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修理・交換・撤去

看板の塗装・塗り替え。さびと塗膜のはがれの直し方と、塗るか替えるかの判断

支柱の根元に赤いさびが浮いてきた、看板の枠の塗装がはがれてきた。看板の塗り替えで直すのは支柱や枠などの金属の部分で、さびと傷んだ塗膜を落としてから、さび止めと上塗りを塗り重ねます。表示面のシートは塗らずに貼り替え、さびで部材がやせているときは補修や交換を考えます。屋外広告士の点検から、さび落とし・塗り替え・部材の交換まで、写真からご相談いただけます。

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GREEN MEDIA(グリーンクロス)
店舗の駐車場に立つ、GooDayのポールサイン
グリーンクロスグループが手がけた看板(GooDay)。駐車場に立つポールサインのように、外で雨と日差しを受け続ける看板では、支柱や枠の塗装の状態も、点検で確かめていきます。

この記事のポイント

  • 01看板の塗り替えで直すのは、支柱・枠・取付金具などの金属の部分です。表示面のシートや面板は、塗らずに貼り替え・交換します
  • 02触ると白い粉が付く、色があせる、塗膜にひびやはがれがある、さびが出ている。どれも塗り替えを考えるサインです
  • 03支柱の根元、看板と支柱のつなぎ目、取付金具のさびは、落下や倒壊につながるおそれがあります
  • 04さびの上から塗っても、さびは中で進みます。ケレンでさびを落とし、さび止め・中塗り・上塗りの順に重ねます
  • 05屋外広告士の点検から、さび落とし・再塗装、部材の交換まで、全国でひとつの窓口にご相談いただけます

看板の塗り替えで直すのは、支柱・枠・金具などの金属の部分です

看板の塗り替えとは、支柱や枠などの金属の部分の古い塗膜とさびを落とし、さび止めと上塗りを塗り直して、さびから守り直すことです。表示面のシートや面板は塗らずに、貼り替えや交換で直します。

屋外の看板は、文字や絵を見せる表示面と、それを支える骨組みでできています。自立看板の支柱や大きな看板の枠には、強いスチール(鉄)がよく使われ、めっきや塗装で表面を守っています。東京都のサイトに載っている看板の講習会資料も、看板の部材は鉄が主で、さびによる危険が大きいとしています。

塗装は日差しや雨で年月とともに傷み、ひびから水が入ると、下の鉄がさびていきます。塗り替えは、この守りを新しくする工事です。

図1看板で塗るところと、塗らずに替えるところ
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  1. 支柱地面に建てる看板を支える柱です。塗装した鉄の柱は、塗り替えで守り直します。根元は、さびが出やすいところです。
  2. 枠表示面のまわりの枠や、箱の形の看板の外まわりです。金属に塗装したものは、塗り替えで直します。
  3. 取付金具・ボルト看板を壁や支柱に留める金具(ブラケット)とボルトです。さびが軽ければ塗り直し、腐食が進んでいれば取り替えます。
  4. 表示面シートやインクジェットで表示した面と、アクリルなどの面板です。塗るのではなく、貼り替えや交換で直します。

左は2本の支柱の間に表示面を入れた自立看板、右は建物の壁から突き出した袖看板の模式図です。濃い緑の1〜3が塗り替えで直す金属の部分、薄い黄色の4が塗らずに替える表示面です。

表1看板の部分ごとの直し方
  • 支柱・鉄骨

    直し方
    さびと傷んだ塗膜を削り、塗り直す。腐食の進んだものは、補修か交換
    確かめること
    根元とつなぎ目のさび、厚みの減り
  • 枠・箱の外まわり

    直し方
    金属に塗装したものは塗り直す
    確かめること
    継ぎ目と角のさび
  • 取付金具・ボルト

    直し方
    さびが軽ければ塗り直す。腐食が進んでいれば取り替える
    確かめること
    金具の下の壁のさびの筋、ゆるみ
  • 照明のアーム(外から照らす看板)

    直し方
    さびを削って塗るか、器具ごと交換する
    確かめること
    アームの腐食
  • 表示面のシート・インクジェット

    直し方
    塗らずに貼り替える
    確かめること
    色あせ、はがれ
  • 表示面の板(アクリルなど)

    直し方
    塗らずに交換する
    確かめること
    割れ・黄ばみ
  • 基礎のコンクリート

    直し方
    塗装ではなく、ひびを補修する
    確かめること
    ひび割れ、根元の水たまり

一般的な考え方です。実際の直し方は、看板の素材とつくり、傷みの範囲を確かめてから決めます。照明のアームの腐食と基礎のひび割れは、看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)p.08・p.15 にある点検のところです。

白い粉・色あせ・はがれ・さびが、塗り替えを考えるサインです

触ると白い粉が付く、色があせてつやがない、塗膜にひびやふくれ・はがれがある、さびが出ている。どれも塗膜が傷んできたサインで、さびが見えたら、鉄の腐食がもう始まっています。

看板の安全管理ガイドブックは、年月による劣化で看板の安全を脅かすものの一つに「塗膜の劣化」を挙げています。紫外線、熱、雨(酸性雨)などの影響で劣化し、腐食するとしています。見た目の変化を次の表のように分けると、次にすることを決めやすくなります。

表2見えることと、塗膜で起きていること
  • 触ると白い粉が付く(チョーキング)

    起きていること
    日差しや熱、水で塗料の樹脂が傷み、色の粉(顔料)が表に出ている
    次にすること
    塗り替えを考える時期。粉を落としてから塗る
  • 色あせ・つやがない

    起きていること
    塗膜の表面の傷み
    次にすること
    下の層が傷んでいなければ、塗り替えで直せる範囲
  • ひび・ふくれ・はがれ

    起きていること
    塗膜のすき間から水が入り、下の鉄に届くおそれ
    次にすること
    さびが広がる前に、傷んだ所を削ってから塗る
  • 点々としたさび・さびの筋

    起きていること
    鉄の腐食が始まっている。袖看板の金具の下に垂れたさびの筋は、取付金具の腐食のサイン
    次にすること
    早めに範囲を確かめ、さびを削ってから塗る
  • さびのこぶ・穴・部材のやせ

    起きていること
    腐食が進み、部材の強さが落ちているおそれ
    次にすること
    塗るだけでは直らない。補修や交換を考える

チョーキングは関西ペイント、ひびからの水と部材の弱りは東京都のサイトの講習会資料、壁のさびの筋は看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)p.04 によります。色あせの分け方は、福岡県の鋼道路橋の塗り替えの要領の判定の指標を参考にしました。

チョーキングは、塗膜の表面が粉のようになり、つやがなくなる現象です。関西ペイントは、自動車用の塗料の資料で、その対策として、粉になった塗膜を研いで落としてから塗り直すことや、日差しに強い(耐候性のよい)塗料を使うことを挙げています。手の届く高さなら、乾いた指で表面をなでると確かめられます。

地上から見て確かめるところ

  • 支柱の根元のさび
  • 取付金具(ブラケット)のさび
  • 金具の下の壁の、さびの筋
  • 看板と支柱のつなぎ目のさび
  • 塗膜のひび・ふくれ・はがれ
  • 根元のコンクリートのひび・水たまり

看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)p.04・p.07・p.15 の点検のところと、東京都のサイトの講習会資料をもとにしています。高い所に上がったり、看板を揺すったりせず、地上から見て写真を撮ります。

補足:何年ごとに塗るかの決まった年数はありません

看板の塗り替えに、何年ごとという決まった年数はありません。傷み方は、塗料の種類や下地の処理のほか、日当たりや雨、海風などの場所の条件でも変わります。看板の安全管理ガイドブックは、屋外広告物の許可の更新の時期を基本に定期の点検を行い、補修が要るところは、補修の計画を立てて直すよう勧めています。急ぐときは、すぐに補修します。

さびが危ないのは、支柱の根元・つなぎ目・取付金具です

看板の安全管理ガイドブックは、支柱の根元の腐食(根腐れ)で看板が根元から倒れるおそれや、袖看板の取付金具・中の鉄骨のさびで強さを保てなくなるおそれを挙げています。さびは手当てをしないと進み続けるため、こうした場所のさびは早めに専門の業者に見てもらいます。

図2さびが進むと危ないところ
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  1. 支柱の根元地面やコンクリートとの境目です。年月がたつと、根元の腐食(根腐れ)で、看板が根元から倒れるおそれがあります。
  2. つなぎ目・溶接の部分看板の本体と支柱をつなぐ部分です。ガイドブックは、「串刺し式」の看板で、溶接した部分に水が入って付け根が腐食し、看板の本体が落ちた例を挙げています。
  3. ボルト部材を留めるボルトや金具です。ゆるみや腐食は、専門の業者が近づいて確かめます。
  4. 中の鉄骨表示面の中の骨組みで、外からは見えません。袖看板では、外側がきれいでも、中の鉄骨にさびが進むおそれがあります。
  5. 根元のコンクリートのひび支柱の根元を固めたコンクリート(根巻き)のひびです。ひびから水が入ると、根元の腐食につながります。
  6. 壁のさびの筋袖看板の金具の下の壁に、さびの色の汚れが垂れていたら、取付金具がさびで腐食しているサインです。

左は1本の支柱に看板を載せた自立看板(中の鉄骨を点線で透かして描いています)、右は壁から突き出した袖看板の模式図です。黄色の点がさびです。根元のコンクリートは、上の面を外へ下げて、水がたまらないようにしています。

さびが進む理由は、雨だけではありません。東京都のサイトの講習会資料は、湿気の多いときや、気温の差で看板の中に結露ができ、さびが出ることを挙げています。塗装やコンクリートのひびから水が入ることや、看板の揺れで力が集まるところで腐食が進むことも示しています。

海に近い場所では、潮風で鉄骨のさびが激しくなります。屋上の看板は、目が届きにくい場所です。ガイドブックは、長年放っておかれた屋上看板の骨組みが、さびによる腐食でぼろぼろになることがあるとしています。そうなると撤去の工事に危険が伴い、多額の費用がかかる場合もあります。

補足:傾き・ぐらつきがあるときは、塗る前に人を離します

さびで看板が傾いている、ぐらつく、部品が落ちてきた。そんなときは、塗り替えの相談より先に、看板の下に人が近づかないようにします。ガイドブックは、危ないと思ったらまず立入禁止の処置と見張りを置き、次に専門の業者に連絡し、人通りの多い場所では警察にも連絡しておくよう勧めています。

塗り替えは、さびを落としてから、さび止め・中塗り・上塗りの順に重ねます

さびの上から塗っても、さびは中で進みます。塗り替えは、ケレン(素地調整)でさびと傷んだ塗膜を落としてから、さび止め(下塗り)、中塗り、上塗りの順に塗り重ねます。

東京都のサイトの講習会資料は、さびの上からさび止めを塗っても、さびは中で進むとしています。日本塗料工業会も、家庭用の塗料の案内で、塗料の寿命は、水洗いやケレンなどの下地の処理と、塗料のグレードで左右されると説明しています。塗り替えの出来は、塗る前の下地づくりで大きく変わります。

看板の塗り替えの工程

  1. 1

    状態を確かめる

    さびの範囲と、部材のやせ・穴、根元やつなぎ目の傷みを確かめ、塗り替えで直すか、部材を替えるかを決めます。

  2. 2

    まわりを覆い、汚れを落とす

    塗料や削った粉が飛ばないよう、まわりを覆います(養生)。塗る面の汚れ・油分・ほこりを落とします。

  3. 3

    ケレン(素地調整)

    さびと、割れやふくれの出た古い塗膜を落とします。落とす程度は、下の図のように4つに分けて考えます。

  4. 4

    さび止め(下塗り)

    さびを出にくくする塗料を塗ります。鉄が出た所に先に塗り、そのあと全体に塗るやり方もあります。

  5. 5

    中塗り

    上塗りの前に、もう一度塗り重ねます。下塗りと上塗りのあいだの層です。

  6. 6

    上塗り

    色とつやを出す、いちばん外の層です。日差しや雨に強い(耐候性のある)塗料を使います。

  7. 7

    確かめて、記録する

    塗り残しや乾き具合を確かめ、工事の前と後を写真で記録します。

日本塗料工業会の家庭用の塗料の案内は、一度に厚く塗るより、薄く塗り重ねたほうが、仕上がりや耐久性がよくなるとしています。塗り重ねるまでに空ける時間は、塗料ごとに説明書で決まっています。スズカファインのさび止めの資料は「3時間(23℃)」のように、気温を添えて示しています。日本塗料工業会も、商品のラベルで、塗り重ねてはいけない期間を確かめるよう呼びかけています。

図3塗り替えたあとの塗膜の重なり(断面)
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  1. 鉄の面ケレンで、さびと傷んだ塗膜を落として出した鉄の面です。
  2. 活膜傷んでいない、しっかり付いた古い塗膜です。3種の程度のケレンでは、残して上から塗ります。
  3. さび止め(下塗り)鉄の面と古い塗膜の上に、最初に塗る層です。
  4. 中塗り上塗りの前に塗り重ねる層です。
  5. 上塗り色とつやを出し、日差しや雨を受ける、いちばん外の層です。

塗り替えたあとの塗膜を、断面で見た模式図です。左はさびを落として鉄の面を出した所、右は傷んでいない古い塗膜を残した所です。塗る順に、層の左の端をずらして描いています。

ケレンの程度は、1種から4種で呼び分けます

ケレン(素地調整)は、塗料がよくつき、さびを防ぐ力が出るよう、塗る面を整える作業です。どこまで落とすかの程度は、1種から4種のように呼び分けます。下の図は、福岡県の鋼道路橋の塗り替えの要領の定義をもとにした例です。塗料メーカーの資料も、さび止めを塗る前の下地の条件を、種別で示していることがあります。スズカファインのさび止めの資料は、日本建築学会の建築工事標準仕様書(JASS 18)の「鉄面素地調整2種」として、ディスクサンダーなどの動力工具を主体に、手の工具も使って、さびや油分を落とす程度を示しています。橋の要領の種別とは別の基準です。

図4ケレンの程度(1種〜4種)
  • 1種ケレン

    ブラスト(細かい粒を吹き付けて表面を削るやり方)で、さびと古い塗膜をすべて落とし、鉄の面を出します。

  • 2種ケレン

    ディスクサンダーなどの動力工具と手の工具で、さびと古い塗膜を落とし、鉄の面を出します。

  • 3種ケレン

    ディスクサンダーなどの動力工具と手の工具で、さび・割れ・ふくれなどの傷んだ所を落とします。傷んでいない古い塗膜(活膜)は残します。

  • 4種ケレン

    ディスクサンダーなどの動力工具と手の工具で、粉になった塗膜や汚れを落とします。古い塗膜の傷みが少ないときの程度です。

緑の2層が古い塗膜、点線の枠が落とした部分の模式図です。1種〜4種は福岡県「鋼道路橋塗替え塗装要領(案)」(令和7年3月)、4種の「古い塗膜の傷みが少ないとき」は国土技術政策総合研究所の資料(第684号)によります。どちらも橋の塗り替えの資料で、看板の工事の決まりではありません。

塗る日の天気で確かめること

  • 気温5℃以下は、塗らない
  • 湿度85%以上は、塗らない
  • 雨や雪になりそうな日は、塗らない
  • 結露が出そうな日は、塗らない
  • 強い風が吹きそうな日は、塗らない
  • 乾く前の雨は、シートで防ぐ

さび止め塗料の製品資料(スズカファイン・菊水化学工業)にある条件です。塗料ごとに条件が違うため、使う塗料の説明書を優先します。日本塗料工業会は、家庭用の塗料の案内で、5℃以下では、ほとんどの水性塗料は正常に乾いた膜にならないとしています。

表3塗料の役割と、種類の例
  • さび止め(下塗り)

    役割
    鉄の面を覆い、さびを出にくくする
    種類の例
    エポキシ樹脂系やアクリル樹脂系の塗料など。看板を用途に挙げる製品もある
  • 中塗り

    役割
    上塗りの前に塗り重ねる
    種類の例
    上塗りに合う中塗り用の塗料
  • 上塗り

    役割
    色とつやを出し、日差しや雨を受ける
    種類の例
    樹脂の種類でグレードが分かれる(表の下の並び)

スズカファイン・菊水化学工業のさび止めの製品資料、日本塗料工業会「家庭用塗料のご紹介」、福岡県の鋼道路橋の塗り替えの要領(令和7年3月)をもとにしています。

日本塗料工業会は、家庭用の塗料の案内で、塗料のグレードの例として、次の順を挙げています(下ほどグレードが上)。どのくらいの期間もたせたいかで、グレードを選ぶよう勧めています。

  1. 1アルキド樹脂の塗料
  2. 2アクリル樹脂の塗料
  3. 3ウレタン樹脂の塗料
  4. 4シリコンアクリル樹脂の塗料
  5. 5ふっ素樹脂の塗料

福岡県の鋼道路橋の塗り替えの要領は、下塗りに、水や空気を通しにくい(遮断性のある)エポキシ樹脂の塗料を使います。上塗りには、日差しや雨に強いふっ素樹脂(またはポリウレタン樹脂)の塗料を使う組み合わせです。看板の塗り替えでも、どの塗料を何回塗るかを、お見積りの段階で確かめます。

穴・欠け・やせた部材は、塗るだけでは直りません

塗り替えで直せるのは、塗膜の傷みと、表面にとどまるさびです。腐食で部材に穴があいたり、やせたりしているとき、根元や溶接の部分が傷んでいるときは、部材の補修や交換、看板の作り替えを考えます。

表4看板の状態と、塗り替えか補修・交換か
  • 塗膜だけの傷み(白い粉・色あせ・上の層のはがれ)

    直し方の考え方
    塗り替え。粉や汚れ、浮いた塗膜を落としてから塗る
    確かめること
    下の層と鉄の面が傷んでいないか
  • 表面にとどまるさび(点さび・薄いさび)

    直し方の考え方
    さびを落として塗り直す
    確かめること
    さびの広がりと、厚みが減っていないか
  • 広がったさび・さびのこぶ

    直し方の考え方
    点検で部材の厚みと強さを確かめてから決める
    確かめること
    さびを落としたあとの部材の状態
  • 穴・欠け・部材のやせ

    直し方の考え方
    塗るだけでは直らない。部材の補修・交換
    確かめること
    同じ部材が手に入るか、取り替える範囲
  • 支柱の根元の腐食

    直し方の考え方
    倒れるおそれがある。補強や建て替えも含めて考える
    確かめること
    根元と基礎、地面との境目
  • 溶接の部分の割れ・ひび

    直し方の考え方
    補修か、部材の交換
    確かめること
    つなぎ目と、まわりの腐食
  • 取付金具の腐食(壁のさびの筋)

    直し方の考え方
    金具の交換・補強。落ちるおそれがある
    確かめること
    ボルトと壁の状態

一般的な考え方です。どれに当たるかは、点検で近づいて確かめてから決めます。看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)p.04・p.07・p.16 の注意をもとにしています。

ガイドブックは、年月がたった看板は事故のリスクが増えるとして、専門の業者が中の構造まで詳しく点検し、補修や取り替えなどの対策をとるよう勧めています。東京都のサイトの講習会資料も、さびが腐食へ進むと部材の強さが落ち、倒れることもあるとしています。塗装は、さびから守るための仕上げです。腐食で失われた部材の強さを、塗ることで取り戻すことはできません。

どの直し方を選ぶかは、看板の状態に加えて、これから看板を使う年数や、表示を変える予定でも変わります。

横川内科クリニックの突出し看板。上が更新前、下がLED看板への更新後
グリーンクロスグループが点検・修繕した看板(横川内科クリニック)。看板の老朽化に加えて蛍光灯の照明が劣化していたため、LEDの大型突出し看板へ更新しました。上が更新前、下が更新後です。照明を新しくする時期や、表示を変える予定によっては、塗り替えより、看板ごと新しくするほうが合うこともあります。

高さ・道路・営業時間で、工事の段取りと費用が変わります

塗り替えの費用は、塗る面積、さびの程度とケレン、塗料の種類と回数、高さと作業の方法、部材の交換、作業の時間帯、道路の使用で決まります。乾かす時間と天気で日数も変わるため、日程には余裕をみておきます。

手の届かない高さの看板は、高所作業車や足場で近づいて作業します。ガイドブックも、袖看板は外側がきれいでも中の鉄骨にさびが進むおそれがあるとして、高所作業車などで中まで点検するよう勧めています。

高所作業車のバケットで、ビルの壁面の看板を取り付ける2名の作業員
高所作業車のバケットに乗り、ビルの壁面の看板の作業をする2名の作業員(グリーンクロスグループ)。

道路で作業車を止めたり、歩道を区切ったりして工事をするときは、原則として、道路の使用の許可が要ります。道路交通法 第77条第1項第1号の、道路で工事や作業をするときの許可で、作業する場所を管轄する警察署長の許可を受けます。工事の内容によっては、道路管理者の道路占用許可も要る場合があります。警察庁も、工作物の設置などを伴うときは、両方の許可が必要となる場合があるとしています。

塗料や、ケレンで削った粉が飛ばないよう、まわりの車や建物、植え込みを覆います。塗料メーカーの資料も、飛び散りを防ぐ養生を求めています。店の入口や駐車場に近い看板は、通る人の動線を分けて作業します。営業中の作業が難しいときは、夜間や土日祝に工事を組むこともできます。

表5塗り替えの費用が変わる条件
  • 塗る面積と部材の形

    変わる理由
    支柱だけか、枠や金具まで塗るか。細い鉄骨や入り組んだ形は、手間が増える
  • さびの程度とケレン

    変わる理由
    落とす範囲が広いほど、下地づくりの手間が増える
  • 塗料の種類と塗る回数

    変わる理由
    さび止め・中塗り・上塗りの塗料と、重ねる回数
  • 高さと作業の方法

    変わる理由
    脚立で届くか、高所作業車か、足場を組むか
  • 部材の補修・交換

    変わる理由
    腐食の進んだ鉄骨や金具を取り替えるか
  • 作業の時間帯と日数

    変わる理由
    夜間や土日祝の作業か。乾かす時間と天気で、日数が変わる
  • 道路の使用と養生

    変わる理由
    道路の使用の許可、まわりを覆う範囲
  • 一緒に行う工事

    変わる理由
    表示面の貼り替えやLED化を、同じ段取りで行うか

金額は、看板と現地の条件で変わります。写真から概算をお伝えし、正式なお見積りは、仕様が決まり、現地を確かめてからお出しします。ご相談・お見積りは無料です。

ポイント:見積りを比べるときは、ケレンの程度と塗る回数をそろえます

塗り替えの見積りは、どこまでさびを落とすか(ケレンの程度)、どの塗料を何回塗るか、どこまで塗るか(範囲)で中身が変わります。金額だけで比べず、この3つが見積書に書かれているかを確かめ、そろえて比べると違いが分かります。

色を変えて塗るなら、手続きと景観の基準を先に確かめます

許可を受けた看板を同じ色で塗り直すだけなら、変更の許可が要らない地域があります。表示や意匠を変えるときは、工事の前に変更の許可が要る地域があり、手続きの名前と要否は地域で違います。

屋外広告物の許可を受けている看板の塗り替えで、色を変えたり、デザインを変えたりするときは、看板を出している自治体の手続きを先に確かめます。京都市・横浜市・堺市の例は、次の表のとおりです。

表6塗り直すときの手続きの例
  • 京都市

    色や形を変えずに塗り直す
    維持管理のための再塗装(表示内容を変えないもの)は、変更の申請は不要
    表示・意匠・形などを変える
    規模・形態・意匠を変えるときは、工事の前に変更の許可
  • 横浜市

    色や形を変えずに塗り直す
    形状を変えない修繕・塗装は「軽微な変更・改造」として、事前に届け出る
    表示・意匠・形などを変える
    原則として、事前に変更の許可。意匠以外の変更を伴わない表示内容の変更は「軽微な変更・改造」として、事前に届け出る
  • 堺市

    色や形を変えずに塗り直す
    表示内容・意匠・色彩・形状を変えずに塗り替えるときは、軽微変更(変更の許可は不要)
    表示・意匠・形などを変える
    色彩などを変えるときは、軽微変更に当たらない

京都市の許可申請の手引き(p.12)、横浜市のてびき(許可編)、堺市のQ&Aによります。どれも許可を受けている看板の手続きです。手続きの名前と要否は地域で違うため、看板を出す場所の窓口で確かめます。

色だけを変える塗り直しが、どの手続きに当たるかの書き方も、自治体で違います。色を変えるときは、工事の前に窓口で確かめておきます。

許可のいらない大きさの看板でも、決まりから外れてよいわけではありません。京都市の手引きは、許可のいらない看板も、高さや色彩などの基準に合わせる必要があるとしています。景観の決まりで看板の色の基準を決めている地域では、塗り替えの色も、その基準に合うかを確かめます。

見落としやすいのは、さびの上塗り・色の差・根元の水です

よくある行き違いは、さびを落とさずに上から塗る、一部だけ塗って色やつやの差が出る、根元に水がたまるつくりのまま塗る、といったことです。表示面まで塗ってしまう、許可の更新や点検と別々に工事する、ということもあります。

補足:さびの上から、さび止めを塗らない

見た目は一度きれいになりますが、さびの上から塗っても、さびは中で進みます。さびと浮いた塗膜を落としてから塗ります。

補足:一部だけ塗ると、色やつやの差が出ることがあります

傷んだ所だけを塗り直す方法もあります。看板の安全管理ガイドブックも、専門の業者の点検の内容に、中の鉄骨の補修・タッチアップ(部分的な塗り直し)を挙げています。一方で、国土技術政策総合研究所の橋の塗り替えの資料は、古い塗膜と新しい塗膜では、色やつや、汚れ方に差が出るとしています。目立つ支柱や枠は、どこまで塗るかを先に決めておきます。

補足:根元に水がたまるなら、つくりから見直します

ガイドブックは、支柱の根元に水がたまらないよう、コンクリートに傾斜をつけるなどの注意を挙げています。国土技術政策総合研究所の資料も、水がたまったり漏れたりすると塗膜の傷みに大きく響くため、原因を先に取り除くとしています。水のたまる原因が残ったままでは、塗り直しても傷みやすいままです。

補足:表示面は、塗らずに替えます

シートやインクジェットで表示した面、アクリルなどの面板の色あせは、塗装では直しません。シートの貼り替えや面板の交換で直します。表示を変えるなら、地域によっては変更の手続きも要ります。替え方は看板のリニューアルで紹介しています。

敷地の入口に立つ、三和ホームの自立看板
グリーンクロスグループが手がけた看板(三和ホーム)。敷地の入口に立つ自立看板です。看板のうち、支柱のような金属の部分は塗り替えで、表示面は貼り替えや交換で直します。

ポイント:許可の更新や点検に合わせると、段取りが一度ですみます

点検で見つかったさびの補修と塗り替えを、許可の更新の前に済ませておくと、高所作業車や足場の段取りも一度ですみます。

点検から、さび落とし・塗り替え・部材の交換まで、窓口ひとつでお受けします

屋外広告士の点検で、さびの範囲と部材の傷みを確かめ、さび落とし・再塗装、傷んだ部材の交換、表示面の貼り替えやLED化まで、まとめてお受けします。全国61拠点のネットワークと47都道府県での屋外広告業の登録で、全国の店舗の看板も窓口ひとつで進められます。

グリーンクロスでは、屋外広告士が看板を点検し、支柱や鉄骨のさび、塗装の傷み、溶接の部分やボルトの状態を確かめます。報告書は、自治体の様式に沿って作成します。そのうえで、塗り替えで直すか、部材を替えるかをご説明します。

ご相談から、塗り替えの完了まで

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    写真でご相談

    看板の全体と、さびや塗装のはがれが気になる所の写真、設置場所の住所をお送りください。写真から概算をお伝えします。

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    点検・現地の確認

    屋外広告士が看板を点検し、さびの範囲と部材の傷みを確かめます。高い位置は、必要に応じて高所作業車などで近づいて確かめます。

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    直し方とお見積り

    塗り替えで直すか、部材を替えるかをご説明し、塗る範囲と作業の内容を明記したお見積りをお出しします。

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    工事

    まわりを覆ってから、さびを落とし、お見積りに明記した塗料と回数で塗り重ねます。夜間や土日祝の工事も組めます。

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    確認とご報告

    仕上がりを確かめ、工事の前と後の写真とともに、行った作業をご報告します。

ご相談のときに伝えていただきたいこと

  • 看板の全体の写真と、さび・はがれが気になる所の写真
  • 支柱の根元・つなぎ目・取付金具の写真(地上から撮れる範囲で)
  • 設置場所の住所と、地面から看板までのだいたいの高さ
  • 光る看板かどうか
  • 色を変えるかどうか
  • 許可の更新の時期(分かれば)と、作業できる時間帯

高い所に上がったり、看板に触ったりせず、地上から撮れる範囲で十分です。

全国に店舗がある場合も、窓口はひとつです。全国の拠点と各地の看板の協力会社が連携し、店舗ごとの看板の点検と塗り替えを進めます。看板の製作・施工・点検では、全国に店舗を展開する企業にも、この規模から選ばれています。塗り替えに限らず、看板に関することは基本的にすべてお受けしています。株式会社グリーンクロスの会社資料もお送りできます。

よくあるご質問

看板の塗り替えは、何年ごとにすればよいですか?

何年ごとという決まった年数はありません。塗料の種類や、日当たり・雨・海風などの場所の条件で傷み方が変わるためです。白い粉・色あせ・塗膜のはがれ・さびなどのサインと、点検の結果で決めます。看板の安全管理ガイドブックは、屋外広告物の許可の更新の時期を基本に定期の点検を行い、補修の計画を立てるよう勧めています。

さびの上から、さび止めを塗ってもよいですか?

おすすめしません。東京都のサイトにある看板の講習会資料は、さびの上からさび止めを塗っても、さびは中で進むとしています。ケレン(素地調整)でさびと浮いた塗膜を落としてから、さび止めを塗ります。

看板の支柱だけ、塗り直すことはできますか?

できます。ただし、古い塗膜と新しい塗膜では色やつやに差が出ることがあるため、目立つ支柱は、どこまで塗るかを先に決めます。支柱の根元にさびが出ているときは、塗る前に、部材がやせていないかを点検で確かめます。

看板の塗装の費用は、何で決まりますか?

塗る面積と部材の形、さびの程度とケレン、塗料の種類と回数、高さと作業の方法、部材の交換、作業の時間帯、道路の使用で決まります。写真から概算をお伝えし、正式なお見積りは、仕様が決まり、現地を確かめてからお出しします。ご相談・お見積りは無料です。

塗り替えで色を変えるときは、許可が要りますか?

地域で違います。京都市は、規模・形態・意匠を変えるときは工事の前に変更の許可が要り、維持管理のための再塗装(表示内容を変えないもの)は変更の申請が要らないとしています。色だけを変える場合の扱いは、手引きに書かれていません。横浜市は、形状を変えない修繕・塗装を、事前の届出としています。堺市は、色彩などを変えない塗り替えを、変更の許可の要らない軽微変更としています。色を変えるときは、看板を出す場所の窓口で確かめます。

冬や梅雨の時期でも、塗り替えはできますか?

できますが、塗る日の天気を選びます。さび止めの製品資料では、気温5℃以下・湿度85%以上のときや、雨・雪・結露のおそれがあるときは塗らないとしています。日本塗料工業会は、家庭用の塗料の案内で、冬の屋外で塗るときは、塗料の種類を選ぶなどの工夫が要るとしています。天気で日程がずれることを見込んで、余裕をもって予定を組みます。

営業中や夜でも、工事できますか?

できます。夜間や土日祝の工事にも対応します。営業中に作業するときは、店の入口や駐車場の動線を分け、塗料や削った粉が飛ばないよう、まわりを覆ってから作業します。道路で作業するときは、道路の使用の許可も含めて段取りします。

看板を自分で塗ってもよいですか?

高い所の看板や、支柱の根元・取付金具のさびは、専門の業者に頼みます。東京都のサイトにある看板の講習会資料も、さびへの対処は専門業者へ、としています。手の届く高さの小さな部分を塗るときは、さびを落としてから、塗料の説明書の条件(気温・湿度・塗り重ねの時間)を守ります。

参考にした資料

この記事について

全国看板施工・点検ナビ

運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)

監修:横田悠介(屋外広告士)

看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。

看板の塗り替えのご相談は、さびの写真からどうぞ。

看板全体と、さびや塗装のはがれが気になる所の写真、設置場所の住所が分かれば、塗り替えで直せるか、部材の交換がよいかをご案内します。屋外広告士の点検から全国の店舗の看板まで、窓口はひとつです。

お電話でのご相談はこちら

0120-418-963

受付時間 9:00〜17:30(土日祝・年末年始除く)

設置場所の写真・ロゴデータの添付も可能です。もちろん、なくてもご相談いただけます。