吊り看板(吊り下げ看板)とは?軒先・天井から吊る種類と金具、道路と天井の決まりまで
カフェの軒先に木の看板を、売り場の天井に案内を吊りたい。吊り看板は、壁の腕金(ブラケット)や軒、天井から、鎖やワイヤーで吊り下げる看板です。安全は吊る所の下地と金具、揺れへの備えで決まり、道路の上に出るなら原則として許可が、天井から吊るなら消防の設備との位置の確認が要ります。軒先の吊り看板から売り場の天吊りサインまで、デザインから取り付け・点検まで、全国でひとつの窓口にご相談いただけます。
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この記事のポイント
- 01吊り看板は、腕金(ブラケット)・軒・天井などから、鎖やワイヤーで吊り下げる看板です。式典の舞台の上に吊る横長の看板も、吊り看板と呼ばれます
- 02安全は、吊る所の下地、金具の強さとさびにくさ、風の揺れへの備えで決まります。鎖や金具はこすれてすり減るため、点検で確かめます
- 03壁から道路の上に突き出して吊る看板は、原則として、屋外広告物の許可と道路の占用の許可が要ります。出幅と下の端の高さの基準は、地域で違います
- 04天井から吊るときは、天井の板ではなく、上のコンクリートなどの下地から吊ります。誘導灯やスプリンクラーなど、消防の設備をさえぎらない位置にします
- 05軒先の吊り看板から売り場の天吊りサイン、式典の吊り看板まで、デザイン・製作・取り付け・点検を、全国でひとつの窓口にご相談いただけます
吊り看板とは、腕金・軒・天井から吊り下げる看板です。種類と向く場所
吊り看板(吊り下げ看板)とは、壁から突き出した腕金(ブラケット)や軒、天井などから、鎖・ワイヤー・金具で吊り下げる看板のことです。店の軒先に吊る看板のほか、売り場の天井から吊るサインや、式典の舞台の上に吊る横長の看板も、吊り看板と呼ばれます。
吊り看板は、板が吊り元から下がっている看板です。腕の金物で壁に固定する袖看板と違い、風を受けると揺れ、重さは吊り元の金具と、その奥の下地にかかります。「吊り下げ看板」「吊看板」「吊るし看板」とも呼ばれ、売り場の天井から吊るものは「天吊り」「天吊りサイン」とも呼ばれます。
- 腕金から吊る看板外壁に付けた腕金(ブラケット)の先から、鎖などで吊ります。道路の上に出るときは、原則として許可が要ります。
- 軒の下に吊る看板入口の上の軒やひさしの裏から吊ります。雨が当たりにくく、木の看板も傷みにくい場所です。
- 天井から吊るサイン売り場や館内の天井から、ワイヤーなどで吊ります。天井の中の下地と、下を通る人の高さを確かめます。
- 道路との境界敷地と道路の境目です(図では外壁の面)。ここを越えて道路の上に出る部分は、原則として道路の占用の許可が要ります。
店の建物を横から切った断面の模式図です。左が歩道、右が店の中です。
腕金から吊る
- 吊る所と吊り方
- 外壁の腕金の先から、鎖や棒で吊る
- 向く場所
- カフェ・バー・パン屋・雑貨店などの路面店
- 確かめること
- 道路の上に出るか(許可)、壁の下地、揺れ
軒・ひさしの下に吊る
- 吊る所と吊り方
- 軒やひさしの裏の下地から、鎖や金具で吊る
- 向く場所
- 入口の上、旅館や和の店の軒先
- 確かめること
- 軒やひさしが重さに耐えるか、入口を通る人の高さ
テント・アーケードの下
- 吊る所と吊り方
- テントの骨組みや、アーケードの金物から吊る
- 向く場所
- 商店街の店、テントのある店先
- 確かめること
- 骨組みの強さ、持ち主や商店街の決まり、道路の上か
窓の内側に吊る
- 吊る所と吊り方
- 窓の上の天井や枠から、ワイヤーなどで吊る
- 向く場所
- 2階より上の店、雨を避けたい看板
- 確かめること
- 外から読める向き、窓の内側の表示の地域の決まり
天井から吊る(天吊り)
- 吊る所と吊り方
- 天井の中の下地から、吊りボルトやワイヤーで吊る
- 向く場所
- スーパー・ドラッグストアの売り場、商業施設の館内
- 確かめること
- 天井の下地、下の端の高さ、誘導灯やスプリンクラー
式典の舞台の上
- 吊る所と吊り方
- 会場の吊る設備や、スタンドから吊る
- 向く場所
- 式典・学会・発表会の舞台
- 確かめること
- 会場の設備と決まり、運び込める大きさ
一般的な分け方です。

袖看板は内側から光らせる箱型が多く、吊り看板は、板の素材や形そのものを見せる看板に向きます。袖看板のつくりは袖看板の記事で、舞台の上に吊る式典の看板は式典・イベントの吊り看板の章で紹介しています。
素材と形は、店の雰囲気と重さ、屋外での持ちで選びます
吊り看板の素材は、木・アイアン(鉄)・アクリル・アルミ複合板・布などから、店の雰囲気と重さ、屋外での持ちで選びます。吊る看板は、重いほど金具と下地の負担が大きくなるため、雰囲気と重さを一緒に考えます。
木
- 雰囲気
- 温かみのある、手づくりの風合い
- 重さ
- 板の厚みで変わる
- 屋外で気をつけること
- 日差しと水で傷む。上の面と木口を守り、早めに塗り直す
アイアン(鉄に塗装)
- 雰囲気
- クラシック・アンティーク調
- 重さ
- 重い
- 屋外で気をつけること
- 塗膜の傷からさびる。さびが出たら塗り直す
アクリル
- 雰囲気
- 透明感のある、軽やかな印象
- 重さ
- 板の厚みで変わる
- 屋外で気をつけること
- 屋外で使うときの注意を、使う板ごとに確かめる
アルミ複合板
- 雰囲気
- すっきりした、印刷やシートの色
- 重さ
- 軽い
- 屋外で気をつけること
- 印刷やシートを、屋外で使えるものにする
布・ターポリン
- 雰囲気
- やわらかい。季節で替えやすい
- 重さ
- 軽い
- 屋外で気をつけること
- 風であおられる。日に焼けて色があせる
一般的な目安です。アルミ複合板は、発泡ポリエチレンの芯材を薄いアルミで挟んだ、軽くて剛性のある板です(グループの通販サイトの説明)。
アイアンや厚い木の看板は、雰囲気が出る一方で重くなるため、腕金と下地もそれに合わせます。
形と、片面・両面
形は、横長・縦長のほか、楕円や丸、旗の形などから選べます。腕金に吊って通りに直角に向ける看板は、両面に表示すると、通りの左右どちらから来る人にも読めます。
雰囲気を出すには、腕金と鎖までそろえます
雰囲気を出すなら、看板の板だけでなく、腕金の形や色、鎖の太さまで、店の外観とそろえます。夜も見せたいときは、看板を外からライトで照らす方法があります。ライトを建物の電源につなぐ工事は、原則として、電気工事士の資格を持つ者が行います。素材・書体・照らし方の考え方は、おしゃれな店舗看板と看板の照明で紹介しています。
決まった形の吊り下げ看板もあります。グループの通販サイト「看板通販サインシティ(別のタブで開きます)」では、アルミの押し出し材を使った軽い吊り下げ看板、アイアンの突出し看板、LEDで光る吊り下げの丸い看板を扱っていて、前の2つはデザインや表示面の印刷も頼めます。建物に合わせて作る吊り看板と取り付けは、グリーンクロスへご相談ください。
吊り金具は、重さ・揺れ・さびにくさで選びます
吊り看板の金具は、腕金(ブラケット)、鎖(チェーン)、ワイヤー、吊りボルト、フックやシャックル(ピンで口を閉じるU字の金具)などから、看板の重さと吊る場所で選びます。揺れる看板は金具どうしがこすれてすり減るため、揺れを抑える吊り方と、さびにくい材質を選びます。
鎖2本で吊る
腕金から鎖で吊ります。風で揺れる動きも雰囲気になりますが、鎖と金具がこすれてすり減ります。
棒で吊る
鎖の代わりに金属の棒で吊ります。揺れにくく、看板の向きがそろいます。
下の端を振れ止めでつなぐ
鎖で吊った看板の下の端を、棒(緑)で壁につなぎます。揺れを抑え、看板が壁に当たるのを防ぎます。
天井からワイヤーで吊る
売り場の天井の中の下地から、ワイヤーで吊ります。地震の揺れも考えて、吊り元を下地に留めます。
腕金に吊る3つは、壁(左の断面)の腕金に吊った看板を横から見た模式図です。天井から吊る図は、サインを正面から見た模式図です。
屋外広告物適正化推進委員会の「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)は、小型・中型の軽い袖看板は、L字のブラケットや「触れ止め棒」(揺れを止める棒)で取り付けられていることが多いため、脚立などで簡単に点検できる場所に設置するよう勧めています。
風を受けやすい場所の吊り看板は、棒で吊るか、下の端を振れ止めでつなぐと、揺れが小さくなり、鎖と金具のこすれも減ります。
腕金(ブラケット)
- 役わり
- 壁から突き出して、看板を吊る腕
- 確かめること
- 壁の下地に効く留め方か。さびとぐらつき
取付部のボルト・アンカー
- 役わり
- 腕金や吊り元を、壁や天井の下地に留める
- 確かめること
- ゆるみ。壁のひびや、さびの汚れ
鎖(チェーン)
- 役わり
- 腕金と看板をつなぐ
- 確かめること
- 輪のすり減りとさび。左右の長さ
ワイヤー
- 役わり
- 天井や腕金から、看板を吊る
- 確かめること
- ほつれ。留め具のゆるみ
フック・シャックル
- 役わり
- 鎖やワイヤーと、看板の吊り元をつなぐ
- 確かめること
- 揺れで外れない形か。口のすり減り
吊りボルト
- 役わり
- 天井の上の、コンクリートの床などから下げる
- 確かめること
- 留め先の下地と、使える重さ
振れ止め
- 役わり
- 看板の揺れを抑える
- 確かめること
- つないだ所の傷み
金具は、製品の説明にある使える重さ(荷重)を確かめ、看板の重さに合わせて選びます。揺れても外れないよう、口を閉じられる金具や、外れ止めのある金具を使います。
ポイント:屋外の金具は、ステンレスなら鋼種まで確かめます
ステンレス協会の耐食性の目安では、SUS304(18クロム・8ニッケル)はSUS430(18クロム)より高く、SUS316はさらに高い区分です。ガイドブックは、袖看板の項で、取付金具や内部の鉄骨にさびが進むと強度を保てなくなるおそれがあるとし、ブラケットの防錆処理を、耐用年数や設置環境に合ったものにするよう勧めています。
金具と、場所ごとの留め方の全体は、看板の取り付け方法と金具にまとめています。
道路の上に出す吊り看板は、屋外広告物の許可と道路の占用の許可が要ります
壁から道路の上に突き出して吊る看板は、袖看板と同じく、原則として、屋外広告物の許可と、道路管理者の占用の許可が要ります。壁からの出幅と、路面から看板の下の端までの高さの基準は、地域と道路で違います。
法令・ルール:看板を道路の上空に突き出すことも、道路の占用です
国土交通省は、道路に施設を設けて続けて使う「道路の占用」には、看板を道路の上空に突き出して設けることも含まれ、道路管理者の許可を受けなければならないとしています。千葉市も、道路の上空に突き出る看板類には、道路法と屋外広告物条例の許可が要ると案内しています。
- 壁の取付部腕金を、壁の奥の下地にアンカーなどで留める所です。看板の重さと風の力が集まります。
- 腕金(ブラケット)壁から突き出して看板を吊る腕です。斜めの支えで、先が下がらないようにします。
- 鎖と吊り金具腕金と看板をつなぎます。揺れでこすれる所が、すり減りやすくなります。
- 看板通りの左右から読めるよう、両面に表示することがあります。
- 出幅壁の面から、腕金や看板の先までの長さです。道路の上に出せる長さには、基準があります。
- 下の端の高さ路面から看板の下の端までの高さです。
- 道路との境界敷地と道路の境目です。ここを越えて道路の上に出る部分が、道路の占用に当たります。
建物の壁から歩道の上へ吊り看板を出したところを、横から見た模式図です。5と6は、自治体や道路の管理者が基準を決めている寸法です。
道路の上に出るか
- 決まりの例
- 道路の上に看板を突き出して設けることも、道路の占用に当たる(国土交通省)
- 確かめる先
- 道路の管理者(国・都道府県・市区町村)
屋外広告物の許可
- 決まりの例
- 道路の上に突き出る看板類には、道路法の許可と、屋外広告物の条例の許可が要る(千葉市)
- 確かめる先
- 看板を出す場所の自治体
出幅と下の空き
- 決まりの例
- 突出看板は、建物からの出幅1m以内。下の空きは、車道の上で4.5m以上、歩道の上で2.5m以上(千葉市の基準)
- 確かめる先
- 看板を出す場所の自治体と、道路の管理者
誰の看板か
- 決まりの例
- 大阪市では、突出看板の道路の占用の許可は、自家用の広告物に限る
- 確かめる先
- 看板を出す場所の自治体と、道路の管理者
アーケード・テントの下
- 決まりの例
- アーケードやテントの持ち主、商店街の決まりがあることもある
- 確かめる先
- 建物やアーケードの持ち主・商店街
上の4行は、国土交通省・千葉市・大阪市の資料による例です。出幅と高さの基準は、地域と道路で違います。
ガイドブックは、袖看板の項で、低い位置に付けると通る人がぶつかってけがをするおそれがあるとし、地面から看板の下端までの高さや出幅など、屋外広告物条例の基準を守るよう求めています。吊り看板は腕金より下に板が下がるため、腕金ではなく、看板の下の端の高さで考えます。
地域ごとの基準の例は、袖看板・突出し看板の地域ごとの基準で比べられます。同じ地域でも道路で違うことがあるため、作る前に、自治体と道路の管理者に確かめます。
法令・ルール:敷地の中の軒下でも、屋外の看板は条例の対象です
道路の上に出ない軒下の看板でも、屋外に出す看板は、原則として屋外広告物条例の対象です。自分の店の看板で許可がいらない大きさや、看板を出せない地域は、地域ごとに違います。
天井から吊るときは、天井の板ではなく、上の下地から吊ります
売り場や館内の天井から看板を吊るときは、天井の板(石膏ボードなど)に頼らず、天井の中の下地や、上の階の床などの構造に留めた吊りボルトから吊ります。下を人が通るなら下の端の高さを、近くに誘導灯やスプリンクラーがあれば、さえぎらない位置かを確かめます。

石膏ボード工業会は、石膏ボードを張った壁や天井では、下地のない中空のところにくぎやねじを打っても、まったく効かないとしています。照明器具などの重いものは、石膏ボードの強さだけでは支えられないため、下地に直接留めるよう案内しています。
重い看板や大きな看板は、天井の上にある建物の構造から吊ります。コンクリートの建物なら、天井の上のコンクリートの床(スラブ)です。パナソニックの用語の説明では、吊りボルトは天井面から吊り下げるボルトで、照明器具などの固定に使います。コンクリートを打つ前に埋めたインサートか、あとから打ったアンカーに留めるとしています。吊りボルトにも使える重さ(耐荷重)があり、重さや環境から、吊る間隔や規格を決めます。
- 上のコンクリートと、インサート・アンカー上の階の床(スラブ)に埋めたインサートや、あとから打つアンカーです。吊りボルトを留める所です。
- 吊りボルト上のコンクリートから下げるボルトです。天井の板を通して、看板を吊る金具をつなぎます。
- 天井の板石膏ボードなど。重いものは、板だけでは支えられません。
- ワイヤーと吊り金具吊りボルトの先から、看板を吊ります。
- 売り場のサイン通路の両側から見えるよう、両面に表示することがあります。
- 下の端の高さ床からサインの下の端までの高さです。
- 誘導灯非常口などを示す灯りです。緑の点線は、人の目からの見通しです。
- スプリンクラーのヘッドまわりに、何も設けたり置いたりしない範囲があります(点線。範囲はヘッドの種類で違います)。
売り場の天井を切った断面の模式図です。天井の板の上に、天井の中の空間があります。グレーの細い線は、天井そのものを吊る金物です。
法令・ルール:誘導灯とスプリンクラーのまわりは、あけておきます
誘導灯や誘導標識の周囲には、まぎらわしい、またはさえぎる広告物・掲示物など(誘導灯では灯火も)を設けないこととされています(消防法施行規則 第28条の3 第4項第8号・第5項第3号)。スプリンクラーのヘッドのまわりにも、何も設けたり置いたりしない範囲があり、ヘッドの種類で違います。消防庁の通知では、たとえば宿泊室や病室などに使う小区画型のヘッドで、ヘッドの先(デフレクター)から下に0.45m以内、かつ横に0.3m以内とされ、側壁型のヘッドでは横が0.45m以内です。売り場のヘッドの種類と範囲は、建物の管理者や、消防の設備を点検している会社に確かめます。
看板の安全管理ガイドブックは、身近な看板事故の例として、駅の高さ約4mの天井から2本の支柱でつり下げていた、重さ約22kgの金属製の案内看板が落ちた例を挙げています(けが人はなし)。震度5強の揺れでは、壁や天井にひびが入り、アンカーの強さが落ちるともしています。天井から吊る看板は、吊り元を下地に留め、大きな地震のあとは、ぐらつきを確かめます。
下を通る人と、見る距離から高さを決めます
名古屋市の福祉都市環境整備指針には、都市公園のガイドラインによる項目として、標識が通路の上に突き出す場合は、目の不自由な人などの通行の支障にならないよう、下の端を地上2m以上の高さにする、とあります。同じ指針は、遠くから見る吊り下げ型の誘導サインは、見る距離を20m以上に設定するのが一般的としています。売り場の天井から吊る看板も、下を通る人がぶつからない高さにし、建物の管理者と確かめます。距離に合う文字の大きさは、看板の文字の大きさの計算で目安を出せます。

天井から吊る前に確かめること
- 吊る所の上に、留められる下地(上の階の床などの構造・天井の中の下地)があるか
- 看板の重さと、吊りボルト・ワイヤー・金具の使える重さ
- 下の端の高さ(通路の上は、人がぶつからない高さか)
- 誘導灯・誘導標識をさえぎらないか、まぎらわしくないか
- スプリンクラーのヘッドや、火災の感知器にかからないか
- 天井の図面(天井伏図)や、設備の位置が分かる図面があるか
- 作業の時間帯(営業中か、夜間や休業日か)と、ビルの工事の決まり
消防の設備のまわりの扱いは、建物の管理者や、消防の設備を点検している会社にも確かめます。迷うときは、建物のある地域の消防署に相談します。
売り場の軽いPOPや販促のパネルなら、グループの通販サイト「看板通販サインシティ(別のタブで開きます)」に、スチレンボードで作ったPOPなどを天井から吊るす吊具もあります。館内サインの配置の考え方は、館内サイン・案内サインの作り方にまとめています。
式典・イベントの吊り看板は、舞台の上に吊る横長の看板です
式典や学会、発表会でいう吊り看板は、舞台の上に吊って、催しの名前を見せる横長の看板です。大きさは舞台の幅と会場の広さで、吊り方は会場の設備で決まるため、まず会場に、吊る設備と持ち込みの決まりを確かめます。
たとえば堺市東区の二十歳の集いの仕様書の別紙では、仮設の舞台の吊り看板を、高さ900mm・幅5,400mmとし、白地に角ゴシックの黒い文字、金の線の縁と定めています。設置は、式典の前日です。
式典の吊り看板で決めること
- 大きさ:舞台の幅と、会場の天井の高さ。会場の奥から読めるか
- 吊り方:会場に吊る設備があるか、スタンドを立てるか。会場の決まり
- 運び込み:搬入口やエレベーターから入るか、分けて運ぶか
- 作りと素材:一度だけ使うか、毎年使うか(枠を残して、文字の面だけ替えるなど)
- 文字と書体:催しの名前・日付・主催者。遠くから読める太さと大きさ
- 設置と撤去:前日に付けるか、当日の何時に外すか
会場によって、吊れる重さや、持ち込める物の決まりが違います。
文字は、会場のいちばん後ろの席から読める大きさにします。名古屋市の指針の目安では、和文の文字の高さは、見る距離10mで40mm以上、20mで80mm以上です。書体の選び方は看板のフォント(書体)で、布の幕にするなら懸垂幕・横断幕の違いと素材で紹介しています。
式典やイベントの吊り看板も、内容に応じてグループの工場か協力会社で製作し、会場への取り付けまでご相談いただけます。会場の図面や舞台の写真があれば、合う大きさと吊り方をご案内します。
長く安全に使うために、鎖・金具・腕金を点検します
吊り看板の点検では、鎖と吊り金具のすり減りとさび、腕金のぐらつき、取付部のボルトのゆるみ、看板の板の傷みを見ます。日ごろは地上から目で見て、震度5強以上の地震や大型の台風のあとは、専門の業者に臨時の点検を頼みます。

日ごろ、地上から見て確かめたいこと
- 鎖の輪や吊り金具が、すり減ったり、さびたりしていないか
- フックやシャックルの口が開いていないか、外れそうではないか
- 腕金がぐらついていないか、先が下がっていないか
- 腕金の取付部の下の壁に、さびの汚れが垂れていないか
- 看板が傾いていないか、左右の鎖の長さがそろっているか
- 木の看板の割れや色あせ、塗膜のはがれはないか
- 揺れて、壁やひさしに当たった跡がないか
高い所には上らず、看板も揺すらずに、地上から見える範囲で確かめます。
看板の安全管理ガイドブックは、袖看板のチェックポイントとして、壁面にさびなどの汚れ(汚ダレ)が見られる場合は、ブラケットがさびで腐食しているとしています。震度5強以上の地震や大型の台風のあとは、専門の業者に臨時の点検を頼むよう勧めています。
グリーンクロスでは、屋外広告士が看板を点検し、自治体の様式に沿って報告書を作成します。点検の決まりと見るところは看板の点検、木の看板の傷み方は木製看板の記事、金属の腕金のさびと塗り直しは看板の塗装・塗り替えで紹介しています。
見落としやすいところ
- 金具どうしがこすれる所:揺れる看板は、鎖の輪と輪、輪と金具がこすれ合います。さびだけでなく、減り方を見ます
- 仮の吊り方のまま使う:開業に間に合わせた針金や仮の金具は、決めた金具に替えます
- 建物の工事のあと:外壁や天井の改修で、吊り元や下地が変わっていないかを確かめます
費用は、大きさ・素材・金具・吊る場所で決まります。自作は軽い看板まで
吊り看板の費用は、大きさと形、素材と仕上げ、片面か両面か、腕金と吊り金具、吊る場所と高さ、照明、許可の手続き、数で決まります。自作できるのは、屋内や敷地の中の軽い看板までで、道路の上・高い所・天井の中の下地に関わる吊り看板は、看板会社に頼みます。
大きさと形
- 変わる理由
- 材料の量と、楕円や切り抜きの形の加工の手間が変わる
素材と仕上げ
- 変わる理由
- 木・アイアン・アクリル・アルミ複合板で、材料と加工、塗装が変わる
片面か両面か
- 変わる理由
- 表示する面の数と、デザインの手間が変わる
腕金と吊り金具
- 変わる理由
- 既製の金具を使うか、店に合わせて作るか。材質(ステンレスなど)
吊る場所と高さ
- 変わる理由
- 壁や天井の下地の補強、脚立で届くか、高所作業車が要るか
照明
- 変わる理由
- 照らすライトと、電気の工事
許可の手続き
- 変わる理由
- 屋外広告物の許可と、道路の占用の許可が要るか
数
- 変わる理由
- 同じ看板を、全国の店舗にそろえて付けるか
金額は、看板と現場の条件で変わるため、この記事には載せていません。写真から概算をお伝えし、正式なお見積りは、仕様が決まり、現地を確かめてからお出しします。
費用を抑えたいときは、入れる内容を店名とロゴに絞る、既製の腕金や金具を使う、決まった形でよければ通販の既製品から選ぶ、などの方法があります。費用の全体は、看板の費用が決まるしくみにまとめています。
吊る場所
- 自分で作って吊れる目安
- 店の中や、敷地の中の軒の下
- 看板会社に頼む目安
- 道路の上に出る、アーケードやテントの下
重さと大きさ
- 自分で作って吊れる目安
- 軽く小さな板
- 看板会社に頼む目安
- 重い看板、アイアン、風を受ける大きな看板
吊り元
- 自分で作って吊れる目安
- すでにあるフックや、下地の分かる所
- 看板会社に頼む目安
- 外壁の下地が分からない、天井の中の下地に留める
高さ
- 自分で作って吊れる目安
- 脚立に上らずに手が届く
- 看板会社に頼む目安
- 脚立に上る高さ、それより上
電気
- 自分で作って吊れる目安
- 照明を使わない
- 看板会社に頼む目安
- ライトを建物の電源につなぐ
一般的な目安です。小さな看板でも、吊る場所によって決まりや危なさが変わります。
吊り看板で難しいのは、板を作ることより、揺れても外れないように吊ることです。自作でも変わらない決まりは、看板を自分で作る方法にまとめています。
補足:自作の看板の取り付けだけは、お受けできないことがあります
取り付けだけのご依頼は、看板の構造・重さ・取付金具の仕様を確かめてからお受けします。作りの分からない自作の看板の取り付けは、原則としてお受けしていません。吊るところまで考えるなら、看板を作る前にご相談いただくと、吊り元と金具に合った作りにできます。
軒先の吊り看板から売り場の天吊りサインまで、デザインから点検までお受けします
グリーンクロスは、軒先の吊り看板から、売り場や館内の天吊りサイン、式典の吊り看板まで、デザイン・製作・取り付け・点検をまとめてお受けしています。全国61拠点のネットワークと47都道府県での屋外広告業の登録で、全国の店舗のサインも窓口ひとつで進められます。
看板に関することは、基本的にすべてお受けしています。吊り看板をまとめて頼むと、看板の板だけでなく、腕金と吊り金具、吊り元の下地、道路の上に出るときの手続きのご案内まで、同じ窓口で進められます。全国に店舗を展開する企業にも、この規模から選ばれています。
吊り看板のデザインと製作店名やロゴ、外観の写真から、素材・形・大きさと腕金のデザインをご提案します。内容に応じて、グループの工場か協力会社で製作します。看板製作を見る
腕金と天井の取り付け壁や天井の下地を確かめ、合う金具で吊ります。照らすライトの電気の工事は、原則として電気工事士の資格を持つ者が行います。夜間や土日祝の工事にも対応します。看板施工・取付を見る
点検と、金具の交換・修理屋外広告士が看板を点検し、自治体の様式に沿って報告書を作成します。すり減った鎖や金具の交換、塗り直しもお受けします。看板点検・安全管理を見る
全国の店舗の売り場のサインをそろえる全国61拠点のネットワークで、全国の店舗の天吊りサインや軒先の看板も、窓口ひとつでお受けします。改装や出店に合わせた掛け替えも、ご相談ください。全国・多店舗の一括対応を見る
写真は、グリーンクロスグループの工場・施工の現場・スタッフです。
吊り看板のご相談からの進み方
- 1
写真と希望を送る
吊りたい場所の写真と、入れたい店名やロゴ、好きな雰囲気をお送りください。写真から概算をお出しします。
- 2
現地で確かめる
必要なときは、近くの拠点の担当が伺い、壁や天井の下地、道路の上に出るか、まわりの設備を確かめます。道路の上に出るときは、許可の進め方もご案内します。
- 3
仕様とお見積り
素材・形・吊り方・金具を決め、仕様と作業の内容を明記した正式なお見積りをお出しします。ご相談・お見積りは無料です。
- 4
デザインの確認と製作
文字の大きさや配置、腕金の形を図で確かめていただいてから、製作します。
- 5
取り付けと確認
吊り元の固定と、看板の水平・揺れ・下の端の高さを確かめ、写真で記録します。夜間や土日祝の工事もできます。
- 6
点検
屋外広告士が点検し、自治体の様式に沿って報告書を作成します。鎖や金具の交換もお受けします。
ご相談のときにあると進めやすいもの
- 店の住所と、吊りたい場所の写真(建物の正面と、壁・軒・天井の近く)
- 入れたい内容(店名・ロゴなど。決まっていなくてもご相談いただけます)
- 好きな雰囲気の参考の写真
- 大きさの目安と、片面か両面か
- 天井から吊るなら、天井の図面や、設備の位置が分かる図面
- 開業・改装・式典の日
- テナントなら、管理会社やビルの看板の決まり
高い所に上って撮っていただく必要はありません。そろっていなくても、ご相談いただけます。
全国の拠点と各地の看板の協力会社が連携し、窓口はひとつのまま全国の現場に対応します。大阪支店のページでも、商店街の吊り看板や、おしゃれな吊り看板を紹介しています。株式会社グリーンクロスの会社資料もお送りできます。
よくあるご質問
吊り看板とは、どんな看板ですか?
壁から突き出した腕金(ブラケット)や軒、天井などから、鎖・ワイヤー・金具で吊り下げる看板です。吊り下げ看板とも呼ばれ、売り場の天井から吊るものは天吊りサインとも呼ばれます。式典では、舞台の上に吊る横長の看板を吊り看板と呼びます。
吊り看板と袖看板は、何が違いますか?
袖看板は箱や板を腕の金物で壁に固定し、吊り看板は板を鎖などで吊り下げます。吊り看板は風で揺れるため、金具のすり減りと揺れへの備えを考えます。道路の上に出るときは、どちらも原則として、屋外広告物の許可と道路の占用の許可が要ります。
吊り看板を、店の前の歩道の上に出せますか?
道路の上に突き出す看板は、原則として、屋外広告物の許可と道路の占用の許可が要ります。たとえば千葉市の突出看板の基準では、建物からの出幅は1m以内、下の空きは歩道の上で2.5m以上です。基準は地域と道路で違うため、作る前に、看板を出す場所の自治体と道路の管理者に確かめます。
吊り看板の金具は、何で選びますか?
壁に付けるなら腕金(ブラケット)、吊るのは鎖・棒・ワイヤー、つなぐのはフックやシャックルです。製品の説明にある使える重さが看板の重さに合うものを選び、屋外ではステンレスなどのさびにくい材質にします。風を受けやすい場所では、棒で吊るか、下の端を振れ止めでつなぎます。
天井から看板を吊るときは、どこに留めますか?
天井の板(石膏ボードなど)ではなく、天井の中の下地か、上の階の床などの構造に留めた吊りボルトから吊ります。石膏ボードは、下地のない所にねじを打っても効かず、重いものは支えられません。近くに誘導灯やスプリンクラーがあるときは、さえぎらない位置に吊ります。
式典の吊り看板の大きさは、どう決めますか?
舞台の幅と、会場の広さ・天井の高さで決めます。堺市東区の式典の仕様書の例では、仮設の舞台の吊り看板を、高さ900mm・幅5,400mmとしています。会場の吊る設備や持ち込みの決まりを確かめ、いちばん後ろの席から読める文字の大きさにします。
吊り看板は自作できますか?
店の中や、敷地の中の軒下に吊る、軽く小さな看板なら作れます。道路の上に出る看板、重いアイアンの看板、天井の中の下地に留める看板は、取り付けと決まりのほうが難しいため、看板会社に頼みます。作りの分からない自作の看板の取り付けは、原則としてお受けしていません。
吊り看板の料金(費用)は、何で決まりますか?
大きさと形、素材と仕上げ、片面か両面か、腕金と吊り金具、吊る場所と高さ、照明、許可の手続き、数で決まります。同じ看板でも吊る場所で変わるため、相場を1つの金額では言えません。吊りたい場所の写真と大きさが分かれば、概算をお出しします。
参考にした資料
- 屋外広告物適正化推進委員会「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)(別のタブで開きます)東京都都市整備局のサイトに掲載。天井から2本の支柱でつり下げていた案内看板の落下の例、袖看板の下端の高さと出幅・触れ止め棒・取付金具のさび・汚ダレ、震度5強とアンカー、臨時点検
- 国土交通省「道路:道路占用・承認工事」(別のタブで開きます)看板を道路の上空に突き出して設置することも道路の占用に含まれること、道路管理者の許可
- 千葉市「道路の上空を無断で使っていませんか」(2024年11月1日更新)(別のタブで開きます)道路上空に突き出る看板類の道路法と屋外広告物条例の許可、突出看板の出幅とクリアランスの基準
- 大阪市「屋外広告物、道路占用(突出看板)の申請等に必要な書類・書き方等について」(2026年6月17日)(別のタブで開きます)突出看板で道路占用許可を受けられるのは、自家用広告物に限ること
- 石膏ボード工業会「暮らしに役立つ知恵」(別のタブで開きます)壁・天井裏の下地の間隔、下地のない中空のところのくぎ・ねじ、重量物は石膏ボードの強度だけで支えられないこと
- パナソニック TERASU辞書「吊りボルト」(別のタブで開きます)吊りボルトの用途、インサート・アンカーへの固定、耐荷重と支持間隔
- 名古屋市「福祉都市環境整備指針」第2編 Ⅴ 情報・案内(令和4年改定)(別のタブで開きます)通路上に突き出す標識の下端の高さ(都市公園のガイドラインによる項目)、吊下型の誘導サインの視距離、文字の大きさの選択の目安
- 船橋市のサイトに掲載の資料「第19 誘導灯」(別のタブで開きます)避難口誘導灯の周囲に、まぎらわしい又はさえぎる灯火・広告物・掲示物等を設けないこと
- 千葉市のサイトに掲載の消防の資料「第16 誘導灯及び誘導標識」(別のタブで開きます)避難口誘導灯と誘導標識の周囲に、まぎらわしい又はさえぎる灯火・広告物・掲示物等を設けないこと
- パナソニック「照明設計資料:防災照明(誘導灯)の設置」(別のタブで開きます)誘導標識の設置(消防法施行規則 第28条の3)。周囲に、まぎらわしい又はさえぎる広告物・掲示物等を設けないこと
- 消防庁「スプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準に係る運用について(通知)」(平成8年6月11日 消防予第115号)(別のタブで開きます)小区画型ヘッド・側壁型ヘッドのまわりの、何も設けない範囲
- 堺市「堺市東区二十歳の集い 看板 別紙1」(令和7年(2025年)の式典の仕様書)(別のタブで開きます)仮設ステージの吊り看板の大きさ・文字・設置の時期
- ステンレス協会「性質」(別のタブで開きます)鋼種ごとの耐食性の目安(SUS304・SUS430・SUS316)
- 看板通販サインシティ(吊り下げ看板)(別のタブで開きます)グループの通販サイト。アルミ押し出し形材の軽量な吊り下げ看板、デザイン作成・表示面の印刷
- 看板通販サインシティ(アイアンタイプ)(別のタブで開きます)グループの通販サイト。アイアンや金属製の突出し看板、デザイン作成・表示面の印刷
- 看板通販サインシティ(LED吊り下げ丸看板)(別のタブで開きます)グループの通販サイト。LEDで光る吊り下げ式の丸い看板
- 看板通販サインシティ(スチレンボード用オプション 吊具)(別のタブで開きます)グループの通販サイト。スチレンボードで作ったPOPや販促用パネルを天井から吊るす金具
- 看板通販サインシティ(アルミ複合板)(別のタブで開きます)グループの通販サイト。発泡ポリエチレンの芯材を薄いアルミで挟んだ、軽量で剛性に優れる板
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。




