動物病院の看板に書けること。獣医療法の広告の決まりと、2024年の見直し
開業や移転で看板の文字を決めるとき、病院名の横に「ワクチン」や「避妊・去勢手術」と入れたくなることがあります。動物病院の看板は獣医療法の広告の決まりの対象で、病院名・診療時間・駐車場などは書けますが、獣医師の技能・療法・経歴は、法令で認められたものに限られます。2024年4月からは、診療の内容を載せるときに、問合せ先や費用などの4つの事項を一緒に書くことが条件になりました。グリーンクロスでは、載せる内容の整理から、デザイン・製作・取り付けまで、まとめて承っています。
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この記事のポイント
- 01看板は広告の媒体の一つ。病院名・電話番号・診療日と診療時間・駐車場など、技能・療法・経歴にあたらない事項は書けます
- 02技能・療法・経歴で書けるのは、専門科名と学位・称号、省令で決めた事項(避妊去勢手術・予防注射・健康診断など)です
- 032024年4月からは、診療の内容を載せるとき、問合せ先・通常必要とされる診療の内容・主なリスクや副作用・費用をすべて一緒に書きます
- 04ほかの病院と比べる言葉、大げさな言葉、診療の内容や効果についての飼い主の体験談、誤認させるおそれのある治療の前後の写真は、看板にも載せられません
- 05開業や移転の看板は、載せる内容の整理から取り付けまで、まとめて頼めます。写真1枚から無料でご相談いただけます
動物病院の看板は、獣医療法の広告の決まりの対象です
獣医療法の広告の決まりとは、獣医師や動物病院の技能・療法・経歴を、法令で認めたもののほかは広告させないしくみのことです(第17条)。農林水産省の獣医療広告ガイドラインは、広告にあたる媒体の例に看板を挙げています。院内に貼る掲示は、原則として広告にあたりません。
獣医療法の第17条第1項は、「何人も、獣医師又は診療施設の業務に関しては、次に掲げる事項を除き、その技能、療法又は経歴に関する事項を広告してはならない」と定めています。除かれる事項は、獣医師や診療施設の専門科名と、獣医師の学位又は称号の2つです。
第2項は、技能・療法・経歴のうち、広告してよいものを農林水産省令で決められるとしています。その一覧が、獣医療法施行規則の第24条です(3章)。決まりの対象は「何人も」で、農林水産省の担当者の解説は、広告を企画・制作する広告代理店なども対象になり得るとしています。
ガイドラインは、次の3つをすべて満たすものを広告としています。飼い主を誘う意図があること(誘引性)、獣医師の氏名や動物病院の名称が分かること(特定性)、一般の人が目にできる状態にあること(認知性)です。病院名を書いた看板は、この3つにあてはまります。
- 建物の看板・袖看板入口の上の看板や、壁から突き出す袖看板。ガイドラインは、広告にあたる媒体の例に「広告看板・ポスター(プラカード,建物,電車,自動車等に記載されたものを含む.)」を挙げています。
- ガラス面の外向きの表示通りを行く人が目にするものなので、看板と同じに考えます。
- 店先の黒板・スタンド看板病院の前に置くので、どの病院のものかが分かり、だれでも目にします。看板と同じに考えます。
- 敷地の入口の自立看板敷地の入口に立てる自立看板です。離れた道路沿いの野立て看板も、看板として広告の決まりの対象です。
- 往診・送迎の車の表示車体に書いた病院名も、「自動車等に記載されたもの」として、看板と同じ決まりで考えます。
- 院内の掲示・パンフレット院内の掲示や院内で配るパンフレットは、受け手が受診する動物の飼い主に限られるため、原則として広告にあたりません。
動物病院の外と中の模式図です。点線の左が建物の外、右が院内(待合室)です。
補足:ホームページは、原則として広告にあたりません
ガイドラインは、動物病院のウェブサイトを、飼い主が自分で URL を入れたり検索したりして見るものとして、原則として広告にあたらないとしています。ただし、ウェブサイトの広告、検索で上位に表示されるもの、チラシなどの二次元コードやバナー広告に連動するもの、SNS で広く拡散するものなどは、認知性があると解しています。
スタッフ募集の貼り紙のような求人の広告は、飼い主を誘うものではないため、原則として広告にあたりません。建物の外に出すものには、屋外広告物の決まりが別にかかわることがあります(8章)。
病院名・診療時間・駐車場は、看板に書けます
獣医療法が制限しているのは、技能・療法・経歴の広告です。病院名・住所・電話番号・診療日と診療時間・駐車場のように、技能・療法・経歴にあたらない事項は、看板に書けます。専門科名と、獣医師の学位・称号も書けます。
ガイドラインは、技能・療法・経歴にあたらない事項を広告できるものとし、次のような例を挙げています。病院名・所在地・管理者の氏名・連絡先も、広告できるものとして扱っています。
病院名・住所・電話番号
- ガイドラインの例・補足
- 管理者(院長など)の氏名も書ける
獣医師の名前
- ガイドラインの例・補足
- 勤務する獣医師の氏名
診療日・診療時間・予約診療
- ガイドラインの例・補足
- 予約診療ができることも書ける
休日・夜間の診療、往診
- ガイドラインの例・補足
- 行っていることを書ける
駐車場
- ガイドラインの例・補足
- 駐車場の有無、台数、駐車料金
支払い方法・動物医療保険
- ガイドラインの例・補足
- クレジットカードの使用の可否、動物医療保険の取扱代理店・取扱病院である旨
入院の設備・スタッフの体制
- ガイドラインの例・補足
- 入院施設の有無や病床数、人員配置
ペットホテル・トリミング・しつけ教室
- ガイドラインの例・補足
- 付属していること、行っていること
開院の予定日
- ガイドラインの例・補足
- 開院前の告知の看板にも
専門科名
- ガイドラインの例・補足
- 分野と、対象の動物を示す名前(下の段落)
学位・称号
- ガイドラインの例・補足
- 獣医学博士など。専門医などの資格は含まれない
獣医療法 第17条と、獣医療広告ガイドライン(2023年11月13日全部改正・2024年4月1日から)の例から。迷う内容は窓口に確かめます。
専門科名は、獣医師が診療を担当している診療科名のことです。分野を示す名前の例は、内科・消化器科・循環器科・外科・整形外科・泌尿器科などです。対象の動物を示す名前の例には、犬・猫専門科・小鳥専門科・大動物専門科などがあります。獣医学の知見や社会通念に照らして不適切な診療科名は、広告できません。
学位は獣医学博士・博士(獣医学)など、称号は新制獣医師や名誉教授などを指します。専門医・認定医のような資格や研修の履歴は、学位・称号には含まれません(資格の書き方は3章)。
病院名
- 書く内容の例
- 〇〇動物病院
専門科名
- 書く内容の例
- 内科・外科
診療時間
- 書く内容の例
- 平日 9:00〜19:00、土曜 9:00〜13:00
休診日
- 書く内容の例
- 日曜・祝日
夜間の診療
- 書く内容の例
- 木曜は20:00まで
予約・駐車場
- 書く内容の例
- 予約診療、駐車場〇台
ほかのサービス
- 書く内容の例
- ペットホテル併設
電話
- 書く内容の例
- 000-000-0000
所在地
- 書く内容の例
- 〒000-0000 〇〇市〇〇町0-0
技能・療法・経歴にあたらない事項と、専門科名だけで組み立てた見本です。曜日・時間・台数・連絡先は、実際の内容に合わせて書きます。

ワクチンや手術は、省令で決めた事項に限り、条件つきで書けます
技能・療法・経歴のうち、専門科名と学位・称号のほかに看板に書けるのは、獣医療法施行規則 第24条で決めた事項です。2024年4月からは、診療の内容を載せるときに、問合せ先・通常必要とされる診療の内容・主なリスクや副作用・費用の4つを、すべて一緒に書くことが条件になりました。ほかと比べる広告と誇大な広告は、引き続き禁止です。
獣医療法施行規則の第24条第1項は、技能・療法・経歴のうち、広告してよいものを17の号で決めています。2023年10月13日に公布された改正の省令(令和5年農林水産省令第52号)で、2024年4月1日から事項が増えました。獣医師の専門性の認定や、高度な獣医療を含む診療の内容、マイクロチップの装着などです。
獣医師と施設のこと
- 広告できる事項(号)
- 免許と開院の年月日(第1号)、獣医師の役職と略歴(第11号)、家畜防疫員(第12号)、自衛防疫事業の指定獣医師(第13号)、獣医療の団体の会員(第14号)、農林水産大臣が指定する診療施設(第15号)、農業共済組合などの嘱託獣医師・指定獣医師(第17号)
- 看板に書くときの条件
- 書ける。略歴は「〇〇動物病院院長」など。研修の受講歴は書けない
専門性の認定
- 広告できる事項(号)
- 農林水産大臣の指定する者が行う、獣医師の専門性の認定(第2号)
- 看板に書くときの条件
- 指定された団体の認定に限る(下の囲み)
医療機器
- 広告できる事項(号)
- 医療機器を所有していること(第4号)
- 看板に書くときの条件
- CT・MRI などの一般的な名称と、導入した台数や年。品名や型式番号は書けない。その機器を使う診療の内容も書くなら、4つの事項を一緒に書く
診療の内容
- 広告できる事項(号)
- 高度な獣医療を含む診療の内容(第3号)、犬・猫の避妊去勢手術(第6号)、予防注射(第7号)、寄生虫病の予防(第8号)、健康診断(第9号)、マイクロチップの装着(第10号)
- 看板に書くときの条件
- 4つの事項を一緒に書く。狂犬病の予防注射とマイクロチップは、登録などの説明も
愛玩動物看護師
- 広告できる事項(号)
- 愛玩動物看護師の勤務する診療施設であること(第16号)
- 看板に書くときの条件
- 人数は書ける。行っている診療行為は書けない
獣医療広告ガイドライン(2023年11月13日全部改正)の項目の見出しをもとに、まとまりごとに短くまとめました(条文の文言そのものではありません)。牛の受精卵の採取(第5号)も、広告できる事項です。どの号も、ほかと比べる広告と誇大な広告はできません。
4つの事項は、「問合せ先」「通常必要とされる診療の内容」「診療に係る主なリスクや副作用」「費用」です(第24条第2項)。ガイドラインは、避妊去勢手術・予防注射・寄生虫病の予防・健康診断・マイクロチップの装着のそれぞれで、この4つをすべて一緒に書くよう求めています。高度な獣医療を含む診療(第3号)は、承認を受けた動物用の医薬品や医療機器などを使う検査や手術などのことです。
- 病院名いちばん大きく書く部分です。ホームページや診察券と同じ表記にそろえます。
- 専門科名・対象の動物内科・外科などの分野と、犬・猫専門科などの対象の動物を示す名前です。
- 診療日・診療時間変わることがあるときは、差し替えやすい部分にまとめます。
- 休診日・夜間の診療・予約休診日、休日や夜間の診療、予約診療ができることは、書ける事項です。
- 駐車場・ペットホテルなど駐車場の台数、ペットホテルやトリミング、動物医療保険の取扱いなども書けます。
- 電話・所在地・QRコードQRコードを載せるときは、開くページの内容も見直します。
- 診療の内容避妊去勢手術・予防注射・健康診断など、省令で決めた技能・療法を載せる行です。
- 一緒に書く4つの事項診療の内容を載せるときは、4つの事項をすべて一緒に書きます。看板の面が混み合うため、載せるかどうかから考えます。
左は基本の情報だけで組み立てた看板、右は診療の内容も載せた看板の模式図です。表示面の帯は、文字の行を表しています。
診療の内容を載せるときに一緒に書くこと
- 問合せ先(電話番号など)
- 通常必要とされる診療の内容
- 診療に係る主なリスクや副作用
- 費用
狂犬病の予防注射を載せるときは、犬の登録・鑑札と、予防注射・注射済票の説明も書きます。マイクロチップの装着を載せるときは、犬・猫の登録の説明も書きます。どの事項も、ほかの病院と比べる言い方や、大げさな言い方はできません。
看板は、遠くから読むものほど、載せられる文字が少なくなります。4つの事項まで書ききれないときは、看板には病院名や診療時間など基本の情報を載せ、診療の内容は院内の掲示や受付での説明に回す、という分け方もあります。
医療機器・役職と略歴・資格の書き方
医療機器は、エックス線撮影装置・CT・超音波画像診断装置・MRIといった一般的な名称と、導入した台数や年を書けます(第4号)。品名や型式番号は書けません。その機器を使う検査などの診療の内容もあわせて書くときは、4つの事項をすべて一緒に書きます。
獣医師の役職と略歴(第11号)は、「〇〇大学〇〇研究室卒業」「〇〇動物病院院長」のような書き方が例に挙がっています。「〇〇研究会〇〇研修コース受講」「〇〇団体推薦獣医師」「テレビ出演獣医師」は、書けない例です。
ポイント:専門医・認定医は、指定された団体の認定に限って書けます
専門医・認定医のような資格は、2024年4月から、農林水産大臣が指定した団体が運用する認定に限って、広告できるようになりました(第2号)。ガイドラインは、「獣医師○〇〇〇(●●認定◎◎◎◎専門獣医)」のような書き方の例を示しています。非常勤の獣医師なら、非常勤であることや勤務する日時も示します。お持ちの資格が、指定された団体の認定にあたるかは、窓口に確かめます。
2024年4月の見直しで、以前と変わったことがあります
獣医療広告の決まりは、2024年4月1日に大きく見直されました。以前は「費用をあわせて広告できない」とされていたワクチンや手術の広告は、いまは費用を含む4つの事項を一緒に書くことが条件です。見直しの前の解説や、前から掲げている看板の文言は、いまの決まりと照らし合わせます。
見直しのもとになったのは、2023年10月13日に公布された獣医療法施行規則の改正と、11月13日に全部改正された獣医療広告ガイドラインです。どちらも2024年4月1日から使われています。
広告できる技能・療法
- 2024年3月まで(2014年の指針)
- 避妊去勢手術・予防注射・フィラリア症の予防・健康診断など、省令で決めた事項
- 2024年4月から
- 12の事項から17の事項に。高度な獣医療を含む診療の内容、マイクロチップの装着、役職と略歴、専門性の認定などが加わり、フィラリア症の予防は寄生虫病の予防に広がった
費用の扱い
- 2024年3月まで(2014年の指針)
- 避妊去勢手術・予防注射・フィラリア症の予防・健康診断は、費用をあわせて広告できない
- 2024年4月から
- 技能・療法を広告するときは、費用を含む4つの事項を一緒に書く
専門医・認定医
- 2024年3月まで(2014年の指針)
- 広告できない(獣医療では専門性の資格の制度が確立していないため)
- 2024年4月から
- 農林水産大臣が指定した団体の認定に限って広告できる
禁止される内容
- 2024年3月まで(2014年の指針)
- ほかと比べる広告、誇大な広告など(品位を損ねる広告は「厳に慎むべき」とされていた)
- 2024年4月から
- 虚偽の内容、公序良俗に反する内容、飼い主の体験談、誤認させるおそれのある治療の前後の写真、獣医師の品位を損なう内容が、禁止事項として加わった
動物病院のウェブサイト
- 2024年3月まで(2014年の指針)
- 原則として広告にあたらない
- 2024年4月から
- 原則として広告にあたらない。診療の内容を載せるときは、4つの事項をすべて表示することが望ましいとされる
獣医療広告ガイドライン(2014年11月25日最終改正)と、全部改正後のガイドライン(2023年11月13日)、農林水産省の担当者の解説(2023年)から。
補足:見直しの前の解説と、前から掲げている看板に気をつけます
検索で上位に出る解説には、見直しの前の内容のままのものがあります。「ワクチンや避妊手術は、費用を書かなければ広告できる」という説明は、いまの決まりとは違います。前から掲げている看板や店先の黒板に、ワクチンや手術などの言葉が入っているときは、いまの決まりに合っているかを確かめ、迷うときは窓口に相談します。

「どの病院よりも安全」「効果抜群」は、看板にも書けません
ほかの病院と比べる言葉、大げさな言葉、事実と違う内容、飼い主の体験談、誤認させるおそれのある治療の前後の写真は、看板にも書けません。費用を強調した書き方も、行うべきではないとされています。病院名に治療の方法などの言葉を入れたいときは、名前を決める前に窓口に確かめます。
比較広告
- 例
- 「どの動物病院よりも安全に手術を行います」
- ガイドラインの説明
- ほかの動物病院より優良であるかのように認識されるおそれがある
誇大広告
- 例
- 「効果抜群のワクチンを接種します」
- ガイドラインの説明
- 事実を不当に誇張して、飼い主を誤認させる
虚偽の内容
- 例
- 持っていない専門性の資格、実際には行えない診療
- ガイドラインの説明
- 広告としては認められない
公序良俗に反する内容
- 例
- 残虐な図画や映像、差別を助長する表現
- ガイドラインの説明
- 広告としては認められない
体験談
- 例
- 飼い主の主観による、診療の内容や効果の体験談
- ガイドラインの説明
- 広告できる範囲の内容であっても、認められない
治療の前後の写真
- 例
- 治療の前と後を並べた写真
- ガイドラインの説明
- 動物ごとに結果が違うため、誤認させるおそれのあるものは認められない
品位を損なう内容
- 例
- 「今なら〇円でキャンペーン実施中」
- ガイドラインの説明
- 費用を強調した広告は、行うべきではない
学位・称号にあたらない資格
- 例
- 指定された団体の認定ではない「〇〇専門医」「〇〇認定医」、研修の履歴
- ガイドラインの説明
- 学位・称号には含まれない
全部改正後の獣医療広告ガイドライン(2023年11月13日)の例から。言葉は前後の書き方や写真とあわせて判断されるため、迷うときは窓口に確かめます。
ガイドラインは、キャッチフレーズ、写真やイラスト、伏せ字や暗示的な表現であっても、3つの要件にあてはまれば広告にあたるとしています。言葉を絵や記号に置き換えても、伝わる中身で判断されます。
病院名に入れる言葉
見直しの前の2014年の版のQ&A(事例集)は、診療施設が使う名称を制限する規定はないとしたうえで、その名称を看板などで広告すれば、広告の制限を受けるとしています。名前に治療の方法などの言葉を入れたいときは、名前を決める前に、都道府県の獣医事の担当の窓口に確かめておくと安心です。
看板やのぼりの文案を見直すときに確かめること
- 病院名に、治療の方法や技能を表す言葉が入っていないか
- 「どの病院よりも」のような、ほかと比べる言葉がないか
- 「効果抜群」のような、大げさな言葉を使っていないか
- ワクチン・手術・健康診断などを書くとき、4つの事項を一緒に書いているか
- 資格は、指定された団体の認定か。研修の受講歴を並べていないか
- 費用の強調、体験談、誤認させるおそれのある前後の写真がないか
人のクリニックの看板とは、決まりの形が違います
人のクリニックの看板は医療法、動物病院の看板は獣医療法の決まりです。医療法は、広告できる事項を並べ、それ以外を原則として禁じる形です。獣医療法は、技能・療法・経歴を制限し、そのうち広告できるものを省令で決める形です。
もとになる法律
- 動物病院
- 獣医療法 第17条、獣医療法施行規則 第24条
- 人のクリニック・病院
- 医療法 第6条の5ほか
決まりの形
- 動物病院
- 技能・療法・経歴を制限し、広告できるものを省令で決める。病院名・診療時間などは書ける
- 人のクリニック・病院
- 広告できる事項を並べて示し、それ以外は原則として広告できない
国の指針
- 動物病院
- 獣医療広告ガイドライン(農林水産省。2024年4月1日から)
- 人のクリニック・病院
- 医療広告ガイドライン(厚生労働省。2026年3月30日最終改正)
院内の掲示
- 動物病院
- 原則として広告にあたらない
- 人のクリニック・病院
- 原則として広告にあたらない
相談先
- 動物病院
- 都道府県の畜産の担当や家畜保健衛生所など、獣医事の担当
- 人のクリニック・病院
- 医療機関を所管する自治体の窓口
人の医療のくわしい決まりは、医療機関の看板の記事で紹介しています。
人の医療の看板の決まりを、そのまま動物病院に当てはめると、迷いやすくなります。整骨院・接骨院・鍼灸院の看板も、また別の法律の決まりです。
看板の種類ごとに、載せる内容を分けて考えます
道路から見る自立看板には病院名と専門科名を大きく、入口のそばの表示には診療時間や休診日を載せます。夜も診療するなら、暗くなってからも病院名が読める照明を考えます。車で来る飼い主には、駐車場の場所を早めに知らせます。
- 敷地の入口の自立看板道路を走る車から読む看板です。病院名と主な専門科名に絞って、大きく書きます。
- 駐車場の案内駐車場の入口に、駐車場があることと台数を示します。
- 建物の正面の看板病院名を大きく書く、建物の顔になる看板です。夕方以降も診療するなら、照明の付いた看板にします。
- 袖看板歩道を歩く人に、横の方向から見つけてもらう看板です。
- 入口のガラス面の表示診療日・診療時間・休診日・予約診療など、近くで読む情報を載せます。
- 店先の黒板・スタンド看板お知らせを書き換えやすい看板です。ワクチンや健康診断のお知らせを書くなら、4つの事項も一緒に書きます。
- 来院の道すじ道路から駐車場、入口までを、看板の順番でつなぎます。
車で来る飼い主の道すじに沿って、看板の役割を分けた模式図です。実際の組み合わせは、建物と立地によって変わります。
遠くから読む看板に情報を詰め込むと、病院名まで読みにくくなります。診療時間のように変わることのある情報は、ガラス面やスタンド看板など、差し替えやすい場所にまとめておくと、あとで直す範囲が小さくなります。

夜間・休日の診療と、駐車場の案内
休日や夜間に診療していることは、書ける事項です。夜間の診療の時間をガラス面の表示などに添えておくと、急いで来た飼い主にも伝わります。照明の付いた看板を電源につなぐ工事は、原則として電気工事士の資格が必要です(電気工事士法)。

夜に光る文字の看板(福岡銀行)。暗くなってからも名前が読める光らせ方の例です 
駐車場とトイレの場所を、絵で示す立体的なピクトサイン
いずれもグリーンクロスグループが手がけた看板です。車で来る飼い主には、敷地に入る前から駐車場の場所が分かるようにします。
ペットホテルやトリミングを一緒に行うとき
ペットホテルを付属していることや、トリミングを行っていることも、看板に書けます。ペットホテルのように動物を預かる業務は、動物病院の届出とは別に、動物の愛護及び管理に関する法律の動物取扱業の登録が要ることがあります。登録が要るかと、そのあとの手続きは、都道府県や市の動物愛護の担当の窓口に確かめます。
看板を出す場所の決まりと、開業までの段取りを確かめます
看板に書けることとは別に、看板を出す場所の決まりがあります。屋外の看板は原則として屋外広告物条例の対象で、離れた場所の野立て看板は、小さくても許可が要る地域があります。動物病院を開設したら、開設の日から10日以内に、都道府県知事に届け出ます。
屋外に出す看板は、自分の病院の名前を出す看板でも、原則として自治体の屋外広告物条例の対象です。自分の事業所に出す看板(自家用)は、決められた大きさまで許可がいらない地域があり、その大きさや申請先は地域で違います。たとえば大阪市は、自家用の広告物は1物件あたり7㎡以内なら許可がいらず、自家用でなければ大きさにかかわらず申請が要るとしています。
動物病院から離れた道路沿いに立てる野立て看板は、この自家用にあたらないことがあります。道路の上に突き出す袖看板は、原則として、道路を管理する国や自治体の占用の許可が要ります(道路法 第32条)。敷地に建てる自立看板は、高さが4mを超えると、原則として建築基準法の工作物として確認申請が要ります(第88条・施行令第138条)。
開業までの看板の段取り(一例)
- 1
病院名と専門科名を決める
名前に治療の方法などの言葉を入れたいときは、この段階で窓口に確かめます。
- 2
載せる内容を整理する
看板ごとに載せる内容を分けます。ワクチンや手術を載せるなら、4つの事項を書ききれるかも考えます。
- 3
迷う言葉を窓口に確かめる
書けるか迷う言葉は、都道府県の獣医事の担当の窓口に確かめます。
- 4
設置場所の決まりを確かめる
建物の所有者や管理会社の承諾、屋外広告物の許可、道路の占用の許可が要るかを確かめます。
- 5
デザイン・製作・取り付け
見る距離から文字の大きさを決め、夜の見え方も確かめます。許可が要る看板は、原則として許可を受けてから取り付けます。
- 6
開設の届出
開設の日から10日以内に、都道府県知事に届け出ます(獣医療法 第3条)。窓口は、地域によって家畜保健衛生所などです。移転するときは、新しい場所での開設の届出が要ります(滋賀県の案内)。
法令・ルール:迷ったときの相談先
ガイドラインは、広告の相談の窓口を、原則として都道府県の畜産の担当課や、出先機関などの獣医事の担当としています。たとえば愛知県は開設場所を管轄する家畜保健衛生所、長野県は所在地を管轄する農業農村支援センターを案内しています。看板の許可は、看板を出す場所の自治体の、屋外広告物の窓口に確かめます。
開業や移転の看板は、載せる内容の整理から、デザイン・製作・取り付けまでまとめて頼めます
グリーンクロスは、動物病院の建物の看板・袖看板・ガラス面の表示・スタンド看板・自立看板・野立て看板を、まとめて承っています。屋外広告物の許可が要るかのご案内、夜間や土日祝の工事、複数の病院の看板の全国での対応まで、窓口はひとつです。
動物病院の看板は、建物の看板に、袖看板やガラス面の表示、スタンド看板、駐車場の案内、野立て看板を組み合わせて考えます。まとめて頼むと、書体や色、載せる内容の分け方をそろえやすく、取り付けの日程も一度に組めます。病院名が決まる前からご相談いただければ、開院の日から逆に数えて段取りを組みます。
建物・袖・ガラス面の看板の製作入口の上の看板から、袖看板、ガラス面の表示、スタンド看板まで、書体と色をそろえて作ります。内容に応じて、グループの工場か協力会社で製作します。看板製作を見る
取り付けと、夜間・土日祝の工事診療の時間に合わせて、夜間や土日祝の工事にも対応します。取り付けだけのご依頼も、看板の構造を確かめたうえで承ります。看板施工・取付を見る
表示面の貼り替え・点検と修理診療時間や載せる内容が変わったときの、表示面の貼り替えから、照明の修理、看板の点検まで承ります。看板修理・LED化を見る
複数の病院の看板を、全国でまとめて全国61拠点のネットワークで、地域をまたぐ病院グループの看板も、窓口ひとつで承ります。病院ごとの看板の管理も、ご相談いただけます。全国・多店舗の一括対応を見る
写真は、グリーンクロスグループの工場・施工の現場・スタッフです。
ご相談のときにあると進めやすいもの
- 病院の住所(テナントの場合はビルの名前も)
- 建物の外観と、看板を付けたい場所の写真(スマートフォンで撮ったもので十分です)
- 載せたい内容(病院名・専門科名・診療時間など。決まっていなくてもご相談いただけます)
- 開院・移転・改装の予定日
- テナントの場合は、管理会社やビルの看板の決まり
- 複数の病院の看板なら、病院の一覧(住所)
そろっていないものがあっても、写真1枚からご相談いただけます。
グリーンクロスは、全国61拠点のネットワークと、全国47都道府県での屋外広告業の登録で、全国の動物病院の看板に対応しています。窓口はひとつで、複数の病院を展開するグループの看板も、まとめて承ります。全国に店舗を展開する企業にも、この規模から選んでいただいています。
夜間や土日祝の工事にも対応し、看板の点検は屋外広告士が行い、自治体の様式に沿って報告書を作成します。写真から概算をお伝えし、正式なお見積りは、仕様と現地を確かめてからお出しします。載せたい内容は、デザインの前に一緒に整理します。
よくあるご質問
動物病院の看板に「ワクチン」「フィラリア予防」と書けますか?
書けますが、条件があります。予防注射と寄生虫病の予防は、獣医療法施行規則で広告できる事項に入っています。2024年4月からは、問合せ先・通常必要とされる診療の内容・主なリスクや副作用・費用の4つを、すべて一緒に書くことが条件です。狂犬病の予防注射は、犬の登録・鑑札、予防注射・注射済票の説明も添えます。
看板に「〇〇専門医」や「犬・猫専門」と書けますか?
「犬・猫専門科」のように対象の動物を示す専門科名は、ガイドラインが例に挙げている書き方です。専門医・認定医などの資格は、学位・称号には含まれません。2024年4月からは、農林水産大臣が指定した団体の認定に限って、広告できるようになりました。お持ちの資格がそれにあたるかは、窓口に確かめます。
診療の料金を看板に載せてもよいですか?
技能・療法を広告するときは、費用を含む4つの事項を一緒に書くことが条件です。一方で、ガイドラインは、費用を強調した広告は行うべきではないとし、「今なら〇円でキャンペーン実施中」を、品位を損なう例に挙げています。クレジットカードが使えるかなどの支払い方法は、書ける事項です。
夜間や休日の診療を、看板で知らせられますか?
知らせられます。ガイドラインは、休日や夜間の診療、往診を行っていることを、広告できる例に挙げています。夕方以降も診療するなら、暗くなってからも病院名と診療時間が読めるよう、照明の付いた看板や、入口のそばの表示を考えます。
院内に貼るポスターも、広告の決まりの対象ですか?
院内の掲示や院内で配るパンフレットは、受け手が受診する動物の飼い主に限られるため、原則として広告にあたりません。ただし、入口のガラスに外へ向けて貼るものは通りから見えるため、看板と同じに考えておくと安心です。
看板にQRコードを載せてもよいですか?
載せられます。動物病院のウェブサイトは原則として広告にあたりませんが、ガイドラインは、チラシなどの二次元コードに連動するものには認知性があるとしています。看板のQRコードから開くページも、広告の決まりに合っているかを見直します。
決まりに合わない看板を出すと、どうなりますか?
獣医療法 第17条第1項に違反すると、50万円以下の罰金の対象です(第20条第2号)。両罰規定により、違反した人を使う法人なども罰せられることがあります(第22条)。獣医師の場合は、獣医師法第8条による免許の取消しや業務の停止の対象にもなり得ます。指導に従わず改善されないときに、氏名などを公表する国の指針もあります。
動物病院の看板は、どこに頼めばよいですか?
デザインから製作・取り付けまで行う看板会社に頼むと、建物の看板からスタンド看板まで、まとめて進められます。グリーンクロスでは、載せる内容の整理から、デザイン・製作・取り付け、屋外広告物の許可が要るかのご案内まで承ります。夜間や土日祝の工事にも対応し、複数の病院の看板も、全国61拠点のネットワークで窓口ひとつにまとめられます。ご相談・お見積りは無料です。
参考にした資料
- 北海道 農政部生産振興局畜産振興課「獣医療広告ガイドライン」(2025年11月10日更新)(別のタブで開きます)獣医療法 第17条の条文、広告の3要件、媒体の例、2024年4月1日からの見直し、ウェブサイトの扱い、ほかの法律による規制
- 日本獣医師会「獣医療法施行規則の一部を改正する省令の公布(獣医療広告制限の見直し)について」(日本獣医師会雑誌 77巻 21〜48頁、2024年)(別のタブで開きます)農林水産省の通知と、全部改正後の獣医療広告ガイドライン(2023年11月13日)の本文:媒体の例、広告にあたらないもの、広告できる事項、併記の条件、禁止される内容、罰則、相談の窓口
- 岩田啓(農林水産省 消費・安全局畜水産安全管理課)「獣医療広告制限見直しについて」(日本獣医師会雑誌 76巻 491〜495頁、2023年)(別のタブで開きます)広告制限の対象者(何人も・広告代理店)、見直しの中身、禁止事項の追加
- 農林水産省 消費・安全局長通知「獣医療広告ガイドラインの全部改正について」(5消安第4053号、2023年11月13日。広島県の掲載)(別のタブで開きます)2014年11月25日の指針の全部を改正し、2024年4月1日から
- 愛知県「獣医療広告制限の見直しについて」(2024年3月1日更新)(別のタブで開きます)獣医療法施行規則の一部を改正する省令(令和5年農林水産省令第52号。2023年10月13日公布・2024年4月1日施行)、追加された事項、併記の制限、相談は家畜保健衛生所
- 熊本県「獣医療広告制限の見直しについて」(2024年4月1日更新)(別のタブで開きます)追加された事項と、特例に併せて課される制限
- 農林水産省 消費・安全局畜水産安全管理課「獣医療広告制限が変わります」(熊本県の掲載)(別のタブで開きます)
- 長野県「令和6年4月1日から獣医療に関する広告制限が変わります」(2023年11月15日)(別のタブで開きます)相談は、所在地を管轄する農業農村支援センター
- 沖縄県「獣医療法における飼育動物診療施設等の広告制限」(2024年1月11日更新)(別のタブで開きます)罰則(獣医療法 第20条第2号)と獣医師法第8条
- 農林水産省「獣医療広告ガイドライン」(2014年11月25日最終改正。沖縄県の掲載)(別のタブで開きます)見直しの前の決まり(費用の扱い、専門医・認定医の扱い)
- 農林水産省「獣医療広告ガイドラインに関するQ&A(事例集)」(2014年11月25日最終改正。沖縄県の掲載)(別のタブで開きます)問9(診療施設の名称と看板)
- 農林水産省「獣医療に関する違反広告者の氏名等の公表に関する指針」(沖縄県の掲載)(別のタブで開きます)指導に従わず違反状態が改善されないときは公表の対象。全部改正後のガイドライン(第6の4)も、この指針(別添1)に基づき対応するとしている
- 群馬県「飼育動物診療施設の開設届出」(2020年12月25日更新)(別のタブで開きます)獣医療法 第3条、開設の日から10日以内
- 滋賀県「飼育動物診療施設に係る届出」(2026年4月23日更新)(別のタブで開きます)変更・廃止の届出と、移転のときの開設の届出
- 中小企業基盤整備機構 J-Net21「ペットホテル」(最終内容確認日 2014年2月)(別のタブで開きます)動物取扱業の登録制
この記事について
全国看板施工・点検ナビ
運営:GREEN MEDIA(株式会社グリーンクロス グリーンメディア事業部)
監修:横田悠介(屋外広告士)
看板の製作・施工・点検・修理・撤去を、全国61拠点のネットワークで行っています。記事は、屋外広告士の監修のもとで作っています。記事の中の法令や自治体のルールは、国や自治体が公表している資料で確かめた内容で、使った資料は記事の最後に載せています。公開する前と、内容を直すときには、資料と照らし合わせて確かめています。




