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業種・場所ごとの看板

飲食店の掲示物の一覧。営業許可証・食品衛生責任者・喫煙の標識と、メニューの総額表示

飲食店を開くときや改装するとき、入口や店の中に何を掲げればよいかで迷うことがあります。喫煙室を置く店の喫煙の標識(健康増進法)と、価格を示すときの税込みの総額表示(消費税法)は、全国で同じ決まりです。営業許可証や食品衛生責任者の氏名の掲示は、自治体の条例や規則で決まり、地域で違います。グリーンクロスでは、店頭の看板から掲示用のプレートまで、まとめてご相談いただけます。

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GREEN MEDIA(グリーンクロス)
赤い外壁に店名とロゴを入れた、蒙古タンメン中本の店舗
グリーンクロスグループが手がけた看板(蒙古タンメン中本)。外壁の店名とロゴのほか、入口の扉のガラスに、営業時間などの表示が入っています。

この記事のポイント

  • 01喫煙室を置く店は、喫煙室の出入口と店の主たる出入口に、標識を掲げます(健康増進法)。喫煙室には、従業員を含めて、20歳未満の人は入れません
  • 02営業許可証と食品衛生責任者の氏名の掲示は、自治体の決まりです。たとえば責任者の氏名の掲示は、広島市は細則で義務、千葉市は努力義務と、地域で違います
  • 03メニューや店頭の看板の価格は、原則として税込みの総額で表示します(消費税法 第63条。納税義務が免除される事業者を除く)。店内飲食とテイクアウトで価格が違うときは、書き方を選んで、店内で案内します
  • 04メニューの料理名や説明も、景品表示法の対象です。「自家製」「手打ち」などの言葉は、実際の作り方と合っているかを確かめます
  • 05開業・改装の看板一式と掲示用のプレートの製作、制度が変わったときの全店舗の差し替えも、写真1枚から無料でご相談いただけます

飲食店の掲示物は、全国共通の決まりと、地域の決まりに分けて考えます

飲食店の掲示物とは、店の入口や店の中に掲げる、許可・責任者・喫煙・価格などの案内のことです。喫煙の標識と価格の総額表示は全国共通の法律で、営業許可証と食品衛生責任者の氏名の掲示は、自治体の条例や規則で決まります。自分の店にかかわるものを先に整理すると、内装の工事のあとで掲げる場所に困りません。

開業の準備では、営業許可の手続き、内装の工事、看板の製作が同時に進みます。掲示物は後回しにされがちですが、掲げる壁や入口の位置は、内装の図面の段階で決めておくと納まりがきれいです。この記事では、店の入口と店の中に掲げるものに絞って紹介します。店の外の看板の選び方は、飲食店の看板でまとめています。

図1飲食店の掲示の位置の例(上から見た図)
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  1. 店の入口の標識喫煙室を置く店は、店の主たる出入口に、喫煙室があることを示す標識を掲げます。東京都は、禁煙の店にも店頭の表示を求めています。
  2. ガラス面・置き看板営業時間やメニュー、価格を示します。価格は、原則として税込みの総額で書きます。置き看板は、敷地の中に置きます。
  3. レジの近くの壁営業許可証と、食品衛生責任者の氏名を掲げる例です。掲示の決まりは、自治体ごとに違います。
  4. 喫煙室の出入口喫煙室の種類と、20歳未満の人が立ち入れないことを示す標識を掲げます。
  5. 客席のメニュー価格は総額で書きます。店内飲食とテイクアウトで価格が違うときは、書き方を決めて案内します。
  6. 消火器と標識消火器を置いた場所の見やすい位置に、「消火器」の標識を付けます。
  7. 敷地の境界点線の下は道路です。置き看板やのぼりは、敷地の中に置きます。

考え方を示す模式図です。標識と掲示は、見やすいように大きく描いています。掲げる場所は、店の形と地域の決まりで変わります。

表1飲食店の主な掲示物と、決まりのもと
  • 喫煙室の標識と、店の入口の標識

    決まりのもと
    健康増進法(喫煙室を置く店)
    掲げる場所
    喫煙室の出入口と、店の主たる出入口
    地域の違い
    全国共通。東京都は、禁煙の店にも店頭の表示を求める
  • 価格の表示(総額表示)

    決まりのもと
    消費税法 第63条
    掲げる場所
    メニュー、店頭の看板、ポスターなど、価格を示すところ
    地域の違い
    全国共通
  • 営業許可証

    決まりのもと
    自治体の条例・規則など
    掲げる場所
    施設の見やすい場所
    地域の違い
    地域で違う
  • 食品衛生責任者の氏名

    決まりのもと
    自治体の条例・規則・要綱
    掲げる場所
    施設の見やすい場所
    地域の違い
    地域で違う(義務・努力義務)
  • 消火器の標識

    決まりのもと
    消防法施行規則 第9条第4号
    掲げる場所
    消火器を置いた場所の見やすい位置
    地域の違い
    大きさと色は、消防本部の基準
  • 酒類販売管理者の標識

    決まりのもと
    酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律 第86条の9(お酒の小売業者)
    掲げる場所
    販売場の、公衆の見やすい場所
    地域の違い
    全国共通

法令と、国・自治体の資料をもとにまとめました。営業許可そのものは、食品衛生法 第55条によります。掲示の決まりで迷うときは、内容ごとの窓口で確かめます(営業許可・食品衛生責任者・喫煙の標識は店の所在地の保健所など、消火器は所轄の消防署)。

営業許可証と食品衛生責任者の掲示は、自治体の決まりで、地域で違います

飲食店の営業には、食品衛生法 第55条の営業許可が要ります。営業許可証と食品衛生責任者の氏名を掲げる決まりは、自治体の条例・規則・要綱や、手続きの案内にあります。義務とする自治体と努力義務とする自治体があり、大きさを示す自治体もあります。

飲食店の営業許可は、食品衛生法 第55条によるものです。2021年6月1日の改正法の施行で、許可の業種は34業種から32業種に再編されました。許可のいらない営業も、一部を除いて、保健所への届出が必要になりました(厚生労働省の資料)。許可の手続きと、掲示の決まりは、店の所在地の保健所で確かめます。

食品衛生責任者は、食品衛生法施行規則 別表第17 第1号イにもとづいて、施設またはその部門ごとに置く責任者です(広島市の細則・さいたま市の要綱が引用)。調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格のある人か、養成講習会を受けた人がなれます。定めたときと変えたときは、保健所に届け出ます(千葉市の案内)。

法令・ルール:責任者の名札の掲示は、国の省令ではなく、自治体の決まりです

岡山市は、条例の改正案の概要で「省令では食品衛生責任者の名札を掲示する規定がないため、引き続き、名札の掲示を義務付けます。」としています。掲示の決まりは自治体ごとにあるため、店の所在地の決まりで確かめます。

表2営業許可証と食品衛生責任者の掲示(自治体の例)
  • 広島市

    掲げるもの
    営業許可証と、食品衛生責任者の氏名
    決まりの中身
    施設内の見やすい場所に掲示する(義務)
    もとの決まり
    広島市食品衛生法施行細則 第3条・第5条
  • 横浜市

    掲げるもの
    営業許可証と、食品衛生責任者の氏名
    決まりの中身
    施設の見やすい場所に掲示する。責任者は「食品衛生責任者」の文字と氏名を並べ、横長なら縦15cm×横26cm以上
    もとの決まり
    許可の手続きの案内(2023年7月)
  • 広島県

    掲げるもの
    食品衛生責任者の氏名
    決まりの中身
    施設の見やすい場所に掲示する(義務)
    もとの決まり
    食品衛生法に基づく営業等の基準等に関する条例
  • 新潟市

    掲げるもの
    食品衛生責任者の氏名
    決まりの中身
    食品取扱場の見やすい場所に、決まった様式で掲示する
    もとの決まり
    新潟市食品衛生責任者制度運営要綱 第2条
  • さいたま市

    掲げるもの
    食品衛生責任者の氏名
    決まりの中身
    施設の見やすい場所に掲示するものとする
    もとの決まり
    食品衛生責任者等の選任に関する要綱 第2条
  • 岡山市

    掲げるもの
    食品衛生責任者の名札
    決まりの中身
    名札の掲示を義務づける
    もとの決まり
    条例の改正案の概要
  • 千葉市

    掲げるもの
    食品衛生責任者の氏名
    決まりの中身
    見やすい場所に掲示するよう努める(努力義務)
    もとの決まり
    千葉市の案内

各自治体の例規・要綱・案内をもとにまとめました。営業許可証の掲示を、ここに挙げた資料で確かめたのは広島市と横浜市です。表にない自治体の決まりは、店の所在地の保健所で確かめます。

表3食品衛生責任者の掲示の見本
  • 見出し

    書く内容の例
    食品衛生責任者
  • 氏名

    書く内容の例
    〇〇 〇〇
  • 大きさ(横長)

    書く内容の例
    縦15cm×横26cm以上
  • 大きさ(縦長)

    書く内容の例
    横15cm×縦26cm以上
  • 掲げる場所

    書く内容の例
    施設の見やすい場所(レジの近くの壁など)

横浜市の案内の書き方と大きさをもとにした例で、氏名は伏せ字です。新潟市のように様式を決めている自治体もあるため、保健所の様式で確かめます。

ポイント:許可証と責任者の掲示は、入れ替えやすい作りに

営業許可証には許可の期限が書かれていて、期限を過ぎると営業はできません(横浜市の案内)。許可の更新や、責任者の交代のたびに中身を替えるため、額やケースに入れる、名前の部分だけを差し替えられるプレートにするなど、入れ替えやすい作りにしておくと手間が減ります。

喫煙の標識は、喫煙室の出入口と、店の主たる出入口に掲げます

飲食店は、原則として屋内禁煙です(健康増進法。2020年4月1日に全面施行)。喫煙室を置く店は、喫煙室の出入口と、店の主たる出入口の見やすい箇所に、決まった事項を書いた標識を掲げます。喫煙室には、従業員を含めて、20歳未満の人は立ち入れません。

改正健康増進法が2020年4月1日に全面施行され、飲食店は原則として屋内禁煙になりました。店の中にたばこを吸える場所を設けるときは、技術的基準に合った喫煙室を置きます。喫煙室には4つの種類があり、置ける店と、室の中で飲食ができるかが違います(厚生労働省)。

表4喫煙室の種類と、標識に書くこと
  • 喫煙専用室

    置ける店
    飲食店を含む、一般の事業者
    飲食
    できない
    室の出入口の標識に書くこと
    専ら喫煙ができる場所であること、20歳未満の者の立入禁止
  • 加熱式たばこ専用喫煙室

    置ける店
    飲食店を含む、一般の事業者(経過措置)
    飲食
    できる
    室の出入口の標識に書くこと
    加熱式たばこ(指定たばこ)だけを吸える場所であること、20歳未満の者の立入禁止
  • 喫煙可能室

    置ける店
    既存特定飲食提供施設だけ(経過措置)。届出が要る
    飲食
    できる
    室の出入口の標識に書くこと
    喫煙ができる場所であること、20歳未満の者の立入禁止
  • 喫煙目的室

    置ける店
    シガーバーなど、喫煙を主な目的とするバー・スナック(喫煙目的施設)
    飲食
    できる(主食を除く)
    室の出入口の標識に書くこと
    喫煙を目的とする場所であること、20歳未満の者の立入禁止

厚生労働省の受動喫煙対策の施行通知と「各種喫煙室早わかり」をもとにまとめました。店の主たる出入口には、それぞれの喫煙室が置かれていることを示す標識を掲げます。店の屋内の全部を喫煙可能室や喫煙目的室にするときは、2つを兼ねた1枚の標識でよいとされています。喫煙目的施設には、店内で喫煙できるたばこの販売店や公衆喫煙所もあります。たばこの販売店は、客に飲食をさせる営業を行わないものに限られます(施行通知)。

法令・ルール:喫煙可能室を置けるのは、既存特定飲食提供施設だけです

既存特定飲食提供施設とは、2020年4月1日にすでに営業していた飲食店で、客席の面積が100㎡以下、資本金が5,000万円以下などの条件を満たす店のことです(厚生労働省)。喫煙可能室を置くときは、店の所在地の都道府県などに届け出ます(窓口は保健所など)。

図2喫煙の形ごとの標識の位置
  • 全面禁煙

    健康増進法で掲示が決まっているのは、喫煙室を置く店の標識です。東京都は条例で、禁煙の店にも、店頭の表示を求めています(図の点線)。

  • 喫煙専用室を置く

    室の出入口に喫煙専用室の標識、店の主たる出入口に、喫煙専用室があることを示す標識を掲げます。室の中では飲食できません。

  • 客席の一部を喫煙可能室にする

    室の出入口に喫煙可能室の標識、店の主たる出入口に、喫煙可能室があることを示す標識を掲げます。

  • 店の全体を喫煙可能室にする

    店の主たる出入口に、2つを兼ねた1枚を掲げます。20歳未満の人は、客も従業員も店に入れません。

考え方を示す模式図です。灰色が喫煙できる場所、緑の板が標識を掲げる位置です。

法令・ルール:看板やホームページでも、喫煙できる店であることを示します

喫煙可能室や喫煙目的室、加熱式たばこ専用喫煙室を置く店が、広告や宣伝をするときは、そのことを明らかにします(健康増進法 第35条第8項、改正法附則第2条第4項など)。厚生労働省の施行通知は、ホームページや看板などで、明瞭かつ正確に表示するとしています。店頭の看板やホームページを作るときは、この表示を入れる場所も決めておきます。

標識の例は、厚生労働省の受動喫煙対策のサイトで、施設の入口用と喫煙室用に分けて公開されています。施行通知は、標識の配置や配色は、施設の様態に合わせて加工・修正して使ってよいとしています。サイトの標識の一覧は、「イラスト等挿入不可」と「イラスト等挿入可」に分かれています。挿入できるほうには、お店のロゴやマスコットキャラクターなどを入れて使えるとしています。江戸川区は、標識は一部を小さくしたりせず、分かりやすいものにするよう案内しています。書く事項を守ったうえで、店の内装に合う板やシートで作ることもできます。

補足:東京都では、禁煙の店も店頭に表示します

東京都の受動喫煙防止条例により、飲食店は喫煙・禁煙にかかわらず、店頭に、喫煙できるかできないかを表示します(東京都南多摩保健所・江戸川区の案内)。東京都では、喫煙可能室を置ける店の条件に、従業員がいないことも加わります。条例のある地域では、国の決まりより範囲が広いことがあるため、店の所在地の保健所で確かめます。

メニューと店頭の価格は、税込みの総額で表示します

消費者にあらかじめ価格を示すときは、消費税を含めた総額で表示します(消費税法 第63条。納税義務が免除される事業者を除く)。一定の条件のもとで税込価格を表示しなくてもよいとした特例(2013年10月1日〜2021年3月31日)が終わり、2021年4月1日からは、税込価格の表示が必要です(財務省の考え方)。メニュー、店頭の看板、ポスターなど、表示の媒体は問われません。

総額表示は、店頭の表示、チラシ、新聞やテレビの広告など、どの媒体で価格を示すときにもかかわる決まりです(国税庁)。口頭で伝える価格は対象外です。メニュー表や店頭の看板、ガラス面のポスターに価格を書くときは、税込みの価格が一目で分かるように書きます。

表5総額表示の書き方の例
  • 〇〇〇円

    総額表示か
    当たる(税込みの価格だけを書く)
  • 〇〇〇円(税込)

    総額表示か
    当たる
  • 〇〇〇円(税抜価格〇〇〇円)

    総額表示か
    当たる
  • 〇〇〇円(うち消費税額等〇〇円)

    総額表示か
    当たる
  • 〇〇〇円(税込価格〇〇〇円)

    総額表示か
    当たる(かっこの中が税込みの価格)
  • 〇〇〇円(税抜)だけ

    総額表示か
    当たらない(税込みの価格がない)

国税庁「「総額表示」の義務付け」の例から、金額を伏せて並べました。最後の行は、税込みの価格を書いていない例として加えたものです(消費税法 第63条)。税抜きの価格を書き添えることはできますが、税抜きの価格をことさら強調して、税込みの価格と誤認させる表示は、総額表示とはいえません(財務省の考え方)。

外壁にPizza Coocの店名とロゴを入れた店舗
グリーンクロスグループが手がけた看板(Pizza Cooc)。店名の看板の下に、ポスターが並んでいます。窓や店頭のポスターも、価格を書くときは総額表示の対象です。

店の中で食べる料理は標準税率、テイクアウトは軽減税率の対象です。財務省の考え方は、店内飲食とテイクアウトで違う税込価格にするときの書き方として、両方の税込価格を書く方法と、片方だけを書く方法を挙げています。税抜価格を調整して、どちらも同じ税込価格にすることもできます。

図3店内飲食とテイクアウトの価格の書き方
  • 両方の税込価格を書く

    メニューに、店内飲食とテイクアウトの税込価格を並べて書きます。

  • 片方だけを書いて、店内に掲示する

    片方の税込価格だけを書き、もう一方の価格があることを、店内の目立つ場所に掲示して知らせます。

  • 税込価格を同じにする

    税抜価格を調整して、どちらも同じ税込価格にします。価格は1つだけ書きます。

財務省の考え方(2021年1月7日)が示す書き方を、メニューの模式図にしました。皿が店内飲食、袋がテイクアウトを表します。

ポイント:片方だけを書くときの、掲示の例

財務省の考え方は、片方の価格だけを書くときは、店内の目立つ場所に掲示するなどして注意を促すのが望ましいとし、「店内飲食される場合、税率が異なりますので、別価格となります。」という例を示しています。店内飲食のほうが高いのに、テイクアウトの価格であることを示さないと、景品表示法の有利誤認(第5条第2号)のおそれがあるためです。

補足:2027年4月からの、飲食料品の税率の引下げの改正案

2026年9月15日に閣議決定された大綱で、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げる改正案が示されています。対象の範囲は、いま税率8%の飲食料品と同じで、テイクアウトは対象、店内飲食(外食)と酒類は10%のままです。値札などの切り替えが間に合わないときは、2027年2月1日から5月31日まで、実際の支払額と誤認させない掲示などを条件に、8%か1%での総額表示を認める特例も盛り込まれています。どれも、法案が国会で成立した場合の内容です(国税庁の特設サイト・リーフレット・Q&A)。

国税庁のQ&Aは、誤認させない掲示の例として、商品棚の近くに「この棚の商品は、税率8%に基づく税込価格で表示しています。レジでは税率1%に基づき精算いたします。」と掲げる方法を挙げています。テイクアウトのメニューや価格表を全店舗で差し替える店は、法案の行方を見ながら、差し替える範囲と時期を早めに決めておくと、切り替えの前後の手間を減らせます。

消火器・お酒の販売・店先の看板は、それぞれの決まりで確かめます

火を使う飲食店は、建物の延べ面積が150㎡未満でも、原則として消火器を置き、標識を付けます。持ち帰り用にお酒を売る店は酒類販売管理者の標識を掲げ、店先の置き看板やのぼりは、道路に出さずに敷地の中に置きます。

2019年10月1日からは、建物の延べ面積が150㎡未満の飲食店でも、こんろなど火を使う設備や器具があれば、消火器が要ります。防火上有効な措置が講じられているときは除かれます(横浜市の案内)。消火器を置いたら、見やすい位置に「消火器」の標識を付けます。標識の大きさと色や、劇場・百貨店などの「禁煙」の標識は、消火器の標識・誘導標識・禁煙の標識で紹介しています。

持ち帰り用にお酒を売る店など、酒類の小売業者は、2017年6月1日から、販売場ごとに、公衆の見やすい場所へ酒類販売管理者の標識を掲げます(国税庁)。書くことは、許可票・標識の記事でまとめています。

法令・ルール:置き看板やのぼりは、道路に出さずに、敷地の中に置きます

杉並区は、道路に置いた看板やのぼり旗などは、道幅を狭め、視界をさえぎり、風で倒れるなど、思わぬ事故の原因になるとしています。事故が起きたときは、土地の所有者や設置した人の責任が問われる場合があります。置き方は、スタンド看板(置き看板)とのぼり旗の記事でくわしく紹介しています。

飲食店の掲示で、迷いやすいところ

迷いやすいのは、喫煙室をやめたあとの標識、標識に似た表示、責任者や許可が変わったときの差し替え、片方だけの価格の示し方です。掲示物は、店の体制や制度が変わるたびに見直します。

  • 喫煙室をやめたとき:喫煙室として使わなくなったら、その室の標識を外します。すべての喫煙室をやめたときは、店の入口の標識も直ちに外します(健康増進法 第33条第6項・第7項など。厚生労働省の通知)。
  • 標識に似た表示:法律で決まった場合のほかは、喫煙室の標識に似た標識を掲げられません。決まった標識を外したり汚したりして、見分けにくくすることも禁じられていて(第37条)、違反は過料の対象です。
  • 責任者や許可が変わったとき:食品衛生責任者が替わったら、保健所への届出とあわせて、掲示の氏名も替えます。営業許可を更新したら、新しい許可証に掲げ替えます。
  • 片方だけの価格:テイクアウトの価格だけを書き、店内飲食の価格が別にあることを示さないと、景品表示法の有利誤認のおそれがあります(財務省の考え方)。

補足:迷ったら、内容ごとの窓口で確かめます

掲示の決まりは、内容ごとに窓口が違います。営業許可・食品衛生責任者・喫煙の標識は店の所在地の保健所など、消火器は所轄の消防署、価格の表示は国税庁の相談窓口、メニューの表示は消費者庁の景品表示法の相談窓口が案内しています。

開業・改装の前に、掲示物をそろえる段取り

掲示物は、保健所への相談、喫煙の形と価格の書き方の決定、内装の図面への書き込み、製作、許可のあとの掲示の順にそろえます。許可証のように交付されてから掲げるものもあるため、額やケースは先に用意しておきます。

開業までの掲示物の段取り(一例)

  1. 1

    保健所に相談する

    営業許可の手続きと一緒に、営業許可証と食品衛生責任者の氏名の掲示の決まり、喫煙室の扱いを確かめます。食品衛生責任者を誰にするかも決めます。

  2. 2

    喫煙の形を決める

    禁煙にするか、喫煙室を置くかを決めます。喫煙可能室を置けるのは、2020年4月1日にすでに営業していたなどの条件を満たす既存特定飲食提供施設だけで、届出が要ります。

  3. 3

    価格の書き方を決める

    店内飲食とテイクアウトの価格を、両方書くか、片方だけ書いて掲示するか、同じ税込価格にするかを決めます。

  4. 4

    掲げる位置を図面に入れる

    店の入口、レジの近く、喫煙室の出入口、客席など、掲げる壁と大きさを、内装の図面に書き込みます。

  5. 5

    看板と掲示物を作る

    店頭の看板、メニュー板、掲示用のプレートや額を、書く内容が決まったものから作ります。

  6. 6

    許可のあとに掲げる

    営業許可証は、交付されてから掲げます。喫煙の標識は、喫煙室が技術的基準に合っていることを確かめてから掲げます。

開業前の掲示物チェックリスト

  • 営業許可証を掲げる場所と、額やケース
  • 食品衛生責任者の氏名の掲示(地域の決まりと大きさ)
  • 喫煙室の標識と、店の入口の標識(喫煙室を置く店)
  • 禁煙の店頭の表示(東京都など、条例で求める地域)
  • 価格の書き方(税込みの総額)
  • テイクアウトの価格の示し方
  • 消火器と「消火器」の標識
  • 置き看板やのぼりの置き場所(敷地の中)

持ち帰り用にお酒を売る店は、酒類販売管理者の標識も確かめます。

店頭の看板から掲示用のプレートまで、全国の店舗の差し替えもまとめて頼めます

グリーンクロスは、飲食店の店頭の看板からメニューの看板、掲示用のプレートや額まで、まとめて承っています。全国61拠点のネットワークで、チェーンの全店舗の掲示の差し替えも、窓口ひとつで承ります。

看板と掲示物をまとめて頼むと、書体や色をそろえやすく、取り付けの日程も一度に組めます。開業の日が決まる前からご相談いただければ、内装の工事の予定に合わせて段取りを組みます。

グリーンクロスは、全国61拠点のネットワークと、全国47都道府県での屋外広告業の登録で、全国の店舗の看板に対応しています。全国に店舗を展開する企業にも、この規模から選んでいただいています。飲食チェーンでは、くら寿司や三代目 鳥メロの看板の施工・点検の実績があります。夜間や土日祝の工事にも対応するため、営業中の店舗でも、営業時間の外に作業を進められます。

店頭のスタンド看板やメニュースタンド、黒板、ポスターフレームなどの既製品は、グループの通販サイト「看板通販サインシティ(別のタブで開きます)」でも扱っています。決まった事項を書く標識やプレートも、必要なものと書く内容が分かれば、デザインから作れます。

ご相談のときにあると進めやすいもの

  • 店の住所(テナントの場合は、ビルや施設の名前も)
  • 店の外観と、掲示物を掲げたい壁の写真(スマートフォンで撮ったもので十分です)
  • 掲げたいものと書く内容(保健所の様式や、厚生労働省の標識の例など)
  • 喫煙の形(禁煙か、喫煙室の種類)
  • 開業・改装・差し替えの日程
  • 複数の店舗なら、店舗の一覧(住所)

そろっていなくても、写真1枚からご相談いただけます。正式なお見積りは、仕様と現地を確かめてからお出しします。

よくあるご質問

飲食店に掲示しなければならないものは何ですか?

喫煙室を置く店の喫煙の標識(健康増進法)は、全国共通の決まりです。営業許可証や食品衛生責任者の氏名の掲示は、自治体の条例や規則で決まり、地域で違います。このほか、消火器を置いた場所の標識や、持ち帰り用にお酒を売る店の酒類販売管理者の標識があります。価格を示すときは、原則として税込みの総額で表示します(消費税法 第63条)。

営業許可証は、店に掲示しないといけませんか?

掲示の決まりは、自治体ごとにあります。たとえば広島市は、営業許可証を施設内の見やすい場所に掲示しておかなければならないと細則で定め、横浜市も手続きの案内で掲示を求めています。店の所在地の保健所で確かめます。

食品衛生責任者のプレートは必要ですか?大きさは決まっていますか?

氏名の掲示を義務とする自治体(広島市・広島県など)と、努力義務とする自治体(千葉市)があります。横浜市は、「食品衛生責任者」の文字と氏名を並べ、横長なら縦15cm×横26cm以上、縦長なら横15cm×縦26cm以上としています。新潟市のように、様式を決めている自治体もあります。

禁煙の店でも、標識は要りますか?

健康増進法で掲示が決まっているのは、喫煙室を置く店の標識です。ただし東京都は受動喫煙防止条例で、飲食店は喫煙・禁煙にかかわらず、店頭に、喫煙できるかできないかを表示するよう求めています。条例のある地域では、店の所在地の保健所で確かめます。

喫煙可能室の標識は、どこに貼りますか?

喫煙可能室の出入口と、店の主たる出入口の見やすい箇所の2か所です。室の出入口の標識には、喫煙ができる場所であることと、20歳未満の者の立入禁止を書きます。店の全体を喫煙可能室にするときは、2つを兼ねた1枚でよいとされています(厚生労働省の施行通知)。

メニューの価格は、税込みで書かないといけませんか?

消費者にあらかじめ価格を示すときは、税込みの総額で表示します(消費税法 第63条。納税義務が免除される事業者を除く)。一定の条件のもとで税込価格を表示しなくてもよいとした特例(2013年10月1日〜2021年3月31日)が終わり、2021年4月1日からは、税込価格の表示が必要です(財務省の考え方)。税抜きの価格を書き添えることはできますが、税込みの価格と誤認させないように書きます。

テイクアウトと店内飲食で価格が違うとき、メニューはどう書けばよいですか?

両方の税込価格を並べるか、片方の税込価格だけを書いて、もう一方の価格があることを店内の目立つ場所に掲示します。税抜価格を調整して、税込価格を同じにする方法もあります(財務省の考え方)。2027年4月からの飲食料品の税率引下げの改正案が成立すると、テイクアウトの価格を見直すことになります。

飲食店の掲示物や看板は、どこに頼めばよいですか?

店頭の看板から掲示用のプレートまで、デザイン・製作・取り付けを行う看板会社にまとめて頼むと、書体や色をそろえやすくなります。グリーンクロスでは、全国61拠点のネットワークで、全国の店舗の看板と掲示物の差し替えに対応します。ご相談・お見積りは無料です。

参考にした資料

この記事について

全国看板施工・点検ナビ

運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)

監修:横田悠介(屋外広告士)

看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。

開業・改装の飲食店の看板と掲示物は、写真1枚から無料でご相談いただけます。

店の外観と、掲示物を掲げたい場所の写真があれば、看板の種類と大きさ、掲示物の作り方をご提案します。全国61拠点のネットワークで全国の店舗に対応し、夜間や土日祝の工事、制度が変わったときの全店舗の差し替えも承ります。写真から概算をお伝えし、正式なお見積りは、仕様と現地を確かめてからお出しします。ご相談・お見積りは無料です。

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