを見直す機会にもなります。
表示面(シート・面板)
- 部分の修理・交換で考えるとき
- 色あせ・はがれ・割れが表示面だけのとき。表示面を交換する
- 作り替えも考えるとき
- 枠のゆがみや、照明の傷みも重なっているとき
照明・電気
- 部分の修理・交換で考えるとき
- ランプや電源装置の故障。部品を交換するか、LEDに切り替える
- 作り替えも考えるとき
- 内部の配線や本体の傷みも進んでいるとき
本体・枠
- 部分の修理・交換で考えるとき
- 塗装のはがれや、表面のさび。さびを落として塗り直す
- 作り替えも考えるとき
- 腐食で強度が心配なとき、同じ部品が手に入らないとき
取付部
- 部分の修理・交換で考えるとき
- ボルトのゆるみや金具の傷み。締め直し・金具の交換・補強をする
- 作り替えも考えるとき
- 取り付けている壁や下地が傷んでいるとき(壁の補修の範囲は建物の持ち主と確かめる)
支柱・基礎
- 部分の修理・交換で考えるとき
- 表面のさびや塗装のはがれ。さびを落として塗り直す
- 作り替えも考えるとき
- 根元の腐食が進んでいるとき(根元から倒れるおそれがある)
一般的な考え方です。実際は、看板の状態を確かめてから決めます。
どの方法がよいかは、看板の傷み具合に加えて、これから看板を使う年数(店舗の契約の残りや、改装の予定)でも変わります。古い看板では同じ部品が手に入らず、ほかの部品で直したり、作り替えたりすることもあります。

大判プリンターに、ロール状の面材をセットするスタッフ 
看板の鉄骨を溶接する作業員
いずれもグリーンクロスグループの工場の写真です。表示面の交換では新しい表示面を出力し、作り替えでは本体から作り直します。

点検で状態を記録すると、直す時期を計画できます
定期の点検で、傷みの場所と進み具合を写真で記録しておくと、次の修理や作り替えの時期と予算を前もって考えられます。
修理のあとも、看板は日差しや雨風で少しずつ傷みます。点検のたびに同じ場所を写真に残しておくと、傷みが進んでいるかどうかを比べられます。店舗が多い場合は、看板ごとの記録をまとめておくと、修理や作り替えの予算を年ごとに立てやすくなります。
修理の費用が修繕費になるか、資本的支出になるかは、看板の耐用年数と減価償却で紹介しています。
よくあるご質問
看板は何年くらいで交換するものですか?
決まった年数はありません。素材やつくり、設置場所の日差しや雨の当たり方、手入れで変わります。表示面の色あせ、本体のさび、取付部のゆるみ、照明の不点灯などのサインを見て、修理か作り替えかを決めます。
税法の耐用年数が過ぎたら、交換が必要ですか?
税法の耐用年数は、減価償却で費用にする期間を決める年数で、交換の時期を決めるものではありません。看板の状態は点検で確かめて判断します。
色あせた看板は、表示面だけ替えられますか?
看板の枠や照明、取付部に傷みがなければ、表示面のシートや面板だけを替えて使える場合があります。看板の状態を確かめてから決めます。
さびが少し出ているだけでも、直したほうがよいですか?
さびは、手当てをしないと進み続けます。取付金具や支柱の根元のさびは、看板の落下や倒壊につながることがあるため、早めに専門の業者に状態を見てもらいます。
照明が一部だけ点かないときは、どうすればよいですか?
ランプの寿命のほか、電源装置や配線の傷みが原因のこともあります。蛍光灯の看板は、ランプの交換とあわせて、LEDへの切り替えも考えます。電源装置や配線の工事は、原則として電気工事士が行います。
古い看板の部品が手に入らないときは、どうなりますか?
古い看板では同じ部品が手に入らず、ほかの部品で直したり、看板ごと作り替えたりすることがあります。看板の状態と、これから使う年数を考えて決めます。
参考にした資料
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




