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看板の落下事故を防ぐには。落ちる原因と、管理する人の責任

看板が落ちる主な原因は、さびや腐食、ボルトのゆるみといった年月による傷みと、強い風や地震です。看板の部材が落ちて人にけがをさせると、看板を管理している人や持ち主が、賠償の責任を問われることがあります。日ごろの確認と専門の点検で、傷みを早く見つけて直すことが大切です。

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GREEN MEDIA(グリーンクロス)
ロープで壁面に降りて作業する作業員
ロープで壁面に降りて作業する作業員(グリーンクロスグループの施工の現場)

この記事のポイント

  • 01落ちる主な原因は、さび・腐食、ボルトのゆるみ、取り付けている壁の傷み、強い風や地震
  • 02事故が起きると、看板の占有者や所有者が賠償の責任を問われることがあります(民法第717条)
  • 03傷みは外から見えにくいところで進むため、日ごろの確認と専門の点検を組み合わせます
  • 04台風の前は置き看板をしまい、大型の台風や大きな地震のあとは臨時の点検を頼みます

看板が落ちる原因は、年月による傷みと強い風・地震です

看板の安全管理ガイドブックは、雨や紫外線、熱による劣化と腐食、強い風、地震などを、看板の安全を脅かすものとして挙げています。傷みは、取付金具や内部の鉄骨など、外から見えにくいところで進みます。

図1看板が落ちる主な原因
  • さび・腐食

    取付金具や内部の鉄骨にさびが進むと、強度を保てなくなるおそれがあります。壁にさびの筋が見えるときは、金具が腐食していることがあります。酸性雨は、金属の腐食を進めます。

  • ボルトのゆるみ・接合部の傷み

    ボルトやビスのゆるみ・欠落、溶接したところの亀裂は、看板を支える力を弱めます。強い風で接合部が壊れ、看板が落ちることもあります。

  • 取り付けている壁の傷み

    看板を留めている壁や下地が傷むと、アンカーの効きが弱まるおそれがあります。震度5強の揺れでは、壁にひびが入り、アンカーの強度が落ちるとされています。

  • 強い風・台風

    強い風は、傷んだ接合部や表示面に大きな力をかけます。表示面のアクリル板も、紫外線などでもろくなると、割れて飛び散ることがあります。

原因を説明するための模式図です。

看板の種類によって、傷みやすいところも違います。ガイドブックは、袖看板では取付金具(ブラケット)と内部の鉄骨のさび、地面に建てるポールの看板では支柱の根元の腐食(根腐れ)を挙げています。屋上の看板については、長く放置された骨組みのさびと、外から照らす照明器具のアームや接合部分の腐食を挙げています。

  • 敷地の入口に立つ、三和ホームの自立看板
    敷地の入口に立つ自立看板(三和ホーム)
  • 鉄骨のやぐらの上にWONDER LANDの看板を載せた広告塔
    鉄骨のやぐらの上に看板を載せた広告塔(WONDER LAND)

いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。地面に建てる看板や広告塔は、支柱の根元や架台の接合部も確かめます。

看板の事故の例と、国のガイドライン

看板の安全管理ガイドブックは、2015年2月に札幌市で飲食店の袖看板の部材が強い風で落ちた事故を紹介し、原因を老朽化とし、30年間、看板本体の安全点検は目で見る確認しかしていなかったとしています。

ガイドブックは、ほかにも、強い風で看板が飛ばされて歩いている人に当たった例や、台風で看板が倒れた例を紹介し、老朽化した看板は事故のリスクが増えるとしています。地上から見て問題がなさそうでも、取付金具や内部の鉄骨の腐食は、近づいて確かめないと分からないことがあります。

国土交通省は2016年4月に「屋外広告物条例ガイドライン(案)」を改正し、看板の所有者や占有者が良い状態に保つ責務を明記して、屋外広告士など専門の知識をもつ人による点検の規定を加えました。改正の理由には、適切に維持管理されていない屋外広告物が各地で見られ、落下する事故が起きていることを挙げています。

法令・ルール:許可の更新のときに、点検の結果を出す地域があります

このサイトで調べた34の地域では、いずれも、許可の更新などのときに点検の結果を出す決まりがあります。対象になる看板や点検の時期は、地域ごとに違います。大きな看板だけ、設置から一定の年数がたった看板だけ、という地域もあります。

看板の欠陥で事故が起きると、占有者や所有者が責任を問われることがあります

民法第717条は、土地の工作物の設置や保存に欠陥があって他人に損害を与えたとき、まず占有者が、占有者が損害を防ぐのに必要な注意をしていたときは所有者が、賠償の責任を負うと定めています。

図2民法第717条の、責任の順番
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  1. 占有者の責任土地の工作物の設置や保存に欠陥があって他人に損害を与えたとき、まず占有者(看板を実際に管理している人。誰が当たるかは個別に判断されます)が、被害を受けた人に賠償の責任を負います。
  2. 所有者の責任占有者が損害を防ぐのに必要な注意をしていたときは、所有者が賠償の責任を負います。
  3. ほかの人への求償損害の原因について、ほかに責任を負う人がいるときは、占有者や所有者は、その人に求償(支払った分の請求)ができます。

条文のしくみを示した模式図です。看板が条文の「土地の工作物」に当たるか、誰が占有者・所有者か、必要な注意をしていたかは、個別の事情で判断されます。

店舗を借りて看板を出している場合は、誰が看板を管理し、点検や修理の費用をどう分けるかを、建物の持ち主との契約で確かめておきます。屋外広告物の条例でも、たとえば東京都は、看板の広告主や持ち主などに、補修などの管理をして良い状態に保つ義務があるとしています。

補足:保険と、専門家への相談も確かめておきます

看板の事故が、加入している賠償責任の保険の対象になるかは、契約の内容によって違います。保険会社や代理店に確かめておきます。この記事は条文のしくみの紹介で、個別の事故の責任を判断するものではありません。具体的な事案は、弁護士などの専門家に相談してください。

落下を防ぐには、傷みを早く見つけて直します

傷みは外から見えにくいところで進むため、日ごろの目での確認に加えて、専門の業者が看板に近づいて取付部や内部を確かめる定期の点検が欠かせません。見つかった傷みは、広がる前に直します。

こんなサインに気づいたら、専門の業者に相談します

  • 看板のまわりの壁に、さびの筋が伝っている
  • 看板が傾いている、風でぐらつく
  • 表示面の板や押さえ枠が、ゆがんだり、ずれたりしている
  • アクリル板にひびがある、外れかけている
  • ボルトやビスなどの部品が、下に落ちていた
  • 支柱の根元にさびがある、根元のコンクリートにひびがある
  • 照明器具が傾いている、外れかけている

看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)の内容をもとにしています。高い所に上がったり、看板に触ったりして確かめず、地上から写真を撮って相談します。

目で見る確認だけでは、内部の鉄骨や取付金具の腐食は分からないことがあります。ガイドブックは、袖看板について、高所作業車などで近づいて内部を確かめる定期の点検が大切だとしています。

高所作業車と脚立を使い、医療法人の大きな壁面看板を取り付ける施工の様子
高所作業車と脚立を使い、医療法人の大きな壁面看板を取り付ける施工の様子(グリーンクロスグループの施工の現場)

台風・強い風・地震の前とあとにすることです

台風が近づく前は、置き看板などを屋内にしまうか固定します。大型の台風や震度5強以上の地震のあとは、地上から看板を確かめ、専門の業者に臨時の点検を頼みます。

  1. 1

    台風の前

    置き看板は、屋内にしまうか、飛ばされないように固定します。壁や支柱に付いた看板はその場で動かせないため、日ごろの点検で傷みを直しておくことが備えになります。

  2. 2

    台風・地震のあと

    地上から、看板の傾き、部材の外れかけ、表示面の割れやずれがないかを見ます。高い所に上がって確かめるのは危険です。

  3. 3

    臨時の点検を頼む

    大型の台風や震度5強以上の地震のあとは、専門の業者に臨時の点検を頼むよう、看板の安全管理ガイドブックは勧めています。

補足:落ちそうな看板を見つけたら、まず看板の下から人を離します

部材が外れかけている、看板が大きく傾いているなど、落ちるおそれがあるときは、看板の下に人が近づかないようにします。ガイドブックは、立入禁止の処置と見張りを置いたうえで専門の業者に連絡し、人通りの多い場所では警察にも連絡するよう案内しています。

グリーンクロスでは、強い風や台風のあとの看板の状態の確認と、必要な補修をお受けしています。定期的な点検もご相談いただけます。

よくあるご質問

看板が落ちて人がけがをしたら、誰の責任になりますか?

民法第717条は、土地の工作物の設置や保存に欠陥があって他人に損害を与えたとき、まず占有者が、占有者が必要な注意をしていたときは所有者が、賠償の責任を負うと定めています。誰が占有者・所有者に当たるかなどは個別の事情で判断されるため、具体的な事案は弁護士などの専門家に相談してください。

賃貸の店舗の看板は、誰が管理しますか?

看板の管理や、点検・修理の費用の分け方は、看板を出す前や契約の更新のときに、建物の持ち主との契約で確かめておきます。事故のときの責任は個別の事情で判断されるため、具体的な事案は弁護士などの専門家に相談してください。

看板が落ちる前に、どんなサインがありますか?

壁を伝うさびの筋、看板の傾きやぐらつき、表示面のゆがみやずれ、下に落ちているボルトやビス、支柱の根元のさびなどです。こうしたサインに気づいたら、高い所に上がらずに写真を撮り、専門の業者に相談します。

古い看板ほど、落ちやすいですか?

看板の安全管理ガイドブックは、老朽化した看板は事故のリスクが増えるとして、専門の業者に内部の構造まで点検してもらい、補修や取り替えなどの対策をとるよう勧めています。

台風の前に、看板にできることはありますか?

置き看板は、屋内にしまうか、飛ばされないように固定します。壁や支柱に付いた看板はその場で動かせないため、日ごろの点検で傷みを直しておくことが備えになります。

看板の事故に、保険は使えますか?

看板の事故が、加入している賠償責任の保険の対象になるかは、契約の内容によって違います。保険会社や代理店に、看板が対象に含まれるかを確かめておきます。

参考にした資料

この記事について

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運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)

監修:横田悠介(屋外広告士)

看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。

落ちないか心配な看板は、写真1枚からご相談ください。

看板の全体と気になるところの写真、設置場所の住所が分かれば、点検や補修の進め方をご案内します。強い風や台風のあとの確認も、ご相談ください。

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