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看板の種類

懸垂幕・横断幕の違いと素材、取り付け方と許可の決まり

開店や改装、催し、工事のお知らせを、期間を決めて大きく出したい。そんなときに使われるのが懸垂幕や横断幕です。ただ、屋外に掲げる幕も原則として屋外広告物で、地域によっては許可の期間が短く決まっています。素材と取り付け方、掲げる期間を、最初に一緒に考えておくと安心です。

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GREEN MEDIA(グリーンクロス)
工場で大判プリンターにロール状の面材をセットするスタッフ
工場で、大判プリンターにロール状の面材をセットするスタッフ(グリーンクロスグループの工場)

この記事のポイント

  • 01懸垂幕は建物の上から縦に下げる幕、横断幕は横長に張る幕です
  • 02屋外に長く出すならターポリン、風の強い場所ならメッシュターポリンが選ばれます
  • 03取り付けは、ハトメにひもやロープを通す方法と、棒袋にパイプを通す方法が基本です
  • 04屋外に掲げる幕は、原則として屋外広告物です。広告幕の許可の期間は、1か月以内・3か月以内など地域で違います
  • 05道路の上に張る横断幕は、道路の占用の許可が必要で、出せる人や場所を限る自治体もあります

懸垂幕は縦に下げ、横断幕は横に張る幕です

懸垂幕は、建物の屋上や高いところから縦長に下げる幕です。横断幕は横長の幕で、建物の壁・フェンス・手すりなどに張るほか、許可を受けて道路の上に張ることもあります。

図1幕の主な種類と、掲げる場所
  • 懸垂幕

    建物の屋上などから、縦長に下げる幕です。高い位置から、遠くまで知らせられます。

  • 横断幕(壁・フェンス)

    横長の幕を、建物の壁やフェンス、手すりに張ります。人の目の高さに近い位置にも出せます。

  • 道路の上の横断幕

    道路をまたいで張る幕です。道路の占用にかかわるため、出せる人や場所が限られることがあります。

  • 街路灯の幕

    街路灯などに付ける、縦長の小さな幕です。道路管理者が、出せる内容や大きさ、期間の基準を決めていることがあります。

表1懸垂幕と横断幕の違い
  • 形

    懸垂幕
    縦長
    横断幕
    横長
  • 掲げる場所

    懸垂幕
    建物の屋上や高いところから、壁に沿って下げる
    横断幕
    建物の壁・フェンス・手すり。許可を受けて、道路の上に張ることもある
  • 取り付け方

    懸垂幕
    上下の棒袋にパイプを通してつる方法や、縁のハトメで留める方法がある
    横断幕
    縁のハトメにひもやロープを通して、結ぶ
  • 読まれ方

    懸垂幕
    遠くから、縦に並んだ文字を読む
    横断幕
    近くを通る人や、正面から読む

使われ方の例です。実際は、掲げる場所の金物と大きさで決めます。

どちらも、期間を決めて大きく知らせたいときに使われます。開店や改装、催しの告知、工事のお知らせ、団体の応援、自治体の行事の案内などです。看板と比べると、次のような違いがあります。

  • 掲げる期間:幕は、期間を決めて出す告知に向いています。看板は、長く同じ表示を出すものです
  • 取り付け:幕は軽く、金物やひもで掲げます。看板は、壁の下地などに固定します
  • 許可の期間:屋外の幕に、看板より短い許可の期間を決めている地域があります
  • 風:幕は面が広くやわらかいため、風であおられない留め方を考えます

長く同じ表示を出すなら看板、期間を決めて知らせるなら幕、と考えると選びやすくなります。どちらも屋外に出す以上は、風への備えと許可の期間を、最初に確かめておきます。

使う場面ごとの選び方

  • 開店・改装の告知:建物の正面に懸垂幕を下げると、遠くからも目に入ります。掲げる期間を、許可の期間に合わせて決めます
  • 催し・応援:フェンスや手すりに横断幕を張ります。手に持って使う応援の幕なら、布の生地のトロマットも選べます
  • 工事のお知らせ:囲いやフェンスに横断幕を張ります。工事中の建物に張る工事用シートは、防炎物品の品目に入ります
  • 店先の売り出し:店先の幕は、店の敷地の中か建物に掲げます。のれんを広告幕として扱う地域もあります(新潟市)

素材は、出しておく期間と風で選びます

屋外に掲げる幕は、丈夫で耐久性の高いターポリンが基本です。風の強い場所にはメッシュターポリン、手に持って使う応援の幕などには布の生地も選ばれます。

表2幕の主な素材
  • ターポリン

    特徴
    丈夫で屋外に強く、耐久性が高い。テントにも使われる生地
    向いている使い方
    屋外に掲げる懸垂幕・横断幕
  • メッシュターポリン

    特徴
    網目の生地で、風が抜けやすい
    向いている使い方
    風の強い場所
  • トロマット

    特徴
    ポリエステルの糸を使った布の生地で、つやを抑えた風合い
    向いている使い方
    手に持って使う応援の幕など

グループの通販サイト「看板通販サインシティ」の案内をもとにしています。ターポリン・トロマットとも、防炎加工ができます。

グループの通販サイトでは、多くの横断幕や垂れ幕がターポリンでつくられているとし、屋外に常設するならターポリンを勧めています。風が強い場所に出すときは、メッシュ加工をしたメッシュターポリンも勧めています。

  • 工場の大判インクジェットプリンター
    工場の大判インクジェットプリンター(グリーンクロスグループの工場)
  • 大判プリンターのある作業場で、作業台を囲んで資料を確かめる3名のスタッフ
    大判プリンターのある作業場で、作業台を囲んで資料を確かめる3名のスタッフ(グリーンクロスグループの作業場)

グループの工場の大判プリンターと、作業場の様子です。

グループの通販サイトでは、ターポリンやクロス(布)を、大判のインクジェットプリンターで刷る素材(インクジェットメディア)としても扱っています。

補足:防炎の決まりは、掲げる場所で確かめます

消防法は、高層建築物・地下街・劇場・病院などで使うカーテンや展示用合板などに、防炎の性能を求めています(第8条の3)。その品目は、カーテン・布製のブラインド・暗幕・じゅうたん等・展示用の合板・舞台で使う幕と大道具用の合板・工事用シートと決められています(施行令第4条の3)。屋外に掲げる懸垂幕や横断幕はこの品目に挙がっていませんが、工事中の建物に張る工事用シートは品目に入ります。日本防炎協会は、燃えにくいことが望ましい「防炎製品」の分類に幕類を挙げています。

建物の中に下げる幕は、扱いが変わることがあります。たとえば東京ビッグサイトの防災ガイドラインは、防炎の性能が必要なものとして、壁などに沿って下げる装飾の布や、布製ののれん・装飾幕・紅白幕などを挙げています。東ホール・南ホールなどに設けるバナーも、防炎物品とするよう定めています。建物の中に掲げる幕は、建物の管理者や会場に、防炎の決まりを問い合わせておきます。展示会のブースの看板と、出展の規定で確かめることは、展示会のブースの看板でまとめています。

展示会の会場に設けた、TOYOTA BOSHOKUのブース
グリーンクロスグループが手がけた看板(TOYOTA BOSHOKU)。展示会の会場に設けたブースの、社名のサインです。会場の中に掲げる表示には、会場が防災の決まりを設けていることがあります。

仕上げは、取り付け方に合わせて決めます

幕のまわりの仕上げは、ひもやロープで結ぶならハトメ、パイプを通してつるなら棒袋が基本です。どこに・何で取り付けるかを先に決めてから、仕上げを選びます。

図2幕の仕上げと生地(模式図)
  • ハトメ

    幕の縁に金属の輪(ハトメ)を付け、ひもやロープを通して結びます。フェンスや手すりに張る横断幕に使います。

  • 棒袋

    幕の上下を袋のように縫い、パイプや棒を通します。懸垂幕を下げるときや、店先の幕をポールに通すときに使います。

  • メッシュの生地

    網目の生地は、風が抜けやすくなります。風の強い場所に向いています。

グループの通販サイトの店頭幕では、棒袋加工・ハトメ加工などを、使う場面によって選べるとしています。川崎市の選挙管理委員会の仕様書では、懸垂幕と横断幕のどちらも、ターポリンにハト目金具を付けるとしています。

フェンスや手すりに張る横断幕は、縁のハトメにひもを通して、柱や横の棒に結びます。懸垂幕は、上下の棒袋にパイプを通し、上のパイプをロープなどでつって、下のパイプで幕を張る方法のほか、縁のハトメで留める方法もあります。店先の幕は、棒袋にポールを通して掲げます。実際の仕上げは、掲げる場所の金物と、その強さを確かめてから決めます。

取り付けは、上下を留めて、風に備えます

懸垂幕を棒袋とパイプで掲げるときは、屋上などの金物から上のパイプをつり、下の端も留めて、風であおられないようにします。つる金物が幕の重さと風の力に耐えるか、屋上で安全に作業できるかを、最初に見ておきます。

図3懸垂幕の取り付けの例(左が正面、右が横から見た断面)
123456
  1. 屋上の取付金物幕をつる金物。建物の手すりなどを使うときは、幕の重さと風の力に耐えるかを確かめます。
  2. ロープ・ワイヤー金物から、幕の上のパイプをつります。
  3. 上のパイプ幕の上の棒袋に通して、幕の幅いっぱいに支えます。
  4. 幕ターポリンや、メッシュターポリンなど。
  5. 下のパイプ幕の下の棒袋に通して、幕を張ります。
  6. 下の端の固定下の端を建物の金物などに留め、風であおられないようにします。

川崎市の選挙管理委員会の仕様書は、懸垂幕などを設置するときは、必要に応じて十分な強度の取付加工を行い、建物などを傷めないよう十分に注意するよう求めています。建物に掲げる幕は、建物の持ち主の承諾を得たうえで、つる金物の強さを見ておきます。

幕は面が広いため、風を受けると大きな力がかかります。看板の安全管理ガイドブック(2024年6月 第4版)は、看板の安全を脅かすものに風を挙げ、強風で袖看板やポール看板などの接合部分が壊れ、本体が落ちることがあるとしています。風の強い場所では、メッシュターポリンを選び、上下や横の留め方を増やして備えます。台風などの強い風が予想されるときは、外しておくのも一つの方法です。

フェンスや手すりに張る横断幕は、四すみだけでなく、縁のハトメを間をあけて結び、たるまないように張ります。幕がたるむと風でばたつき、ハトメのまわりに力がかかります。

建物の壁に金物を付けて幕を張るときは、壁面看板と同じように、壁の材質と下地、穴のまわりの防水を考えます。留め方の考え方は、壁面看板の種類と取り付け方で紹介しています。

自分たちで掲げる場合も、風の弱い日に、2人以上で作業し、屋上の端から身を乗り出さないようにします。高い場所の作業に不安があるときは、取り付けまでご相談ください。

懸垂幕を掲げるまでの流れ

  1. 1

    掲げる場所と期間を決める

    建物の持ち主の承諾、許可が必要か、掲げる期間を確かめます。

  2. 2

    寸法と金物を確かめる

    つる金物の位置と強さ、下の端を留める場所、屋上から下ろせる幕の長さを測ります。

  3. 3

    幕をつくる

    素材と仕上げ、入れる文字やロゴを決めて、幕をつくります。

  4. 4

    掲げる

    屋上から幕を下ろし、上下を留めます。高い場所の作業は安全を確保し、作業車を道路に止めるときは道路使用許可をとります。

  5. 5

    期間が終わったら外す

    許可の期間のうちに外します。次も使うときは、汚れを落として乾かしてからしまいます。

掲げているあいだに、見回りたいこと

  • ひもやロープがゆるんだり、切れたりしていないか
  • ハトメや棒袋のまわりが、破れていないか
  • 幕がたるんで、風でばたついていないか
  • パイプや金物が、ずれていないか
  • 強い風が予想されるときは、外すかどうかを決めたか

幕を、資格者による点検の対象から外している地域もあります(仙台市・さいたま市・熊本市など)。仙台市は、資格者の点検の対象外でも、日ごろの管理は必要としています。

ロープで壁面に降りて作業する作業員
ロープで壁面に降りて作業する作業員(グリーンクロスグループの施工の現場)。高い壁の作業には、高所作業車やロープを使う方法があります。

大きさは、掲げる場所と読ませたい距離で決めます

幕の大きさは、掲げる場所の幅と高さ、どこから読ませたいかで決めます。決まった大きさの既製品もあり、建物に合わせてつくる幕は、取り付け方とあわせて考えます。

まず、どこから読ませたいかで、文字の大きさを考えます。公共施設の案内表示のガイドラインの表では、和文の文字の高さの目安を、見る距離が10mなら40mm以上、20mなら80mm以上としています。

表3実際の幕の仕様の例(川崎市の選挙の広報)
  • 懸垂幕(区役所)

    大きさ(縦×横)
    8,000×900mm
    素材と仕上げ
    ターポリン、ハト目金具
  • 懸垂幕(出張所)

    大きさ(縦×横)
    6,000×700mm
    素材と仕上げ
    ターポリン、ハト目金具
  • 横断幕A

    大きさ(縦×横)
    850×8,000mm
    素材と仕上げ
    ターポリン、ハト目金具
  • 横断幕B

    大きさ(縦×横)
    800×3,200mm
    素材と仕上げ
    ターポリン、ハト目金具

川崎市選挙管理委員会事務局の仕様書(第27回参議院議員通常選挙の広報用の懸垂幕・横断幕など。令和7年)から。

決まった大きさの既製品もあります。グループの通販サイト「看板通販サインシティ(別のタブで開きます)」では、店頭幕などの規格品(たとえば幅870×高さ2,400mm)や、ひも・ポールなどの付属品を扱っています。希望の大きさでつくる幕も注文できます。

大きさを決める前に、測っておきたいこと

  • 掲げる壁の幅と、屋上から下ろせる長さ
  • 幕をつる金物と、下の端を留める場所の位置
  • 窓・看板・設備と重ならないか
  • 読ませたい場所までの距離
  • フェンスに張るなら、柱と柱の間の長さ

伝わる幕は、伝えることを絞り、大きく見せます

幕は、歩きながら、また車から、短い時間で読まれます。伝えることを絞り、読ませたい距離に合った大きさの文字と、背景との明るさの差で、遠くからでも読めるようにします。

懸垂幕は、縦に長い面に文字を縦に並べるため、入れられる文字の数が限られます。店名や催しの名前、日付など、伝えたいことを絞ると、一文字を大きくできます。横断幕は横に長いため、一行で読める長さにまとめます。

文字と背景の明るさに差をつけると、離れた場所からも読みやすくなります。写真を大きく入れる場合も、文字の下の部分は、文字が読める明るさの差を残します。配色の考え方は、見やすい看板のデザインで詳しく紹介しています。

日付の入った告知の幕は、催しが終わったら外すものです。何度も使う幕は、日付を入れずにつくり、日付だけを別の表示にする方法もあります。

デザインを決める前に、決めておきたいこと

  • いちばん伝えたいこと(1つ)
  • 読ませたい場所までの距離
  • 縦書きか、横書きか
  • 片面か、両面か(両側から見られる場所に掲げるとき)
  • 掲げる期間と、日付を入れるか
  • ロゴや写真のデータ

屋外の幕は、期間を決めて許可を受けます

屋外に掲げる懸垂幕・横断幕は、原則として屋外広告物です。広告幕に看板より短い許可の期間を決めている地域が多く、期間は1か月以内・3か月以内など、地域で違います。

法令・ルール:幕も、屋外広告物です

屋外広告物法は、常時または一定の期間続けて屋外で公衆に表示されるものを、屋外広告物としています(第2条)。期間を決めて掲げる懸垂幕や横断幕も、原則として自治体の屋外広告物条例の対象です。

表4広告幕の許可の期間(このサイトで確かめた地域)
  • 札幌市

    幕の許可の期間
    広告幕などは1年以内
  • 仙台市

    幕の許可の期間
    広告幕は3か月以内
  • さいたま市

    幕の許可の期間
    広告幕は3か月以内
  • 千葉市

    幕の許可の期間
    横断幕などは1か月以内
  • 船橋市

    幕の許可の期間
    広告幕などは1か月以内
  • 八王子市

    幕の許可の期間
    広告幕などは1か月以内
  • 横浜市

    幕の許可の期間
    簡易な広告幕は3か月以下
  • 新潟市

    幕の許可の期間
    広告幕は3か月
  • 名古屋市

    幕の許可の期間
    広告幕などは最長3か月
  • 大阪市

    幕の許可の期間
    広告幕などは30日以内
  • 堺市

    幕の許可の期間
    広告幕などの簡易広告物は、原則として3か月以内
  • 尼崎市

    幕の許可の期間
    広告幕などは1か月(ずっと出しておく広告幕は、広告板とみなす)
  • 岡山市

    幕の許可の期間
    懸垂幕は1か月以内、横断幕は2週間以内
  • 北九州市

    幕の許可の期間
    広告幕などは1か月以内
  • 福岡市

    幕の許可の期間
    広告幕などは1か月以内
  • 熊本市

    幕の許可の期間
    広告幕などは30日以内

このサイトの地域ごとのページで確かめた内容です(2026年10月時点)。東京都・京都市・神戸市・広島市などは、地域のページに幕の期間を載せていないため、表に入れていません。

幕をずっと出しておく場合は、扱いが変わる地域があります。尼崎市の規則は、広告幕のうち恒常的に表示するものは広告板(許可の期間は3年)とみなすとしています。新潟市の事例集では、のれんを広告幕として扱い、許可の期間を3か月とし、その期間のうちは出し入れが自由としています。

短い時間だけ出す幕も、許可の対象から外れるとは限りません。京都市は、ポスター・のぼり・のれんなどの簡易な屋外広告物の許可がいらない目安を合計2㎡以下とし、1日に数時間だけ出すものでも許可の対象になるとしています。自分の店の敷地に出す幕は、ほかの看板とあわせた面積の決まりにかかわることもあるため、出す場所の自治体に確かめます。

ポイント:見落としやすいのは、期間の短さと外す日です

幕の許可の期間は、看板より短く決まっていることがあります。たとえば岡山市の横断幕は、2週間以内です。掲げる日だけでなく、外す日と外す作業の段取りも、最初に決めておきます。川崎市の選挙の広報の仕様書でも、掲げる日と外す日の時間帯まで決めています。

道路の上に張る幕は、占用の許可が必要です

道路の上に幕を張るときは、屋外広告物の許可とは別に、原則として道路管理者の占用の許可が必要です。出せる人・場所・大きさ・期間を、要綱や基準で限っている自治体もあります。

法令・ルール:幕は、道路の占用の対象に挙げられています

道路法は、道路に工作物などを設けて続けて使う場合、道路管理者の許可を受けなければならないとしています(第32条)。道路法施行令は、この許可の対象として、看板・標識・旗ざおなどと並べて「幕」を挙げています(第7条第1号)。

表5道路の上の幕の基準の例
  • 藤沢市(横断幕)

    決まり
    占用できるのは、国・自治体や、それらと地域の団体などでつくる協議会・実行委員会、国・自治体が後援・支援する団体、公共的な団体や市内の学校などに限る。場所は市が指定したところ(藤沢駅南口のデッキ・辻堂駅北口)で、大きさは縦1m・横10m以内、期間は最長2か月
  • 横浜市(街路灯の幕)

    決まり
    市が主催・共催・後援する公的な事業を知らせる幕で、原則として市の局区などの名前を入れる。1本の商店街灯や道路照明灯に2枚以内で、1枚は横0.75m・縦2.10m以内、表示は表裏2面以内。最下部は路面から4.5m以上(歩道の上は2.5m以上)、期間は設置と撤去を含めて3か月以内。掲出は、市に登録した屋外広告業者などが行う

藤沢市「藤沢市横断幕設置道路占用許可基準要綱」(令和4年4月1日施行)、横浜市「道路占用許可基準」(最近改正 令和7年4月1日)から。基準は、道路管理者ごとに違います。

藤沢市の要綱は、横断幕に管理者の名前を表示すること、風や雨で落ちないようしっかり取り付けること、いつでも管理・監視できる体制にして、不備があれば速やかに直すことも求めています。景観の地区では、色の基準に合わせます。事前の相談は、3か月前からできるとしています。

店の名前を出す幕を道路の上に張れる場面は、道路管理者の基準で限られていることがあります。道路の上に出したいときは、まず道路管理者に、張れるかどうかと手続きを確かめます。張る作業で作業車を道路に止めるときは、警察署の道路使用許可も必要です(道路交通法第77条第1項第1号)。道路交通法は、道路に広告板やアーチなどの工作物を設けることも使用許可の対象にしているため(同項第2号)、幕を張ること自体に使用許可が要るかも、警察署に問い合わせます。

店先の幕やのぼりも、原則として歩道に立てて出すことはできません。たとえば北九州市は、歩道や車道に置き看板やのぼり旗を出すことは道路の不法占用になるとしています。川崎市は道路の上に置き看板やのぼり旗を出すことを禁止し、広島市も、置き看板やのぼり旗は原則として道路を占用できないとしています。店先の幕は、店の敷地の中か、建物に掲げます。

費用は、大きさ・枚数・取り付けで決まります

幕の費用は、大きさと枚数、素材と仕上げ、取り付けの工事を頼むかで決まります。既製の大きさで足りるなら通販、建物に合わせた大きさや取り付けまで頼むなら、写真から相談すると進めやすくなります。

  • 大きさと枚数:幕が大きく、枚数が多いほど、材料と印刷が増えます
  • 素材:ターポリン・メッシュターポリン・布の生地、防炎加工をするか
  • 仕上げと付属品:ハトメ・棒袋の数、パイプやひも・ロープを付けるか
  • 取り付けの工事:屋上からつる作業や、高い場所の作業、道路を使う作業があるか
  • 外す作業:期間が終わったあとに、外す作業も頼むか

金額は条件で変わるため、この記事には載せていません。許可の申請や道路の占用の手続きがあるときは、その日数も見込んで、掲げたい日から逆算して準備します。見積もりのときは、次のことを伝えると、比べやすくなります。

注文のときに、伝えたいこと

  • 掲げる場所の写真(建物の全体と、つる場所の近く)
  • 幕の大きさ(縦×横)と枚数
  • 入れたい文字・ロゴ・写真
  • 掲げる期間と、屋外か屋内か
  • 取り付けや外す作業まで頼みたいか
  • 風の強い場所か

決まった大きさの幕や店先の幕は、グループの通販サイト「看板通販サインシティ(別のタブで開きます)」でもご注文いただけます。建物に合わせた大きさの幕や、屋上からつる取り付けの工事は、掲げたい場所の写真からご相談ください。

よくあるご質問

懸垂幕と横断幕の違いは何ですか?

懸垂幕は、建物の屋上や高いところから縦長に下げる幕です。横断幕は横長の幕で、建物の壁・フェンス・手すりなどに張るほか、許可を受けて道路の上に張ることもあります。取り付け方の例として、懸垂幕は上下の棒袋にパイプを通してつる方法、横断幕は縁のハトメにひもを通して結ぶ方法があります。懸垂幕にハトメを付ける例もあります(川崎市の選挙の広報の仕様書)。

懸垂幕を出すのに、許可は必要ですか?

屋外に掲げる幕は、原則として屋外広告物条例の対象です。広告幕に看板より短い許可の期間を決めている地域が多く、たとえば大阪市は30日以内、名古屋市は最長3か月です。出す場所の住所から、許可が必要かと期間を確かめます。

横断幕を、道路の上に張ってもいいですか?

道路の上に張るときは、屋外広告物の許可とは別に、原則として道路管理者の占用の許可が必要です。たとえば藤沢市は、道路に横断幕を設けて占用できるのを、国・自治体や公共的な団体などに限り、場所も市が指定したところ(藤沢駅南口のデッキなど)だけとしています。まず道路管理者に、張れるかどうかを確かめます。

屋外で長く使う幕は、どの素材がいいですか?

屋外に掲げるなら、丈夫で耐久性の高いターポリンが基本です。グループの通販サイトでも、屋外に常設する幕にはターポリンを勧めています。風の強い場所には、風が抜けやすいメッシュターポリンも選べます。

風の強い場所に、幕を出しても大丈夫ですか?

幕は面が広く、風を受けると大きな力がかかります。風の強い場所ではメッシュターポリンを選び、上下と横をしっかり留めます。台風などの強い風が予想されるときは、外しておくのも一つの方法です。

懸垂幕は、どうやって取り付けますか?

方法の一つは、幕の上下を袋のように縫った棒袋にパイプを通し、上のパイプを屋上などの金物からロープやワイヤーでつる方法です。縁のハトメで留める方法もあり、川崎市の選挙の広報の仕様書では、懸垂幕にもハト目金具を付けています。どちらの場合も、つる金物の強さと作業の安全を先に確かめ、下の端も留めて、風であおられないようにします。

決まった大きさの幕は、ありますか?

あります。グループの通販サイト「看板通販サインシティ」では、店頭幕などの規格品や、ひも・ポールなどの付属品を扱っていて、希望の大きさでつくる幕も注文できます。建物に合わせた幕や、取り付けの工事まで頼みたいときは、写真からご相談ください。

幕は、防炎のものでなければいけませんか?

屋外に掲げる懸垂幕や横断幕は、消防法で防炎の性能が義務づけられている品目には挙がっていません。ただ、工事中の建物に張る工事用シートや、劇場などの舞台で使う幕は品目に入ります。建物の中に下げる装飾の幕は、防炎のものを求められることがあるため、建物や会場の決まりを確かめて、必要なら防炎加工の生地を選びます。

参考にした資料

この記事について

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運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)

監修:横田悠介(屋外広告士)

看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。

懸垂幕・横断幕のご相談は、掲げたい場所の写真からどうぞ。

懸垂幕・横断幕も製作から取り付けまでご依頼を受けていて、内容に応じてグループの工場か協力会社で製作します。建物やフェンスの写真があれば、幕の大きさ・素材・取り付け方と、許可が必要かをご案内します。屋上からつる取り付けの工事も、あわせてご相談ください。

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受付時間 9:00〜17:30(土日祝・年末年始除く)

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