袖看板(突き出し看板)とは。種類と大きさの決め方、道路に出すときの決まり
袖看板は、建物の壁から通りに向かって直角に突き出して付ける看板です。歩道を歩く人や道路を走る車から、横の方向でも店の場所が分かります。道路の上に出ることが多いため、作るときは見え方だけでなく、出幅と高さの基準、壁への取付も一緒に考えます。
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この記事のポイント
- 01袖看板は、壁から通り側へ突き出して、横の方向から見つけてもらう看板です
- 02つくりは、内照式の箱型・平らな板・ビルの縦長のテナント欄などがあります
- 03道路の上に出すときは、屋外広告物の許可とは別に、原則として道路の占用許可が必要です
- 04看板の重さは壁への取付部に集まるため、下地と取付金物から考えます
袖看板は、横の方向から見つけてもらう看板です
袖看板は、建物の壁から通り側へ突き出して付ける看板です。壁に平らに付ける看板が正面から見る人に向くのに対して、袖看板は通りを歩く人や車から、横の方向でも目に入ります。
ファサード看板などの壁面の看板は、建物の正面の向かい側から読みやすい看板です。一方、歩道を歩いている人や道路を走る車からは、建物の正面が斜めにしか見えず、看板の文字が読みにくいことがあります。袖看板は、表示面を通りに対して直角に向けるため、通りの先からでも店の場所を見つけてもらえます。
- 壁面の看板建物の正面に平らに付けます。正面の向かい側からは読みやすい一方、通りの先からは斜めになって読みにくくなります。
- 袖看板壁から通り側へ直角に突き出します。表示面が通りの先を向くため、歩道を歩く人や車からも目に入ります。
- 表示面は両面左右どちらから来る人にも読めるよう、両面に表示するのが一般的です。
呼び方は会社や地域で違い、「突き出し看板」「突出し看板」とも呼ばれます。大阪市の資料では「突出看板」と書かれています。路面店や商店街の店舗のほか、ビルの上の階に入るテナントが、階数を入れて場所を伝えるのにも使われます。
主なつくりは、箱型・平板・縦長のテナント欄
袖看板のつくりは、中に照明を入れる箱型(内照式)、平らな板の看板、ビルのテナントごとの表示を縦に並べたものなどがあります。夜の見え方と、表示を替える頻度で選びます。
箱型(内照式)
奥行きのある箱の中に照明(LED)を入れ、両面の表示面を内側から光らせます。夜も遠くから目に入るため、袖看板で多く使われるつくりです。
平板(パネル)
平らな板の両面に、印刷やシートで表示します。箱型より奥行きが小さく、光らせない看板や、照明で照らす看板に使います。
縦長のテナント欄
ビルの壁に縦長の枠を付け、テナントごとの表示を上下に並べます。上の階の店は、階数とあわせて表示すると場所が伝わります。
いずれも、左が建物の壁(断面)、右が通りの先から見た袖看板の模式図です。
箱型(内照式)
- 夜の見え方
- 表示面全体が内側から光る
- 表示の替え方
- 表示面の板やシートを替えられるつくりが多い
- 向いている場所
- 夜も営業する路面店、商店街の店舗
平板(パネル)
- 夜の見え方
- 照らす照明を付けなければ暗くなる
- 表示の替え方
- 表示面の張り替えで替えやすい
- 向いている場所
- 昼の営業が中心の店、事務所
縦長のテナント欄
- 夜の見え方
- 枠ごと光らせるつくりもある
- 表示の替え方
- 入居する店ごとに、自分の欄の表示を替える
- 向いている場所
- 上の階にテナントが入るビル
一般的な傾向です。実際は、素材・大きさ・取付の条件で変わります。
光らせる袖看板は、電源につなぐ工事が必要です。照明のある看板を電源につなぐ工事は、原則として電気工事士の資格が必要です(電気工事士法)。光らせ方の違いは、光る看板(電飾看板)の種類と選び方で詳しく紹介しています。
大きさは、見せたい距離と、出せる範囲から決めます
袖看板の大きさは、どこから読ませたいか(文字の大きさ)と、壁から突き出せる長さ・高さの基準の両方から決めます。基準は、道路管理者や自治体ごとに違います。
- 出幅壁(道路との境界)から看板の先までの長さ。道路の上に出せる長さは、地域ごとの基準で決められています。
- 下端の高さ路面から看板の下端までの高さ。歩道の上と車道の上で、基準が違います。
- 看板の高さ表示面の大きさ。読ませたい距離から文字の大きさを決め、文字が収まる高さと幅にします。
- 道路との境界敷地と道路の境目。この線を越えて道路の上に出る部分が、道路の占用にあたります。
文字の大きさは、読ませたい距離から考えます。公共施設の案内表示のガイドラインの表では、和文の文字の高さの目安を、見る距離が10mなら40mm以上、20mなら80mm以上としています。袖看板は縦長の表示面に文字を縦に並べることが多いため、入れたい文字の数と大きさから、看板の高さを決めていきます。
一方、壁から突き出せる長さ(出幅)と、路面から看板の下端までの高さは、道路の管理者や自治体が基準を決めています。たとえば、次のような基準があります。
札幌市
- 出幅と下端の高さ
- 出幅は1m以内(路面からの高さが3m以上6m未満のとき)。下端は歩道上で3m以上・車道上で4.5m以上
横浜市
- 出幅と下端の高さ
- 出幅は1.0m以下。下端は歩道で2.5m以上・車道で4.5m以上
京都市
- 出幅と下端の高さ
- 出幅は1m以下。歩道の上に出す場合などは、下端を2.5m以上
大阪市
- 出幅と下端の高さ
- 歩道側は突き出し1.0m以内。看板の下端の高さは2.5m以上
広島市
- 出幅と下端の高さ
- 突き出しは境界線から1.0m以下。下端は歩道の上で3.5m以上(やむを得ないときは2.5m以上)・車道の上で4.5m以上
北九州市
- 出幅と下端の高さ
- 出幅は道路境界線から1m以下。下端は路面から4.5m以上(歩道の上は2.5m以上)
このサイトの地域ごとのページで確かめた基準の一部です(2026年10月時点)。同じ地域でも、道路の管理者や場所によって基準が違うことがあります。
道路に出すときは、屋外広告物の許可と占用の許可が要ります
屋外に出す袖看板は、原則として自治体の屋外広告物条例の対象です。道路の上(上空を含む)に突き出す場合は、それとは別に、原則として道路管理者の占用の許可が必要です。
法令・ルール:道路の上に出す看板は、占用の許可の対象です
道路法は、道路に工作物などを設けて継続して道路を使う場合、道路管理者の許可を受けなければならないとしています(第32条)。看板は、道路法施行令でこの許可の対象に挙げられています(第7条第1号)。道路法施行令は、道路の上空に出る部分の最も低いところを、原則として路面から4.5m以上(歩道の上は2.5m以上)としています(第10条。例外あり)。
屋外に袖看板を出す
- 主な決まり
- 屋外広告物条例で、大きさや地域によって許可が必要。東京都の住居専用地域などのように、自家用でも壁から突き出す看板を出せない地域もある
- 確かめる先
- 看板を出す場所の自治体
道路の上に突き出す
- 主な決まり
- 原則として、道路法第32条の占用の許可が必要。占用料がかかる場合がある
- 確かめる先
- 道路管理者(国・都道府県・市区町村)
高さが4mを超える袖看板
- 主な決まり
- 原則として、建築基準法の工作物の確認申請が必要(第88条・施行令第138条)
- 確かめる先
- 建築の確認の窓口
占用の期間を更新する
- 主な決まり
- 2026年4月1日から、看板の安全性を確認したことを道路管理者へ報告する(道路法施行規則の改正)
- 確かめる先
- 道路管理者
屋外広告物の許可を更新する
- 主な決まり
- このサイトで取り上げている34の地域は、いずれも許可の更新(継続)のときに点検の結果を出す決まりがある。対象の看板や点検する人の条件は地域によって違い、大きな看板だけ、設置から一定の年数がたった看板だけ、という地域もある
- 確かめる先
- 看板を出す場所の自治体
照明のある袖看板の工事
- 主な決まり
- 電源につなぐ工事は、原則として電気工事士の資格が必要(電気工事士法)
- 確かめる先
- 工事を行う会社
工事で道路を使う
- 主な決まり
- 作業車を道路に止めて工事をする場合などは、警察署の道路使用許可が必要(道路交通法第77条)
- 確かめる先
- 所轄の警察署
法令は2026年10月時点の内容です。出幅や高さの具体的な基準は、道路管理者や自治体ごとに決まっています。
たとえば横浜市のQ&Aでは、袖看板などが道路境界線を越えて道路に突き出す場合は、屋外広告物の設置許可とあわせて道路占用許可を受けなければならない、としています。申請の順番や窓口は地域によって違うため、看板を出す場所の自治体と道路管理者に確かめます。
看板の重さは、壁への取付部に集まります
袖看板は、看板の重さと風の力を、壁への取付部(ブラケット)で受け止めます。壁の下地の強さを確かめ、外から見えない内部の鉄骨のさびにくさまで考えてつくります。
- 壁の下地とアンカーコンクリート・ALC(軽量気泡コンクリートの板)・金属のパネルなど、壁の材質と下地で、固定の方法と補強の要否が変わります。
- ブラケット(取付金物)看板を壁に固定する腕の金物。看板の重さが集まるため、特に確認が必要な箇所です。
- 内部の鉄骨箱の中で表示面を支える骨組み。外からは見えないため、さびにくい処理が大切です。
- 表示面アクリル板やシートなど。割れ・反り・外れがないよう、しっかり固定します。
- 照明と配線室内から壁を通る配線の穴は、雨水が入らないようふさぎます。
屋外広告物適正化推進委員会の「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)は、袖看板について、看板の外側はきれいでも、取付金具や内部の鉄骨にさびが進んで強度を保てなくなるおそれがあるとしています。高い位置にあって頻繁に点検できないため、鉄骨に溶融亜鉛めっきを施すなど防錆処理を徹底するよう勧めています。看板の高さが4mを超える場合は工作物の確認申請が必要で、4m以下の場合も強度計算を行うなどの安全対策が求められるとしています。

付ける前に確かめること
- 壁の下地:外壁の材質と、その奥の下地で、固定の方法と補強の要否が変わります
- 建物の持ち主の承諾:外壁に穴を開けて固定するため、賃貸の建物では、貸主や管理会社の承諾が必要です
- 作業の方法:高い位置の取付は、高所作業車などを使います。作業車を道路に止めるときは、道路使用の許可が必要です
- 電源の位置:光らせる場合は、室内からの配線の経路と、点灯の時間を決めるタイマーの位置も決めておきます
ビルのテナントは、袖看板の欄と建物の決まりを確かめます
ビルに入るテナントは、建物の持ち主や管理会社が用意した袖看板の欄に、表示を入れることがあります。使える欄・大きさ・照明は建物ごとに決まっていることが多いため、物件を決める前に確かめます。
建物が用意した縦長の欄
テナントごとの表示を上下に並べた袖看板に、自分の欄の表示を作って入れます。大きさや色の決まりがあるかを、管理会社に確かめます。
テナントが自分で付ける袖看板
欄がないビルでは、自分で袖看板を付けられるかを、建物の持ち主に確かめます。取付の位置・配線・退去のときの撤去も、あわせて決めておきます。
ポイント:退去のときのことも、先に決めておきます
賃貸の建物では、退去のときに看板の撤去と外壁の補修(原状回復)を求められることが多くあります。どこまでを行うかを、契約と建物の決まりで確かめておくと、あとで困らずに済みます。
長く使うために、取付部と表示面を点検します
袖看板は道路の上に出ることが多く、取付部の傷みが落下につながります。日ごろの目視と、専門の業者による点検を組み合わせて、状態を確かめます。
日ごろ、目で見て確かめたいこと
- ブラケット(取付金物)からさびが出ていないか
- 看板が壁から垂直に付いているか
- アクリル板にひびが入っていないか、外れそうではないか
- 照明が点かないところはないか
- 看板の部材が欠けていないか
看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)の、所有者の日常点検の項目から、袖看板にかかわるものを選びました。
同じガイドブックは、袖看板の内部は、高所作業車などを使って定期的に点検することが大切だとしています。震度5強以上の地震や大型の台風のあとは、専門の業者に臨時の点検を頼むよう勧めています。

地域によっては、許可の更新のときに点検の結果を出す決まりがあります。グリーンクロスでは、屋外広告士が点検し、自治体の様式に沿って報告書を作ります。道路の占用の期間も、許可の更新とあわせて確かめておくと、点検の日程を組みやすくなります。
よくあるご質問
袖看板と突き出し看板は、同じものですか?
同じものを指すことが多い呼び方です。建物の壁から通り側へ突き出して付ける看板を、袖看板・突き出し看板・突出し看板などと呼びます。大阪市の資料では「突出看板」と書かれています。名前が分からなくても、設置したい場所の写真からご相談いただけます。
袖看板を付けるのに、許可は必要ですか?
屋外に出す看板は、自分の店の看板でも、原則として自治体の屋外広告物条例の対象です。道路の上に突き出す場合は、それとは別に、原則として道路管理者の占用の許可が必要です。許可がいらない大きさや基準は地域ごとに違うため、設置場所から確かめてご案内します。
袖看板は、どのくらい突き出せますか?
出幅と、路面から看板の下端までの高さは、道路管理者や自治体の基準で決まっています。たとえば横浜市は、出幅は1.0m以下で、下端は歩道で2.5m以上・車道で4.5m以上です。地域によって基準が違うため、設置場所の住所から確かめます。
ビルの上の階のテナントでも、袖看板を出せますか?
建物の持ち主や管理会社が袖看板の欄を用意している場合は、その欄に表示を入れる方法があります。欄がない場合は、自分で袖看板を付けられるかを、建物の持ち主に確かめます。どちらの場合も、使える大きさや照明の決まりを先に確かめておくと安心です。
表示面だけを替えることはできますか?
箱や取付部、照明に傷みがなければ、表示面の板やシートだけを替えて使える場合があります。取付部の状態を確かめたうえで、表示面の交換と看板ごとの交換のどちらがよいかをご提案します。
古くなった袖看板の撤去もお願いできますか?
撤去と、届出が必要かの確認をご相談いただけます。許可を受けていた看板を撤去したときに、届出を求める自治体もあります。外したあとの壁の補修は範囲を確かめ、撤去・補修・届出のどこまでを含むかを、お見積りに明記します。
参考にした資料
- 道路法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第32条(道路の占用の許可)
- 道路法施行令(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第7条第1号(看板)・第10条(占用の場所)
- 国土交通省「道路法施行規則の一部を改正する省令」の公布について(令和7年7月)(別のタブで開きます)占用の期間の更新時の安全性の確認の報告(令和8年4月1日施行)
- 横浜市「屋外広告物Q&A」(別のタブで開きます)Q(2-7) 道路に突出する袖看板等の道路占用許可
- 屋外広告物適正化推進委員会「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)(別のタブで開きます)東京都都市整備局のサイトに掲載
- 名古屋市「福祉都市環境整備指針」第2編 Ⅴ 情報・案内(令和4年3月更新)(別のタブで開きます)文字の大きさの選択の目安
- 道路交通法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第77条(道路の使用の許可)
- 電気工事士法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)
- 建築基準法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第88条(工作物への準用)
- 建築基準法施行令(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第138条(工作物の指定)
- 大阪市「屋外広告物、道路占用(突出看板)の申請等に必要な書類・書き方等について」(別のタブで開きます)突出看板の呼び方
- 東京都都市整備局「屋外広告物のしおり等」(令和8年7月)(別のタブで開きます)住居専用地域などで使えない看板
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




