整骨院・接骨院・鍼灸院の看板に書けること。広告の決まりと、2025年のガイドライン
開業や改装で看板の文字を決めるとき、「各種保険取扱い」や「交通事故・むちうち」と入れたくなることがあります。接骨院・整骨院や鍼灸院の看板は、柔道整復師法とあはき法の広告の決まりの対象です。書けるのは法律と告示で決められた事項だけで、2025年2月には国のガイドラインで具体的な例も示されました。グリーンクロスでは、開業や移転の看板を、載せる内容の整理から取り付けまでまとめて承っています。
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この記事のポイント
- 01看板は広告の媒体の一つ。書けるのは、資格と氏名・住所、(鍼灸院・マッサージ院は)業務の種類、名称・電話・所在地、施術日と施術時間と、告示で決められた事項だけです
- 02「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」「骨盤矯正」「〇〇専門」は、看板にも書けません(あはき・柔整広告ガイドライン)
- 03医療保険の療養費の支給申請ができる旨は、医師の同意が要る場合をあわせて書けば、看板に書けます
- 04名前に「クリニック」「整体」「〇〇センター」は付けられません。「整骨院」の扱いはガイドラインに書かれていないため、窓口に確かめます
- 05開業・移転の看板は、載せる内容の整理から製作・取り付けまで、まとめて頼めます。写真1枚から無料でご相談いただけます
接骨院・鍼灸院の看板は、法律で書けることが決まっています
接骨院・整骨院は柔道整復師法、鍼灸院・マッサージ院はあはき法が、広告できる事項を決めています。書けるのは決められた事項だけで、それ以外は、看板にもチラシにも書けません。違反すると、30万円以下の罰金の対象です。
柔道整復師法の第24条は、柔道整復の業務や施術所について、「何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず」、決められた事項のほかは広告してはならないとしています。あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅうの施術所も同じです。あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(この記事では「あはき法」と書きます)の第7条に、ほぼ同じ形の決まりがあります。
どちらの法律も、書いてはいけないことを並べるのではなく、書いてよいことだけを並べる形です。看板に載せたい言葉があるときは、書いてよい事項に入っているかから確かめると、判断しやすくなります。なお、医療機関の看板で使われる医療広告ガイドラインは、これらの施術所には適用されません(兵庫県の案内)。
もとになる法律
- 接骨院・整骨院(柔道整復)
- 柔道整復師法 第24条
- 鍼灸院・マッサージ院(あはき)
- あはき法 第7条
法律で書ける事項
- 接骨院・整骨院(柔道整復)
- 柔道整復師である旨と氏名・住所、施術所の名称・電話番号・所在の場所、施術日又は施術時間
- 鍼灸院・マッサージ院(あはき)
- 施術者である旨と氏名・住所、業務の種類、施術所の名称・電話番号・所在の場所、施術日又は施術時間
告示で書ける事項
- 接骨院・整骨院(柔道整復)
- ほねつぎ(又は接骨)、届出をした旨、医療保険の療養費の支給申請ができる旨など7つ(平成11年厚生省告示第70号)
- 鍼灸院・マッサージ院(あはき)
- もみりようじ、やいと・えつ、小児鍼など9つ(平成11年厚生省告示第69号)
書けない内容
- 接骨院・整骨院(柔道整復)
- 資格と氏名・名称などを書くときも、技能・施術方法・経歴にわたる内容は書けない(第24条第2項)
- 鍼灸院・マッサージ院(あはき)
- 資格と氏名・業務の種類・名称などを書くときも、同じく書けない(第7条第2項)
違反したとき
- 接骨院・整骨院(柔道整復)
- 30万円以下の罰金(第30条第5号)
- 鍼灸院・マッサージ院(あはき)
- 30万円以下の罰金(第13条の8第1号)
法律の条文(e-Gov 法令検索)と、厚生労働省が掲載している告示によります。告示の事項は、次の章からの表でくわしく紹介します。
2025年2月18日には、厚生労働省が「あはき・柔整広告ガイドライン」を定め、都道府県や保健所を設置する市などに通知しました。正式な名前は「あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針」です。法律と告示の決まりに沿って、書ける例と書けない例を具体的に示したもので、この記事の例の多くはこのガイドラインによります。
- 建物の看板壁面の看板や袖看板。ガイドラインは、広告の媒体の例に「看板(プラカード、建物、電車、自動車等に記載されたものを含む。)」を挙げています。
- ガラス面の表示入口のガラスに外へ向けて貼る表示です。通りを行く人が見るものなので、看板と同じに考えます。
- 置き看板・のぼり入口の横に出す置き看板やのぼりも、施術所が分かり、だれでも目にするものです。ガイドラインの媒体の例には、看板などと並んで「その他これらに類似する物」も挙がっています。看板と同じく、広告として考えます。
- 野立て看板施術所から離れた道路沿いに立てる看板も、看板として広告の決まりの対象です。
- 車体の表示往療や送迎の車に書いた施術所の名前も、ガイドラインの「自動車等に記載されたもの」として、看板と同じ決まりで考えます。
- 院内の掲示施術所の中で掲示したり配ったりするパンフレットなどは、受け手が利用者に限られる限り、広告にあたらないとされています。
施術所の外と中の模式図です。点線の左が建物の外、右が施術所の中です。
ガイドラインは、利用者を誘う意図があること(誘引性)、施術者や施術所の名前が分かること(特定性)、だれでも目にできる状態にあること(認知性)の3つを満たすものを広告としています。施術所の名前を書いた看板は、この3つにあてはまります。
法令・ルール:「何人も」なので、広告を作る側も対象です
法律は、施術者や施術所だけでなく「何人も」と書いています。ガイドラインも、広告代理店など広告にかかわる人を規制の対象に挙げています。「これは広告ではありません」と書き添えても、施術所の名前が書いてあるなど、実質的に広告の3つの要件を満たすものは、広告として扱われます。
接骨院・整骨院の看板に書けること
柔道整復の施術所の看板に書けるのは、柔道整復師である旨と氏名、施術所の名称・電話番号・所在地、施術日と施術時間、それに告示が決めた7つの事項です。施術日と施術時間は、ガイドラインも、できるだけ載せるのが望ましいとしています。
柔道整復師である旨・氏名・住所
- 書き方の例
- 「柔道整復師(国家資格保有)」と氏名
施術所の名称
- 書き方の例
- 「〇〇接骨院」「〇〇施術所」。鍼灸院を併設しているときは「〇〇接骨院・鍼灸院」
電話番号・所在の場所
- 書き方の例
- FAX番号、フリーダイヤルである旨、電話の受付時間、最寄り駅からの道順と所要時間、地図、ウェブサイトのURL・QRコード
施術日・施術時間
- 書き方の例
- 施術曜日、受付時間、「休療日」、午前は施術・午後は出張施術といった時間帯の分け方
ほねつぎ(又は接骨)
- 書き方の例
- 業務を表す言葉として書ける
届出をした旨
- 書き方の例
- 「〇月〇日 〇〇県 開設届出済」のように、開設の届出をしたこと
医療保険の療養費の支給申請ができる旨
- 書き方の例
- 脱臼・骨折の患部の施術の申請には医師の同意が必要な旨を、あわせて書く場合に限る(書き方は4章)
予約に基づく施術
- 書き方の例
- 「予約優先」。FAXや電子メールで予約を受け付けている旨
休日・夜間の施術
- 書き方の例
- 休日や夜間に施術をしていること
出張による施術
- 書き方の例
- 出張できる地域、出張する施術者の氏名、時間帯、「往療」「訪問施術の実施」
駐車設備
- 書き方の例
- 駐車場の有無・場所・写真・料金・台数
柔道整復師法 第24条、平成11年厚生省告示第70号、あはき・柔整広告ガイドライン(2025年2月18日)の例から。「〇〇」は施術所の名前などに置き換えます。
資格と氏名や施術所の名称などを書くときも、柔道整復師の技能・施術方法・経歴にわたる内容は書けません(第24条第2項)。たとえば、名前の横に「〇〇流接骨術」と添えたり、出身の学校や師事した先生を並べたりすることはできません。資格は「柔道整復師(国家資格保有)」のように、資格の名前で書きます。
名称
- 書く内容の例
- 〇〇接骨院
ほねつぎ・接骨(告示の事項)
- 書く内容の例
- ほねつぎ
資格と氏名
- 書く内容の例
- 柔道整復師(国家資格保有)〇〇 〇〇
施術時間
- 書く内容の例
- 月〜金 9:00〜12:00・15:00〜19:30、土 9:00〜13:00
休療日
- 書く内容の例
- 日曜・祝日
案内
- 書く内容の例
- 予約優先、駐車場 〇台
連絡先
- 書く内容の例
- 電話 000-000-0000、〒000-0000 〇〇市〇〇町0-0
書ける事項だけで組み立てた見本です。曜日・時間・台数・連絡先は、実際の内容に合わせて書きます。
- 施術所の名称届け出る名称と同じ書き方にします。いちばん大きく書く部分です。
- 業務の種類接骨院なら「ほねつぎ」「接骨」、鍼灸院なら「はり・きゅう」など、法律や告示で書ける言葉です。
- 資格と氏名「柔道整復師(国家資格保有)」のように、資格の名前と氏名を書きます。
- 施術日・施術時間曜日ごとの施術時間や受付時間、休療日です。変わることがあるときは、差し替えやすい部分にまとめます。
- 予約・駐車場「予約優先」や、駐車場の有無・台数など、告示で書ける事項です。
- 電話・所在地・QRコード電話番号や地図のほか、ウェブサイトへのQRコードも書けます。
看板に載せる内容を、上から順に並べた模式図です。表示面の帯は、文字の行を表しています。
鍼灸院・マッサージ院の看板に書けること
あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅうの施術所の看板に書けるのは、施術者である旨と氏名、業務の種類、施術所の名称・電話番号・所在地、施術日と施術時間、それに告示が決めた9つの事項です。療養費の支給申請ができる旨は、医師の同意が必要なことをあわせて書く場合に限ります。
施術者である旨・氏名・住所
- 書き方の例
- 「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」と「国家資格保有」の表記、氏名
業務の種類
- 書き方の例
- あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅうのどれを行うか
施術所の名称
- 書き方の例
- 「〇〇鍼灸治療院」「〇〇鍼灸療院」「はり・きゅう〇〇」「〇〇マッサージ」
電話番号・所在の場所
- 書き方の例
- 接骨院・整骨院と同じ(地図・ウェブサイトのURL・QRコードなど)
施術日・施術時間
- 書き方の例
- 接骨院・整骨院と同じ(受付時間・休療日・「施療」など)
もみりようじ・やいと、えつ・小児鍼(はり)
- 書き方の例
- 告示に挙げられた言葉として書ける
届出をした旨
- 書き方の例
- 開設の届出をしたこと
医療保険の療養費の支給申請ができる旨
- 書き方の例
- 申請には医師の同意が必要な旨を、あわせて書く場合に限る
予約・休日と夜間・出張・駐車設備
- 書き方の例
- 接骨院・整骨院と同じ
あはき法 第7条、平成11年厚生省告示第69号、あはき・柔整広告ガイドライン(2025年2月18日)の例から。
鍼灸院では、施術の内容を名前や看板に入れたくなることがあります。ガイドラインは、「美容鍼灸」「不妊鍼灸」「中国鍼灸」「温鍼」のように、施術の内容や方法を含む名前を書けない例に挙げています。技能を示す「痛くない鍼」も、同じく書けません。
ポイント:接骨院と鍼灸院を併設するときの名前の書き方
ガイドラインは、「〇〇接骨院・鍼灸院」「〇〇接骨院・〇〇鍼灸院」のように、施術所ごとの名前を並べる書き方を、書ける例にしています。一方で、「〇〇鍼灸接骨院」「〇〇マッサージ接骨院」のように業態を混ぜた1つの名前は、書けない例です。
「各種保険取扱い」「交通事故」「骨盤矯正」は、看板にも書けません
ガイドラインは、保険の書き方、技能や施術の方法、対象を限る言い方、効果を思わせる言葉、「診」の字を使う言い方などを、書けない例に挙げています。以前から看板やのぼりで見かける言葉も多いため、いまの表示も見直しどきです。
保険の書き方
- 例
- 「各種保険取扱い」「労災保険取扱い」「自賠責保険取扱い」「交通事故取扱い」
- 理由・書き方
- 告示で書けるのは、医療保険の療養費の支給申請ができる旨(条件つき)だけ
技能・施術の方法
- 例
- 「痛くない鍼」「〇〇流接骨術」「高い技術」「唯一の技術」「慢性病の根本治療」
- 理由・書き方
- 技能・施術方法にわたる内容は、法律で書けない
経歴
- 例
- 「〇〇療法の第一人者である〇〇先生に師事」「〇〇(有名人)のトレーナー」
- 理由・書き方
- 経歴にわたる内容は、法律で書けない
対象を限る言い方
- 例
- 「交通事故専門」「むちうち専門」「〇〇レディース」「スポーツ」「美容」
- 理由・書き方
- 書ける事項にない。名前にも使えない
効果を思わせる言葉
- 例
- 「姿勢改善」「小顔矯正」「骨盤矯正」
- 理由・書き方
- 効能を含む言い方は書けない
「診」の字(「診療」「診察」など)
- 例
- 「診療時間」「診察時間」「休診日」「初診」「往診」「訪問診療」
- 理由・書き方
- 「施術時間」「休療日」「初検」「往療」などと書く
認定・許可をうたう言葉
- 例
- 「厚生労働省認定」「厚生労働省認可施術所」「都道府県知事認定」
- 理由・書き方
- 認定・認可・指定を思わせる書き方はできない
ほかと比べる言葉
- 例
- 「県内で唯一、〇〇に対応しています」「出張施術はここだけ」
- 理由・書き方
- ほかより優れていると示す広告にあたる
品位を損ねる書き方
- 例
- 「交通事故無料」「今だけ駐車料金2時間無料キャンペーン」
- 理由・書き方
- 品位を損ねる広告の例として挙げられている
あはき・柔整広告ガイドライン(2025年2月18日)の例から抜き出しました。「交通事故治療専門」「むち打ち専門」も広告できないと、兵庫県も案内しています。
医療保険の療養費は、こう書けます
保険のことで看板に書けるのは、「医療保険の療養費の支給申請ができる旨」です。ガイドラインは、分かりやすい言い換えの例として「医療保険により利用者は施術費用の一部負担で施術を受けることができます」を挙げています。接骨院・整骨院では脱臼・骨折の患部の施術の申請に、鍼灸院・マッサージ院では申請そのものに、医師の同意が必要な旨をあわせて書きます。
接骨院・整骨院では、「外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲、捻挫等が医療保険療養費支給申請の対象となる」ことと、「このうち、脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については、医師の同意が必要である」ことを、あわせて書くことも差し支えないとされています(ガイドラインと概要の資料)。看板に書くと文が長くなるため、入口のそばの表示など、近くで読む場所にまとめるのが現実的です。
看板やのぼりの文案を見直すときに確かめること
- 施術所の名前は、届け出る名称と同じか(「クリニック」「整体」「〇〇センター」などが入っていないか)
- 「診療時間」「診察時間」「休診日」など、「診」の字を使っていないか
- 保険の書き方が「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」になっていないか
- 「〇〇専門」「〇〇改善」「〇〇矯正」など、対象を限る言葉や効果を思わせる言葉がないか
- 「痛くない」「高い技術」、出身の学校や師事した先生など、技能や経歴の話になっていないか
- 「年中無休」など、実際と違う言い方になっていないか
- 電話番号に、効果を思わせる語呂合わせを添えていないか
補足:いまの看板やのぼりも、書けない言葉がないか見直します
「各種保険取扱い」や「交通事故・むちうち」のような書き方は、街の看板やのぼりで見かけることがありました。法律と告示の決まりは、ガイドラインができる前から同じです。いまの看板やのぼりに書けない言葉が入っているときは、表示面の貼り替えなどで直せることがあります。

名前に「クリニック」「整体」は付けられません
施術所の名前は、国家資格による施術所であること、届出をしていること、医療機関と紛らわしくないことが分かる形にします。「クリニック」「〇〇診療所」「整体」「〇〇センター」などは、ガイドラインで書けない例です。「整骨院」は、ガイドラインに可否が書かれていません。
医療法の第3条は、病気の治療(助産を含みます)をする場所で、病院や診療所でないものに、病院・診療所・医院などと紛らわしい名前を付けることを禁じています。ガイドラインも、名前は、国家資格をもつ人の施術所であること、適法に届け出ていること、医療機関と紛らわしくないことが、利用者に分かるものにするとしています。
業態を特定しない
- 例
- 「〇〇施術所(院)」
- 扱い
- 書ける(「国家資格保有」もあわせて書くと分かりやすい)
業態に「治療院」「療院」を付ける
- 例
- 「〇〇鍼灸治療院」「〇〇鍼灸療院」「〇〇鍼灸治療所」
- 扱い
- 書ける
業務の種類だけ
- 例
- 「〇〇マッサージ」「はり・きゅう〇〇」
- 扱い
- 書ける
併設の施術所を並べる
- 例
- 「〇〇接骨院・鍼灸院」
- 扱い
- 書ける
医療機関と紛らわしい
- 例
- 「〇〇診療所」「〇〇治療室」「〇〇はり科療院」、業態を含まない「〇〇治療院」「〇〇治療所」「〇〇療院」、「メディカル」「クリニック」「リハビリ」「ドック」
- 扱い
- 書けない
ほかの業態と紛らわしい
- 例
- 「整体」「カイロプラクティック」「リラクゼーション」「コンディショニング」
- 扱い
- 書けない
業態を混ぜた名前
- 例
- 「〇〇鍼灸接骨院」「〇〇マッサージ接骨院」
- 扱い
- 書けない
施術所と分かりにくい
- 例
- 「〇〇堂」「〇〇館」「〇〇センター」「サロン」「ほぐし処」「研究所」
- 扱い
- 書けない
あはき・柔整広告ガイドラインの名前の例から(2025年2月18日)。対象を限る名前(「〇〇レディース」など)、施術の内容や効果を含む名前(「美容鍼灸」「骨盤矯正」など)も、書けない例です。
法令・ルール:書けない名前は、英語や言い換えでも、施術所の外に出せません
ガイドラインは、書けない表現を英語にしたり、同じ意味の別の言葉に言い換えたりしても、表示はできないとしています。看板・掲示物・装飾も含めて、施術所の外に表示することもできません。
「整骨院」という名前の扱い
告示に挙がっている言葉は「ほねつぎ(又は接骨)」です。「整骨院」という名前は、国の検討会で2024年5月と7月に議題になりましたが、ガイドラインには、書ける例にも書けない例にも載りませんでした。7月の検討会では、ガイドラインに書かないことは、告示にない名前を使ってよいという意味ではないという座長の発言と、これまでの取扱いを続けるという厚生労働省の説明がありました。
看板の名前は、開設の届出で届け出る名前と同じにします。「整骨院」を使うか迷うときは、看板を作る前に、施術所の所在地の保健所などに確かめます。
写真・イラスト・ロゴも、広告の中身として見られます
書ける事項は、文字だけでなく、写真やイラストで表すこともできます。一方で、効果を思わせるイラストや、電話番号の語呂合わせのような遠回しの表現も、広告として判断されます。QRコードやウェブサイトのURLは書けます。
ガイドラインは、書ける事項なら、写真・イラスト・映像などで表してもよいとしています。駐車場の写真や、最寄り駅からの地図は、その例です。風景の写真やイラスト(町や海の写真、山や森のイラストなど)を背景に使うこともできます。
気をつけたいのは、遠回しの表現です。ガイドラインは、直接の言葉でなくても、全体として広告と受け取られるものを規制の対象にしています。病気の人が回復していく様子のイラストのように効果を思わせる絵や、ほかの施術所・医療機関の写真、芸能人がすすめているように見せる写真は、書けない例です。
駐車場の写真・地図・案内図
- 扱い
- 使える(書ける事項を表すもの)
風景の写真・イラストの背景
- 扱い
- 使える
ウェブサイトのURL・QRコード
- 扱い
- 使える(効果を思わせる文字列のURLやメールアドレスは使えない)
回復していく様子のイラスト
- 扱い
- 使えない(効果を思わせる)
ほかの施術所・医療機関の写真
- 扱い
- 使えない
芸能人の推薦・利用を思わせる写真
- 扱い
- 使えない
効果を思わせる電話番号の語呂合わせ
- 扱い
- 使えない(例:「1374(痛みなし)」)
あはき・柔整広告ガイドライン(2025年2月18日)の例から。

時間や案内など、近くで読む情報を載せやすいガラス面の表示(ピタットハウス) 
駐車場とトイレの場所を、絵で示す立体的なピクトサイン
いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。書ける事項は、ガラス面の表示やピクトグラムのような絵でも表せます。
ウェブサイトは、ガイドラインでは原則として広告にあたらないとされています(バナー広告やSNSへの書き込みなどは、要件を満たせば広告です)。ガイドラインは、自費の施術を行う施術所に、施術の内容と通常必要な費用などを、ウェブサイトに分かりやすく載せるよう求めています。看板には施術所の基本の情報を載せ、くわしい説明はウェブサイトにまとめて、QRコードで案内する分け方もできます。ウェブサイトにも、虚偽や誇大な内容など載せるべきでない事項が、ガイドラインで示されています。
野立て看板や袖看板は、屋外広告物の許可も確かめます
看板に書けることとは別に、看板を出す場所の決まりがあります。施術所から離れた場所の野立て看板は、自分の事業所に出す「自家用」にあたらないことがあり、小さくても許可が要る地域があります。道路の上に突き出す袖看板は、道路の占用の許可も確かめます。
屋外広告物条例では、自分の事業所に自分の名前などを出す看板を「自家用」とし、決められた大きさまでは許可がいらないとする自治体があります。たとえば大阪市の申請Q&Aは、自家用を「自己の事業所や営業所に設置する、自己の氏名、名称、店名若しくは商標」などを表示する広告物とし、自家用でない場合は大きさに関わらず申請が必要としています。

道路の上に突き出す袖看板は、看板の許可とは別に、原則として、道路を管理する国や自治体の占用の許可が要ります(道路法 第32条。看板は道路法施行令 第7条第1号の物件です)。のぼりや置き看板を歩道などに出すと、道路の決まりにかかわります。看板の種類ごとの決まりは、それぞれの記事で紹介しています。
開業の前に、看板の文案と届出の名前をそろえます
施術所は、開設してから10日以内に届出をします。看板の名前は届け出る名前と同じにし、文案は書ける事項の範囲で考えます。迷う言葉は、デザインの前に、施術所の所在地の保健所などに確かめます。
開業までの看板の段取り(一例)
- 1
名前を決める
施術所の名前を決めます。届け出る名前と看板の名前は同じにし、医療機関と紛らわしい言葉や、ほかの業態の言葉を入れないようにします。
- 2
載せる内容を整理する
名称・資格と氏名・施術日と施術時間・電話と所在地など、書ける事項の中から、看板ごとに載せる内容を分けます。
- 3
迷う言葉を窓口に確かめる
書けるか迷う言葉は、施術所の所在地の保健所など、広告の相談を受ける窓口に確かめます。
- 4
設置場所の決まりを確かめる
建物の所有者や管理会社の承諾、屋外広告物の許可、道路の占用の許可が要るかを確かめます。
- 5
デザイン・製作・取り付け
見る距離から文字の大きさを決め、施術時間など変わりやすい情報は、差し替えやすい部分にまとめます。
- 6
開設の届出
施術所を開設したら、10日以内に、施術所の所在地の都道府県知事(保健所を設置する市や特別区では、市長や区長)に届け出ます(柔道整復師法 第18条・第19条、あはき法 第8条・第9条の2)。窓口は、地域によって保健所などです。
法令・ルール:迷ったときの相談先
広告の決まりの相談は、施術所の所在地の保健所や、都道府県・保健所を設置する市などの担当の窓口が受けています。たとえば福岡市は、施術所の所在地の衛生課(医薬務係)に相談するよう案内しています。看板の許可は、看板を出す場所の自治体の、屋外広告物の窓口に確かめます。
開業や移転の看板は、載せる内容の整理から、デザイン・製作・取り付けまでまとめて頼めます
グリーンクロスは、施術所の店頭の看板・袖看板・ガラス面の表示・置き看板・野立て看板を、まとめて承っています。屋外広告物の許可が要るかのご案内、夜間や土日祝の工事、複数の院の看板の全国での対応まで、窓口はひとつです。
施術所の看板は、店頭の看板に、袖看板やガラス面の表示、置き看板、離れた場所の野立て看板を組み合わせて考えます。まとめて頼むと、書体や色、載せる内容の分け方をそろえやすくなり、取り付けの日程も一度に組めます。名前や施術時間が決まる前からご相談いただければ、開業の日から逆に数えて段取りを組みます。
店頭・袖・ガラス面の看板の製作入口の上の看板から、袖看板、ガラス面の表示、置き看板まで、書体と色をそろえて作ります。内容に応じて、グループの工場か協力会社で製作します。看板製作を見る
取り付けと、夜間・土日祝の工事施術の時間に合わせて、夜間や土日祝の工事にも対応します。取り付けだけのご依頼も、看板の構造を確かめたうえで承ります。看板施工・取付を見る
表示面の貼り替え・点検と修理名前や施術時間が変わったときの表示面の貼り替えから、照明の修理、屋外広告士による点検まで承ります。看板修理・LED化を見る
複数の院の看板を、全国でまとめて全国61拠点のネットワークで、地域をまたぐ院の看板も、窓口ひとつで承ります。院ごとの看板の管理も、ご相談いただけます。全国・多店舗の一括対応を見る
写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの施工の現場・スタッフです。
ご相談のときにあると進めやすいもの
- 施術所の住所(テナントの場合はビルの名前も)
- 建物の外観と、看板を付けたい場所の写真(スマートフォンで撮ったもので十分です)
- 載せたい内容(名前・施術時間など。決まっていなくてもご相談いただけます)
- 開業・移転・リニューアルの予定日
- テナントの場合は、管理会社やビルの看板の決まり
- 複数の院の看板なら、院の一覧(住所)
そろっていないものがあっても、写真1枚からご相談いただけます。
グリーンクロスは、全国61拠点のネットワークと、全国47都道府県での屋外広告業の登録で、全国の施術所の看板に対応しています。窓口はひとつで、複数の院を展開するグループの看板も、まとめて承ります。全国に店舗を展開する企業にも、この規模から選んでいただいています。夜間や土日祝の工事にも対応し、看板の点検は屋外広告士が行います。載せたい内容は、デザインの前に一緒に整理します。
よくあるご質問
整骨院の看板に「各種保険取扱い」と書けますか?
書けません。あはき・柔整広告ガイドラインは、「各種保険取扱い」「労災保険取扱い」「自賠責保険取扱い」「交通事故取扱い」を書けない例に挙げています。書けるのは、医療保険の療養費の支給申請ができる旨で、接骨院・整骨院では、脱臼・骨折の患部の施術の申請に医師の同意が必要な旨をあわせて書く場合に限ります。
「交通事故」や「むちうち」の施術を、看板で知らせられますか?
看板では知らせられません。「交通事故取扱い」「交通事故専門」「むちうち専門」は、ガイドラインで書けない例です。交通事故やむちうちは、書ける事項に入っていないためです。
看板には「整骨院」と「接骨院」のどちらを書けばよいですか?
告示に挙がっているのは「ほねつぎ(又は接骨)」です。「整骨院」は、国の検討会で議題になりましたが、ガイドラインには書ける例にも書けない例にも載っていません。看板の名前は届け出る名前と同じにし、「整骨院」を使うか迷うときは、施術所の所在地の保健所などに確かめます。
施術の料金を看板に載せられますか?
施術の料金は、看板に書ける事項に入っていません(駐車場の料金は書けます)。ガイドラインは、ウェブサイトを原則として広告にあたらないとし、自費の施術を行う施術所には、施術の内容と通常必要な費用などをウェブサイトに分かりやすく載せるよう求めています。
整骨院や鍼灸院の看板は、どこに頼めばよいですか?
デザインから製作・取り付けまで行う看板会社に頼むと、店頭の看板・袖看板・ガラス面の表示・置き看板を、まとめて進められます。グリーンクロスでは、載せる内容の整理から、デザイン・製作・取り付け、屋外広告物の許可が要るかのご案内まで承ります。夜間や土日祝の工事にも対応し、複数の院の看板も、全国61拠点のネットワークで窓口ひとつにまとめられます。ご相談・お見積りは無料です。
院内に貼るポスターにも、同じ決まりがありますか?
施術所の中で掲示したり配ったりするパンフレットなどは、受け手が利用者に限られる限り、広告にあたらないとされています。ただし、入口のガラスに外へ向けて貼るものは通りから見えるため、看板と同じに考えます。
整体院の看板にも、この決まりはありますか?
柔道整復師法とあはき法の広告の決まりは、柔道整復と、あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅうの業務と施術所が対象です。ガイドラインには、免許を持たない人の行為の広告についての項目もあります。整体院などの看板で迷うときは、お店の所在地の自治体の窓口に確かめます。なお、接骨院や鍼灸院が「整体」「カイロ」と書くことは、ガイドラインで書けない例です。
決まりに合わない看板を出すと、どうなりますか?
ガイドラインが示す進め方では、都道府県や保健所などが、説明を求めるなどして調べたうえで、まず行政指導で広告の中止や是正を求めます。行政指導に従わない場合やくり返す場合には、告発も検討するとしています。罰則は、30万円以下の罰金です(柔道整復師法 第30条第5号、あはき法 第13条の8第1号)。
参考にした資料
- 厚生労働省「あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)」(2025年2月18日)(別のタブで開きます)広告の3要件、媒体の例(看板)、院内掲示とウェブサイトの扱い、書ける事項の例、名前の可否、禁止される広告の例、指導の進め方
- 厚生労働省医政局長通知「あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)について」(医政発0218第1号、2025年2月18日)(別のタブで開きます)都道府県・保健所設置市・特別区への周知・指導・相談窓口の依頼(技術的助言)
- 厚生労働省医政局医事課「あはき・柔整広告ガイドラインの概要」(別のタブで開きます)医療保険の療養費の支給申請ができる旨の書き方の例と、書けない例
- 厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師について」(別のタブで開きます)広告規制の関連規程の一覧。広告の相談は、施術所の所在地の自治体の窓口
- 平成11年厚生省告示第70号(柔道整復の業務又は施術所に関して広告し得る事項)(別のタブで開きます)
- 平成11年厚生省告示第69号(あん摩業等又はこれらの施術所に関して広告し得る事項)(別のタブで開きます)
- 柔道整復師法(e-Gov 法令検索)(別のタブで開きます)第18条第1項(都道府県知事の読み替え)、第19条(施術所の届出)、第24条(広告の制限)、第30条(罰則)
- あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(e-Gov 法令検索)(別のタブで開きます)第7条(広告の制限)、第8条第1項(都道府県知事の読み替え)、第9条の2(施術所の届出)、第13条の8(罰則)
- 医療法(e-Gov 法令検索)(別のタブで開きます)第3条(病院・診療所と紛らわしい名称)
- 道路法(e-Gov 法令検索)(別のタブで開きます)第32条(道路の占用の許可)
- 道路法施行令(e-Gov 法令検索)(別のタブで開きます)第7条第1号(道路の占用の許可の対象になる物件に「看板」)
- 厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」(別のタブで開きます)第10回(2024年5月20日)・第11回(2024年7月12日)の議題「施術所の名称「整骨院」について」
- 厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」第11回 議事録(2024年7月12日)(別のタブで開きます)施術所の名称「整骨院」の扱い
- 兵庫県「あん摩マッサージ指圧等の施術所における広告について」(2025年11月17日更新)(別のタブで開きます)「交通事故治療専門」「むち打ち専門」の扱い、医療広告ガイドラインは施術所に適用されないこと
- 福岡市「施術所等について広告し得る事項」(2025年3月11日更新)(別のタブで開きます)相談は、施術所の所在地の衛生課(医薬務係)
- 大阪市「屋外広告物申請 Q&A」(別のタブで開きます)自家用の定義と、自家用でない場合の申請
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。




