壁面看板の種類と取り付け方。壁の材質・大きさ・許可の決まり
店の外壁に看板を付けたいと考えたら、デザインの前に確かめておきたいのが「どんな壁に、どのくらいの大きさで付けるか」です。壁面看板は、同じ看板でも壁の材質と下地で留め方が変わり、地域の条例で許可がいらない大きさも変わります。つくりの種類、壁ごとの取り付け方、大きさと許可の順に見ていくと、見積もりのときに迷わずに済みます。
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- GREEN MEDIA(グリーンクロス)

この記事のポイント
- 01壁面看板は、平板・壁面ボード・箱型・切り文字・カルプ文字・シートの直貼りなど、つくりで見え方と重さが変わります
- 02留め方は、外壁の表面ではなく、その奥の下地で決まります。ALCの壁では、重いものを柱などの構造に支えさせるよう案内されています
- 03取り付けたあとは、看板と外壁のすき間をシーリング(コーキング)でふさぎ、雨水が入らないようにします
- 04許可がいらない大きさは、合計・1つあたり・壁面の割合など、数え方が地域で違います
- 05費用は、看板のつくりに加えて、取付の高さ・壁の下地・照明の工事で決まります
壁面看板は、外壁に沿って付ける看板の総称です
壁面看板(壁面サイン)は、建物の外壁に、壁と平行に付ける看板の総称です。店の正面の看板も、側面の大きな看板も、文字だけを付けたものも含まれます。
壁から通りへ突き出す袖看板や、屋上に立てる屋上看板と違い、壁面看板は外壁の面に沿って付けます。外壁の広い面を使えるので、店名を大きく見せられ、向かいの歩道や離れた道路からも目に入ります。路面店やロードサイドの店舗のほか、ビルの上の階や、工場・倉庫の外壁にも付けます。

店の正面(ファサード)に付けるものは、ファサード看板とも呼ばれます。屋外広告物適正化推進委員会の「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)は、壁面看板の例を2つ挙げています。ファサード看板・内照式片面BOXサイン(欄間看板)と、パネルボード(複合板)などの縁を固定する壁面ボード看板です。
この記事は、つくりと取り付け方が中心です。店の顔としてのデザインはファサード看板の記事に、取付部の点検と、外壁の工事の前後の脱着は壁面看板の点検と工事のページにまとめています。
つくりは、板・箱・文字・シートで分けて考えます
壁面看板のつくりは、平板・壁面ボード・箱型・切り文字・カルプ文字・シートの直貼りに分けて考えると整理できます。夜の見え方、奥行きと重さ、表示の替えやすさが違います。文字の形の箱をつくる箱文字(チャンネル文字)は、立体の文字の記事にまとめています。
平板(1枚の板)
アルミ複合板などの板に、印刷したシートやカッティングシートで表示します。奥行きが小さく、軽いつくりです。
壁面ボード(パネルを並べる)
枠に何枚かのパネルを並べて、大きな面をつくります。パネルのつなぎ目まで、しっかり固定します。
箱型(内照式)
奥行きのある箱の中に照明(LED)を入れ、表示面を内側から光らせます。夜も遠くから目に入ります。
切り文字
アクリルやステンレスなどの板を、文字の形に切り抜いて付けます。壁から少し浮かせて付ける方法もあります。
カルプ文字
カルプと呼ばれる発泡素材の板を、文字の形に切り出して付けます。厚みがあるのに軽く、立体感が出ます。
シートの直貼り
平らでなめらかな壁に、カッティングシートなどを直接貼って表示します。板を付けないため、壁に穴をあけずに済みます。
いずれも、左が正面、右が横から見た断面の模式図です。
平板(1枚の板)
- 夜の見え方
- 照明で照らせば、夜も見える
- 奥行きと重さ
- 奥行きが小さく、軽い
- 表示の替え方
- シートの貼り替えや、板の交換
壁面ボード(パネルを並べる)
- 夜の見え方
- 照明で照らす
- 奥行きと重さ
- 奥行きは小さいが、面が広いぶん重くなる
- 表示の替え方
- パネルごとに替えられる
箱型(内照式)
- 夜の見え方
- 表示面全体が内側から光る
- 奥行きと重さ
- 奥行きがあり、照明と電源の装置が入る
- 表示の替え方
- 表示面の板やシートを替えられるつくりもある
切り文字
- 夜の見え方
- 外から照らす
- 奥行きと重さ
- 板の厚さのぶんだけで、軽い
- 表示の替え方
- 文字ごとの付け替え
カルプ文字
- 夜の見え方
- 外から照らす
- 奥行きと重さ
- 厚みがあるが、軽い
- 表示の替え方
- 文字ごとの付け替え
シートの直貼り
- 夜の見え方
- 外から照らす
- 奥行きと重さ
- 壁の表面に貼るだけ
- 表示の替え方
- シートの貼り替え
一般的な傾向です。実際は、素材・大きさ・取付の条件で変わります。
どのつくりを選ぶかは、夜も見せたいか、どのくらい離れた場所から読ませたいか、表示を替える予定があるかで決まります。文字そのものを光らせたいときは、金属などで箱のようにつくる箱文字(チャンネル文字)も選べます。カルプ文字は軽い一方、屋外に付けるときは、日差しや雨の当たり方などの条件を確かめて選びます。

グリーンクロスグループが手がけた看板(TRIAL GO)。青い外壁に、立体の文字を取り付けています。 
グリーンクロスグループが手がけた看板(モトムラ)。社屋の外壁に、ロゴと社名を取り付けています。
補足:パネルを並べる看板は、つなぎ目も固定します
ガイドブックは、何枚かのパネルを使う壁面ボード看板について、隣り合うパネル同士をきちんと固定しないと、振動や風などで落下するおそれがあるとしています。長く使う場合は、耐久性と経済性の点から、オールアルミ製のパネルボードを勧めています。
留め方は、壁の表面ではなく奥の下地で決まります
壁面看板は、外壁の表面ではなく、その奥にある下地(柱・鉄骨・コンクリートなど)で、重さと風の力を受け止めます。同じ大きさの看板でも、壁の材質によって、使う金物と留める場所が変わります。
- 外壁の仕上げタイル・塗装・サイディングなど、外から見える表面。表面の材料だけでは、看板の重さを支えきれないことがあります。
- 下地(躯体)コンクリート・鉄骨・柱など、建物を支える部分。看板の重さと風の力は、最後はここで受け止めます。
- アンカー・ボルト下地に効かせて、取付金物を固定する金物。壁の材質に合ったものを選びます。
- 取付金物看板を支えるフレームやブラケット。看板の裏に隠れて見えなくなるため、さびにくいものを使います。
- 看板板・箱・文字など。つくりによって、重さと奥行きが変わります。
- シーリング看板と外壁のすき間や、配線を通す穴をふさぎ、雨水が入らないようにします。
- 看板の高さ看板の上の端から下の端までの高さ。幅とあわせて、表示面の大きさが決まります。
- 上端までの高さ地面から看板の上端までの高さ。地域によっては、この高さで点検する人の条件が変わります。
ガイドブックは、壁面看板の項で、ファサード看板・欄間看板について「建物壁面の種類や状態に合わせて、適切な施工方法を選択するよう注意が必要」としています。取り付けたあとは、壁面とのすき間をコーキングでふさぎ、雨水が入らないようにします。
建築基準法施行令も、広告塔など建物の屋外に取り付けるものは、風圧や地震などの揺れ・衝撃で脱落しないようにしなければならない、としています(第39条)。看板の重さだけでなく、強い風を受けたときの力にも耐える留め方を選びます。
コンクリート
壁そのものが下地です。穴をあけて差し込むアンカーで、取付金物を留めます。ひびが入ると、アンカーの強さが落ちることがあります。
ALC
ALC(軽量気泡コンクリートの板)は、細かい気泡を含む軽い板です。重い看板は、板ではなく柱などの構造に支えさせ、板とのすき間をふさぎます。
金属パネル
薄い金属の板を、裏の下地(胴縁や鉄骨)に留めた壁です。下地の位置と強さを確かめてから、留める場所を決めます。
タイル張り
コンクリートなどの上に、タイルを張った壁です。穴のまわりの防水と、金物のさびを防ぐことを考えて留めます。
サイディング(窯業系)
板状の外装材を張った壁です。あらかじめ入れた補強材や、下地のある場所に留めます。
いずれも、左が室内、右が外の模式図で、留め方の一例です。実際の留め方は、現地で下地を確かめて決めます。
コンクリート
- 留め方の考え方
- 穴をあけて差し込むアンカーで、取付金物を留める
- 確かめること
- ひび割れや表面の傷み、壁の中の配管・配線の位置
ALC(軽量気泡コンクリート)
- 留め方の考え方
- 重いものは柱などの構造に支えさせる。ALCの板に使うアンカーもあるが、ALC協会は板への孔あけを原則として避けるよう計画するとしている
- 確かめること
- 看板の重さ、柱や梁の位置、板とのすき間の防水
金属パネル
- 留め方の考え方
- 裏の下地(胴縁・鉄骨)の位置と強さを確かめてから、留める場所を決める
- 確かめること
- 下地の位置と強さ、板の傷みやさび
タイル張り
- 留め方の考え方
- 穴のまわりの防水と、金物のさびを防ぐことを考えて留める
- 確かめること
- タイルの浮き・割れ、目地の傷み
サイディング(窯業系)
- 留め方の考え方
- あらかじめ入れた補強材や、下地のある場所に留める
- 確かめること
- 柱や胴縁の位置、穴のまわりのシーリング
ALC協会「よくあるご質問」、日本窯業外装材協会「窯業系サイディングと標準施工(第4版)」、京都市「外壁タイル等の落下物対策について」などをもとにした目安です。建物によって下地は違うため、現地で確かめます。
ALCは、細かい気泡を含んだ軽いコンクリートの板です。ALC協会は、看板などの重いものをALCの外壁に直接取り付けると、重さや強風のときの風圧で、取付部の板が局部的に傷むおそれがあるとしています。重いものは柱などの構造に支えさせ、板と支える材料の取り合いにすき間を設けて、シーリング材などで防水するよう案内しています。
サイディングの壁について、日本窯業外装材協会の標準施工の資料は、設備機器などは補強材をあらかじめ入れ、その補強材に取り付けるとしています。電線などを通す穴にも、シーリング材を詰めます。タイル張りの壁では、京都市の資料が、広告などの埋め込んだ金物のさびは周りのタイルの浮きの原因になりやすいとしています。
ポイント:壁に穴をあける前に、建物の持ち主の承諾を
壁面看板は、外壁に穴をあけて固定することが多い看板です。借りている建物では、貸主や管理会社の承諾が必要です。退去のときの撤去と、穴の補修(原状回復)の扱いも、契約で確かめておきます。
取り付けは、下地の確認から防水まで進めます
壁面看板の取り付けは、現地で壁と下地を確かめるところから始まります。位置を決めて金物を留め、看板を固定したら、すき間と配線の穴をふさいで、点灯と写真の記録までを行います。
壁面看板を取り付けるまでの流れ
- 1
写真と寸法で、見当をつける
付けたい外壁の全体と、まわりの通りが写った写真から、看板の大きさと取付の高さの見当をつけます。許可が必要かも、この段階で確かめます。
- 2
現地で、壁と下地を確かめる
外壁の材質、下地の位置と強さ、電源の位置、作業車を止められるかを確かめます。高い位置は、高所作業車などを使って近くで見ます。
- 3
取付の位置を決める
看板の位置を壁に出し、窓・出入口・換気口などとの重なりを確かめます。文字を一つずつ付ける看板は、並びがずれないように位置を合わせます。
- 4
金物を留めて、看板を固定する
壁の材質に合ったアンカーや金物で取付金物を留め、看板を固定します。作業車を道路に止める場合は、警察署の道路使用許可をとって作業します。
- 5
すき間をふさぎ、点灯を確かめる
看板と外壁のすき間や、配線を通した穴をシーリングでふさぎます。照明のある看板は電気工事士が電源につなぎ、点灯を確かめます。
- 6
写真を残す
取付部の写真を残しておくと、のちの点検や、外壁の工事で看板を外すときに役立ちます。
取り付けで見落としやすいところ
- 看板の上の端と外壁のすき間を、シーリングでふさいだか(すき間から雨水が入ると、取付部のさびや外壁の傷みにつながります)
- 配線を通した穴を、ふさいだか
- 何枚かのパネルを並べる看板で、隣り合うパネル同士を固定したか
- ALCやサイディングの壁で、重い看板を外装の板だけに留めていないか
- 外壁の塗装や改修の予定が近くないか(付けてすぐに外すことにならないように)
- 照明を点ける時間と、タイマーの位置を決めたか
取付部は、付けたあとは看板の裏に隠れて見えません。取り付けの日に、すき間のシーリングとあわせて写真で残しておきます。

看板の高さが4mを超える
- 主な決まり
- 原則として、建築基準法の工作物の確認申請が必要(第88条・施行令第138条)。ガイドブックも、高さ4mを超える壁面看板は、工作物確認申請による構造の審査が必要としている
- 確かめる先
- 建築の確認の窓口
防火地域に付ける
- 主な決まり
- 高さが3mを超える看板は、主要な部分を不燃材料で造るか、覆う(建築基準法第64条)
- 確かめる先
- 看板を付ける場所の自治体
照明のある看板を付ける
- 主な決まり
- 電源につなぐ工事は、原則として電気工事士の資格が必要(電気工事士法)
- 確かめる先
- 工事を行う会社
工事で道路を使う
- 主な決まり
- 作業車を道路に止めて工事をする場合などは、警察署の道路使用許可が必要(道路交通法第77条)
- 確かめる先
- 所轄の警察署
道路の上に突き出す
- 主な決まり
- 看板が道路の上に出る場合は、道路管理者の占用許可が必要(道路法第32条)
- 確かめる先
- 道路管理者
屋外に看板を出す
- 主な決まり
- 屋外広告物条例で、大きさや地域によって許可が必要
- 確かめる先
- 看板を出す場所の自治体
法令は2026年10月時点の内容です。
大きさは、読ませたい距離と壁の広さから決めます
看板の大きさは、どこから読ませたいか(文字の大きさ)と、付けられる壁の広さ・位置から決めます。窓や開口部をふさがないことを条件にしている地域もあります。
まず、看板を読ませたい場所までの距離から、文字の大きさを考えます。公共施設の案内表示のガイドラインの表では、和文の文字の高さの目安を、見る距離が10mなら40mm以上、20mなら80mm以上としています。車から読ませるロードサイドの看板は、もっと遠い距離で考えます。
次に、壁のどこに付けるかです。窓・出入口・換気口・雨どいなどを避け、看板の裏の取付部に、点検のときに手が届くかも考えます。さいたま市のように、許可がいらない壁面の看板でも、3階以上の窓や開口部をふさいで出せないとしている地域もあります。
大きさを決める前に、測っておきたいこと
- 看板を付けたい壁の幅と高さ
- 地面から、看板を付けたい位置までの高さ
- 窓・出入口・換気口・雨どいなどの位置
- 看板を読ませたい場所(歩道・向かいの道路など)までの距離
- 照明を付けるなら、室内の電源の位置
写真に、メジャーや人を一緒に写しておくと、大きさの見当をつけやすくなります。

許可がいるかは、面積の数え方と地域で変わります
屋外の壁面看板は、自分の店の看板でも、原則として屋外広告物条例の対象です。許可がいらない大きさは、看板の合計で数える地域、1つあたりで数える地域、壁面の面積に対する割合で決める地域があります。
法令・ルール:自分の店の看板も、屋外広告物です
屋外広告物法は、常時または一定の期間続けて屋外で公衆に表示されるもので、看板・広告板や、建物などに表示されたものなどを屋外広告物としています(第2条)。自分の店名を出す壁面看板も、原則として自治体の屋外広告物条例の対象で、大きさや地域によって許可が必要です。
看板の合計で数える
店の看板をすべて合わせた表示面積で数えます。東京都・横浜市・名古屋市・福岡市などが、この数え方です。
文字の間も含めて数える
離れて付けた文字でも、全体で一つの内容なら、文字の間の空間も含めて数えます(大阪市のQ&A)。
壁面の割合で決める
看板を付ける壁面の面積に対する割合で決めます。さいたま市(禁止地域等を除く)と千葉市は、1つの壁面の面積の5分の1以下が目安です。
区画のほかの店も合わせる
京都市は、同じ区画(敷地)にほかの店舗があるとき、すべての店舗の看板を合わせた面積で数えます。
点線で囲んだ部分が、面積を数える範囲です(「壁面の割合で決める」の図は、割合のもとになる壁面)。いずれも模式図です。
東京都
- 許可がいらない目安
- 表示面積の合計が10㎡以下(禁止区域では5㎡以下)
- 壁面看板で確かめること
- 基準を超えると、許可がいらない分も含めた合計の面積が許可の対象になります。住居専用地域などの禁止区域では、自家用でもネオン管は使えません。
横浜市
- 許可がいらない目安
- 1つの店舗・敷地の看板の合計が10㎡以下
- 壁面看板で確かめること
- 景観計画の区域では、合計10㎡以下でも許可が必要な場合があります。関内・みなとみらい21・山手などで出すときは、窓口で確かめます。蛍光塗料は使えません。
名古屋市
- 許可がいらない目安
- 表示面積の合計が10㎡以下(禁止地域では5㎡以下)
- 壁面看板で確かめること
- 都市景観形成地区(8地区)では、5㎡を超え10㎡以下の看板を30日を超えて出すとき、出す日の2週間前までに届け出ます。
京都市
- 許可がいらない目安
- 区画(敷地)内の合計が2㎡以下(ほかの店舗の分も含む)
- 壁面看板で確かめること
- 両面の看板は、両面の面積を数えます。許可がいらない看板も、高さや色などの基準に合わせます。
大阪市
- 許可がいらない目安
- 1つあたりの表示面積が7㎡以内
- 壁面看板で確かめること
- 1つの物件ごとに数えます。重点届出区域(7地区)では、7㎡以下でも景観の届出が必要です。
さいたま市
- 許可がいらない目安
- 建物の各面の壁面面積の5分の1以下(禁止地域等では合計5㎡以下で、上端は軒の高さ以下)
- 壁面看板で確かめること
- 3階以上の窓や開口部をふさいで出せません。地色に赤・黄の原色や黒色を使わないなどの条件もあります。
千葉市
- 許可がいらない目安
- 1壁面につき、壁面面積の5分の1以下
- 壁面看板で確かめること
- 千葉駅前広場や指定された公園の周りなどの第1種地域では、5㎡以下であることも条件です(軒の高さが7mを超える建物は10㎡以下)。
福岡市
- 許可がいらない目安
- 面積の合計が10㎡以内(禁止地域では5㎡以内)
- 壁面看板で確かめること
- 店名と一緒にメーカーの商品名を出すときは、商品名の面積を看板全体の3分の1以下にします(主力商品の場合を除く)。天神など9つの都市景観形成地区には、地区ごとの規格があります。
壁面看板を含む、自分の店の看板(自家用広告物)の目安です。このサイトの地域ごとのページで確かめた基準の一部です(2026年10月時点)。
許可がいらない大きさでも、景観の地区で届出が必要なことがあります。たとえば名古屋市の都市景観形成地区では、5㎡を超え10㎡以下の自家用の看板を30日を超えて出すとき、出す日の2週間前までに届け出ます。基準は地域ごとに違うため、看板を出す場所の住所から確かめます。
夜も見せるなら、照らし方を壁の条件と一緒に決めます
壁面看板の照らし方は、外から照らす・箱の中から光らせる・文字を光らせる・光らせない、の4つが基本です。電源の位置と配線の通り道、地域の決まりも一緒に確かめます。
- 外から照らす(外照式):看板の上や下に照明を付け、表示面を照らします。平板・壁面ボード・切り文字・カルプ文字・シートの直貼りに使えます
- 中から光らせる(内照式):箱型の看板の中に照明を入れ、表示面全体を光らせます
- 文字を光らせる:箱文字(チャンネル文字)の中に照明を入れ、文字の形を光らせます
- 光らせない:昼の営業が中心の店や、周りが明るい場所では、照明を付けない選び方もあります
照明のある看板を電源につなぐ工事は、原則として電気工事士の資格が必要です(電気工事士法)。配線は室内から外壁を通すことが多いため、穴の位置と防水、点灯の時間を決めるタイマーの位置も、取り付けの前に決めておきます。

地域によっては、光らせ方にも決まりがあります。たとえば東京都の住居専用地域などの禁止区域では、自家用の看板でもネオン管は使えません。札幌市の禁止区域では、電光板・ネオン・点滅する照明は使えません。
費用は、つくりと取り付けの条件で決まります
壁面看板の費用は、看板そのものをつくる費用と、取り付ける費用の合計です。同じ大きさでも、つくり・取付の高さ・壁の下地・照明の工事で変わるため、写真と寸法をそろえて見積もりを取ると比べやすくなります。
つくりと素材
- 費用が変わる理由
- 平板やシートの直貼りに比べて、箱型や立体の文字は、部材と加工が増える
大きさと枚数
- 費用が変わる理由
- 大きいほど材料が増え、運び方と取り付けの段取りも変わる
取付の高さ
- 費用が変わる理由
- はしごで届くか、高所作業車・足場・ロープでの作業が必要かで、人数と時間が変わる
壁の材質と下地
- 費用が変わる理由
- 下地の補強や、ALC・タイルなどに合わせた金物が必要か
照明と電気の工事
- 費用が変わる理由
- 照明の器具、電源の位置、配線の長さ
看板の付け替え
- 費用が変わる理由
- いまの看板を外す場合、外した看板の処分と、外壁の補修の範囲
道路の使用
- 費用が変わる理由
- 作業車を道路に止めるときの、道路使用許可と、作業中の安全の確保
金額は、看板と現場の条件で変わるため、この記事には載せていません。
見積もりのときに伝えると、比べやすくなること
- 付けたい外壁の写真(建物の全体と、付けたい位置の近く)
- 看板のだいたいの大きさと、入れたい文字・ロゴ
- 夜も光らせたいか
- 建物の持ち主か、借りている建物か
- いまの看板を外す必要があるか
- 希望の時期(外壁の工事の予定があれば、その日程も)
撤去と外壁の補修を含める場合は、どこまでを行うかで費用が変わります。グリーンクロスでは、範囲を確かめたうえで、撤去・補修・届出のどこまでを含むかを、お見積りに明記します。
付けたあとは、取付部とすき間を見守ります
壁面看板の取付部は、看板の裏に隠れていて、下からは見えません。日ごろは目で見て変わったところがないかを確かめ、取付ボルトのゆるみや壁の傷みは、専門の業者の点検で確かめます。
日ごろ、目で見て確かめたいこと
- パネルの変形・ずれ・破損がないか
- 看板の下の壁に、さびの汚れ(汚ダレ)が出ていないか
- 看板と外壁のすき間のシーリングが、切れていないか
- 照明が点かないところはないか
- 強い風のあとに、看板ががたついていないか
看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)の、壁面看板と袖看板の項目などをもとにしています。
看板の下の壁にさびの筋(汚ダレ)が見えるときは、取付金物が腐食していることがあります。ガイドブックは、袖看板の項で、壁面にさびの汚ダレが見られる場合は、ブラケットがさびで腐食しているとしています。壁面看板の項では、取付ボルトのゆるみや壁面の傷みは、専門の業者に点検を頼むよう勧めています。
地域によっては、許可の更新のときに点検の結果を出す決まりがあり、看板の高さや大きさで、点検する人の条件も決まっています。たとえば横浜市では、上端の高さが地上4mを超える壁面看板(壁に直接塗装したものを除く)を資格者が点検します。川崎市では、表示面積が30㎡を超える壁面の看板が、資格者の点検の対象です。グリーンクロスでは、屋外広告士が点検し、自治体の様式に沿って報告書を作ります。

外壁の塗装や改修をするときは、看板をいったん外し、工事が終わってから付け直します。看板を外すと、ふだん見えない取付部や看板の裏を確かめられます。付け直すときは、同じ穴を使うか位置を変えるかを、外壁の状態から決めます。
よくあるご質問
壁面看板は、自分で取り付けられますか?
手の届く高さに付ける、小さく軽い板なら、自分で付けられる場合もあります。ただ、高い位置での作業や重い看板、照明のある看板は、落下や感電の危険があります。照明のある看板を電源につなぐ工事は、原則として電気工事士の資格が必要です。外壁に穴をあけるときは、建物の持ち主の承諾も確かめます。
ALCの壁にも、壁面看板を付けられますか?
付けられますが、留め方に注意が必要です。ALC協会は、看板などの重いものをALCの外壁に直接取り付けると、重さや強風のときの風圧で、取付部の板が局部的に傷むおそれがあるとしています。重いものは柱などの構造に支えさせ、板とのすき間をシーリング材などでふさぐよう案内しています。
タイル張りの壁に穴をあけても大丈夫ですか?
タイルの浮きや割れがないかを、先に確かめます。京都市の資料は、広告などの埋め込んだ金物のさびが、周りのタイルの浮きの原因になりやすいとしています。穴のまわりから水が入らないようにすることと、金物のさびを防ぐことを考えて、留め方を決めます。すでに浮きや割れがある壁は、先に補修を考えます。
壁に穴をあけずに、看板を付ける方法はありますか?
平らでなめらかな壁なら、シートを直接貼って表示する方法があります。ガラス面に貼る表示や、店先に置くスタンド看板と組み合わせる方法もあります。凹凸のある壁や、塗装が傷んでいる壁はシートが貼りにくいため、壁の状態を見てご提案します。
壁面看板の大きさに、決まりはありますか?
屋外広告物条例で、許可がいらない大きさが地域ごとに決まっています。たとえば東京都の商業地域などでは自分の店の看板の合計が10㎡以下(住居専用地域などの禁止区域は5㎡以下)、大阪市では1つあたり7㎡以内です。看板の高さが4mを超えると、原則として工作物の確認申請も必要です。
箱文字や切り文字の看板は、面積をどう数えますか?
地域によって数え方が違います。たとえば大阪市のQ&Aでは、文字が一つずつ離れていても、全体で一つの内容を表している場合は、文字の間の空間も含めて面積を数えるとしています。許可が必要かどうかに関わるため、計画の段階で、出す場所の自治体の数え方を確かめます。
借りている建物に、壁面看板を付けられますか?
貸主や管理会社の承諾を得て付けます。屋外広告物の許可が必要かも、あわせて確かめます。外壁に穴をあけるため、取付の位置・大きさ・配線のほか、退去のときの撤去と穴の補修(原状回復)をどうするかも、先に決めておきます。ビルによっては、看板の大きさや色に決まりがあります。
壁面看板の取り付けには、足場が必要ですか?
高さと場所によります。手の届く高さならはしごや脚立、高い位置は高所作業車や足場、ロープを使う方法があります。作業車を道路に止めるときは、警察署の道路使用許可が必要です。建物と通りが写った写真から、作業の方法と、現地で確かめることがあるかをご案内します。
参考にした資料
- 屋外広告物適正化推進委員会「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)(別のタブで開きます)東京都都市整備局のサイトに掲載。壁面看板の施工・パネルの固定・点検、高さ4mを超える看板の確認申請
- 建築基準法施行令(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第39条(屋外に取り付けるものの脱落の防止)・第138条(工作物の指定)
- 建築基準法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第64条(看板等の防火措置)・第88条(工作物への準用)
- 屋外広告物法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第2条(屋外広告物の定義)
- ALC協会「よくあるご質問」(別のタブで開きます)ALCとは・重量物の取付け・防水
- 日本窯業外装材協会「窯業系サイディングと標準施工(第4版)」2.6 木造(2022年7月)(別のタブで開きます)付属設備の取り付け(補強材への取付・貫通部のシーリング)
- 京都市「外壁タイル等の落下物対策について」(別のタブで開きます)広告などの金物のさびと、タイルの浮き
- サンコーテクノ 総合カタログ(ALCパネル用アンカーのページ)(別のタブで開きます)ALCパネル用のアンカー。用途に看板の取付け
- 大阪市「屋外広告物申請 Q&A」(別のタブで開きます)離れて取り付けた文字の面積の数え方
- 名古屋市「福祉都市環境整備指針」第2編 Ⅴ 情報・案内(令和4年3月更新)(別のタブで開きます)文字の大きさの選択の目安
- 電気工事士法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)
- 道路交通法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第77条(道路の使用の許可)
- 道路法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第32条(道路の占用の許可)
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




