箱文字・切り文字・カルプ文字の違いと、素材・光らせ方の選び方
文字やロゴを一文字ずつ立体にして付ける看板には、板を文字の形に切り抜く「切り文字」、発泡素材の板を切り出す「カルプ文字」、金属などで箱のようにつくる「箱文字(チャンネル文字)」があります。屋外か屋内か、光らせるか、どのくらいの距離から見せるかで選びます。
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- GREEN MEDIA(グリーンクロス)

この記事のポイント
- 01切り文字は板を切り抜く、カルプ文字は発泡素材の板を切り出す、箱文字は側面と表面で箱をつくる
- 02箱文字の光らせ方は「正面」「側面」「壁側」の3つと、光らせない、から選ぶ
- 03屋外で長く使うなら、素材の種類と取付の方法を先に決めます
- 04文字の大きさは見る距離から。細い線や小さな文字は、再現できる範囲を確かめます
立体の文字は、つくり方で3つに分かれます
立体の文字の看板は、つくり方で「切り文字」「カルプ文字」「箱文字(チャンネル文字)」に分かれます。さらに箱文字は、光らせるかどうか、どこを光らせるかで見え方が変わります。
立体の文字(立体文字)
切り文字
板を文字の形に切り抜く
- アクリル
- ステンレス
- アルミ複合板
カルプ文字
発泡素材の板を文字の形に切り出す
- 表面をアクリルや塩ビなどで覆った板
箱文字(チャンネル文字)
側面と表面の板で、文字の形の箱をつくる
- 光らせない
- 正面を光らせる
- 側面を光らせる
- 壁側を光らせる
呼び方は会社によって違うことがあり、箱文字は「チャンネル文字」「ボックス文字」と呼ばれることもあります。名前が分からなくても、写真やイメージからご相談いただけます。
切り文字
アクリル・ステンレス・アルミ複合板などの板を、文字の形に切り抜いたものです。厚みは板の厚さで決まり、すっきりとした見え方になります。
カルプ文字
一般に、発泡素材の板(表面をアクリルや塩ビなどで覆ったもの)を文字の形に切り出したもの、と説明されます。軽く、厚みのある文字をつくれます。
箱文字(チャンネル文字)
ステンレスやアルミなどの側面の板と、表面の板を組み合わせて、文字の形の箱をつくります。中にLEDを入れて光らせることができます。
それぞれ、左は正面から見た文字、右は横から見たつくり(左が壁)の模式図です。
切り文字
- 主な素材
- アクリル、ステンレス、アルミ複合板など
- 見え方
- 板の厚さのぶん。すっきり見える
- 光らせる
- 光らない(外から照らせる)
- 向いている場所
- 受付・エントランス、店内の壁
カルプ文字
- 主な素材
- 表面を覆った発泡素材の板
- 見え方
- 厚みがあり、軽い
- 光らせる
- 光らない(外から照らせる)
- 向いている場所
- 店内の壁、店舗の正面(条件を確かめる)
箱文字(チャンネル文字)
- 主な素材
- ステンレス、アルミ、アクリルなど
- 見え方
- 奥行きがあり、重厚に見える
- 光らせる
- 中のLEDで光らせられる
- 向いている場所
- 店舗の正面、ビルの外壁、オフィス・クリニック
一般的な傾向です。実際は、素材・大きさ・取付の条件で変わります。

青い外壁に、立体の文字で店名を入れた看板(TRIAL GO) 
社屋の外壁に取り付けた、ロゴと社名の看板(モトムラ) 
犬と猫の形の装飾と、緑色の店名の文字(DOGGY'S ISLAND)
いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。
素材は、屋外か屋内か、見せたい質感で選びます
立体の文字の素材は、雨や日差しを受ける屋外か屋内か、そしてどんな質感で見せたいかで選びます。代表的なのは、ステンレス・アルミ・アクリル・アルミ複合板・発泡素材の板です。
ステンレス
金属らしい質感と重厚感を出せる素材です。ステンレスは、ふくまれるクロムが表面にとても薄い膜(不動態皮膜)をつくることで、さびにくくなります。代表的な種類のSUS304(クロム18%・ニッケル8%)は、SUS430(クロム18%)よりも、ステンレス協会の耐食性の目安で高く示されています。表面の仕上げは、長く続く研磨のすじが入った「ヘアライン」や、鏡に近い「鏡面」などから選びます。
アクリル
透明・乳白・色付きなど色が多く、板を切り抜いた切り文字や、箱文字の光を通す表面に使います。メーカーの説明では、樹脂の中でも耐候性にすぐれ、重さはガラスの半分で割れにくい素材です。光らせる文字の表面には、光を散らす拡散剤の入った乳白色の板を使うことがあります。
アルミ・アルミ複合板
軽く、加工しやすい素材です。アルミ複合板は、表と裏のアルミ板で樹脂の芯材をはさんだ3層の板で、表面が平らなため、色を付けた切り文字にも使われます。箱文字の側面にアルミを使うこともあります。
発泡素材の板(カルプ)
カルプ文字に使う、軽くて厚みのある板です。表面をアクリルや塩ビなどで覆ってあり、そのままの仕上げのほか、カッティングシートを貼ったり、塗装したりして色を付けます。
ステンレス
- 質感・見え方
- 金属の質感。ヘアライン・鏡面などの仕上げ
- 特徴(メーカー・団体の説明)
- クロムがつくる薄い膜でさびにくい。SUS304はSUS430より耐食性の目安が高い(ステンレス協会)
- 立体の文字での主な使い方
- 箱文字の側面と表面、切り文字
アクリル
- 質感・見え方
- 透明・乳白・色付き。つやがある
- 特徴(メーカー・団体の説明)
- 樹脂の中でも耐候性にすぐれ、重さはガラスの半分(クラレ)
- 立体の文字での主な使い方
- 切り文字、箱文字の光を通す表面
アルミ複合板
- 質感・見え方
- 平らで、色を付けやすい
- 特徴(メーカー・団体の説明)
- 表と裏のアルミで樹脂の芯をはさんだ3層(三菱ケミカルインフラテック)
- 立体の文字での主な使い方
- 切り文字
発泡素材の板(カルプ)
- 質感・見え方
- 厚みがあり、軽い
- 特徴(メーカー・団体の説明)
- 表面をアクリルや塩ビなどで覆った板
- 立体の文字での主な使い方
- カルプ文字
同じ素材でも、製品・厚さ・仕上げ・使う環境で性質は変わります。屋外で使うときは、設置場所の条件を確かめて選びます。

光らせ方は、正面・側面・壁側の3つから選びます
箱文字は、中に入れたLEDの光を、文字の正面から出すか、側面から出すか、壁側に向けて文字の輪郭を浮かび上がらせるかで、夜の見え方が大きく変わります。
正面を光らせる
光を通す表面の板(乳白色のアクリルなど)から光らせます。文字の形がはっきり読め、夜も遠くから目に入ります。表面発光と呼ばれることもあります。
側面を光らせる
正面は金属などで光らせず、文字の側面から光を出します。昼は金属の文字、夜は輪郭が光る見え方になります。側面発光と呼ばれることもあります。
壁側を光らせる
文字を壁から浮かせて付け、光を壁に当てます。文字のまわりが柔らかく光り、落ち着いた見え方になります。裏面発光・バックライトと呼ばれることもあります。
左は夜の正面の見え方、右は横から見たつくり(左が壁、黄色の点が中のLED)の模式図です。呼び方は会社によって違うことがあります。
光らせる箱文字は、文字ごとにLEDと配線があり、LEDの電源の装置につながります。電源の装置は、いずれ交換が必要になる部品です。文字の中や壁の内側に置くときは、あとで点検・交換しやすい位置を最初に決めておきます。

取付は、位置出し・固定・配線の段取りで決まります
立体の文字は、一文字ずつ外壁に固定します。文字の並びがずれないように位置を出し、外壁の下地に合った方法で固定し、光らせる場合は配線の通り道を決めてから取り付けます。
- 位置出し文字の並びと高さがずれないよう、原寸の型紙などを壁に当てて、文字ごとの取付の穴の位置を決めます。
- 固定の方法文字はボルトなどで固定します。壁から少し浮かせて付ける方法と、壁に直接付ける方法があり、壁側を光らせる箱文字は浮かせて付けます。
- 外壁の下地外壁の材質(コンクリート・ALC・金属のパネル・タイルなど)と奥の下地で、使うアンカーや補強が変わります。
- 配線の通り道と防水光らせる文字は、文字どうしと電源をつなぐ配線を外壁に通します。穴やすき間は、雨水が入らないように処理します。
- 電源の装置と点検口LEDの電源の装置を壁の内側などに置くときは、点検・交換できる位置に点検口を設けます。
左は外壁に型紙を当てて位置を決めるところ、右は取り付けた文字を横から見た断面の模式図です。

ポイント:テナント・賃貸の建物では、穴を開ける前に確かめます
立体の文字は、一文字ごとに外壁へ取付の穴を開けます。商業施設のテナントや賃貸の建物では、施設や建物の持ち主の承諾と、退去のときに文字を外して穴を補修する決まり(原状回復)を、先に確かめておきます。
文字の大きさは、見る距離と線の細さで決めます
文字の高さは、看板を読ませたい場所までの距離から決めます。立体の文字は、線の太さと文字の間隔も読みやすさに関わるため、細い書体や画数の多い漢字は、大きさと素材で再現できる範囲を確かめます。
30m
- 和文(漢字・かな)
- 120mm以上
- 英文
- 90mm以上
20m
- 和文(漢字・かな)
- 80mm以上
- 英文
- 60mm以上
10m
- 和文(漢字・かな)
- 40mm以上
- 英文
- 30mm以上
4〜5m
- 和文(漢字・かな)
- 20mm以上
- 英文
- 15mm以上
1〜2m
- 和文(漢字・かな)
- 9mm以上
- 英文
- 7mm以上
公共施設の案内表示のガイドラインにある「文字の大きさの選択の目安」の値です(名古屋市の福祉都市環境整備指針(令和4年3月更新)。国土交通省の旅客施設のガイドラインを出典としています)。文字の高さは、和文は「木」、英字は「E」の高さです。
店名を通りの向こうから読ませたいのか、入口の前で読ませたいのかで、必要な大きさは大きく変わります。距離を入れて計算するときは、看板の文字の大きさの計算が使えます。
細い線・小さな文字に気をつける
立体の文字は、線の一本一本を部材でつくります。細い書体のはらいや、画数の多い漢字を小さくつくると、線が細くなりすぎて、強さや光り方に影響することがあります。その場合は、文字を大きくする、線を少し太らせる、別の素材やつくりに替える、といった方法を一緒に考えます。
許可が要るかは、文字の看板の数え方で変わります
壁に付ける文字だけの看板も、原則として屋外広告物に当たります。許可がいらない大きさを考えるときの、文字の看板の面積の数え方は、地域によって違います。
屋外に表示する看板は、自分の店や会社の名前を出す看板でも、原則として自治体の屋外広告物条例の対象です。箱文字や切り文字のように板のない看板は、表示の面積をどう数えるかが地域ごとに決められていることがあり、許可が必要かどうかの判断に関わります。
法令・ルール:箱文字の面積の数え方は、地域ごとに確かめます
新潟市・大阪市・広島市・福岡市の数え方は、箱文字・チャンネル文字の点検と工事のページで比べられます。ほかの地域は、設置場所から確かめてご案内します。
長く使うために、固定と光の点検を続けます
立体の文字は一文字ずつ固定されているため、ゆるんだ文字や光らない文字が一つだけ出ることがあります。固定の金物と、LEDや電源の装置の状態を、定期的に確かめます。
- 文字を固定する金物とアンカーのゆるみ・さびは、文字の落下につながるため、点検で確かめます
- 一部の文字だけ光らないときは、LED・電源の装置・配線のどこに原因があるかで、直し方が変わります
- 社名やロゴを変えるときは、新しい文字の取付位置とあわせて、古い文字を外したあとの穴と、文字の形に残る壁の色の違いの補修も考えます
- 地域によっては、看板の安全点検と、その結果の報告が決められています
グリーンクロスでは、屋外広告士が点検し、自治体の様式に沿って報告書を作ります。光らない文字や浮いた文字の修理、社名変更での付け替えは、箱文字・チャンネル文字の点検と工事で、状態ごとの相談の仕方をまとめています。

よくあるご質問
箱文字とチャンネル文字は、同じものですか?
同じものを指して使われることが多い呼び方です。文字の形の箱をつくる立体の文字を、箱文字・チャンネル文字・ボックス文字などと呼びます。会社によって呼び方が違うため、写真や希望のイメージからご相談いただけます。
カルプ文字は屋外でも使えますか?
表面をアクリルや塩ビなどで覆った板を使うため、屋外で使われることもあります。ただし、日差しや雨の当たり方、文字の大きさ、取付の方法で向き不向きが変わるため、設置場所を確かめてからご提案します。
光る箱文字にすると、電気代はどのくらいかかりますか?
電気代は、照明の消費電力×点けている時間×電気料金の単価で決まります。文字の大きさや数、明るさ、点ける時間で変わるため、タイマーで点ける時間を決めたり、明るさを調整したりする方法もあわせてご相談ください。
一文字だけ作り直したり、交換したりできますか?
文字ごとに作って取り付けているため、一文字だけの作り直しや交換ができる場合があります。同じ素材・色・光り方に合わせられるか、取付の状態を確かめてご案内します。
ロゴマークも立体にできますか?
ロゴの形の細かさや線の太さによって、合うつくりと素材が変わります。ロゴのデータ(できれば拡大しても崩れないベクター形式)をお送りいただくと、確かめやすくなります。
室内の壁やエントランスにも付けられますか?
室内の壁やエントランスの社名・ロゴにも、切り文字や箱文字を使います。壁の材質と下地によって取付の方法が変わるため、壁の写真からご提案します。
参考にした資料
- ステンレス協会「ステンレスの概説」(別のタブで開きます)クロム約10.5%以上・不動態皮膜
- ステンレス協会「ステンレスの種類」(別のタブで開きます)
- ステンレス協会「ステンレスの主な性能の比較」(別のタブで開きます)
- ステンレス協会「ステンレスの主な表面仕上げ」(別のタブで開きます)
- クラレ「パラグラス・コモグラス」カタログ(別のタブで開きます)アクリル板の耐候性・重さ・乳半色
- 三菱ケミカルインフラテック「アルポリック」(別のタブで開きます)アルミ複合板の構造
- 名古屋市「福祉都市環境整備指針」第2編 Ⅴ 情報・案内(令和4年3月更新)(別のタブで開きます)文字の大きさの選択の目安
- 屋外広告物適正化推進委員会「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)(別のタブで開きます)東京都都市整備局のサイトに掲載
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




