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おしゃれな店舗看板は何で決まる?実際の看板で見る、雰囲気をつくる6つの要素

開店の準備で看板を考え始めると、おしゃれにしたい気持ちはあっても、何から決めればいいか迷うものです。看板の雰囲気は、素材・書体・余白・色数・照らし方・取付の見せ方の6つの組み合わせで決まります。実際の看板の写真で「どこが効いているか」を見ていくと、頼むときに伝えることもはっきりします。

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GREEN MEDIA(グリーンクロス)
入口の上で金色に光る、将泰庵の店名の看板
グリーンクロスグループが手がけた看板(肉の匠 将泰庵 船橋はなれ店)。入口の上の暗い色の板に、金色の筆の書体の店名が浮かび上がります。板の上の縁には瓦が並び、右の外壁は黒い縦の格子です。

この記事のポイント

  • 01看板の雰囲気は、素材・書体・余白・色数・照らし方・取付の見せ方の6つで決まります
  • 02伝えることを店名とひとことに減らして余白をとり、色の数をしぼると、落ち着いた印象になります
  • 03夜の印象は照らし方で変わります。文字の後ろの壁を光らせる、上から照らすなど、光の当て方も選べます
  • 04地域によっては、地色の黒・原色や彩度に決まりがあります
  • 05イメージは、参考の写真に「どこが好きか」を添えて伝えると、ずれにくくなります

看板の雰囲気は、6つの要素の組み合わせで決まります

看板の雰囲気は、素材・書体・余白・色数・照らし方・取付の見せ方の6つで決まります。どれか1つだけを凝るより、6つを建物の素材や色と同じ方向にそろえると、看板と建物がまとまって見えます。ただし、外壁と看板の地、文字と地の明るさの差は残します。

看板の読みやすさは、文字の大きさや、文字と地の明るさの差で決まります(見やすい看板のデザインで説明しています)。この記事で扱うのは、その上に乗る「雰囲気」です。仙台市の店先のガイドラインも、木や石、布、金属の素材と質感を生かすことや、建物と一体感のある形・素材・色彩にすることを、魅力的な看板づくりの点に挙げています。

図1店先の看板の雰囲気を決める6つの要素
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  1. 素材木・石・金属など。手ざわりや年月による変化まで含めて、雰囲気をつくります。
  2. 書体筆の書体、細い書体、太い書体。店の口調のように、印象を決めます。
  3. 余白文字やロゴのまわりの空き。空きが広いほど、落ち着いて見えます。
  4. 色数使う色の数。数をしぼると、看板にまとまりが出ます。
  5. 照らし方中から光らせる、上から照らす、文字の後ろを光らせるなど。夜の印象を決めます。
  6. 取付の見せ方金具を隠すか、見せるか。袖の看板では、金具も見た目の一部です。

店先の正面の模式図です。

表16つの要素の効き方と、気をつけること
  • 素材

    効くところ
    近くで見たときの質感と、年月による味わい
    気をつけること
    屋外での色の変化、さび、手入れ
  • 書体

    効くところ
    店の口調(にぎやか・落ち着き・手づくり)
    気をつけること
    細すぎる書体は、遠くから読みにくい
  • 余白

    効くところ
    ゆとりと、上質な印象
    気をつけること
    情報を詰め込むと、余白がなくなる
  • 色数

    効くところ
    統一感と、遠くからの見つけやすさ
    気をつけること
    地域によって、地色や彩度に決まりがある
  • 照らし方

    効くところ
    夜の印象と、素材の見え方
    気をつけること
    まぶしさ、点灯の時間、点滅の決まり
  • 取付の見せ方

    効くところ
    横から見たときの印象、袖の看板の形
    気をつけること
    金具は支える部品。強さと点検を先に考える

素材は、手ざわりと年月の変化まで考えて選びます

木・石・金属などの素材は、近くで見たときの質感で雰囲気をつくります。屋外では、日光や雨で色や形が変わる素材もあるため、手入れまで考えて選びます。

  • マンションの入口の壁に取り付けた、SUN PARKの館名板
    灰色の石のような壁に黒い板を1枚。白い文字とロゴだけを入れ、まわりの壁の面を広く残しています(SUN PARK。マンションの館名板)
  • 犬と猫の形の装飾と、緑色の店名の立体の文字を組み合わせたDOGGY'S ISLANDの入口
    木の色の格子とルーバーに、緑の立体の文字と、犬や猫の形の飾り。店名と飾りの色は緑と灰色で、犬や猫の形から、動物に関わる施設だと分かります(DOGGY'S ISLAND)

いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。

SUN PARKの館名板は、店の看板ではありませんが、質感の対比がよく分かる例です。石のような質感の壁に平らな黒い板が1枚入り、入口が落ち着いて見えます。DOGGY'S ISLANDは、木の色のルーバー(横に並べた板)の上に緑の立体の文字が付き、木の色と緑の組み合わせで、やわらかい入口に見えます。

屋外の素材は、年月で変わります。木は、日光で色が変わり、湿気を吸ったり吐いたりして伸び縮みします。塗装で表面を守る方法があります(三重県林業研究所)。金属では、ステンレスはさびにくい金属ですが、さびない金属ではありません。鉄(スチール)は、めっきや塗装でさびに備えます。

布も、店先の雰囲気をつくる素材です。仙台市のガイドラインは、のれんについて、布のやさしい質感を生かし、建物や照明と組み合わせて「誘う形」を演出するとしています。看板そのものを大きくしなくても、入口まわりの素材で印象は変えられます。

書体と余白で、にぎやかにも、落ち着いた印象にもなります

書体は店の口調を、余白はゆとりを伝えます。伝えることを店名とロゴにしぼると、余白が生まれ、書体の個性も生きます。

冒頭の写真の将泰庵は、筆で書いたような書体の店名が、暗い色の板に大きく入っています。左の袖の看板にも同じ書体の店名があり、正面と横で印象がそろって見えます。板の上の縁の瓦も、筆の書体と合う和の雰囲気です。

図2余白の広さで、印象が変わる
  • 情報を詰め込んだ看板

    店名・説明・写真をすべて入れると、どれも小さくなり、文字のまわりの空きもなくなります。

  • 伝えることをしぼった看板

    ロゴと店名、ひとことだけにすると、まわりに余白が生まれ、落ち着いて見えます。

同じ大きさの看板の模式図です。

仙台市の店先のガイドラインによると、歩く人が短い時間で読める文字数は、15文字程度と言われています。看板には店名とひとことだけを入れ、メニューや営業時間は、敷地の中の置き看板(スタンド看板)や、窓をふさがない大きさのガラス面の表示で伝えると、余白をとりやすくなります。

書体ごとの、見え方の傾向

  • 明朝体:線に強弱があり、落ち着いた、品のある印象に見えやすい書体です
  • ゴシック体:線の太さがそろい、遠くからも読みやすく、すっきりした印象です
  • 筆の書体・手書きの書体:勢いや手づくりの温かさが出ます。将泰庵のように、和の素材とも合わせやすい書体です
  • 細い線の欧文の書体:SUN PARKのように、字の端に小さな飾りのある細い線の書体は、余白と合わせると軽やかに見えます

細い書体や手書きの書体は、雰囲気が出る一方で、遠くからは読みにくくなります。読ませたい距離に対して文字が小さすぎないかは、見やすい看板のデザインの文字の大きさの目安で確かめます。

色は、数をしぼると印象がそろいます

使う色の数をしぼると、建物と看板の印象がそろいます。鮮やかな色も、街並みや業種によっては生きます。ただし、地色の黒や原色、彩度に決まりがある地域もあります。

  • 図書館のフロアの案内図と、本棚の端の表示
    案内図の濃い緑、本棚の端の表示の明るい緑、縁や板の木の色。色をしぼり、どの表示も同じ館のものだと分かります(図書館)
  • 赤い外壁に店名とロゴを入れた、蒙古タンメン中本の店舗
    赤い外壁に、白で店名とロゴ。壁の竜の絵も白で、外壁は赤と白の2色です。建物ごと看板のように見えます(蒙古タンメン中本 仙台富谷店)

いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。

図書館の例は、緑の濃淡と木の色に白い文字で、表示がいくつ並んでもそろって見えます。中本の例は反対に、建物いっぱいの鮮やかな赤です。それでも外壁の色は、赤と白の2色だけです。仙台市のガイドラインも、周りの街並みや業種によっては鮮やかな色彩も高く評価される、としています。

図3色の数で、印象が変わる
  • 色が多い看板

    目立つ色を重ねると、どこを見ればよいかが分かりにくくなります。

  • 色をしぼった看板

    地の色と文字の色に、差し色を1つ。まとまりが出て、遠くからも見分けやすくなります。

同じ大きさの看板の模式図です。

注意したいのは、地色(看板の背景の色)の決まりです。黒い地は、SUN PARKの館名板のように、落ち着いた印象をつくりやすい色です。ただし、地色に黒や原色を使わないことを、許可がいらない看板の条件にしている地域があります。彩度(色の鮮やかさの度合い)に基準を設けている地域もあります。

表2看板の色の決まりの例(一部の地域)
  • さいたま市

    色の決まり
    許可がいらない看板の条件に、地色に赤・黄の原色や黒色を使わない、蛍光・発光・反射の塗料を使わない、などがある
  • 千葉市

    色の決まり
    許可がいらない看板の条件に、地色の黒色や原色で、景観や交通の安全を損なわない(登録商標を除く)、などがある
  • 船橋市

    色の決まり
    地色に黒色・原色・蛍光色を使って、景観や交通の安全を損なうものは出せない(登録商標を除く)
  • 京都市

    色の決まり
    彩度の高い色は、地域ごとに表示面の20%・30%・50%未満までしか使えない
  • 大阪市

    色の決まり
    御堂筋など7地区では、2026年9月1日から、彩度6を超える鮮やかな色の使用を抑える基準
  • 岡山市

    色の決まり
    都心軸のモデル地区では、地色に彩度8以上のけばけばしい色や、明度3未満の暗い色を使わない

このサイトの地域ごとのページと、看板の種類ごとのページで確かめた決まりの一部です(2026年10月時点)。

法令・ルール:雰囲気を決める看板も、許可と管理の決まりを確かめます

仙台市のガイドラインは、市の条例で、看板の維持管理が表示する人・設置する人などの義務とされていると説明しています。看板を出すには、一部を除いてあらかじめ許可が要るともしています。許可と管理の決まりは地域ごとにあります。素材や色を決める段階で、許可の要る大きさか、景観の基準がある地区かを、あわせて確かめます。

夜の印象は、照らし方と光の色で決まります

同じ看板でも、表示面を中から光らせるか、外から照らすか、文字の後ろの壁を光らせるかで、夜の印象は変わります。光の色と明るさも、素材の見え方を左右します。

夜に光る、福岡銀行の文字の看板
グリーンクロスグループが手がけた看板(福岡銀行)。夜、文字のまわりの壁が白く光り、暗い色の文字の形が浮かび上がります。筋の入った壁の質感も、光で見えています。

福岡銀行の看板は、表示面全体を光らせる看板とは違う、静かな見え方です。冒頭の将泰庵も、夜は暗い板の中で、金色の店名が浮かび上がって見えます。どちらも、明るい面より、文字の形が目に入る見え方です。

表3照らし方と、夜の印象
  • 表示面全体を中から光らせる(内照式)

    夜の見え方
    面全体が明るく、遠くからも目に入る
    合う雰囲気
    にぎやかな通りで、まず見つけてほしい店
  • 上や下から照らす(外照式)

    夜の見え方
    照らされた面が浮かび上がる
    合う雰囲気
    落ち着いた店、素材の質感を見せたい看板
  • 文字の正面を光らせる

    夜の見え方
    文字の形だけがくっきり光る
    合う雰囲気
    すっきりした、現代的な印象
  • 文字の後ろの壁を光らせる

    夜の見え方
    文字のまわりが明るく、文字の形が浮かぶ
    合う雰囲気
    静かで上質な印象
  • ネオン(光の線)

    夜の見え方
    線で描いた形や文字が光る
    合う雰囲気
    店の中やガラス越し、夜の店先の演出

一般的な傾向です。周りの明るさ、光の色、素材で印象は変わります。

仙台市の店先のガイドラインは、照明を設置するときは「演色性」「色温度」「明るさ」が重要になるとしています。演色性は、ものの色を自然に見せる度合い、色温度は、光の色の温かさ・白さを表す値です。木や金色のように色を見せたい素材は、光の色で印象が変わるため、夜に点けたときの見え方を確かめてから決めます。

取付の金具は、隠すか見せるかで印象が変わります

看板を壁に付ける金具は、隠すとすっきり、見せると、金具の形も看板の見た目の一部になります。見せる金具も、まずは看板を支える部品です。強さと点検のしやすさを先に考えます。

図4取付の4つの見せ方
  • 壁にじかに付ける

    板を壁にじかに付け、金具を裏に隠します。正面から見ると、板の形だけがすっきり見えます。

  • 壁から浮かせる

    スペーサー(壁と板のあいだの短い支え)で、板を壁から浮かせます。板の影が壁に落ち、立体感が出ます。

  • 金具を見せて、横に出す

    壁に留めた金具から、看板を横に出します。金具の形や色も、看板の一部として見えます。

  • 天井や軒から吊るす

    棒やワイヤーで吊るします。軒下や店の中で、通る人の目の高さに近づけられます。

左が横から見たところ、右が正面の模式図です(吊るす・金具を見せる例は、正面だけ)。

駐車場とトイレの場所を示す、立体的なピクトサイン
グリーンクロスグループが手がけた看板(施設の案内サイン)。木目の壁に、ねじ4本で留めた銀色の板から、黒いピクトグラムを横に出しています。

写真のピクトサインは、駐車場とトイレの場所を、Pの字と車、人の形で示しています。黒一色の切り抜きの形と木目の壁、銀色の留め具だけで、すっきりした印象です。留め具の板は、2つの看板で同じ形・同じ向きにそろえてあります。

金具を見せる付け方でも、看板の重さと風を支えるのは、金具とねじ、壁の中の下地です。見た目を決める前に、壁の素材と下地の位置を確かめます。立体の文字の付け方は、箱文字・切り文字・カルプ文字の記事で説明しています。

看板だけでなく、店先全体で雰囲気をつくります

仙台市のガイドラインは、店先の要素を「挨拶の装置」「迎客の装置」「集客の装置」の3つに分けています。ガイドラインでは、看板は集客の装置に入ります。看板だけを飾るより、店先全体の配分で雰囲気が決まります。

  • 挨拶の装置:親近感や好印象を与える要素。花や植物、七夕飾りなどの季節の飾りつけ
  • 迎客の装置:おもてなしや、温かく迎え入れる気持ちを伝える要素。ベンチ、店の前の舗装やデッキ、照明、オーニング
  • 集客の装置:強く興味を持ってもらう要素。看板・吊り下げ旗・袖看板、店の中の様子や商品を見せる工夫

ガイドラインは、配置する数を「迎客の装置>挨拶の装置>集客の装置」となるように意識することを勧めています。集客の装置は、やりすぎると逆に敬遠されるともしています。看板にかける予算の一部を、入口の照明や植物に回すのも、雰囲気をつくる方法の一つです。

商業施設の中にある、北海道キッチン YOSHIMIの店頭の看板
グリーンクロスグループが手がけた看板(北海道キッチン YOSHIMI)。店頭に商品を並べ、光る看板と照明の下で、店の中の様子も見えます。

ポイント:手入れも、雰囲気の一部です

仙台市のガイドラインは、どれほど優れた「誘う形」も、日ごろの手入れを怠ると「拒む形」になってしまうとして、日常のメンテナンスを勧めています。看板の汚れ、照明の切れ、色あせは、気づいたときに直します。

業種ごとに、先に伝えたいことから考えます

業種によって、看板で先に伝えたいことは違います。何を一番に伝えるかを決めてから6つの要素を選ぶと、迷いが減ります。

仙台市の店先のガイドラインは、好意的なメッセージを出す「誘う形」をつくり、近寄りがたい「拒む形」をつくらないことを勧めています。拒む形の例に挙がっているのは、情報が多く大きい看板、広告物で隠された窓、閉じた扉、たくさんののぼり旗です。おしゃれかどうかの前に、入りやすく見えるかを確かめます。

表4業種ごとに、先に決めたいこと(考え方の例)
  • カフェ・飲食店

    先に決めたいこと
    通りから、店の中の様子と営業中かが分かるか
    効きやすい要素
    窓をふさがない見せ方、照らし方、置き看板の情報量
  • 美容室・サロン

    先に決めたいこと
    予約したお客さまが、迷わず入口に着けるか
    効きやすい要素
    入口のそばの袖の看板やプレート、書体、余白
  • クリニック・事務所

    先に決めたいこと
    名前と場所が、正確に落ち着いて伝わるか
    効きやすい要素
    色数をしぼった地、読みやすい書体、館名板やプレート
  • 物販の店

    先に決めたいこと
    何を売る店かが、遠くから分かるか
    効きやすい要素
    ロゴと色、ガラス面の見せ方、照らし方
  • 夜に営業する店

    先に決めたいこと
    暗くなってからも、店らしく見えるか
    効きやすい要素
    照らし方、光の色、ネオンなどの光の線

業種ごとに決まった正解はありません。考えるときの手がかりの例です。

仙台市のガイドラインは、人が歩きながら見ている範囲を、上に約20度、下に約40度としています。歩く人は主に2階より下を見ていて、特に1階の店先がより強く認識される、ともしています。

図5歩く人が見ている範囲
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  1. 目の高さ歩く人の目の高さ。ここから見える範囲を考えます。
  2. 上の範囲(約20度)目の高さから上に約20度。高い位置の看板は、近くでは目に入りにくくなります。
  3. 下の範囲(約40度)目の高さから下に約40度。足元に近い置き看板も入る範囲です。
  4. 1階の店先の看板近くを歩く人の見ている範囲に入りやすい場所です。素材や書体の細かさが生きます。
  5. 2階より上の看板近くを歩く人の見ている範囲から、外れやすい位置です。

仙台市の店先のガイドラインの数値をもとにした模式図です。

予算に合わせる考え方と、イメージの伝え方

予算に限りがあるときは、目の高さに近い1階の看板と店名に力を入れ、高い位置の看板の細かい作り込みや、細かい情報は抑えます。イメージは、参考の写真に「どこが好きか」を添えて伝えると、ずれにくくなります。

表5予算に合わせるときの、力の入れどころ
  • 見る距離で分ける

    力を入れたいところ
    目の高さに近い1階の看板
    抑えやすいところ
    高い位置の看板の細かい作り込み
  • 伝える量で分ける

    力を入れたいところ
    店名とロゴ
    抑えやすいところ
    メニューや営業時間などの細かい情報(敷地の中の置き看板や、窓をふさがないガラス面の表示へ)
  • 素材で分ける

    力を入れたいところ
    手の届く近さで見る部分の、本物の素材
    抑えやすいところ
    遠くから見る部分(柄のシートや塗装でも質感を表せる)
  • 数で分ける

    力を入れたいところ
    1つの看板の仕上がり
    抑えやすいところ
    看板の数(いくつも出すより、しぼる)

見積もりの内訳と予算の考え方は、看板の費用の決まり方の記事で説明しています。

迷いやすいところ

  • 写真の雰囲気だけをまねる:参考の写真は、夜に撮ったものや加工したもののこともあります。昼の見え方と、実物の素材の見本で確かめます
  • 画面の色で、看板の色を決める:画面の色と、印刷・塗装・光の色は同じには見えません。色は色番号や実物の見本で決め、光らせたときの色は、同じ光らせ方の看板を夜に見て確かめます
  • 黒い地や鮮やかな色を、地域の決まりを見ずに決める:地色や彩度に決まりがある地域があります。デザインを決める前に確かめます
  • 木や鉄の手入れを考えない:木は日光で色が変わり、鉄はさびに備えが要ります。塗り直しや点検も、選ぶときに見込みます

イメージを形にする流れ

  1. 1

    好きな看板の写真を集める

    店の業種にかかわらず、好きだと思った看板や店先の写真を集めます。写真ごとに「どこが好きか」をひとことで書いておきます。

  2. 2

    6つの要素の言葉にする

    集めた写真の好きなところを、素材・書体・余白・色数・照らし方・取付の見せ方のどれかに当てはめます。好みの方向がはっきりします。

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    建物の写真に重ねて確かめる

    店の正面の写真に、看板の位置と大きさを重ねたイメージで、建物との釣り合いを確かめます。

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    素材と光を見本で確かめる

    素材の見本で質感を確かめます。光らせたときの見え方は、同じ光らせ方の看板の夜の様子で確かめます。色は、画面ではなく実物の見本で決めます。

  5. 5

    決まりを確かめて、製作に進む

    許可の要る大きさか、色や照明の基準がある地区かを確かめてから、製作に進みます。

イメージを伝えるときに、用意するもの

  • 参考にしたい看板や店の写真と、「どこが好きか」のひとこと
  • 店の外観(建物の正面)と、内装の写真
  • ロゴのデータ(なければ、手描きの絵や写真でも)
  • 使いたい色と、使いたくない色
  • 昼と夜、どちらの見え方を大事にしたいか
  • 予算の幅と、開店や付け替えの予定日

ほかの店の看板の写真は、ロゴや図柄をそのまま写すためではなく、好きな雰囲気を伝える手がかりとして使います。

よくあるご質問

おしゃれな看板にするには、何から決めればいいですか?

まず、店の外観と内装の写真を並べて、看板の色・素材・書体を建物に合わせるところから始めます。仙台市の店先のガイドラインも、建物と一体感のある形・素材・色彩にすると効果的としています。

カフェの看板は、どんなデザインがいいですか?

決まった正解はありませんが、通りから店の中の様子と営業中かが分かると、入りやすく見えます。仙台市のガイドラインは、広告物で隠された窓を、人を遠ざける「拒む形」の例に挙げています。看板は店名とひとことにしぼり、メニューは置き看板などで伝えます。

黒い地の看板は、どの地域でも使えますか?

地域によっては決まりがあります。さいたま市は地色に黒色を使わないことを許可がいらない看板の条件にしており、船橋市は地色の黒色などで景観や交通の安全を損なうものを出せないとしています。設置する場所の決まりを確かめてから、色を決めます。

木の看板は、屋外でも使えますか?

使えますが、木は日光で色が変わり、湿気で伸び縮みします。塗装で表面を守り、色の変化や塗り直しも見込んで選びます。雨が直接当たらない軒下などに付ける方法もあります。

おしゃれな看板にすると、費用は高くなりますか?

費用は、大きさ・素材・光らせ方・取付の条件で決まります。立体の文字や照明を増やすほど手間が増えるため、目の高さに近い1階の看板と店名に力を入れ、高い位置の看板の作り込みや細かい情報は抑えるなど、配分で考えます。

看板の光の色は、どう決めますか?

温かみのある光か、白い光かで、木や金色などの素材の見え方が変わります。仙台市のガイドラインも、照明で気をつけることに、演色性・色温度・明るさを挙げています。夜に点けたときの見え方で確かめると確実です。

おしゃれにすると、看板が読みにくくなりませんか?

読みにくくなることはあります。細い書体や、文字と地の明るさの差が小さい配色は、遠くから読みにくくなります。読ませたい距離に合う文字の大きさは、見やすい看板のデザインの記事で確かめられます。

好きな看板の写真を送れば、同じような雰囲気にできますか?

写真から、素材・書体・色数・照らし方などの要素を読み取り、店に合う形を考えます。ほかの店のロゴや図柄をそのまま写すのではなく、「どこが好きか」を手がかりにします。

参考にした資料

この記事について

全国看板施工・点検ナビ

運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)

監修:横田悠介(屋外広告士)

看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。

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