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素材・費用

看板の素材の種類と選び方。アルミ複合板・アクリル・ステンレスの違い

看板の素材は、文字や絵を表す「表示」、表示を支える「面板」、看板の形をつくる「本体と骨組み」、建物に固定する「取付金物」の4つに分けて考えると選びやすくなります。屋外か屋内か、光らせるか、どのくらいの期間使うかで、組み合わせが変わります。

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GREEN MEDIA(グリーンクロス)
棚に立てて保管されたアルミ複合板などの面材
棚に立てて保管された、アルミ複合板などの面材(グリーンクロスグループの工場)

この記事のポイント

  • 01素材は「表示・面板・本体と骨組み・取付金物」の4つに分けて考えます
  • 02平らな看板の面板はアルミ複合板、光を通す面はアクリル板やFFシートなどが代表的
  • 03屋外では、雨・紫外線・さびへの強さと、メーカーが示す使う条件を確かめます
  • 04長く使う看板ほど、骨組みと取付金物の素材と、点検が大切です

看板の素材は、4つの層に分けて考えます

看板は、いくつもの素材の組み合わせでできています。表示・面板・本体と骨組み・取付金物の4つに分けると、どこに何を選べばよいかが整理できます。

図1箱型の看板を、4つの層に分けて見る
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  1. 表示文字や絵を表すもの。インクジェット出力・カッティングシート・塗装など。
  2. 面板表示を支える板。平らな看板はアルミ複合板など、光らせる看板は光を通すアクリル板やシート(FFシートなど)。
  3. 本体と骨組み看板の形をつくり、重さを支える部分。アルミやスチール(鉄)などで、さびへの備えが要ります。
  4. 取付金物看板を建物に固定するボルト・アンカー・金具。外壁の材質と下地に合わせて選びます。

箱型の内照式の看板を、前から奥へ分けて見た模式図です(いちばん奥が建物の外壁)。平らな看板では、面板と本体が一体のこともあります。

  • 板材を裁断するパネルソー
    パネルソーで、板材を寸法どおりに裁断する
  • 工場で大判プリンターから出力した面材を確認するスタッフ
    大判インクジェットプリンターで出力した面材を確かめる
  • 板材を切るフラットベッドカッター
    フラットベッドカッターで、データどおりの形に板材を切り出す

グリーンクロスグループの工場で撮影した写真です。

面板の素材は、屋外の強さと光を通すかで選びます

面板(表示を支える板)は、屋外で使うか、光を通すか、どんな加工をするかで選びます。代表的なのは、アルミ複合板・アクリル板・ポリカーボネート板・発泡塩ビ板・ステンレス板・ガルバリウム鋼板です。

図2面板に使う、主な素材の断面
  • 平らな看板

    アルミ複合板

    表と裏のアルミ板で、樹脂の芯材をはさんだ3層の板です。軽く、表面が平らで加工しやすいのが特長です。代表的な製品のアルポリック(三菱ケミカルインフラテック)は、1971年に看板や住宅資材の用途から始まりました。

  • 光を通す

    アクリル板

    透明・乳白・色付きの板があり、樹脂の中でも耐候性にすぐれています。重さはガラスの半分で割れにくく、乳白色の板には光を散らす拡散剤が入っています(クラレ)。

  • 衝撃に強い

    ポリカーボネート板

    ガラスやアクリルより衝撃に強い板です。AGCによると、耐衝撃性は同じ厚さのガラスの約200倍、アクリルの約30倍。屋外では、耐候のコーティングをした製品を選びます。

  • 軽い

    発泡塩ビ板

    塩化ビニル樹脂を発泡させた、軽くて硬い板です。海外の製品の例(3A Composites の FOREX)では、細かい独立した泡の構造で、ふつうの工具で加工でき、印刷にも向いています。

  • 金属の質感

    ステンレス板

    クロムが表面につくる薄い膜で、さびにくい金属です。SUS304はSUS430より耐食性の目安が高く示されています(ステンレス協会)。ヘアライン・鏡面などの仕上げを選べます。

  • さびに強い鋼板

    ガルバリウム鋼板

    アルミニウム55%で、残りのほとんどが亜鉛のめっきをした鋼板です。JFE鋼板によると、従来の亜鉛めっき鋼板に比べて3〜6倍の耐食性があります。

断面の模式図です。厚さの比率は実物と同じではありません。特徴は、それぞれのメーカー・団体の資料によります。

表1面板の素材の比べ方(目安)
  • アルミ複合板

    光を通す
    通さない
    主な特徴
    軽い・平ら・加工しやすい
    向いている使い方
    平らな看板の面板、切り文字
  • アクリル板

    光を通す
    通す(透明・乳白)
    主な特徴
    耐候性にすぐれ、ガラスより軽く割れにくい
    向いている使い方
    内照式の表示面、プレート、切り文字
  • ポリカーボネート板

    光を通す
    通す
    主な特徴
    衝撃に強い(屋外は耐候の製品を選ぶ)
    向いている使い方
    割れにくさを重視する表示面
  • 発泡塩ビ板

    光を通す
    通さない
    主な特徴
    軽く、加工・印刷しやすい
    向いている使い方
    店内のサイン、展示のパネル(屋外向けの製品もある)
  • ステンレス板

    光を通す
    通さない
    主な特徴
    さびにくく、金属の質感が出る
    向いている使い方
    プレート、箱文字、館銘板
  • ガルバリウム鋼板

    光を通す
    通さない
    主な特徴
    さびに強い鋼板
    向いている使い方
    屋外の板金の部分(看板の箱など)

一般的な傾向です。同じ素材でも、製品・厚さ・使う環境で性質は変わります。

作業台で面材を加工するスタッフ
作業台で面材を加工する様子。看板の種類と設置場所に合わせて、素材と厚さを選びます(グリーンクロスグループの工場)

表示の素材は、出力・シート・塗装の3つが基本です

面板の上に文字や絵を表す方法は、インクジェット出力・カッティングシート・塗装が基本です。屋外では、日差しや雨で色があせたりはがれたりしにくい組み合わせを選びます。

図3表示の3つの方法
  • インクジェット出力+ラミネート

    大判のプリンターで、写真やグラデーションも印刷できます。上に透明なラミネートフィルムを貼ると、紫外線から印刷を守り、表面を強くし、インクがはがれ落ちるのを防げます(3M)。

  • カッティングシート

    色の付いたシート(マーキングフィルム)を文字の形に切って貼ります。たとえば3Mのスコッチカル フィルム(XL・J シリーズ)は、塩化ビニル製です。

  • 塗装

    金属の板や立体の文字に、色を塗って仕上げます。指定の色に合わせて塗ることもできます。

面板の上に表示を重ねたところの模式図です。

カッティングシートの耐候性は、製品によって違います。たとえば3Mのスコッチカル フィルムは、日本国内の標準的な環境で屋外の垂直な看板に貼った場合に、XLシリーズで約8年、Jシリーズで約5年の耐候性が見込まれています(保証年数ではありません)。色・向き・地域の環境によっても変わるため、使う場所に合った製品を選びます。車にシートを貼る方法は、社用車の文字入れで比べています。

店内のサインやプレートでは、アクリル板などに直接印刷するUV印刷(UVの光でインクを固める印刷)を使うこともあります。

  • 工場で大判プリンターにロール状の面材をセットするスタッフ
    大判プリンターに、ロール状の面材をセットする
  • 作業場の床に広げた大きな看板のシートを仕上げるスタッフ
    床に広げた大きな看板のシートを仕上げる

グリーンクロスグループの工場で撮影した写真です。

立体の文字の素材は、質感と屋外の条件で選びます

立体の文字には、ステンレス・アルミ・アクリル・アルミ複合板・発泡素材の板(カルプ)などを使います。つくり方と光らせ方で、合う素材が変わります。

板を文字の形に切り抜く「切り文字」にはアクリルやステンレス、アルミ複合板、厚みを出しやすい「カルプ文字」には表面を覆った発泡素材の板、文字の形の箱をつくる「箱文字」にはステンレスやアルミと、光を通すアクリルを組み合わせます。つくりの違いと、素材ごとの見え方は、次の記事に、図と写真でまとめています。

骨組みと取付金物は、さびと強さで選び、点検で守ります

看板の重さを支える骨組みと、建物に固定する取付金物は、看板の安全に直接関わる部分です。さびへの備えと強さで素材を選び、取り付けたあとも点検でゆるみやさびを確かめます。

骨組みには、スチール(鉄)やアルミなどを使います。スチールは強く加工しやすい一方で、さびへの備え(めっきや塗装)が欠かせません。取付金物のボルトやアンカーは、外壁の材質と下地に合ったものを選び、看板の重さと風を受けることを考えて数と位置を決めます。

看板の鉄骨を溶接する作業員
看板の鉄骨を溶接する作業員(グリーンクロスグループの工場)

ポイント:素材は、時間とともに少しずつ傷みます

屋外広告物適正化推進委員会の「看板の安全管理ガイドブック」は、長く使ったアクリルの面板が紫外線などでもろくなり、割れて飛び散ったり落ちたりすることや、熱による膨張で板がゆがみ、枠から外れて落ちることがあるとしています。素材ごとの傷み方を知り、点検で早めに見つけることが大切です。

場所ごとに、素材の組み合わせを考えます

同じ看板でも、屋外の壁面・屋外の自立看板・店内やオフィスの受付・期間限定の展示では、合う素材の組み合わせが変わります。

表2場所ごとの素材の組み合わせの例
  • 屋外の壁面(平らな看板)

    表示
    インクジェット出力+ラミネート、カッティングシート
    面板
    アルミ複合板
    本体・取付
    アルミやスチールの下地、外壁に合った取付金物
  • 屋外の壁面(光る看板)

    表示
    光を通すシート・出力
    面板
    アクリル板、ポリカーボネート板、FFシート
    本体・取付
    アルミ・スチールの箱、LED、点検口
  • 屋外の自立看板・ポールサイン

    表示
    出力・シート
    面板
    アルミ複合板、光る場合はアクリル板など
    本体・取付
    スチールの支柱と基礎(さびへの備え)
  • 店内・オフィスの受付

    表示
    シート、UV印刷、塗装
    面板
    アクリル板、発泡塩ビ板、ステンレス板
    本体・取付
    壁に合った取付(ビス・接着など)
  • 期間限定の展示・イベント

    表示
    インクジェット出力
    面板
    発泡塩ビ板などの軽い板
    本体・取付
    置き台・吊り下げなど

組み合わせの例です。建物の条件や、地域の決まり(防火・景観)で変わります。

店先に置く小さな看板などを自分で作るときの材料の選び方と手順は、看板を自作する方法にまとめています。

法令・ルール:防火地域では、看板の材料に決まりがあります

建築基準法では、防火地域の中で建物の屋上に設ける看板や、高さが3mを超える看板は、主要な部分を不燃材料でつくるか覆うこととしています(第64条)。設置場所が防火地域かどうかも、素材を選ぶ前に確かめます。

素材の傷みは、点検で早めに見つけます

どの素材も、雨・紫外線・温度の変化で少しずつ傷みます。色あせ・反り・割れ・さび・ゆるみといったサインを定期的な点検で早めに見つけると、大きな修理を防ぎやすくなります。

点検で見つけたい、素材の傷みのサイン

  • 表示の色あせ・シートのはがれ
  • 面板の反り・割れ・枠からのずれ
  • 骨組み・取付金物のさび
  • ボルトやビスのゆるみ・抜け
  • 光る看板の、照明の不点灯・ちらつき
  • 外壁とのすき間・雨水の跡

グリーンクロスでは、屋外広告士が看板を点検し、自治体の様式に沿って報告書を作ります。点検で確認する箇所とプランは、看板点検・安全管理でご覧いただけます。

よくあるご質問

アルミ複合板とは、どんな板ですか?

表と裏のアルミ板で樹脂の芯材をはさんだ3層の板です。軽く、表面が平らで加工しやすいため、平らな看板の面板などに使われます。

屋外で長持ちする素材はどれですか?

使う場所の日差し・雨・風などの条件と、看板のつくりで変わります。表示はシートや出力の製品ごとの耐候性、面板は素材と製品、骨組みはさびへの備えを確かめて、組み合わせを選びます。

アクリルとポリカーボネートは、何が違いますか?

どちらも光を通す樹脂の板です。アクリルは樹脂の中でも耐候性にすぐれた素材とされ、ポリカーボネートは衝撃に強く割れにくい素材です。ポリカーボネートを屋外で使うときは、耐候のコーティングをした製品を選びます。

ステンレスはさびないのですか?

さびにくい金属ですが、さびない金属ではありません。ステンレスは、クロムが表面につくる薄い膜でさびにくくなっています。種類によってさびにくさの目安が違うため、設置場所の環境に合った種類を選びます。

カッティングシートの寿命は、何年くらいですか?

製品と使う環境で違います。たとえば3Mのスコッチカル フィルムは、日本国内の標準的な環境で屋外の垂直な看板に貼った場合に、XLシリーズで約8年、Jシリーズで約5年の耐候性が見込まれています(保証年数ではありません)。

素材を指定して看板を頼めますか?

ご希望の素材があればお知らせください。設置場所や使い方に合うかを確かめ、必要に応じてほかの素材もあわせてご提案します。

参考にした資料

この記事について

全国看板施工・点検ナビ

運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)

監修:横田悠介(屋外広告士)

看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。

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