ファサード看板とは?種類とデザイン、付ける前に確かめること
ファサード看板は、店舗や建物の正面(ファサード)に付ける、店の「顔」になる看板です。平らな板の看板、中から光る箱型の看板、文字を一つずつ付ける箱文字などのつくりがあり、建物の外観・夜の見え方・費用のバランスで選びます。
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- GREEN MEDIA(グリーンクロス)

この記事のポイント
- 01ファサードは「建物の正面」のこと。ファサード看板は、そこに付ける看板の総称です
- 02つくりは主に「平板」「ボックス(内照式)」「箱文字」の3つ
- 03付ける前に、外壁の下地・電源・建物や施設の決まりを確かめます
- 04多店舗では、ロゴの基準を守りながら店ごとの寸法に合わせます
ファサード看板は、建物の正面に付ける「店の顔」です
ファサード(façade)はフランス語で「建物の正面」のこと。ファサード看板は、その正面に付けて、店名やロゴを通りに向けて伝える看板の総称です。
店舗の場合、ファサード看板は「ここに何の店があるか」を最初に伝える役割を持ちます。通りを歩く人や車からまず目に入る位置にあり、店名・ロゴ・業種を大きく見せるのが基本です。オフィスビルや工場で、社名やビルの名前を正面に掲げる看板も、ファサードの看板にあたります。
似た言葉に「壁面看板」があります。壁面看板は、建物の外壁に付ける看板の総称で、正面だけでなく側面や上の階の壁に付けるものも含みます。ファサード看板は、そのうち建物の正面に付けるものを指す、と考えると分かりやすいでしょう。看板会社によって呼び方は違い、「ファサードサイン」「正面看板」「店名看板」と呼ぶこともあります。

主なつくりは、平板・ボックス・箱文字の3つ
ファサード看板のつくりは、大きく「平板(パネル)」「ボックス(内照式)」「箱文字」の3つです。立体感・夜の見え方・表示の替えやすさが違います。
平板(パネル)
アルミ複合板などの平らな板に、印刷やカッティングシートで店名を表します。建物の幅に合わせた横長の看板をつくりやすいつくりです。
ボックス(内照式)
奥行きのある箱の中に照明(LED)を入れ、光を通す表示面を内側から光らせます。夜も店名がはっきり見えます。
それぞれ、左は正面から見た形、右は横から見たつくり(断面)の模式図です。
平板(パネル)
- 見え方
- 平らで、色や写真も入れやすい
- 夜の見え方
- 照らす照明を付けなければ暗くなる
- 表示の替えやすさ
- 表示面の張り替えで替えやすい
- 向いている建物・店
- ロードサイドの店舗、倉庫・工場の外壁
ボックス(内照式)
- 見え方
- 表示面全体が均一に見える
- 夜の見え方
- 表示面全体が光る
- 表示の替えやすさ
- 表示面の板やシートを替えられるつくりが多い
- 向いている建物・店
- 夜も営業する店、チェーン店
箱文字
- 見え方
- 立体で、建物の外観になじむ
- 夜の見え方
- 光らせ方を選べる(光らせないことも)
- 表示の替えやすさ
- 文字ごとに作るため、作り直しになることが多い
- 向いている建物・店
- ブランドの見え方を大切にする店、オフィス、クリニック
一般的な傾向です。実際は、素材・大きさ・取付の条件で変わります。
つくりを組み合わせたり、照明を足したりすることもあります。たとえば、平板の看板の上に箱文字を重ねて立体感を出したり、平板の看板を照らす照明を付けて夜も見えるようにしたりします。

外壁の上部に、店名とロゴを入れた看板(Pizza Cooc) 
丸いロゴと店名の文字を組み合わせた看板(いちやま) 
青い外壁に、立体の文字で店名を入れた看板(TRIAL GO)
いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。
光らせ方で、夜の見え方が変わります
夜も営業する店や、暗くなってからも場所を知らせたい建物では、光らせ方を最初に決めます。「光らせない」「外から照らす(外照式)」「中から光らせる(内照式)」「文字が光る(箱文字)」の4つが基本です。
光らせない
昼の見え方を重視するつくりです。夜は街灯や店内の明かりが頼りになるため、日中の来店が中心の店や施設に向いています。
外照式(外から照らす)
看板の上や下に付けたスポットライトなどで表示面を照らします。平板の看板にも組み合わせやすく、落ち着いた見え方になります。
内照式(中から光る)
箱の中の照明で、表示面全体を光らせます。遠くからでも店名が読みやすく、夜の目印になります。
箱文字の発光
文字の正面や側面、壁側(裏側)を光らせます。光らせ方によって、くっきりした見え方にも、柔らかな見え方にもなります。

夜に金色に光る、入口の上の店名の看板(肉の匠 将泰庵) 
夜に光る、建物の上部と壁面の看板(WONDER LAND) 
夜に光る、文字の看板(福岡銀行)
いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。
一般照明用の蛍光ランプは、種類ごとに順番に製造と輸出入が禁止されます。直管形・環形は、原則として2028年1月1日からです(使うことや、売り買いすることは禁止されません)。蛍光灯を使った看板は、交換のランプを確保しにくくなる前に、LEDへの切り替えを考えておくと安心です。
デザインは、「遠くから・一瞬で」読めるかで考えます
ファサード看板は、歩きながら、車で走りながらの短い時間に読まれる看板です。伝えることを店名と業種に絞り、見る距離に合った文字の大きさと、外壁に埋もれない配色にします。
情報を詰め込んだ例
店名・取り扱う商品・電話番号・営業時間をすべて正面の看板に入れると、どれも小さくなり、遠くからは何の店か分かりにくくなります。
店名と業種に絞った例
店名を大きく、業種や一言を小さく添えるだけにすると、遠くからでも読めます。営業時間などは、入口の近くの看板やガラス面に回します。
文字の大きさは、見る距離から決める
公共施設の案内表示のガイドラインでは、和文の文字の高さの目安を、見る距離が10mなら40mm以上、20mなら80mm以上、30mなら120mm以上としています。店名を通りの向こう側から読ませたいなら、その距離を測ってから文字の大きさを決めると、看板の大きさも決めやすくなります。距離からの計算は、看板の文字の大きさの計算で試せます。
外壁の色との組み合わせ
看板は、外壁の色を背景にして見られます。外壁が濃い色なら明るい地の看板や白い文字、明るい外壁なら濃い色の看板にすると、建物の中で看板が埋もれません。地域によっては、景観を守るための決まりで看板の色や大きさに基準があるため、地域ごとのルールもあわせて確かめます。
付ける前に、建物と電気と決まりを確かめます
ファサード看板は外壁に固定し、照明があれば電気を引き込みます。下地・電源・防水・道路へのはみ出し(出幅)・作業方法・点検のしやすさを、デザインを決める前に確かめておくと、あとからの作り直しを防げます。
- 取付面の下地外壁の材質(コンクリート・ALC(軽量気泡コンクリートの板)・金属のパネル・タイルなど)と、その奥の下地で、固定の方法と補強の要否が変わります。
- 電源と配線照明を入れるなら、室内のスイッチやタイマーから看板までの配線の通り道と、電源の位置を決めます。内装工事と同じ時期に決めておくと、配線を隠しやすくなります。
- 壁を通す穴の防水配線やボルトのために外壁に開ける穴は、雨水が入らないように処理します。
- 出幅と、看板の下までの高さ看板が道路の上に出る場合や、下を人が通る場合は、自治体や道路管理者の基準を確かめます。
- 作業の方法高い位置の看板は、高所作業車や足場を使います。歩道や車道で作業するときは、警察署長の道路使用の許可が必要になることがあります(道路交通法第77条)。
- 点検口と電源装置の位置照明の電源装置は、いずれ交換が必要になる部品です。あとで点検・交換しやすい位置に、点検口を設けておきます。
看板を横から見た模式図です。実際の構造や寸法は、建物と看板の種類によって変わります。

法令・ルール:屋外のファサード看板は、原則として許可の対象です
屋外に表示する看板は、店の名前を出す自分の店の看板でも、原則として自治体の屋外広告物条例の対象になります。許可がいらない大きさの目安や申請先は、地域ごとに違います。看板が道路の上に突き出す場合は、原則として道路管理者の占用許可も必要です。
テナントや多店舗では、決まりと統一を両立させます
商業施設のテナントは施設のサインの規定に、チェーン店はブランドの基準に合わせます。どちらも、建物ごとの寸法の違いを図面で調整するのがポイントです。
商業施設のテナントの場合
ショッピングセンターや駅ビルでは、施設ごとに看板のデザイン・大きさ・照明・取付方法の決まり(サインの規定)があり、施設側の承認を受けてから製作するのが一般的です。工事も、営業時間外など施設が決めた時間に行うことが多くあります。図面を早めに用意し、承認にかかる期間を見込んでおくと、開店の日程に間に合わせやすくなります。グリーンクロスでは、夜間の施工にも対応しています。ビルに入居して、袖看板のパネルや館内の案内板に表示を入れるときの確かめ方は、テナント看板の出し方でまとめています。

チェーン店・多店舗の場合
同じブランドの看板でも、店舗ごとに建物の幅や高さ、外壁の材質は違います。ロゴの比率や色、余白の取り方といったブランドの基準を守りながら、店舗ごとの寸法に合わせて図面を調整します。地域によって許可の基準も違うため、全店を同じ大きさにできないこともあります。

緑色の看板とガラス面の表示が入った店舗 
白い看板とガラス面の表示が入った店舗
建物の形が違う2つの店舗の看板(ピタットハウス)。いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。
費用は、大きさ・光らせ方・取付の条件で変わります
ファサード看板の費用は、看板そのものを作る費用と、取り付ける費用の合計です。同じ大きさでも、つくりと取付の条件で大きく変わるため、写真と寸法をそろえて見積もりを取ると比べやすくなります。
- 大きさと数:表示面の大きさ、同じ看板を何店舗分つくるか
- つくりと素材:平板・ボックス・箱文字のどれか、表示面と骨組みの素材
- 光らせ方:照明の有無と種類、電気工事の範囲
- 取付の高さと方法:脚立で届くか、高所作業車や足場が要るか
- 取付面の状態:下地の補強が要るか、いまある看板の撤去が要るか
- 作業の時間帯:施設の決まりなどで、夜間の作業になるか
長く使うために、作るときから点検と交換を考えます
ファサード看板は、雨・風・日差しを受け続けます。取付部の点検、照明の交換、表示面の張り替えがしやすいつくりにしておくと、店の顔をきれいに保てます。
- 取付金物やボルトのさび・ゆるみは、看板の落下につながるため、定期的に点検します
- 照明の電源装置やLEDは、点灯しなくなる前に交換の時期を考えておきます
- 表示面の色あせや汚れは、表示面だけを張り替えられるつくりなら、看板ごと作り直さずに済む場合があります
- 閉店・移転・社名の変更のときは、撤去と外壁の補修が必要になることがあります。許可を受けて表示していた看板を撤去したときは、除却の届出が必要とされていることが多くあります
屋外広告物適正化推進委員会の「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)は、壁面の箱型の看板(欄間看板)が落下した例の写真を載せ、取付ボルトのゆるみや壁面の劣化は、専門の業者に点検してもらうよう勧めています。パネルの変形・ずれ・破損は、目で見て確かめるよう呼びかけています。
地域によっては、看板の安全点検と、その結果の報告が決められています。グリーンクロスでは、屋外広告士が点検し、自治体の様式に沿って報告書を作ります。
よくあるご質問
ファサード看板と壁面看板は、何が違いますか?
壁面看板は、建物の外壁に付ける看板の総称です。ファサード看板は、そのうち建物の正面に付けるものを指すことが多い呼び方です。看板会社によって呼び方は違うため、名前が分からなくても、設置したい場所の写真からご相談いただけます。
ファサード看板を付けるのに、許可は必要ですか?
屋外に表示する看板は、自分の店の名前を出す看板でも、原則として自治体の屋外広告物条例の対象です。許可がいらない大きさの目安や申請先は地域ごとに違うため、設置場所から確かめてご案内します。
賃貸の店舗でも、ファサード看板を付けられますか?
外壁に穴を開けて固定するため、建物の持ち主(貸主)の承諾が必要です。退去のときに看板の撤去と外壁の補修(原状回復)を求められることも多いため、契約の内容もあわせて確かめておきます。
表示面だけを新しくすることはできますか?
看板の枠や照明、取付部に傷みがなければ、表示面の板やシートだけを替えて使える場合があります。看板の状態を確かめたうえで、表示面の交換と看板ごとの交換のどちらがよいかをご提案します。
夜間や営業時間外に工事できますか?
夜間の作業も可能です。商業施設のテナントのように作業できる時間が決まっている場合や、ご希望の時間帯がある場合は、最初にお知らせください。
多店舗の看板を、同じデザインでそろえられますか?
ロゴの比率・色・余白などのブランドの基準を守りながら、店舗ごとの建物の寸法に合わせて図面を調整します。地域ごとの許可の基準で大きさが変わる場合もあるため、店舗ごとに確かめてご案内します。
参考にした資料
- 屋外広告物適正化推進委員会「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)(別のタブで開きます)東京都都市整備局のサイトに掲載。p.05
- 名古屋市「福祉都市環境整備指針」第2編 Ⅴ 情報・案内(令和4年3月更新)(別のタブで開きます)文字の大きさの選択の目安(国土交通省の旅客施設のガイドラインが出典)
- 道路法(e-Gov 法令検索)(別のタブで開きます)第32条(道路の占用の許可)
- 道路交通法(e-Gov 法令検索)(別のタブで開きます)第77条(道路の使用の許可)
- 水銀に関する水俣条約と蛍光ランプ(別のタブで開きます)経済産業省
- 環境省「一般照明用の蛍光ランプの規制について」(別のタブで開きます)使用・販売・購入は禁止されないこと
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




