看板の固定資産税は?償却資産の申告の区分・期限と、撤去・移設のとき
年末に償却資産の申告書が届いて、看板も書くのかと迷ったら。事業に使う看板は固定資産税の償却資産として、毎年1月1日に持っているものを、1月31日までに看板がある市町村へ申告するのが基本です。免税点は令和9年度分から150万円が180万円に上がり、撤去・移設・架け替えをした年は、次の申告で減った看板と増えた看板を書きます。看板の台帳の整理と、工事の記録やお見積りは、グリーンクロスにまとめてご相談いただけます。
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この記事のポイント
- 01事業に使う看板は、毎年1月1日に持っているものを、1月31日までに看板がある市町村へ申告します
- 02市町村の手引きは、屋上看板などの広告設備や広告塔を構築物、看板・ネオンサインを工具・器具及び備品の例に挙げています
- 03少額の減価償却資産や一括償却資産にした看板は対象外です。中小企業者等の特例(2026年4月以後の取得は40万円未満)で経費にした看板は、申告の対象です
- 04免税点は、課税標準額の合計で150万円です。令和9年度分(2027年1月1日現在の資産)からは180万円に上がります
- 05看板の台帳の整理から、撤去・移設・架け替えの工事と完了の記録まで、全国でひとつの窓口でお受けします
事業に使う看板は、償却資産として毎年1月に申告します
償却資産とは、土地と家屋のほかの、事業に使うことができる資産で、減価償却の費用が法人税や所得税の計算で経費になるもののことです。特許権などの無形の資産、政令で決める少額の資産、自動車税・軽自動車税がかかる車は除きます(地方税法第341条第4号)。事業に使う看板はこれに当たることが多く、毎年1月1日に持っているものを、1月31日までに看板がある市町村へ申告します。
固定資産税は、土地・家屋・償却資産にかかる市町村の税です。土地と家屋は登記などをもとに課税されますが、償却資産は、持ち主が出した申告をもとに台帳に登録して課税されます(総務省「固定資産税の概要」)。看板は、市町村の申告の手引きでも、申告する資産の例に挙がっています。
申告する人
- 決まり
- 1月1日に、事業に使う償却資産を持っている会社・個人
- もと
- 地方税法 第383条
申告する資産
- 決まり
- 1月1日に持っている償却資産。所在・種類・数量・取得時期・取得価額・耐用年数などを書く
- もと
- 第383条
期限と申告先
- 決まり
- 1月31日まで(休日なら翌日)に、資産がある市町村へ。東京都の23区は、都税事務所へ
- もと
- 第383条・第20条の5・東京都主税局
免税点(令和8年度分まで)
- 決まり
- 同じ市町村にある資産の課税標準額の合計が、150万円に満たないと、原則として課税されない
- もと
- 第351条
免税点(令和9年度分から)
- 決まり
- 2027年1月1日現在の資産から、合計が180万円に満たないと、原則として課税されない
- もと
- 総務省・名古屋市
税率
- 決まり
- 標準税率は1.4%
- もと
- 総務省
申告しないとき
- 決まり
- 正当な理由なく申告しないと、条例で10万円以下の過料を科されることがある。虚偽の申告は、1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金
- もと
- 第386条・第385条
地方税法の条文(e-Gov の法令データ)と、総務省「固定資産税の概要」、東京都主税局の案内で確かめました(2026年10月26日)。申告書の様式と書き方は、市町村の手引きで確かめます。
免税点は、同じ人が同じ市町村に持っている償却資産をすべて合計して判定します。看板だけでなく、店の設備やパソコンなども合わせた合計です。政令指定都市と東京23区は、区を1つの市とみなして、区ごとに合計します(地方税法第737条。名古屋市の案内も同じ区内の合計)。
法令・ルール:免税点は、令和9年度分から180万円に上がります
令和8年度の税制改正で、償却資産の免税点を150万円から180万円に引き上げることが決まりました(地方税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第2号)による第351条の改正)。使われるのは令和9年度分(2027年1月1日現在の資産。1月31日が日曜日のため、申告の期限は2027年2月1日(月))からで、令和8年度分までは150万円です(総務省「固定資産税の概要」、名古屋市の案内)。
補足:このページについて
2026年10月26日時点の地方税法の条文と、総務省・東京都・市町村の案内をもとに、看板にかかわる決まりをまとめています。私たちは税理士ではないため、実際の申告は、顧問の税理士や、看板がある市町村の資産税の窓口(東京23区は都税事務所)で確かめてください。
屋上の広告塔は構築物、看板・ネオンサインは器具及び備品の例です
申告では、資産を構築物や工具・器具及び備品など6つの種類に分けて書きます。市町村の手引きは、屋上看板などの広告設備や広告塔・野立看板を構築物の例に、看板・ネオンサインを工具・器具及び備品の例に挙げています。
屋上の広告塔・野立看板
- 申告の種類と耐用年数
- 1 構築物。金属造は20年、ほかは10年
- 手引きの例示
- 屋上看板等の広告設備(名古屋市・さいたま市)、野立看板・広告塔(大和市)、金属造の広告塔(神戸市)、看板(広告塔等)(東京都)
看板・ネオンサイン
- 申告の種類と耐用年数
- 6 工具、器具及び備品(3年)
- 手引きの例示
- 看板・ネオンサイン(神戸市・大和市)、館銘看板・ネオンサイン(名古屋市)、看板(ネオンサイン等)(東京都)、看板(さいたま市)
壁面看板・袖看板・デジタルサイネージ
- 申告の種類と耐用年数
- つくりで判断。区分によって耐用年数も変わる
- 手引きの例示
- 袖看板は、東京都が申告の対象の例に挙げている(種類の記載はない)。国税の通達にも直接の記述がないため、決算の区分とそろえる
種類の番号は、申告書(種類別明細書)に書く番号です(神戸市の手引き:構築物-1、工具、器具及び備品-6)。耐用年数は、国税と同じ「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表によります(神戸市の手引き)。
- 屋上の広告塔屋上に設けた広告塔や、屋上看板などの広告設備です。手引きは、構築物の例に挙げています。
- 敷地に立てる看板地面に建てる広告塔や野立看板は、構築物の例です。店の敷地の自立看板がどちらに当たるかは、つくりで考えます。
- 壁面の看板建物の名前や店名の看板です。名古屋市は「館銘看板」を工具・器具及び備品の例に挙げ、看板・ネオンサインを、自分の建物でも借りた建物でも償却資産としています。壁面看板の種類は、つくりで判断が分かれます。
- ネオンサイン工具・器具及び備品の例に挙がっています(耐用年数3年)。
- 店の中の内装と設備テナントが借りた建物に付けた内装や、照明・配線などの設備は、テナントが償却資産として申告する扱いがあります(特定附帯設備)。
- 置き看板少額の減価償却資産として買った年に全額を経費にした看板や、一括償却資産にした看板は、申告の対象になりません。中小企業者等の特例で経費にした看板と、資産に計上して減価償却している看板は対象です。
店舗と敷地の看板を、市町村の手引きの例示に当てはめた模式図です。実際の区分は、看板のつくりと、決算での処理で決まります。
区分は、国税の減価償却と同じ考え方で決めます。国税庁の耐用年数通達は、野立看板や広告塔のように広告のために構築された工作物を構築物とし、広告用のネオンサインを器具及び備品としています。壁面看板や袖看板は、通達にも直接の記述がありません。決算で使っている区分と申告の区分をそろえ、迷うときは税理士に確かめます。区分の考え方は、看板の耐用年数の記事で整理しています。

敷地の入口に立つ自立看板(三和ホーム) 
フラスコなどの形をかたどったネオンサイン
いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。地面に立てる看板と、ネオンサイン。同じ看板でも、つくりと決算での処理で、申告の種類が変わります。
申告の対象かどうかは、看板を買ったときの経理の処理で決まります
取得価額10万円未満などの少額の看板を買った年に全額を経費にしたものと、一括償却資産として3年で均等に償却しているものは、申告の対象になりません(地方税法施行令第49条)。中小企業者等の少額減価償却資産の特例で、一度に経費にした看板は申告の対象です。
少額の減価償却資産として、全額を経費にした(10万円未満など)
- 償却資産の申告
- 対象外
- もと
- 地方税法施行令 第49条
一括償却資産として、3年で均等に償却(20万円未満)
- 償却資産の申告
- 対象外
- もと
- 地方税法施行令 第49条
中小企業者等の特例で、全額を経費にした(2026年4月以後の取得は40万円未満)
- 償却資産の申告
- 対象
- もと
- 名古屋市・神戸市・東京都主税局の案内
資産に計上して、個別に減価償却している
- 償却資産の申告
- 対象(20万円未満でも)
- もと
- 東京都主税局
償却が終わった・帳簿に載っていない
- 償却資産の申告
- 事業に使える状態なら対象
- もと
- 名古屋市・神戸市
使うのをやめて、残している
- 償却資産の申告
- いつでも使える状態なら対象
- もと
- 名古屋市
特例の上限は、2026年4月1日以後の取得から40万円未満です(それより前の取得は30万円未満。国税庁 No.5408)。神戸市の手引きは、改正前の30万円未満で書いています。特例を使える会社の条件は、国税庁の資料で確かめます。
同じ金額の看板でも、決算での処理によって、申告の対象になるかが分かれます。一括償却資産にした看板は対象外で、特例で一度に経費にした看板は対象です。決算書の固定資産の明細と、看板の請求書を見比べて確かめます。
ポイント:特例で経費にした看板も、申告に載せます
施行令第49条が申告の対象から外しているのは、法人税法施行令第133条・第133条の2(個人は所得税法施行令第138条・第139条)で経費にした資産です。中小企業者等の少額減価償却資産の特例は、ここに入っていません。そのため、買った年に全額を経費にしていても、償却資産として申告します(名古屋市・神戸市)。金額の基準は、看板の耐用年数の表で整理しています。
申告の前に、経理と確かめること
- 取得の年月と取得価額(看板ごと)
- 決算での処理(減価償却・一括償却・特例)
- 資産の種類(構築物か、器具及び備品か)と耐用年数
- 看板がいまある市町村(移したなら移した先)
- 前の年に外した看板と、売ったり譲ったりした看板
- リースや分割払いで付けた看板の持ち主
取得価額の出し方と消費税の扱いは、原則として法人税と同じです(神戸市の手引き)。取得価額に入れる費用の範囲は、税理士に確かめます。
テナントの看板は、持ち主のテナントが申告します
償却資産を申告するのは、その資産の持ち主です。テナントが自分の費用で付けた看板は、テナントが申告します。リースの看板は、原則としてリース会社が申告します。
テナントが付けた看板
- 申告する人
- 看板を持っているテナント
- 資料
- 看板・ネオンサインは、自分の建物でも借りた建物でも償却資産(名古屋市)
建物の持ち主が付けた看板
- 申告する人
- 建物の持ち主
- 資料
- 資産の持ち主が申告する(第383条)
テナントが付けた内装・電気の設備
- 申告する人
- テナント(市町村の扱いによる)
- 資料
- 第343条第10項。名古屋市・船橋市・柏市の案内
リースの看板
- 申告する人
- 原則として、リース会社
- 資料
- 名古屋市・神戸市・さいたま市
割賦(分割払い)で買った看板
- 申告する人
- 原則として、買った人(使っている人)
- 資料
- 所有権留保付の割賦販売(名古屋市・大和市)
土地を借りて立てた野立看板
- 申告する人
- 看板の持ち主
- 資料
- 土地は、登記簿などに載っている土地の持ち主に課税(第343条第2項)
リースや割賦の扱いは、契約の内容で変わることがあります(柏市)。契約書で、看板の持ち主を確かめます。
テナントが借りた建物に付けた内装や、電気・給排水の設備は、建物にくっついて(付合して)、建物の持ち主のものになることがあります。地方税法第343条第10項は、こうした設備(特定附帯設備)について、取り付けた人を持ち主とみなして、償却資産として課税することが「できる」と定めています。
名古屋市・船橋市・柏市は、借りた建物に事業のために付けた内装や設備を、テナントが申告するよう案内しています。この扱いは市町村が決めるもので、神戸市は市税条例に定めています。看板と一緒に内装の工事をしたときは、市町村の手引きで確かめます。

補足:1つの看板で、持ち主が分かれることもあります
ビルの袖看板の枠をビルの持ち主が用意し、表示面をテナントが用意するように、1つの看板で持ち主が分かれることがあります。どこまでがだれの資産かは、賃貸借の契約や看板の取り付けの取り決めで確かめ、それぞれが自分の分を申告します。退去のときに外す範囲も、同じ契約で決まります。テナントの看板の決まりは、テナント看板の出し方の記事でまとめています。
撤去・移設・架け替えをしたら、次の申告で、減った看板と増えた看板を書きます
申告は1月1日の状態で出すため、前の年の1月2日から1月1日までに外した看板は減少、付けた看板は増加として、次の申告に書きます。年の途中で撤去しても、その年度の税額は変わりません。
- 看板を付けた前の年の1月2日から1月1日までに付けた看板は、増加として申告します(神戸市の手引き)。
- 看板を外した撤去した看板は、種類別明細書(減少資産用)に書き、減少の理由を売却・滅失(廃棄)・移動などから選びます。前の年より前に外していた看板(申告漏れ)は、廃棄などの年月も書きます(神戸市の手引き)。
- 別の市町村へ移した元の市町村には、減少(移動)として移した年月と行き先を書き、移した先の市町村には、増加として申告します(神戸市・大和市)。
- 1月1日賦課期日です。この日に持っている看板に、その年度の固定資産税がかかります。年の途中で手放しても、その年度の税額は変わりません(名古屋市)。
- 1月31日申告の期限です(休日なら翌日)。前の年に申告した人には、市町村から申告書が届きます(名古屋市は12月初旬)。
- 評価と課税市町村が評価額を決め、課税標準額の合計が免税点以上なら、納税通知書が届きます。
1年の流れと、看板の動きを示した模式図です。申告書の名前と書き方は、市町村の手引きで確かめます。
新しく付けた
- 次の申告で書くこと
- 増加資産。取得の年月・取得価額・耐用年数
- 残しておく記録
- 見積書・請求書、完了の写真
撤去した
- 次の申告で書くこと
- 減少資産。理由は滅失(廃棄)。申告漏れなら廃棄の年月も
- 残しておく記録
- 撤去の完了の写真と日付、処分の記録
別の市町村へ移した
- 次の申告で書くこと
- 元の市町村に減少(移動)、移した先の市町村に増加
- 残しておく記録
- 移した日付と、移した先の住所
架け替えた
- 次の申告で書くこと
- 外した看板を減少、新しい看板を増加
- 残しておく記録
- 外した看板と新しい看板の見積書・写真
表示面の交換・LED化
- 次の申告で書くこと
- 資本的支出として資産に計上したなら、本体と分けた資産として増加
- 残しておく記録
- 工事の内容が分かる見積書
前の店の看板を買い取った
- 次の申告で書くこと
- 買った人は増加(中古の耐用年数は手引きどおり)、売った人は減少(売却)
- 残しておく記録
- 譲り受けの取り決めと、看板の写真
神戸市の手引きの減少の理由(売却・滅失(廃棄)・移動・その他)と資本的支出の扱い、大和市の手引きの増加の理由(移動による受け入れ)をもとにまとめました。修繕費か資本的支出かは、原則として法人税の扱いと同じで、決算での処理にそろえます。迷うときは税理士に確かめます。
撤去の日が1月1日の前か後かで、その年の申告に看板が載るかが変わります。外した日が分かるよう、工事の完了の写真と日付を残しておくと、申告と台帳をそろえやすくなります。屋外広告物の許可を受けていた看板は、税の申告とは別に、除却の届出をするのが原則です。届出の決まりは、看板の撤去の記事で地域ごとに比べられます。

評価額は、取得価額から毎年減り、取得価額の5%で止まります
償却資産の評価額は、固定資産評価基準にもとづき、取得価額と耐用年数に応じた減価率で毎年計算します。前の年に取得した看板は半年分だけ減らし、評価額は取得価額の5%を下回りません。
前の年に取得した看板は「取得価額 ×(1 − 減価率 ÷ 2)」、それより前に取得した看板は「前の年度の評価額 ×(1 − 減価率)」で計算します。看板ごとの評価額をもとに課税標準額を出し、市町村ごと(政令指定都市と東京23区は区ごと)に合計して税率をかけます(神戸市・宝塚市・東京都の案内)。名古屋市は、区ごとに合計して1,000円未満を切り捨て、税率100分の1.4をかけて100円未満を切り捨てると案内しています。
- 取得価額看板を手に入れたときの価額です。出し方と消費税の扱いは、原則として法人税と同じです(神戸市)。
- 最初の年前の年に取得した看板は、取得の月にかかわらず、減価率の半分だけ減らします(半年分)。
- 次の年から前の年度の評価額に(1 − 減価率)をかけて、毎年減らします。
- 下限は取得価額の5%計算した評価額が取得価額の5%を下回るときは、5%にとどめます。
耐用年数3年の減価率(0.536)で描いた模式図です。棒の高さは取得価額に対する割合で、金額の例ではありません。
3年
- 看板の例(耐用年数省令)
- 看板、ネオンサイン
- 減価率
- 0.536
- 最初の年
- 0.732
- 次の年から
- 0.464
5年
- 看板の例(耐用年数省令)
- その他の広告器具(主として金属製以外)
- 減価率
- 0.369
- 最初の年
- 0.815
- 次の年から
- 0.631
10年
- 看板の例(耐用年数省令)
- 広告用の構築物(金属造以外)など
- 減価率
- 0.206
- 最初の年
- 0.897
- 次の年から
- 0.794
20年
- 看板の例(耐用年数省令)
- 広告用の構築物(金属造)
- 減価率
- 0.109
- 最初の年
- 0.945
- 次の年から
- 0.891
「最初の年」は(1 − 減価率 ÷ 2)、「次の年から」は(1 − 減価率)の値です。10年の行の「など」は、主として金属製の広告器具です。神戸市と宝塚市の申告の手引きの、減価残存率表で確かめました。
計算のしかたは、国税の減価償却と違います。決算の帳簿価額と、償却資産の評価額は一致しません(神戸市の手引きの比較)。
- 償却の期間:国税は事業年度(個人は暦年)。償却資産は暦年で、毎年1月1日の状態を評価する
- 取得した年の減らし方:国税は月割り。償却資産は、取得の月にかかわらず半年分
- 償却の方法:償却資産の評価は、定率法だけで計算する
- 圧縮記帳・特別償却:国税では認められても、償却資産の評価では認められない
- 下限:国税は帳簿価額1円まで。償却資産は取得価額の5%
ポイント:国税で償却が終わった看板も、評価額は残ります
耐用年数3年の看板は、国税の帳簿では数年で償却が終わります。償却資産の評価額は取得価額の5%で止まるため、事業に使っているあいだは、申告に載せ続けます(名古屋市・船橋市)。
多店舗は、看板がある市町村ごとに申告し、台帳でそろえます
償却資産は、看板がある市町村ごとに申告し、免税点も市町村ごとの合計で判定します。看板を台帳にまとめ、所在・種類・取得の年月・取得価額をそろえておくと、毎年の申告と、撤去や移設の増減を確かめやすくなります。
- 店舗ごとの看板看板がある市町村へ、それぞれ申告します。東京23区は、資産がある区の都税事務所に出します(東京都主税局)。
- 市町村ごとの合計免税点は、同じ人が同じ市町村に持っている資産の合計で判定します(第351条)。政令指定都市と東京23区は、区ごとに合計します(第737条)。
- 本社の看板の台帳看板ごとに、所在・種類・取得の年月・取得価額・耐用年数をそろえ、撤去や移設の記録を書き足します。
- 電子申告(eLTAX)地方税の電子申告のしくみ(eLTAX)で申告できます(名古屋市)。申告書は、提出先の市町村(政令指定都市と東京23区は区)ごとに分けて出します(神戸市・東京都主税局)。申告先の市町村からプレ申告データ(前の年の申告などをもとに、一部の項目が入ったデータ)が送られてきたときは、それを使って作ることもできます(地方税共同機構)。
多店舗の看板の申告の流れを示した模式図です。左の区域は、区に分かれた政令指定都市を表しています。
看板の台帳に、申告のために足しておく項目
- 所在地と申告先の市町村(政令指定都市と東京23区は区)
- 資産の種類(構築物か、器具及び備品か)
- 取得の年月と取得価額
- 耐用年数と、決算での処理
- 看板の持ち主(自社・建物の持ち主・リース会社)
- 撤去・移設・架け替えの日付と写真
地方税法第383条が申告する事項に挙げる所在・種類・数量・取得時期・取得価額・耐用年数を、台帳の項目にそろえた例です。
看板の台帳と、経理の固定資産の明細がずれると、外した看板が申告に残ったり、新しい看板が漏れたりします。撤去・移設・架け替えの工事のたびに、完了の写真と日付を台帳に書き足すところまでを、決まった手順にしておきます。許可の期限や点検の記録もそろえた台帳の作り方は、多店舗の看板管理の記事で紹介しています。
迷いやすいのは、免税点未満・償却済み・確定申告との関係です
国税で償却が終わった看板も、事業に使っていれば申告の対象です。免税点に満たなくても申告を求める市町村があり、税務署への確定申告とは別の手続きです。申告を忘れた年度は、その年度の申告書を出して直します。
- 免税点に満たない:課税はされませんが、神戸市と宝塚市は、免税点未満でも申告が必要としています。名古屋市は、資産の増減がなくても申告が要るとしています。
- 国税で償却が終わった:事業に使っている看板は、償却が済んでいても申告の対象です。評価額は取得価額の5%を下回りません(名古屋市・船橋市)。
- 確定申告をした:税務署への確定申告と、市町村への償却資産の申告は、別の手続きです(名古屋市・船橋市)。
- 使っていない看板:手入れをして、いつでも使える状態で残している看板は、使っていなくても対象です(名古屋市)。外すなら、撤去と減少の申告までを1つの予定にします。
- 期限が土日:1月31日が日曜日や祝日に当たるときは、その翌日が期限になります(地方税法第20条の5第2項)。名古屋市は、土曜・日曜のときは翌開庁日までと案内しています。2027年の1月31日は日曜日のため、期限は2月1日(月)です。

法令・ルール:申告を忘れた年度は、その年度の申告書を出して直します
名古屋市は、増えた資産や減った資産を申告し忘れたときは、その年度の申告書を出すよう案内しています。最新の年度の申告書に書き添えただけでは、原則として、さかのぼって課税を直さないとしています。申告漏れは、さかのぼって課税されることがあります。さかのぼるのは原則として5年度分までで、偽りなどの不正があったときは7年度分までです(地方税法第17条の5。東京都主税局・神戸市の手引き)。
看板の台帳の整理から、撤去・移設の工事と記録まで、ひとつの窓口でお受けします
グリーンクロスは、店舗ごとの看板の確認と台帳の整理、撤去・移設・架け替えの工事、完了の写真と日付の記録、仕様と工事の範囲を明記したお見積りまで、まとめてお受けします。全国61拠点のネットワークと47都道府県での屋外広告業の登録で、各地の店舗の看板も窓口ひとつで進められます。
償却資産の申告は、お客様(顧問の税理士)が市町村へ行う手続きです。看板の会社が役に立てるのは、申告のもとになる看板の情報をそろえることです。どこに、どんな看板が、いつから付いていて、いつ外したか。看板を作って付けて点検している会社なら、現地と図面と工事の記録から、看板ごとに整えられます。グリーンクロスは、全国に店舗を展開する企業にも、この規模から選ばれています。
店舗ごとの看板を、台帳に整理して管理します現地で種類・寸法・設置の状況・許可の有無を確かめ、管理台帳として使える形に整理します。点検の報告書や修繕の履歴も、あわせて管理します。全国・多店舗の一括対応を見る
撤去・移設・架け替えの工事と記録完了の写真と日付を残し、処分と補修の範囲はお見積りに明記します。夜間や土日祝の工事もできます。看板撤去・架け替えを見る
写真は、グリーンクロスグループの拠点のスタッフと、施工の現場です。
ご相談からの進み方
- 1
店舗の一覧と写真を送る
店舗の一覧(Excel・CSV)や、看板の写真と設置場所の住所をお送りください。写真から概算もお出しできます。
- 2
現地で看板を確かめる
看板の種類・寸法・設置の状況・許可の有無を、店舗ごとに確かめます。
- 3
台帳に整理する
確かめた結果を、管理台帳として使える形に整理します。取得の年月と取得価額の欄も用意しておけば、経理のご担当や顧問の税理士が、請求書や固定資産の明細から書き足せます。私たちが工事をした看板は、見積書と完了の日付をお出しします。
- 4
工事と記録
撤去・移設・架け替えの工事を行い、完了の写真と日付を記録に残します。取り付けや撤去の年月を、この記録で確かめられます。
- 5
点検と管理
屋外広告士が点検し、自治体の様式に沿って報告書を作成します。多店舗では、看板管理システム「ONE SIGN VIEW」で、店舗情報・点検報告書・修繕履歴をまとめて管理できます。
補足:税の判断と申告は、税理士と市町村の窓口へ
看板の区分や耐用年数、資本的支出か修繕費かの判断、申告書の作成と提出は、顧問の税理士や市町村の資産税の窓口でご確認ください。私たちがお出しするのは、判断に要る看板の情報と、工事の見積書・写真の記録です。
よくあるご質問
看板にも固定資産税はかかりますか?
事業に使う看板は、固定資産税の償却資産として申告する資産に当たることが多く、市町村の手引きにも例として挙がっています。毎年1月1日に持っている看板を1月31日までに市町村へ申告し、課税標準額の合計が免税点以上なら課税されます。少額の看板を一度に経費にした場合(中小企業者等の特例を使った場合を除く)など、申告の対象にならないものもあります。
看板は構築物と器具備品のどちらですか?
市町村の手引きは、屋上看板などの広告設備や広告塔・野立看板を構築物の例に、看板・ネオンサインを工具・器具及び備品の例に挙げています。壁面看板や袖看板は国税の通達にも直接の記述がなく、つくりで判断が分かれるため、決算の区分とそろえて税理士に確かめてください。
テナントで付けた看板は、だれが申告しますか?
看板の持ち主が申告します。テナントが自分の費用で付けた看板は、テナントの償却資産です。借りた建物に付けた内装や電気の設備も、テナントが申告する扱いがあります(地方税法第343条第10項。名古屋市・船橋市など)。
リースの看板は申告が必要ですか?
原則として、持ち主のリース会社が申告し、借りている側は申告しません。所有権留保付の割賦販売のように、契約の形によっては、使っている側が申告します。契約書で確かめてください。
看板を撤去したら、償却資産の申告は?
次の1月の申告で、撤去した看板を減少資産として書き、減少の理由(滅失(廃棄)など)を選びます。1月1日に看板がなければ、その年度の申告には載りません。年の途中で撤去しても、その年度の税額は変わりません。屋外広告物の許可を受けていた看板は、別に除却の届出をするのが原則です。
免税点の150万円未満なら、申告しなくてよいですか?
申告を求める市町村があります。免税点に満たなければ課税はされませんが、神戸市や宝塚市は、免税点未満でも申告が必要としています。免税点は、令和9年度分(2027年1月1日現在の資産)から180万円に上がります。
償却資産の申告をしないと、どうなりますか?
正当な理由なく申告しないと、市町村の条例で10万円以下の過料を科せる決まりがあり(地方税法第386条)、虚偽の申告は1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金です(第385条)。申告漏れは、原則として5年度分まで、さかのぼって課税されることがあります(不正があったときは7年度分まで。東京都主税局)。
個人事業主の看板も申告しますか?
はい。償却資産の申告は、会社でも個人でも、事業に使う資産を持っている人が対象です(柏市の案内)。税務署への確定申告とは別に、市町村へ申告します。
参考にした資料
- 地方税法(昭和25年法律第226号)(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第20条の5第2項(期限が休日のとき)、第341条第4号(償却資産の定義)、第343条第2項・第3項・第10項(所有者・特定附帯設備)、第351条(免税点)、第383条(償却資産の申告)、第385条・第386条(罰則・過料)、第737条(特別区と指定都市の区)。e-Gov の法令APIで条文を確認
- 民法(明治29年法律第89号)(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第142条(期間の末日が日曜日・祝日などに当たるとき)。e-Gov の法令APIで条文を確認
- 地方税法施行令(昭和25年政令第245号)(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第49条(申告の対象から外す少額の資産・一括償却資産、リース資産)
- 総務省「固定資産税の概要」(別のタブで開きます)納税義務者・課税標準・標準税率・賦課期日、免税点(令和9年度以後の年度分は償却資産180万円)、評価(取得価額の5%の最低限度)
- 総務省「税制改正(地方税)」(別のタブで開きます)令和8年度税制改正:地方税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第2号)
- 総務省「地方税法等の一部を改正する法律要綱」(令和8年法律第2号)(別のタブで開きます)償却資産の免税点を180万円(改正前は150万円)に引き上げ(第351条関係)
- 総務省 事務連絡「令和8年度地方税制改正・地方税務行政の運営に当たっての留意事項等について」(令和8年1月21日)(別のタブで開きます)償却資産の免税点を180万円に引き上げ、令和9年度以後の年度分から適用
- 東京都主税局「固定資産税(償却資産)」(別のタブで開きます)看板(広告塔等)・看板(ネオンサイン等)の例、業種別の例示(看板(広告塔、袖看板、ネオンサイン))、中小企業者等の特例の適用資産、申告先(区の都税事務所ごと)、区ごとの合算、免税点、評価の方法、さかのぼって課税する年度(5年度分・不正は7年度分)
- 名古屋市「償却資産の申告対象についてのご質問」(2026年10月1日更新)(別のタブで開きます)遊休資産・償却済資産・簿外資産、テナントの設備(特定附帯設備)、少額資産・一括償却・中小企業者の特例、リース資産
- 名古屋市「償却資産の申告についてのご質問」(2026年10月1日更新)(別のタブで開きます)期限と提出先、eLTAX、増減がないときの申告、申告漏れ・除却漏れの直し方、過料と罰則、確定申告との関係
- 名古屋市「償却資産のその他のご質問」(2026年10月1日更新)(別のタブで開きます)区ごとの免税点(令和9年度以降は180万円)と税額の計算、年の途中で手放したときの扱い
- 名古屋市「飲食店を開業される方へ <固定資産税(償却資産)のお知らせ>」(別のタブで開きます)屋上看板等の広告設備・館銘看板・ネオンサインの例、家屋と償却資産の区分、特定附帯設備(第343条第10項)
- 神戸市「令和8年度 償却資産(固定資産税)申告の手引」(令和7年12月)(別のタブで開きます)看板・ネオンサイン・金属造広告塔の例、申告の対象と対象外(中小企業者等の特例は改正前の30万円未満で記載)、免税点の判定と申告は区ごと、減少の事由と書き方、評価の式と減価残存率表、国税との違い
- 宝塚市 令和8年度 償却資産申告の手引(評価方法)(別のタブで開きます)評価額の計算と減価率の表、免税点未満の申告
- 大和市「令和8年度 償却資産申告の手引」(別のタブで開きます)野立看板・広告塔(屋上施工を含む)と看板・ネオンサインの例、増加の理由(移動による受け入れ)、割賦販売資産
- さいたま市「償却資産の申告について(飲食業を営んでいる皆様へ)」(令和7年7月31日)(別のタブで開きます)屋上看板等広告設備・看板の例、申告書と種類別明細書、リース資産
- 船橋市「償却資産のよくある質問について」(2026年8月25日更新)(別のタブで開きます)増減がないときの申告、備忘価額の資産、確定申告との関係、テナントの内装や設備(第343条第10項)
- 柏市「償却資産の概要」(2024年10月7日更新)(別のタブで開きます)申告する人、屋上看板などの広告設備、テナントの内装・設備、リース資産
- 地方税共同機構「固定資産税(償却資産)を電子申告するには」(別のタブで開きます)eLTAX での申告データの作り方、プレ申告データ(申告先の市町村から送られる、前年の申告などをもとにしたデータ)
- 国税庁 耐用年数の適用等に関する取扱通達 第2章第3節(2-3-5)(別のタブで開きます)構築物の「広告用のもの」(野立看板・広告塔など。建物の屋上などに特別に施設されたものを含む)。注:広告用のネオンサインは器具及び備品の「看板及び広告器具」
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数(器具・備品)(その1)」(別のタブで開きます)看板及び広告器具(看板、ネオンサイン、気球 3年、その他のもの 主として金属製 10年・それ以外 5年)
- 国税庁 タックスアンサー No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(別のタブで開きます)令和8年4月1日以後の取得は40万円未満(改正前は30万円未満)。令和8年4月1日現在法令等
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




