テナント看板の出し方。ビルの決まりから、袖看板のパネル・館内の案内板まで
ビルに入居が決まって、看板を考え始めたとき。最初に確かめるのは、デザインより先に、ビルの決まりです。袖看板の自分の階のパネルも、1階の館内の案内板も、建物の持ち主や管理会社の承諾と、ビルが決めた大きさ・作り方の中で作ります。許可を受けている看板の表示を替えるときは、地域によって、工事の前に変更の許可も要ります。
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この記事のポイント
- 01テナントの看板は、建物の持ち主・管理会社の承諾と、ビルの決まり(場所・大きさ・工事の時間・指定の業者)の中で作ります
- 02袖看板などのパネルは、外の寸法・見えている範囲・厚み・留め方・照明の有無を、写真と一緒に伝えると作りやすくなります
- 03許可を受けている看板の表示を替えるときは、工事の前に変更の許可が要る地域があります(京都市・堺市など)
- 04館内の案内板や各階の案内は、ビルの側が書式をそろえて作ることがあります。頼み方を入居のときに聞いておきます
- 05退去のときにパネルを白くする・外す扱いも、地域の手続きと契約で決まります
入居して出す看板は、場所ごとに決める人が違います
テナントが出す看板は、建物の縦長の看板のパネル、1階の店の看板、窓の表示、館内の案内板、各階の案内、自分の区画の入口の看板、共用部の置き看板に分かれます。場所ごとに、ビルの側が決めることと、テナントが決めることが違います。
ビルに入るテナントの看板は、建物にある枠やパネルに自分の表示を入れるものと、自分の区画に自分で付けるものに分かれます。どこにどんな看板を出せるかは、ビルの決まりと、賃貸借の契約で決まります。まずは場所ごとに、だれが決めて、だれが作るのかを整理します。
- 建物の縦長の看板のパネル袖看板や、建物の正面に付いた縦長の看板に、テナントごとのパネルが並びます。自分の階のパネルに表示を入れます。
- 1階の店の看板の枠1階の店が、建物の正面にある看板の枠に、表示を入れる形です。枠の大きさや照明を、ビルで決めている場合もあります。
- 窓ガラスの表示上の階の店や事務所は、窓ガラスに表示を貼ることがあります。窓の内側からの表示の扱いは、地域で違います。
- 1階の館内の案内板エントランスの案内板に、テナント名のプレートを入れます。書体や大きさは、ビルの書式に合わせます。
- 各階の案内エレベーターホールなどに、その階のテナントを示す案内があります。
- 区画の入口の看板自分の区画の扉の横などに付ける、プレートや看板です。ビルの仕様と違うものを付けるときは、ビルに確かめます。
- 共用部の置き看板廊下やエントランスに置く看板です。置けないビルもあるため、点線で描いています。
左はテナントビルを正面から見た模式図、点線の右は館内の上の階の廊下と1階のエントランスです。ビルによって、ない看板もあります。
建物の縦長の看板のパネル
- 主に決める・作る人
- 枠はビル。パネルの表示はテナント(ビルがまとめて作ることもある)
- 確かめること
- パネルの大きさ・素材・照明、色や書体の決まり、許可を受けている人
1階の店の看板の枠
- 主に決める・作る人
- 枠はビル。表示はテナント
- 確かめること
- 枠の大きさ、照明の有無、変更の許可が要るか
窓ガラスの表示
- 主に決める・作る人
- テナント(ビルの承認が要ることもある)
- 確かめること
- ビルが貼ってよいとしているか、地域の扱い
館内の案内板・各階の案内
- 主に決める・作る人
- ビル(テナントは表示の内容を伝える)
- 確かめること
- 頼み方、書式、費用の負担
区画の入口の看板
- 主に決める・作る人
- テナント
- 確かめること
- ビルの仕様に合わせるか、承認が要るか、壁に穴を開けてよいか
共用部の置き看板
- 主に決める・作る人
- ビルの決まりしだい
- 確かめること
- 置いてよいか、場所と大きさ、置ける時間
一般的な分け方です。枠もパネルもビルの側でまとめて作る場合や、テナントが看板を自分で付ける場合もあります。
最初に、契約とビルの決まりを確かめます
看板の計画は、賃貸借の契約と特約、ビルの決まり(館内規則や看板の決まり)、建物の持ち主や管理会社の承諾から始めます。工事の時間帯や、指定の業者がいるかも、この段階で聞いておきます。
外壁や共用部は、テナントが借りている部屋の外にあります。そこに看板を出すには、建物の持ち主(貸主)や管理会社の承諾が要ります。看板を出せる場所や大きさを、ビルの側で決めていることもあります。
入居が決まったら、管理会社に聞くこと
- 賃貸借の契約書と特約に、看板についての項目があるか
- 看板を出せる場所(縦長の看板のパネル・店の看板の枠・窓・入口・案内板)
- パネルや枠の大きさ、色や書体、照明の決まり
- 看板の許可(屋外広告物の許可)を、だれの名前で受けているか
- 工事の申請のしかたと、工事ができる時間帯
- ビルが指定する業者がいるか
- 館内の案内板・各階の案内の頼み方と、費用の負担
- 退去のときの、看板の戻し方
聞いた内容は、メールや書面で残しておくと、あとで確かめやすくなります。
ある高層ビルが、オフィスの入居者向けに出している「ビル利用上のご注意」から、例を挙げます。ロビーの総合案内サインと各階の入居者案内サインは、ビルの側が、ビルの仕様で設置します。入居者は依頼書を出す形で、社名を変えるときも同じ依頼書を出します。そのときの費用は、入居者の負担です。貸室の扉の横に、ビルの仕様以外の社名サインを付けるときは、ビルの承認が要るとしています。
同じ案内は、共用部や窓ガラスへの貼り紙・置き看板を断り、工事の3営業日前までの作業届を求めています。決まりはビルごとに違うため、入居するビルの館内規則や看板の決まりを、管理会社から受け取って読んでおきます。
法令・ルール:看板の使い方は、契約書にも書いておきます
ビルの持ち主が変わったあとに、地下1階の店が、前の持ち主の承諾を得て1階の外壁などに付けていた看板の撤去を、新しい持ち主から求められた事件があります。最高裁判所は2013年4月9日の判決で、その事情のもとでは、撤去を求めることは権利の濫用にあたるとしました。看板がないと店の営業を続けるのが難しくなることや、新しい持ち主が承諾を知っていたことなどを挙げています。これは個別の事情による判断です。全日本不動産協会に掲載された弁護士の解説は、看板の設置について、建物の賃貸借の契約とは別に、利用の関係を契約しておくことが必要だろうとしています。契約の中身で迷うときは、弁護士などに相談してください。
袖看板のパネルは、外の寸法と見えている範囲を測ります
縦長の看板のパネルを作るときは、パネルの外の寸法、枠から見えている範囲、厚み、留め方、照明の有無を確かめます。図面がなければ、管理会社に前の資料がないかを聞き、写真と一緒に伝えます。
ビルの縦長の看板には、建物から直角に突き出す袖看板と、建物の正面に付いた縦長の看板があります。どちらも、枠の中にテナントごとのパネルを並べ、パネルを替えて表示を入れ替えるつくりです。
新しいパネルは、いまのパネルと同じ大きさで作ります。少し大きいだけでも枠に入らず、小さいとすき間ができます。いちばん確かなのは、いまのパネルを外して測ることです。高い所のパネルや光る看板のパネルは、看板会社が外して測ります。
- パネルの外の寸法パネルそのものの縦と横です。枠に隠れている部分も含めて測ります。
- 見えている範囲枠の押さえに隠れずに、外から見える部分です。文字やロゴは、この中に収めます。
- パネルの厚み枠の溝や押さえに入る厚みです。厚みが違う板は、うまく留まらないことがあります。
- 留め方押さえの縁やビスで留めるもの、溝に差し込むものなどがあります。外し方で、作業の手間が変わります。
- 中の照明光る看板なら、光を通す素材で作ります。照明が点くか、明るさにむらがないかも見ておきます。
左が看板の正面、中央が自分のパネルの拡大、右が横から切った断面の模式図です。右の断面では、右側が通りから見える面です。
パネルの寸法を伝えるまで
- 1
管理会社に前の資料を聞く
ビルを建てたときの看板の図面や、前のテナントのパネルの寸法が残っていることがあります。まず管理会社に聞きます。
- 2
看板の全体を写真に撮る
通りから、看板の全体と自分のパネルの位置が分かるように撮ります。両面の看板なら、両方の面を撮ります。
- 3
パネルの近くを写真に撮る
枠の押さえ、ビス、パネルの縁が分かるように撮ります。高い所は無理に上らず、地上から撮れる範囲で構いません。
- 4
外して測る
正式に作る前に、パネルを外して、外の寸法と厚みを測ります。高い所や光る看板は、看板会社が外して測ります。
ポイント:両面の看板は、両方の面のパネルが要ります
建物から突き出す袖看板は、通りの両方の向きから見えるよう、両面にパネルが入っていることがあります。片面だけ替えると、反対の向きから見たときに、前のテナントの表示が残ります。
パネルの素材は、光る看板かどうかで選びます
光る看板のパネルは、光を通すアクリル板やポリカーボネート板、FFシートなどで作ります。光らない看板なら、アルミ複合板などの板に、シートや印刷で表示を入れます。色や書体は、ビルの決まりに合わせます。
光る看板のパネル
中の照明で、光を通すパネルを内側から照らします。夜も、店や会社の名前が読めます。
光らない枠のパネル
アルミ複合板などの板に表示を入れ、枠にビスなどで留めます。
入口のプレート
区画の扉の横などに付ける、小さな看板です。アクリルやステンレス、アルミ複合板などで作ります。
どの形になるかは、ビルの看板のつくりで決まります。
アクリル板
- 特徴
- 透明・乳白・色付きの板がある。樹脂の中でも耐候性にすぐれる
- 向いているパネル
- 光る看板のパネル、入口のプレート
ポリカーボネート板
- 特徴
- 衝撃に強く、割れにくい(屋外では耐候の製品を選ぶ)
- 向いているパネル
- 割れにくさを重視する、光る看板のパネル
FFシート
- 特徴
- 内照式の看板の表示面に使われる、光を通すシート
- 向いているパネル
- 光る看板の、大きな表示面
アルミ複合板
- 特徴
- アルミの薄い板で樹脂の芯をはさんだ、軽くて平らな板
- 向いているパネル
- 光らない枠のパネル、入口の看板
素材の特徴は、看板の素材の記事(メーカーの資料で確かめたもの)と同じ考え方です。
表示の入れ方は、色のシートを文字の形に切って貼るカッティングシートと、大きなプリンターで印刷したシートを貼るインクジェット出力が主な方法です。光るパネルでは光を通すシートやインクを使い、昼と夜とで、色の見え方が変わりすぎないかを確かめます。
パネルの地の色や書体を、ビル全体でそろえるよう決めていることもあります。ロゴの色をそのまま使えないときは、決められた地の色の中で、ロゴが読める配色を考えます。
法令・ルール:光る看板の表示面は、防火の面からも選びます
東京消防庁は、建物の上下の階の窓などのあいだの外壁に付ける内照式の看板について、燃焼実験の結果を公表しています。表示面のFFシートには、不燃製品や防炎製品を努めて使うよう呼びかけています。アクリル板の断面が枠から出ていたり、外壁と枠の間にすき間があったりしないよう施工し、点検することも求めています。各階の窓のあいだにテナントのパネルが並ぶ光る看板では、パネルを選ぶときの目安になります。
表示を替えるときは、工事の前に変更の許可が要る地域があります
屋外の看板は、自分の店の名前でも、原則として屋外広告物条例の対象です。すでに許可を受けている看板のパネルに表示を入れるときは、地域によって、工事の前に変更の許可を受けます。まず、だれの名前で許可を受けているかを、管理会社に確かめます。
屋外の看板は、自分の店や会社の名前を出すものでも、原則として自治体の屋外広告物条例の対象です。小さな看板は許可がいらないとする地域が多いものの、その大きさは地域で違います。テナントビルでは、ほかの店の看板も合わせて数える地域もあります。
法令・ルール:京都市の例:ほかの店の看板も合わせて数えます
京都市の手引きでは、自分の店の看板などは、区画の中の合計が2㎡を超えると許可が要ります。この合計には、すでにある看板も含みます。区画の中に複数の店があるときは、すべての店の看板を合わせた面積で数えます。自分の看板が小さくても、同じ区画のほかの店の看板と合わせると、許可が要ることがあります。
白いパネルに、自分の表示を入れる
- 手続きの例
- 変更の許可を受ける(白板から意匠を変える)
- 資料
- 堺市
パネルの表示の、一部を消す
- 手続きの例
- 変更の許可を受ける(意匠の変更で、除却にはならない)
- 資料
- 堺市
規模・形・意匠を変える
- 手続きの例
- 工事の前までに、変更の許可を受ける
- 資料
- 京都市
表示を変えずに、塗り直す・フィルムを張り替える
- 手続きの例
- 変更の申請はいらない(維持管理のための変更)
- 資料
- 京都市
表示・色・形を変えずに、直す・補強する・塗り替える
- 手続きの例
- 変更の許可はいらない(軽微な変更)
- 資料
- 堺市
表示する人・管理する人が変わる
- 手続きの例
- 表示者等・管理者変更届を出す
- 資料
- 京都市
テナントが出て、パネルを白くする
- 手続きの例
- 除却届を出す。枠は残るため、許可はそのまま受けておく
- 資料
- 堺市
京都市「屋外広告物 許可申請の手引き」(令和8年10月改訂)と、堺市「屋外広告物に関するQ&A」(2025年4月1日更新)によります。手続きの名前と要否は自治体で違うため、看板を出す場所の自治体の資料で確かめます。
縦長の看板の許可を、ビルの持ち主や管理会社がまとめて受けていることもあれば、テナントごとに受けていることもあります。だれの名前で許可を受けているかで、手続きをだれがするかが変わります。許可の期間がいつまでかも、あわせて確かめます。
テナントが自分で許可を受けるときは、建物の持ち主の承諾書が要る地域があります。東京都町田市の許可申請の案内では、テナントなど、他人の建物に看板を出すときは承諾書が要るとしています。看板の設置についての条項が確かめられる賃貸借の契約書の写しなどで、代えることもできます。
道路の上に突き出す袖看板は、屋外広告物の許可とは別に、原則として道路の占用の許可も要ります(横浜市のQ&Aなど)。2026年4月1日からは、占用の期間を更新するときに、看板の安全を確かめたことを道路管理者へ報告することになりました。占用の許可も、だれの名前で受けているかを確かめておきます。
上の階の窓ガラスに貼る表示は、内側から貼るものを屋外広告物として扱わない地域と、届出や貼れる割合を決めている地域があります。京都市では、窓ガラスの内側から外に向けた広告に許可はいりませんが、建物の1つの面で合計5㎡を超えると届出が要ります。2階以上の窓は、開口部の30%を超えて表示できません(1階以下は50%)。くわしくはウインドウサインの記事で紹介しています。2階より上の教室を通りから見つけてもらう工夫は、学習塾・教室の看板にまとめています。
原則として、屋外の看板の表示や設置を請け負う業者は、営業する地域ごとに屋外広告業の登録が要ります。横浜市のQ&Aは、工事の施工者を、市の登録か特例届出をしている業者に限るとしています。グリーンクロスは、全国47都道府県で屋外広告業の登録を行っています。
館内の案内板と各階の案内は、ビルの書式に合わせます
1階の館内の案内板や各階の案内は、ビルの側が書式をそろえて作ることがあります。テナントは、表示する名前や階を依頼書で伝えるだけのこともあります。自分の区画の入口の看板は、ビルの承認の範囲で、テナントが用意します。

館内の案内板は、ビルに入った人が、行き先の階と部屋を探すための看板です。テナントが入れ替わる建物では、名前のプレートだけを差し替えられるつくりにしていることがあります。そのときは、自分の段のプレートだけを作り替えます。
どこまでをテナントが頼むかは、ビルで違います。ビルの側がまとめて作り、テナントは表示する名前を依頼書で伝えるだけのビルもあります。ビルの書式に合わせてテナントの側で作るときは、書体・色・大きさの指定を受け取ってから作ります。

自分の区画の入口の看板は、テナントが用意する看板です。ビルの仕様と違うものを付けるときは、承認が要ることがあります。壁に穴を開けてよいか、退去のときにどう戻すかも、先に決めておきます。

館内にある、店の入口の案内サイン。矢印で入口へ案内しています(快活CLUB) 
敷地に立てた、店舗の案内板。店ごとの欄が並んでいます(WITH HARAJUKU)
いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。
法令・ルール:誘導灯のまわりには、看板を付けません
誘導灯や誘導標識は、非常口などを示すものです。そのまわりには、それとまぎらわしいものや、それをさえぎる広告物・掲示物を設けないことが決まっています(消防法施行規則 第28条の3)。各階の案内や入口の看板は、誘導灯との位置関係を見て、付ける場所を決めます。
工事は、ビルの時間と作業の届出に合わせます
テナントの看板の工事は、ビルが決めた時間帯と、作業の届出に合わせて段取りします。費用は、パネルの大きさと枚数、素材、照明、取り付ける高さ、作業の時間帯などで決まります。
パネルを替えるまでの流れ
- 1
ビルの決まりと許可を確かめる
管理会社に、看板の決まり、許可を受けている人、工事の申請のしかたを聞きます。
- 2
写真と寸法を伝える
看板の全体と近くの写真、分かる寸法、入れたい社名やロゴを、看板会社に伝えます。
- 3
デザインをビルに見せる
パネルのデザインを作り、ビルの決まりに合うかを管理会社に確かめます。承認を受ける形のビルもあります。
- 4
変更の許可と作業の届出
地域の決まりで変更の許可が要るときは、工事の前に受けます。ビルへの作業の届出も出します。
- 5
作って、付け替える
パネルを作り、決められた時間帯に付け替えます。光る看板は、点灯と明るさを確かめます。

工事のできる時間を、夜や休みの日に限っているビルがあります。グリーンクロスでは夜間の作業もできます。作業できる時間帯が決まっているときは、最初にお知らせください。
高い位置のパネルの付け替えは、高所作業車などを使います。作業車を道路に止めて作業するときは、警察署の道路使用の許可を受けるのが原則です。作業の間、歩く人の安全をどう確保するかも、先に決めておきます。
パネルの大きさと枚数
- 費用が変わるところ
- 大きいほど、また両面なら2枚分、材料と手間が増える
素材と表示の入れ方
- 費用が変わるところ
- 光を通す素材か。シートを貼るか、印刷か
照明
- 費用が変わるところ
- 光る看板か。中の照明を直すか、LEDに替えるか
取り付ける高さ
- 費用が変わるところ
- 地上から届くか。高所作業車や足場が要るか
作業の時間帯
- 費用が変わるところ
- 夜や休みの日に限られるか
手続き
- 費用が変わるところ
- 変更の許可などの手数料(金額は自治体が決める)
前の表示の撤去
- 費用が変わるところ
- 前のパネルや残った金具を外す範囲と、処分の範囲
金額は看板の大きさと現場の条件で変わるため、ここでは決まり方だけを書いています。写真から概算をお伝えでき、正式なお見積りは、仕様と現地を確かめてからお出しします。撤去や処分をどこまで含むかは、お見積りに明記します。
退去や入れ替わりのときは、白いパネルの扱いも地域で違います
退去のときは、パネルの表示を消すか、白いパネルに替えるか、看板ごと外すかを、契約とビルの決まりで決めます。許可を受けた看板の表示をやめたときに、届出を求める地域があります。
借りている建物に付けた看板は、退去のときに外し、取り付けでできた傷みを元に戻すのが民法の原則です(第621条、第622条で準用する第599条第1項)。ふつうに使って生じた損耗や年月による変化は除かれ、戻す範囲を契約の特約で決めていることもあります。契約書とビルの決まりを先に確かめます。
縦長の看板のパネル
- 戻し方の例
- 白いパネルに替える、表示を消す
- 確かめること
- 地域の届出(除却届など)、ビルの決まり
1階の店の看板
- 戻し方の例
- 表示を外す、看板ごと外す
- 確かめること
- 枠をビルに残すか、外壁の補修の範囲
窓ガラスの表示
- 戻し方の例
- はがして、のりが残らないように掃除する
- 確かめること
- ガラスを傷めないはがし方
入口の看板・案内板のプレート
- 戻し方の例
- 外す、ビルの白いプレートに戻す
- 確かめること
- ビス穴の補修、ビルへの返却
一般的な例です。戻し方は、契約とビルの決まりで決まります。
法令・ルール:堺市の例:パネルを白くしたら除却届を出します
堺市のQ&Aは、テナントが出ていくなどで、看板を白板や外壁と同じような色にして表示しなくなったときは、除却届を出すよう案内しています。表示だけを外したもので枠は残っているため、許可はそのまま受けておく必要があります。表示の一部を消すときは除却にはあたらず、意匠の変更として、前もって変更の許可を受けます。
次のテナントが決まっていないあいだ、パネルをどうしておくかも、ビルの持ち主と話しておきます。白いパネルを入れておけば、次のテナントは表示を入れるだけで済みます。ただし、白いパネルの扱いは地域で違います。静岡市は、表示を消して白い板にしただけでは除却の扱いにならないとしています。次のテナントが表示を入れるときに変更の許可が要るかも、地域で確かめます。
テナントの看板で、迷いやすいところ
迷いやすいのは、承諾の前にデザインを決めてしまうこと、パネルの寸法の測り方、許可を受けている人、両面のパネル、工事の時間、退去のときの戻し方です。
- 承諾の前にデザインを決める:ビルが色や書体を決めていると、作り直しになります。デザインの前に、ビルの決まりを受け取ります。
- 見えている範囲だけを測る:枠の押さえに隠れた部分があるため、見えている範囲の寸法は、パネルの大きさとは違います。
- 許可はビルが受けていると思い込む:だれの名前で許可を受けているかで、手続きをだれがするかが変わります。管理会社に確かめます。
- 片面だけ替える:両面の看板は、反対の面に前のテナントの表示が残らないよう、両方を替えます。
- 工事の時間を後から知る:作業できる時間が夜や休みの日に限られると、日程と費用に関わります。最初に確かめます。
- 退去のときの戻し方を決めていない:白いパネルに戻すのか、看板ごと外すのか。入居のときに決めておくと、退去の見積りがはっきりします。
補足:看板の写真と、ビルの決まりがあれば始められます
ビルの名前と住所、看板の写真、管理会社から受け取った決まりがあれば、出せる看板と進め方を整理できます。決まりがまだ手元になくても、写真からご相談いただけます。
よくあるご質問
テナントが看板を出すのに、許可は要りますか?
屋外の看板は、自分の店や会社の名前でも、原則として屋外広告物条例の対象です。許可がいらない大きさは地域で違い、京都市のように、同じ区画のほかの店の看板も合わせて数える地域もあります。ビルの看板にパネルを入れるときは、だれの名前で許可を受けているかも、管理会社に確かめてください。
袖看板の、自分の階のパネルだけを替えられますか?
枠にテナントごとのパネルを並べた看板なら、自分のパネルだけを作り替えられます。ただし、許可を受けている看板の表示を替えるときは、地域によって、工事の前に変更の許可が要ります。両面の看板は、両方の面のパネルを替えます。
パネルの大きさが分からないときは、どう測りますか?
まず管理会社に、看板の図面や前のパネルの寸法が残っていないかを聞きます。なければ、看板の全体と近くの写真から、測るところを整理します。正式に作る前には、パネルを外して、外の寸法と厚みを測ります。
テナント看板の費用は、何で決まりますか?
パネルの大きさと枚数、素材と表示の入れ方、照明の有無、取り付ける高さ、作業の時間帯、手続き、前の表示の撤去で決まります。写真から概算をお伝えし、正式なお見積りは、仕様と現地を確かめてからお出しします。
ビルが指定する業者以外にも、看板を頼めますか?
ビルの決まりによります。室内の工事を指定の業者に頼む決まりのビルもあります。看板の製作や取り付けをほかの会社に頼めるかを、管理会社に確かめてください。
館内の案内板の表示は、だれが作りますか?
ビルで違います。ビルの側で作る場合は、テナントは依頼書で名前を伝えます。テナントの側で作るときは、ビルから書体・色・大きさの指定を受け取ります。
夜や営業時間外に、工事はできますか?
夜間の作業もできます。工事のできる時間帯や、作業の届出の期限を決めているビルがあるため、ビルの決まりとご希望の時間帯を、最初にお知らせください。
退去するとき、パネルはどう戻しますか?
戻し方は、契約とビルの決まりで決まります。白いパネルにするときに、届出を求める地域もあります。堺市は、看板を白板にして表示しなくなったときは除却届を出し、枠が残るため許可はそのまま受けておくよう案内しています。
参考にした資料
- 京都市「屋外広告物 許可申請の手引き」(令和8年10月改訂)(別のタブで開きます)許可がいらない面積の数え方(区画の中のすべての店舗の合計)、変更の許可と維持管理、表示者等・管理者変更届
- 京都市「特定屋内広告物」(2026年7月6日更新)(別のタブで開きます)許可申請は不要、1立面で合計5㎡を超えると届出。1階以下は開口部の50%、2階以上は30%まで
- 堺市「屋外広告物に関するQ&A」(2025年4月1日更新)(別のタブで開きます)白板にしたときの除却届、表示の一部を消すときの変更許可、白板から意匠を変えるときの変更許可、軽微な変更
- 静岡市「屋外広告物除却・滅失届出書(様式第13号)」(2026年2月5日更新)(別のタブで開きます)表示内容を消しただけ(白板にする)では除却扱いにならないこと
- 横浜市「屋外広告物に関するよくあるご質問」(2026年4月1日更新)(別のタブで開きます)(2-7) 道路に突出する袖看板等の道路占用許可、(2-5) 工事施工者は屋外広告業の登録か特例届出をしている者
- e-Gov法令検索「屋外広告物法」(第9条)(別のタブで開きます)屋外広告業の登録(都道府県が条例で定める)
- 町田市「屋外広告物許可申請について」(2026年9月15日更新)・「許可申請に必要な書類について」(別のタブで開きます)テナントなどの承諾書。屋外広告物等の設置に関する条項が確認できる賃貸借契約書の写しなどで代用できる
- 新宿パークタワー「ビル利用上のご注意」(入居者向けの案内)(別のタブで開きます)ビルの決まりの例:館内の案内サインの依頼書、扉の横の社名サインの承認、共用部・窓ガラスの表示、作業届
- 裁判所「平成24(受)2280 建物明渡等請求事件」(最高裁判所 第三小法廷 平成25年4月9日判決)(別のタブで開きます)所有者の承諾の下に設置した看板について、建物の譲受人が撤去を求めることが権利の濫用に当たるとされた事例
- 全日本不動産協会「建物賃貸借契約と看板の設置」(月刊不動産 2014年11月号掲載、2015年6月25日公開)(別のタブで開きます)弁護士の解説。看板の利用関係を、建物賃貸借契約とは別に契約しておくこと
- e-Gov法令検索「消防法施行規則」(第28条の3)(別のタブで開きます)第4項第8号・第5項第3号:誘導灯・誘導標識のまわりに、まぎらわしい・さえぎる広告物や掲示物を設けない
- 国土交通省「道路法施行規則の一部を改正する省令」の公布について(令和7年7月25日)(別のタブで開きます)占用の期間の更新時に、占用物件の安全性を確認した旨を報告(2026年4月1日施行)
- 東京消防庁「内照式看板の燃焼実験結果について」(別のタブで開きます)建物上下階の外壁開口部間に設置する内照式看板:アクリル板の断面とすき間の施工・点検、FFシートの不燃製品・防炎製品(努めて使用)
- e-Gov法令検索「民法」(第599条・第621条・第622条)(別のタブで開きます)賃借人の原状回復の義務(通常の損耗・経年変化を除く)と、附属させた物の収去(第622条で準用する第599条第1項)
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。




