屋上看板・広告塔とは。種類と法律の決まり、点検と撤去のポイント
屋上看板は、建物の屋上に鉄骨などで架台を組み、表示面を取り付ける看板です。遠くからも見える位置に大きく表示できる一方、高い場所で風を受け、点検や撤去にも手間がかかります。建築基準法と条例の決まり、作るときと長く使うときに確かめることをまとめました。
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- GREEN MEDIA(グリーンクロス)

この記事のポイント
- 01屋上看板は、屋上に鉄骨などの架台を組み、表示面を取り付ける看板です
- 02高さ4m超の広告塔・広告板は原則として確認申請。防火地域では、屋上の看板は不燃材料の決まりがあります
- 03京都市のように、屋上の看板を出せない地域もあります
- 04点検では、架台のさびと屋上への固定部、照明のアームを確かめます
屋上看板は、建物の高い位置で目立つ看板です
屋上看板は、建物の屋上に架台を組んで設ける看板です。遠くからも見える位置に大きく表示できるため、オフィスビル、商業施設、工場・物流施設、ホテル、病院・クリニックなどで使われます。
屋上の看板は「屋上広告」「屋上の広告塔」とも呼ばれます。建物の壁に付ける看板より高い位置に出せるため、離れた道路や駅からも、建物の場所と名前を伝えられます。

主な種類は、箱型・枠組みの広告塔・立体の文字
屋上看板は、架台の上に箱型の看板を載せるもの、鉄骨の枠組みに大きな表示面を張る広告塔、架台に立体の文字を並べるものなどがあります。
箱型
架台の上に、箱型の看板を載せます。中に照明を入れて光らせることもあります。
枠組みの広告塔
鉄骨で枠を組み、大きな表示面を張ります。外から照明で照らす外照式も使われます。
立体の文字
低い架台に、文字やロゴを一つずつ立体にして並べます。夜は文字を光らせることもあります。
建物の屋上に設けた形の模式図です。
どの種類も、表示面の重さと風の力を、架台と屋上への固定部で支えます。建物の構造と屋上の強さ、防水への影響、資材の搬入の経路、建物の管理者の承認を、デザインを決める前に確かめます。
建築基準法と条例の、両方の決まりを確かめます
高さが4mを超える広告塔・広告板は、原則として工作物の確認申請が必要です。防火地域で建物の屋上に設ける看板は、高さにかかわらず、主要な部分を不燃材料で造るか覆います。屋上の看板を禁止・制限している地域もあります。
工作物の確認申請
- 内容
- 高さが4mを超える広告塔・広告板は、原則として確認申請が必要(建築基準法第88条・施行令第138条)
- 確かめる先
- 建築の確認の窓口
防火地域の材料
- 内容
- 防火地域で建物の屋上に設ける看板は、高さにかかわらず、主要な部分を不燃材料で造るか覆う(建築基準法第64条)
- 確かめる先
- 建物がある場所の防火地域の指定
屋外広告物条例の決まり
- 内容
- 屋上の看板を禁止・制限している地域がある(下の表)
- 確かめる先
- 看板を出す場所の自治体
建物の管理者の承認
- 内容
- テナントとして入っているビルの屋上に看板を出す・替える・外す場合は、建物の所有者や管理組合の承認が必要
- 確かめる先
- 建物の所有者・管理組合
許可の更新と点検の報告
- 内容
- このサイトで取り上げている34の地域は、いずれも許可の更新(継続)のときに点検の結果を出す決まりがある。対象の看板や点検する人の条件は地域によって違い、大きな看板だけ、設置から一定の年数がたった看板だけ、という地域もある
- 確かめる先
- 看板を出す場所の自治体
工事のための道路使用
- 内容
- クレーン車や作業車を道路に止めて工事をする場合などは、警察署の道路使用許可が必要(道路交通法第77条)
- 確かめる先
- 所轄の警察署
法令は2026年10月時点の内容です。屋上の看板の高さの測り方は、建物がある場所の確認の窓口に確かめます。
東京都
- 屋上の看板の決まり
- 住居専用地域などでは、自家用でも屋上の看板は使えません
横浜市
- 屋上の看板の決まり
- すべての屋上の看板は、維持管理主任者を置き、資格者が点検
川崎市
- 屋上の看板の決まり
- 建物の上の表示面積が50㎡を超える看板は、資格者が点検
静岡市
- 屋上の看板の決まり
- 屋上の看板の高さは、第1種特別規制地域で5m以下、かつ設置する箇所までの高さの3分の2以下
京都市
- 屋上の看板の決まり
- 屋上の看板は、市内全域で禁止
北九州市
- 屋上の看板の決まり
- 屋上の広告塔の高さは、建物の高さの3分の2以下で、21mまで
このサイトの地域ごとのページで確かめた決まりの一部です(2026年10月時点)。
看板の重さと風は、架台と固定部で支えます
屋上看板は、鉄骨の架台を屋上に固定し、その上に表示面を取り付けます。固定部のまわりの防水と、鉄骨のさびにくさが、長く使うための大切な点です。
- 架台(鉄骨)表示面を支える鉄骨の骨組み。さび・塗装のはがれ・部材の変形やゆるみを確かめます。
- 屋上への固定部架台を建物に固定する金物やボルトと、そのまわりの防水。ゆるみや、雨水が入るすき間がないかを確かめます。
- 表示面と取付金物表示面の割れ・反り・はがれ・色あせと、架台への取付金物。
- 照明の器具とアーム外から照らす照明は、アームや接合部分の腐食と、ボルトのゆるみを確かめます。
- 高さ屋上から看板の上端までの高さ。確認申請の対象になる高さ(4m超)の測り方は、建物がある場所の確認の窓口に確かめます。
屋外広告物適正化推進委員会の「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)は、長年放置された屋上広告塔の骨組みが、さびによる腐食で傷んだ例を紹介しています。外照式の照明器具は、アームや接合部分が腐食して落下するおそれがあることや、屋上看板では小さなボルトの落下も重大な事故につながることを挙げ、自社ビルの屋上看板は点検を忘れがちだと注意しています。

長く使うために、高い位置の点検を計画します
屋上看板は、ふだん目に入りにくく、点検が後回しになりがちです。地域によっては、資格者の点検や管理者を置くことが求められるため、点検の時期と作業の方法を先に決めておきます。
国のガイドラインでも、看板の持ち主が、屋外広告士など専門の知識をもつ人に、看板の本体・接合部・支える部分の傷みを点検させることとされています。屋上看板では、次のような決まりや勧めがあります。
- 資格者の点検:地域によっては、屋上の看板を資格者が点検します(上の表の横浜市・川崎市など)
- 臨時の点検:屋外広告物適正化推進委員会のガイドブックは、震度5強以上の地震や大型の台風のあとは、専門の業者に臨時の点検を頼むよう勧めています
- 作業の計画:高い位置での作業は、建物の管理者との調整、作業の方法、道路を使う場合の許可から決めます
報告書が必要な地域では、グリーンクロスの屋外広告士が架台・固定部・表示面を点検し、自治体の様式に沿って報告書を作ります。
撤去は架台の扱いを、建て替えは出せる地域かを先に確かめます
屋上看板の撤去は、架台ごと外すか、表示面だけを替えるかで作業が変わります。建て替えを考える場合は、屋上の看板を出せる地域かを先に確かめます。
- 1
写真で状態を確かめる
建物の全体と看板の写真から、看板の大きさ、架台の傷み、作業の方法を考えます。
- 2
許可と建物の承認を確かめる
建物の所有者や管理組合の承認と、撤去したときの届出が必要かを確かめます。許可を受けていた看板を撤去したときに、届出を求める自治体があります。
- 3
作業の方法を決める
架台ごとの撤去か、表示面の交換かで、クレーンなどの機材と、資材の運び出し方が変わります。道路に機材を止める場合は、道路使用の許可を取ります。

クレーン車で看板の枠を吊り上げる - 4
撤去・交換の工事
架台を外す場合は、屋上の防水への影響も確かめます。外した看板の処分や、固定部の跡の補修の範囲は、建物の持ち主と確かめておきます。
表示面だけを替える場合は、架台をそのまま使えるかを確かめます。社名やテナントの変更でも、架台の状態がよければ、表示面の交換で済むことがあります。
補足:屋上の看板を出せない地域もあります
京都市のように屋上の看板を出せない地域では、いまの看板を建て替えられません。建て替えを考える場合は、いまの場所に出せるかを先に確かめます。
よくあるご質問
屋上看板と屋上広告塔は、同じものですか?
どちらも建物の屋上に設ける看板を指す呼び方です。鉄骨で枠を組んだ大きな看板を、広告塔と呼ぶこともあります。名前が分からなくても、建物の全体と看板の写真からご相談いただけます。
屋上看板に、確認申請は必要ですか?
高さが4mを超える広告塔・広告板は、原則として建築基準法の工作物として確認申請が必要です(建築基準法第88条・施行令第138条)。屋上の看板の高さの測り方を含めて、建物がある場所の確認の窓口に確かめます。
どこでも屋上看板を出せますか?
屋上の看板を禁止・制限している地域があります。京都市は市内全域で禁止で、東京都の住居専用地域などでは自家用でも出せません。出せる地域でも、高さや大きさの基準があるため、建物の住所から確かめてご案内します。
テナントとして入っているビルの屋上に、看板を出せますか?
建物の所有者や管理組合の承認が必要です。承認を得たうえで、屋外広告物の許可、建物の構造と屋上の強さ、防水への影響を確かめて進めます。
古い屋上看板を撤去したいのですが、何から始めればよいですか?
建物の全体と看板の写真から、看板の大きさと作業の方法を考えます。架台ごとの撤去か、表示面の交換かで作業が変わるため、建物のこれからの使い方もお知らせください。外した看板の処分や、固定部の跡の補修の範囲も、あわせて確かめます。
屋上看板の点検は、どのくらいの間隔で必要ですか?
決まった間隔は、地域や看板の大きさで違います。地域によっては、許可の更新のときに点検の結果を出す決まりや、資格者の点検が求められます。設置場所の決まりを確かめて、点検の時期をご案内します。
参考にした資料
- 建築基準法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第64条(看板等の防火措置)・第88条(工作物への準用)
- 建築基準法施行令(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第138条(工作物の指定)
- 屋外広告物適正化推進委員会「看板の安全管理ガイドブック」(2024年6月 第4版)(別のタブで開きます)東京都都市整備局のサイトに掲載
- 大阪市「広告物の設置について(建築基準法に関するお知らせ)」(別のタブで開きます)高さ4m超の広告塔・広告板の確認申請、防火地域の材料
- 国土交通省「屋外広告物条例ガイドライン(案)」の改正(平成28年4月)(別のタブで開きます)所有者・占有者の管理の責務、専門的知識を有する者による点検
- 道路交通法(e-Gov法令検索)(別のタブで開きます)第77条(道路の使用の許可)
- 京都市「京の景観ガイドライン 広告物編」条例による規制(令和8年3月改訂)(別のタブで開きます)屋上の看板の禁止
- 東京都都市整備局「屋外広告物のしおり等」(令和8年7月)(別のタブで開きます)住居専用地域などで使えない看板
- 横浜市「有資格者による屋外広告物の維持管理・点検について」(別のタブで開きます)
- 川崎市「屋外広告物の安全点検について」(別のタブで開きます)
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。写真は、グリーンクロスグループが手がけた看板と、グループの工場・施工の現場で撮影したものです。




