看板のデザインの頼み方。デザイン料の決まり方と、著作権・データで決めておくこと
開業や改装で看板を新しくするとき、デザインを誰にどこまで頼むかで、決めておくことが変わります。デザイン料は、ロゴを作るか、案の数、修正の回数、データをどこまで渡すかで決まります。頼んで作ったデザインでも、著作権とデータの扱いは、契約で決めておくものです。看板の会社にデザインから頼めば、大きさ・素材・取り付け方まで合わせて決められます。
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この記事のポイント
- 01頼み方は「看板の会社にデザインから」「デザイナーに頼み、看板の会社が作る」「自分で作ったデータを持ち込む」の3つで、決めておくことがそれぞれ違います
- 02デザイン料は、ロゴの制作、写真やイラスト、案の数、修正の回数、現地の確認、データと権利の引き渡しで決まります
- 03校正では、電話番号などの数字、文字の高さ、色見本の色、金具で隠れる部分を確かめ、承認した版を記録に残します
- 04看板のデザインが著作物にあたる場合、著作権は原則として作った側が持ちます。頼んだ側に移すなら、作り変える権利など(著作権法 第27条・第28条)まで契約書に書き添えておきます
- 05グリーンクロスは、デザインから製作・取り付けまでのほか、お手持ちのデザインの調整や、全店舗のデザインの統一も承ります
看板のデザインの頼み方は、大きく3つです
看板のデザインの依頼とは、店名やロゴ、伝えたいことを、看板の大きさと素材に合わせた図案にしてもらうことです。頼み方は「看板の会社にデザインから」「デザイナーに頼み、看板の会社が作る」「自分で作ったデータを持ち込む」の3つで、起きやすいずれがそれぞれ違います。
看板の会社にデザインから頼む
デザイン・製作・取り付けを、同じ会社が受け持ちます。看板の大きさや素材、取り付け方を知っている人がデザインするため、作る段階での直しが少なくなります。
デザイナーに頼み、看板の会社が作る
デザインだけを、デザイン事務所やフリーランスのデザイナーに外注します。そのデータで、看板の会社が作ります。ロゴから形にしたいときに向いています。
自分で作ったデータを持ち込む
お店や会社で作ったデザインのデータを、看板の会社に渡します。看板の大きさで見え方が変わるところは、作る前に調整します。
看板の会社にデザインから
- 向いているとき
- 看板の数が多い。取り付けまでまとめたい。開店の日が決まっている
- 起きやすいずれ
- 名刺やウェブサイトと、色や書体がそろわない
- 先に決めること
- ロゴと色の決まりを渡す。データと権利をどこまで受け取るか
デザイナーと看板の会社に分けて頼む
- 向いているとき
- ロゴから作りたい。チラシやウェブサイトとあわせて、見た目をそろえたい
- 起きやすいずれ
- 看板の寸法や金具、見る距離を知らずに作ると、文字が小さい・端が隠れる・データの形式が合わない
- 先に決めること
- 看板の会社の寸法とデータの条件を、デザインを始める前にデザイナーへ渡す
自分で作ったデータを持ち込む
- 向いているとき
- 名刺やウェブサイトで使っているデザインがある。費用を抑えたい
- 起きやすいずれ
- 画像のデータを拡大すると粗い。文字がアウトライン化されていない。画面と実物で色が違う
- 先に決めること
- データの形式・色の指定・写真の大きさを、作る前に確かめてもらう
一般的な傾向です。会社やデザイナーによって、頼める範囲は違います。
どの頼み方でも、看板は「大きく作り、離れた場所から、外で長く見る」ものです。名刺やウェブサイトのデザインをそのまま大きくすると、文字の大きさや細い線、色の見え方が合わないことがあります。見やすさの決め方は、見やすい看板のデザインのコツにまとめました。
ポイント:デザイナーに頼むときは、看板の会社の条件を先に渡します
デザイナーと看板の会社が別のときは、看板の寸法、文字を入れてよい範囲、素材、光らせるかどうか、データの形式を、デザインを始める前にデザイナーへ渡します。看板の会社に図面や現地の写真があれば、それも一緒に渡すと、作り直しを防げます。
デザイン料は、作業の量と、渡すものの範囲で決まります
看板のデザイン料は、ロゴを作るか、写真やイラストを用意するか、案の数と修正の回数、現地の確認、データや権利をどこまで渡すかで決まります。看板に定価がないのと同じで、デザイン料も頼む内容で変わります。
ロゴ・マーク
- 作業が増えるとき
- ロゴを新しく作る。名刺や写真から、ロゴの形を作り直す
- 見積りで確かめること
- ロゴの制作がデザイン料に入っているか
写真・イラスト
- 作業が増えるとき
- 写真を撮る。素材を買う。写真を切り抜く・補正する
- 見積りで確かめること
- 撮影や素材の費用が別か。素材の規約を誰が確かめるか
看板の数と面
- 作業が増えるとき
- 正面・袖・ガラス面・スタンドなど、看板ごとに内容が違う
- 見積りで確かめること
- 何種類・何面のデザインか
案の数
- 作業が増えるとき
- はじめに出す案が多い
- 見積りで確かめること
- 最初に出る案の数
修正の回数
- 作業が増えるとき
- 修正が多い。承認のあとに内容を変える
- 見積りで確かめること
- 修正の回数と、超えたときの扱い
寸法・現地の確認
- 作業が増えるとき
- 取り付ける面を測る。建物の図面に合わせる
- 見積りで確かめること
- 現地の確認が入っているか、別の費用か
データ・権利の引き渡し
- 作業が増えるとき
- 編集できる元のデータまで渡す。著作権も譲渡する
- 見積りで確かめること
- どの形式のデータを、どこまで渡すか。権利の扱い
項目の名前や分け方は、会社によって違います。金額は、頼む内容で変わります。
デザイン料を製作費と分けて書くか、製作費にまとめて書くかも、会社や頼み方で違います。見積書に「デザイン」の行がないときは、デザインがどこまで含まれているかを聞いておくと、あとから追加の費用で慌てずに済みます。見積書全体の見方は、看板の費用の決まり方で紹介しています。
ポイント:権利やデータを渡す分が、金額に入っているかも確かめます
公共の契約にも、この考え方があります。岐阜県の「著作権等取扱特記事項」は、著作権を発注者に譲渡する対価を、契約の金額に含むと定めています。データや権利を受け取りたいときは、見積りを頼む前に伝えておきます。
修正の回数も、見積りの段階で決めておきます。回数の決まりは、会社やデザイナーによって違います。修正が増えるのは、入れる内容や優先順位が途中で変わるときです。次の章の「依頼の前に伝えること」を最初にそろえておくと、修正を減らせます。
依頼の前に、目的・見る距離・寸法・色をまとめておきます
デザインを頼む前に、看板の目的、誰がどこから見るか、設置場所の写真と寸法、入れる情報の優先順位、色の指定、地域の決まり、期限をまとめておきます。最初にそろうほど、案が的を外れず、修正が減ります。
デザインの依頼書に書くこと
- 目的:新しい店を知らせる、入口へ案内する、店名を変える など
- 見る人と距離:車から・向かいの歩道から・店の前から、など、どこから読ませたいか
- 設置場所の写真:建物全体、取り付ける面の正面、読ませたい場所から見たところ
- 寸法:取り付ける面の幅と高さ(分かる範囲で)と、看板の大きさの希望
- 入れる情報と優先順位:店名・業種・電話番号・営業時間など。いちばん伝えたいことを1つ
- ロゴと色の指定:ロゴのデータと、色番号(DIC・PANTONE など)があれば
- 地域やビルの決まり:景観の色の決まり、商業施設やビルの看板の決まり
- 夜の見え方:夜も営業するか、看板を光らせて夜も見せたいか
- 期限とほかの看板:開店の日。袖看板やガラス面の表示もそろえるか
分からない項目は、空けたままで構いません。写真1枚からでも、足りないところを一緒に整理します。
入れる情報は、遠くから見る看板ほど絞ります。店名やマーク、何の店かを大きく見せ、営業時間やメニューは入口の近くの看板に回すと、どの看板も読みやすくなります。見る距離から文字の高さの目安を出すなら、看板の文字の大きさの計算が使えます。

いちやまのロゴマークと、SUPERMARKET ICHIYAMA の立体の文字の看板。ロゴの緑を、SUPERMARKET の文字と「!」にも使っています 
外壁の2つの面に、同じ店名とロゴを入れた店舗(Pizza Cooc)。正面と側面のどちらから見ても、店名が分かります
いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。
法令・ルール:色に決まりがある地域もあります
地域によっては、景観の決まりで、看板に使える色や面積に基準があります。基準は自治体や地区ごとに違うため、デザインを決める前に、設置場所の決まりを確かめます。商業施設やビルの中の看板は、施設の決まりも確かめます。
ラフ・校正・承認の順に、決めたことを記録に残します
看板のデザインは、ラフ(下書きの案)で配置を決め、校正で誤字・数字・色・寸法を確かめ、承認した版で作ります。校正とは、作る前にデザインの誤りや仕上がりの違いを確かめて、直すことです。
- 1
ラフで、配置と優先順位を決める
入れる情報の並びと、だいたいの色・書体を決めます。手書きの案や、画面の簡単な案で構いません。ここで優先順位を決めておくと、あとの修正が減ります。
- 2
校正で、誤りと仕上がりを確かめる
看板の寸法が入った校正の図で、誤字や数字、色、文字の大きさを確かめます。気になる文字は、一部を原寸で刷って取り付ける場所に当ててみると、見え方がつかめます。
- 3
承認して、版を決める
製作に進む版を決めて、版の番号や日付、承認した人をメールなどで残します。承認のあとで内容を変えると、修正の回数や費用に関わることがあります。
- 4
承認した版で作る
承認したデータで製作します。塗装やシートの色は、素材の見本で確かめます。光らせる看板は、点灯したときの見え方も確かめます。
- 店名・ロゴの形字の誤りと、ロゴの形や縦横の比率が、元のデータのとおりか。
- 電話番号・営業時間・住所数字の誤りは見落としやすいところです。名刺や届け出の控えなど、元の資料と1文字ずつ照らし合わせます。
- 色の指定色番号(DIC・PANTONE などの色見本の番号)と、素材の見本の色。画面の色だけでは決めません。
- 文字の高さ看板の寸法の中で、読ませたい距離に足りる高さになっているか。
- 看板の寸法と、隠れる部分外形の寸法と、フレームや取り付けの金具で隠れる線(点線)の内側に、文字が収まっているか。
- 承認の記録承認した版の番号と日付、承認した人。製作はこの版で進めます。
架空の看板で描いた、校正の図の模式図です。校正の図の形は、会社によって違います。

補足:公共の発注では、校正の回数まで決めている例があります
三重県立美術館の仕様書は、美術館の近くと館内に置く看板・バナーのデザインについて、文字校正の回数を2回と決めています。お店や会社の看板でも、校正の回数と、誰が承認するかを最初に決めておくと進めやすくなります。
頼んで作ったデザインでも、著作権は契約で決めます
看板のデザインが著作物にあたる場合、著作権は、原則としてデザインを作った側が持ちます。頼んだ側に移すなら、契約で譲渡を決めます。作り変える権利と、作り変えたものを使う権利(第27条・第28条)は、契約に書き添えないと作った側に残ると推定され、著作者人格権は移せません。
注文して作ってもらったデザインでも、代金を払っただけでは、著作権は頼んだ側に移りません。国や自治体、公共の催しの実行委員会が看板や広報物のデザインを発注するときも、仕様書や契約に、著作権をどちらが持つかを書いている例があります。
岐阜県の「著作権等取扱特記事項」は、印刷物が著作物にあたる場合、著作者人格権と著作権は受託者(作った側)が持つとしています。そのうえで、著作権を、引き渡しのときに発注者へ譲渡すると定めています。デザインが著作物にあたるかどうかは、デザインの中身によります。この特記事項も、「著作物に該当する場合には」と条件をつけて書いています。
- 著作権(財産としての権利)契約で、全部または一部を譲渡できます(著作権法 第61条第1項)。同じデザインで看板を作り直す、ほかの印刷物に使う、といった使い方に関わります。
- 作り変える権利など(第27条・第28条)翻訳・変形・翻案などの権利(第27条)と、二次的著作物の利用に関する権利(第28条)です。譲渡の目的として特掲されていない(書き添えていない)と、譲渡した側に留保されたものと推定されます(第61条第2項)。
- 著作者人格権譲渡できない権利です(第59条)。名前を表示するかを決める権利(氏名表示権・第19条)や、意に反して変えられない権利(同一性保持権・第20条)があります。
- 契約書どの権利を移すか、移さずに使ってよい範囲、データの引き渡し、対価を書いておきます。
模式図です。デザインが著作物にあたるかどうかは、デザインの中身によります。
公共の契約では、譲渡する著作権に、第27条と第28条に規定する権利を含むと書き添え、著作者人格権は行使しないと決めている例があります。岐阜県の特記事項と、三重県立美術館の、看板・バナーのデザインを含む仕様書が、この書き方です。弁護士の解説でも、譲渡するものを「著作権の全て」とするだけでなく、第27条と第28条の権利を含むと書いておくべき、とされています。
岐阜県(著作権等取扱特記事項)
- 権利の決め方
- 著作物にあたる場合、受託者の著作権を、第27条・第28条の権利も含めて、引き渡しのときに発注者へ譲渡。著作者人格権は行使しない
- データ・素材の決め方
- 電子データを DVD で引き渡す。第三者の権利を侵害しないことを、受託者が保証する
香川県の実行委員会(看板製作等業務の仕様書)
- 権利の決め方
- 業務に関わる一切の著作権(製作の途中で作った素材なども含む)は、実行委員会に帰属
- データ・素材の決め方
- デザインのデータをai・JPEG・PDFで納品。受け渡しはメール
三重県立美術館(看板・バナーのデザインを含む仕様書)
- 権利の決め方
- 著作権は、第27条・第28条の権利も含めて、成果物の引き渡しで美術館に譲渡。著作者人格権は、将来にわたって行使しない
- データ・素材の決め方
- 看板・バナーのデザインを、aiファイル・リンクで配置した元の画像のデータ・確認用のPDFで納品。文字校正は2回
自衛隊佐賀地方協力本部(看板作成の仕様書)
- 権利の決め方
- 契約の相手方が取得した著作権は、すべて官側に帰属
- データ・素材の決め方
- デザインは官側が渡したデータで作る。渡したデータを、ほかに引用・転載しない
2026年10月に、各資料を開いて確かめました。公共の発注の書き方の例で、お店や会社の契約を同じにしなければならない、というものではありません。
契約で決めておくこと
著作権を移すか
- 決める中身の例
- 移す(譲渡)か、移さずに使ってよい範囲を決めるか。移すなら、第27条・第28条の権利も含むと書く
- 決めていないと起きやすいこと
- ほかの会社で作り直すとき、作った側の許しが要ることがある
データの引き渡し
- 決める中身の例
- 製作用のPDFだけか、編集できる元のデータや、配置した画像まで渡すか
- 決めていないと起きやすいこと
- 看板を作り替えるとき、データを一から作り直すことがある
看板のほかの使い道
- 決める中身の例
- 名刺・チラシ・ウェブサイト・車両・のぼり旗にも使うか
- 決めていないと起きやすいこと
- 看板のほかに使ってよいかで、あとから話し合いになる
直し・作り変え
- 決める中身の例
- 店名や電話番号が変わったとき、誰がどこまで直せるか
- 決めていないと起きやすいこと
- 小さな直しでも、はじめに作った人に頼むことになる場合がある
作った人の名前
- 決める中身の例
- 看板に作った人の名前を入れないこと
- 決めていないと起きやすいこと
- 名前の扱いで、あとから行き違いになる
素材の権利
- 決める中身の例
- 使った写真・イラスト・フォントが、規約に合っていることを作った側が確かめる
- 決めていないと起きやすいこと
- 素材の規約に合わない使い方になる
対価
- 決める中身の例
- 権利を移す分・データを渡す分が、金額に入っているか
- 決めていないと起きやすいこと
- あとから追加の費用を求められることがある
一般的な例です。決め方は、デザインの使い道と、頼む相手によって変わります。
法令・ルール:個別の契約の判断は、専門家に相談します
ここで書いたのは、文化庁の資料と弁護士の解説、公共の契約の例で確かめた、一般的な決まりです。デザインが著作物にあたるか、契約の書き方で足りているかは、デザインと契約ごとに変わります。迷うときは、弁護士などの専門家に相談します。
受け取るデータは、製作用と編集用を分けて決めます
あとで看板の内容を変えて作り替えたり、ほかの会社に直しを頼んだりするなら、製作用のデータだけでは足りません。文字を打ち直せる編集用のデータと、配置した画像の元のデータも受け取れるよう、頼む前に決めておきます。
製作用のデータ
- 中身
- 文字をアウトライン化(図形にする処理)した、ベクター形式のデータ(ai・PDFなど)
- あると助かる場面
- 同じ看板を作り直す。別の店舗に同じ看板を付ける
編集用のデータ
- 中身
- アウトライン化する前の、文字を打ち直せるデータと、使ったフォントの名前
- あると助かる場面
- 電話番号・営業時間・店名を直す
配置した画像の元のデータ
- 中身
- 写真やイラストの元のファイル
- あると助かる場面
- 大きさの違う看板やチラシに使う
色の指定
- 中身
- 色番号(DIC・PANTONE など)と、使った素材の品番や見本
- あると助かる場面
- 別の素材や別の会社で作るときに、色を合わせる
確認用のPDF
- 中身
- 仕上がりを見るための、軽いデータ
- あると助かる場面
- 社内での確認、ほかの印刷物との見比べ
素材の記録
- 中身
- 使った写真・イラスト・フォントの名前と、入手先、規約
- あると助かる場面
- 別の使い道に使ってよいかを確かめる
公共の発注の例では、三重県立美術館の仕様書が、看板・バナーのデザインを、aiファイル・配置した元の画像のデータ・確認用のPDFで納めるよう決めています。
フォントのファイルそのものは、受け渡すデータに入れないのが基本です。フォントの規約で、ほかの人に渡すことを認めていない場合があるためです。文字はアウトライン化して渡し、あとで直すときのために、使ったフォントの名前を残しておきます。データの形式の違いは、ロゴを看板にする方法にくわしくまとめました。

ポイント:看板の会社には、製作用のデータと色の指定を渡します
持ち込むときは、ベクター形式のデータ(ai・PDFなど)、文字のアウトライン化、色番号の3つがそろっていると、確かめることが少なく済みます。そろっていなくても、手元のデータからご相談いただけます。入稿データで確かめる項目は、看板製作のページにまとめています。
フォント・写真・イラストは、規約で使い方が決まっています
看板に使うフォントや写真・イラストの素材は、作った会社や素材サイトの規約で、商用で使えるか、どこまで使えるかが決まっています。規約はメーカーやサイトごとに違うため、看板に使う前に、その素材の規約を確かめます。
定額で使えるフォント
- 確かめること
- 看板(印刷するもの・切り文字や立体の文字にするもの)に使えるか。フォントのファイルを看板の会社に渡してよいか
- 規約の例(2026年10月に確かめた範囲)
- Adobe Fonts は、すべてのフォントに同じライセンスで、印刷物などに使えるとしています。一方で、ライセンスを持たない印刷業者などと共有すると、ライセンスのない使用と見なされる場合がある、としています
市販のフォント
- 確かめること
- 使える出力の範囲。作ったロゴを商標登録してよいか
- 規約の例(2026年10月に確かめた範囲)
- モリサワのフォントを収めた市販品の使用許諾契約書は、印刷物や、印鑑・スタンプなどの有体物に使えるとしつつ、フォントで作ったロゴの商標登録・意匠登録を禁じています
無料のフォント
- 確かめること
- 商用で使えるか。フォントを渡せる相手
- 規約の例(2026年10月に確かめた範囲)
- 海外のフォントメーカーの K‑Type は、自社が無料で配っているフォントも、ビジネスや宣伝に使うならライセンスを買うよう求めています。買ったライセンスでも、フォントは他人に渡せず、同僚・デザイナー・出力の会社だけを例外としています
無料のイラスト
- 確かめること
- 商用での使い方の条件(点数など)。使うサービスで条件が変わるか
- 規約の例(2026年10月に確かめた範囲)
- Canva は、いらすとやの素材を Canva の中で使えば、商用でも20点の点数の制限がないとしています。「イラストを編集してデザインに追加すれば、商用利用も可能」とも案内しています
写真素材(ストックフォト)
- 確かめること
- ライセンスの種類ごとの、使える範囲
- 規約の例(2026年10月に確かめた範囲)
- Adobe Stock は、通常ライセンス・強化ライセンス・拡張ライセンスなど、ライセンスの種類ごとに使える範囲を分けています。どのライセンスが付くかは、素材の種類で違います
地域のキャラクター
- 確かめること
- 届け出と、決まったデザインの範囲。看板に使うときの書き添え
- 規約の例(2026年10月に確かめた範囲)
- 石川県のサイトに載る「のとっきー」の Q&A は、決まったデザイン以外の使い方や改変はできないとし、印刷物の届け出は発注した企業がするとしています。看板などに使うときは、特定のチームや団体のキャラクターと誤認されないよう、キャラクターの脇に決まった文を書き添えるよう求めています
規約は変わることがあります。使うときに、その時点の規約を確かめます。
看板は、外で長く、大きく、通る人の誰もが見るものです。規約の「印刷物」「商用」「ロゴ」「商標」「第三者への提供」のところを読み、迷うときは、素材を作った会社やサイトに問い合わせます。デザインを頼むときは、素材の規約を誰が確かめるかも決めておきます。
法令・ルール:他社のロゴやキャラクターは、原則として許しがなければ使えません
人気のキャラクターや他社のロゴは、商標権・意匠権・著作権や、不正競争防止法で守られていることがあります。特許庁の知的財産権の Q&A は、無断で使われた側が、使うのをやめることや、損害の賠償などを求められる場合を説明しています。看板に入れたいときは、権利を持つ会社の許しを得ます。
素材を使ったら残しておくこと
- 素材の名前と、素材の番号(ID)
- 入手したサイトやメーカーの名前
- 規約(ライセンス)の種類と、確かめた日
- 買ったときの控え(注文の記録など)
- どの看板・どの印刷物に使ったか
看板を作り替えるときや、別の使い道に使うときに、規約を確かめ直せます。
迷いやすいのは、データ・色・写真・直しの頼み先です
看板のデザインで迷いやすいのは、データはもらえると思っていた、画面と実物の色が違う、写真が粗い、ほかの会社に直しを頼めない、の4つです。どれも、頼む前に決めておくと防げます。
データはもらえると思っていた
看板ができても、デザインのデータや権利が、頼んだ側に渡るとは限りません。製作用のデータだけか、編集用のデータや権利まで受け取るかを、頼む前に決めます。
画面の色と、看板の色が違う
画面は光で色を見せ、看板は塗料・シート・インクで色を出すため、同じ色に見えないことがあります。色番号で指定し、素材の見本で確かめます。
写真を大きくしたら、粗くなった
スマートフォンやウェブサイトの画像は、看板の大きさに引き伸ばすと粗く見えることがあります。このサイトの看板製作のページでは、画像の解像度の目安を、仕上がりの原寸で100〜150dpiとしています。
ほかの会社に、直しを頼めない
編集用のデータがない、使ったフォントが分からない、権利の扱いが決まっていない、のどれかだと、ほかの会社では直しにくくなります。
どれも、デザインが仕上がってから気づくことが多いところです。見積りの前に「データはどこまで受け取れるか」「色はどう確かめるか」「写真は看板の大きさで足りるか」を聞いておくと、作り直しを防げます。遠くから見る大きな看板では、画像の解像度がこの目安より低くても足りる場合があるため、見る距離とあわせて確かめます。
グリーンクロスは、デザインから製作・取り付けまで承ります
グリーンクロスは、看板のデザインから製作・取り付け・点検まで、ひとつの窓口で承ります。お手持ちのデザインのデータの確認と看板に合わせた調整、全国の店舗のデザインの統一もご相談いただけます。
デザインから頼む設置場所の写真や手書きのメモ、ロゴから、看板として成り立つデザインの案を作ります。見る距離や周りの景観を踏まえ、夜の見え方と地域の決まりも、あわせてご相談いただけます。看板製作を見る
手持ちのデザインを看板に合わせるお持ちのデータや原稿を確かめ、寸法・割付・文字の見え方を、看板の大きさに合わせて整えます。製作に必要な確かめごとだけをご案内します。入稿データの確認項目を見る
全店舗のデザインをそろえる色・素材・加工・検品の基準を全拠点で共有し、店舗ごとの建物の寸法に合わせながら、ブランドの見え方をそろえます。全国・多店舗の一括対応を見る
製作・取り付け・点検まで内容に応じてグループの工場か協力会社で製作し、取り付けまで承ります。夜間や土日祝の工事にも対応し、取り付けたあとの点検や修理もお受けします。看板施工・取付を見る
写真は、グリーンクロスのスタッフとグループの作業場、グリーンクロスグループが手がけた看板(ニトリ)です。
ご相談から取り付けまでの流れ
- 1
写真と内容をお送りいただく
設置場所の写真と、入れたい内容、期限をお知らせください。デザインの依頼書が白紙のままでも構いません。
- 2
写真から概算をお伝えする
看板の種類と大きさの考え方と、写真から出した概算をお伝えします。
- 3
現地を確かめて、正式なお見積り
仕様が決まり、現地を確かめてから、正式なお見積りをお出しします。デザインに含める範囲や、データの扱いも、この段階でご相談ください。
- 4
デザインと仕様の確定
デザインの案をお出しし、誤字・数字・色・寸法を確かめていただいてから、仕様とデータを確定して製作します。確定した仕様は記録に残します。
- 5
製作・取り付け
製作して取り付けます。取り付けたあとの点検や修理、表示面の貼り替えも承ります。
グリーンクロスは、全国61拠点のネットワークと、全国47都道府県での屋外広告業の登録で、全国の看板に対応しています。窓口はひとつで、全国に店舗を展開する企業にも、この規模から選んでいただいています。看板の企画・デザインから、製作・取り付け・点検・撤去まで、同じ窓口でご相談いただけます。取り付けたあとの点検は屋外広告士が行い、自治体の様式に沿って報告書を作ります。
既製品のスタンド看板や、プレート看板・切り文字は、グループの通販サイト「看板通販サインシティ(別のタブで開きます)」でも注文でき、看板のデザインも頼めます。看板の数が少ないときや、決まった形の看板で足りるときは、こちらも使えます。
よくあるご質問
看板のデザインだけを頼むことはできますか?
できます。デザイン事務所やフリーランスのデザイナーにデザインだけを頼み、看板の会社に製作を頼む方法があります。その場合は、看板の寸法、文字を入れてよい範囲、素材、データの形式を、デザインを始める前にデザイナーへ渡すと、作る段階での直しが減ります。
看板のデザイン料は、製作費に含まれていますか?
会社や頼み方によって違います。見積書で、デザインが別の行になっているか、製作費に含まれているかを確かめます。あわせて、案の数・修正の回数・データの引き渡しなど、デザインに含まれる範囲も聞いておきます。
看板のデザインの修正は、何回までできますか?
修正の回数は、依頼先との取り決めで決まります。見積りの段階で、修正の回数と、回数を超えたときの扱いを確かめておきます。入れる内容と優先順位を最初にそろえておくと、修正を減らせます。
看板のデザインの著作権は、誰のものですか?
デザインが著作物にあたる場合、原則として、デザインを作った側(デザイナーや看板の会社)が持ちます。頼んだ側に移すには、契約で譲渡を決めます。作り変える権利と、作り変えたものを使う権利(著作権法 第27条・第28条)は、書き添えないと作った側に残ると推定されます。そのため公共の契約では、第27条と第28条の権利を含むと書いている例があります。個別の判断は、弁護士などの専門家に相談します。
看板のデザインのデータは、もらえますか?
依頼先との取り決めによります。製作用のPDFだけか、文字を打ち直せる編集用のデータ(aiファイルなど)や、配置した画像の元のデータまで受け取るかを、頼む前に決めておきます。あとで別の会社に直しを頼む予定があるなら、権利の扱いもあわせて決めます。
フリーフォントやフリー素材は、看板に使えますか?
規約しだいです。無料のフォントや素材でも、商用での使い方や点数、ロゴにしてよいかなどに条件があることがあります。フォントは、看板に使えるか(印刷するか、切り文字や立体の文字にするか)、作ったロゴを商標登録してよいか、フォントのファイルを渡してよいかを確かめます。使った素材の名前と規約は、記録に残しておきます。
自分で作ったデザインを持ち込んで、看板を作ってもらえますか?
作れます。データの形式・文字のアウトライン化・色の指定・写真の大きさを確かめ、看板の大きさや素材で見え方が変わるところがあれば、調整をご提案します。画像のデータしかない場合も、まずはお手元のデータでご相談ください。
キャラクターや有名なロゴを、看板に入れてもいいですか?
原則として、権利を持つ会社の許しが要ります。キャラクターやロゴは、商標権・意匠権・著作権や不正競争防止法で守られていることがあります。無断で使われた側は、使うのをやめることや、損害の賠償などを求められる場合があります。地域のキャラクターにも、届け出や使い方の決まりがあることがあります。
参考にした資料
- 文化庁「誰でもできる著作権契約マニュアル」第1章 1.(2)著作権に関する契約について(別のタブで開きます)創作を依頼して報酬を払っても著作権は譲渡されない、全部または一部の譲渡(第61条第1項)、二次的著作物に関する権利の推定(第61条第2項)、著作者人格権は譲渡できない
- 文化庁著作権課「誰でもできる著作権契約マニュアル」(PDF。令和4年度文化庁委託事業)(別のタブで開きます)第27条・第28条の権利の意味、第61条第2項の推定と「著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む」の規定例(p.11)、著作者人格権を行使しない旨の規定(p.9)
- 文化庁著作権課「著作権テキスト」令和6年度版(別のタブで開きます)氏名表示権(第19条)・同一性保持権(第20条)、翻訳権・翻案権等(第27条)、二次的著作物の利用(第28条)、著作者人格権は譲渡できない(第59条)、著作権の譲渡(第61条)
- 岐阜県のサイトに載る「著作権等取扱特記事項」(印刷製本物の制作の委託契約の別添)(別のタブで開きます)著作物にあたる場合の権利の持ち主、第27条・第28条の権利を含む譲渡、著作者人格権の不行使、第三者の権利の保証、電子データの引き渡し、譲渡の対価
- 第49回全国高等学校総合文化祭香川県実行委員会事務局「第49回全国高等学校総合文化祭プレ大会用看板製作等業務(11月〜1月分)」仕様書(別のタブで開きます)著作権の帰属、デザインのデータの納品の形式(ai・JPEG・PDF)と受け渡し
- 三重県立美術館「藤島武二没後80年 鹿子木孟郎生誕150年 洋画の青春」展図録等印刷物製作・広報物デザイン制作業務 仕様書(三重県のサイトに掲載)(別のタブで開きます)看板・バナーのデザインデータの制作(納品の形式・文字校正の回数)、著作権(第27条・第28条の権利を含む)の譲渡と著作者人格権の不行使
- 自衛隊佐賀地方協力本部「看板作成、貼付及び剥離役務」仕様書(令和8年6月10日)(別のタブで開きます)渡したデータでのデザインの作成、著作権の帰属、渡したデータの引用・転載の禁止
- BUSINESS LAWYERS「外部のデザイナーが作成したデザインの著作権をすべて買い取るときの注意点」(桑野雄一郎弁護士、2017年3月13日)(別のタブで開きます)著作権法 第61条(第2項の推定)・第59条・第19条・第20条の解説
- 特許庁「知的財産権 Q&A Q7. 漫画キャラクターの無断使用対策」(2025年8月25日更新)(別のタブで開きます)商標権・意匠権・著作権・不正競争防止法による対抗策
- 能登地域トキ放鳥PRキャラクター「のとっきー」の使用に関するQ&A(石川県のサイトに掲載)(別のタブで開きます)決まったデザイン以外の使用・改変、印刷物の届け出、看板などに使うときの書き添え
- アドビ「Adobe Fontsとは?」(別のタブで開きます)すべてのフォントに同一のライセンス、印刷物などへの使用
- アドビ ヘルプ「フォントメーカーライセンスリクエスト」(2025年11月12日更新)(別のタブで開きます)商用での使用の範囲と、ライセンスを持たない印刷業者などとフォントを共有するときの扱い
- ソースネクスト「Win版 ビジネス必勝フォント モリサワ エンドユーザライセンス契約書」(20250227)(別のタブで開きます)使える出力物の例、フォントで作ったロゴの商標登録・意匠登録の禁止
- K-Type「Which Licence Do I Need?」(別のタブで開きます)ロゴ・印刷物への使用、フォントを渡せる相手、自社の無料のフォントをビジネスに使うときのライセンス
- Canva「Canvaいらすとや」(別のタブで開きます)Canva の中で使う場合の商用利用と点数
- Adobe Stock「ライセンス情報と利用条件」(別のタブで開きます)ライセンスの種類(通常・強化・拡張・限定)と、それぞれのライセンスで使える範囲
- 看板通販サインシティ(トップページ)(別のタブで開きます)グループの通販サイト。スタンド看板・プレート看板・切り文字の商品と、看板のデザインの案内
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




